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令和元年9月2日 定例記者会見 フルテキスト版

「食品ロス削減全国大会in徳島~エシカルでひろげよう~」の開催について(説明)

(幹事社)
 それでは、知事の方から発表事項の方、ご説明をお願いします。

(知事)
 おはようございます。私の方から今日は「2点」発表させていただきます。まず第1点は「食品ロス削減全国大会in徳島~エシカルでひろげよう~」の開催についてであります。
 今、国内で「年間600万トン以上」発生する「食品ロス」。まさに、食糧生産に費やされた貴重な資源が大量に失われる。また、食品の焼却処分に伴う温室効果ガスの増加に繋がることなどから、「SDGs」の12番目の目標「つくる責任つかう責任」にも掲げられた世界規模での「喫緊の課題」でありまして、本年5月には、「食品ロス削減推進法」が制定されたところであります。
 県では、これまで環境活動連携拠点「エコみらいとくしま」を核といたしまして、宴会において自席での飲食を促す「3010運動」。開会になって30分間は席を立たないで、まずは食べましょうと。そして、最後締めの前の10分、ここも席に着いて食べましょう。「3010運動」ですね。また、「食べきりの呼びかけ」を行う飲食店の募集など啓発活動等を通じ、食べ物を無駄にしない「意識の醸成」に努めてきたところ、こうした取組みが大変実を結びまして、NPOや事業者の皆様方を中心に、「フードバンク活動」や「需要予測システムの導入」など、「食品ロス削減」に向けた「動き」が広がりを見せているところであります。
 そこで、さらなる気運醸成を図るため、来る10月30日(水曜日)となりますが、大会としては「初」の都道府県主催となる「食品ロス削減全国大会in徳島」を、「徳島市」、「全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会」の皆さんとともに開催することといたしておりまして、このほど「大会プログラム」が決定いたしましたので、発表させていただきたいと思います。ということで、こちらですよね。

(右側に設置した「食品ロス削減全国大会in徳島」(ポスター)を示す)

 「プログラム」ということで、先ほど申し上げた「エシカルでひろげよう」という、副題も記させていただいていますということで、少し具体的に以下申し上げていきたいと思います。まず、基調講演につきましては、上勝町「ゼロ・ウェイストアカデミー」の理事長であり、本年1月スイスで開催された「世界経済フォーラム・年次総会」、俗に「ダボス会議」と呼んでおりますが、こちらで共同議長を務められ、環境分野で国際的に大変知名度の高い「坂野晶」さんに御講演をいただきたいと考えております。
 また、先進事例として、「株式会社キョーエイ」の皆様方からは「 フードバンク活動」について、また「上板町立高志小学校」の皆さん方からは「学校給食を通じた学習」について、それぞれ発表をいただきますとともに、「トークセッション」では、「ICTを活用した食品ロス削減」をテーマとし、「エシカル消費」の旗振り役であります四国大学短期大学部の「加渡いづみ」教授をコーディネーターとして、さらにパネリストには、最先端技術を活用した「食品ロス削減対策」を進めておられます「株式会社NTTドコモ」、また「日本気象協会」の皆さん、そして、独自の「販売予測システム」で「食品ロス削減」を図る「四国化工機株式会社」の皆様方、また、ICTを活用した効率的な「食品受け渡しシステム」の構築を目指す「フードバンクとくしま」の皆さんといった、これらのメンバーをお迎えいたしまして、来たるべき「Society5.0」の世界を視野に入れ、「食品ロス削減対策の未来」について、ご議論いただくこととしており、今後の取組みの方向性を見い出す「きっかけ」としていただければと考えております。
 地球規模で「持続可能な社会」の実現が急がれる中、法制定後「初」となる全国大会となります本大会が、「食品ロス削減対策」を加速させる「絶好の機会」となりますよう、さらに、本県が「食品ロス削減先進県」として全国をしっかりとリードすることができるように取り組んで参りたいと思います。

「フレイル予防推進事業・キックオフ講演会」の開催について(説明)

(知事)
 次に2番目、「フレイル予防推進事業・キックオフ講演会」の開催についてであります。
 去る7月30日に、厚生労働省から発表されました「平成30年簡易生命表」によりますと、日本人の「平均寿命」は、男性が、81.25歳、女性が、87.32歳となり、男女とも「過去最高」を更新するとともに、男性のランキングは「世界第3位」、銅メダル、女性が「世界第2位」、銀メダルと、世界的にも「トップクラスの水準」を維持しているところであります。
 今、国を挙げて「人生100年時代」を迎えた今、「健やかで充実した生活」を送れる期間とされる「健康寿命」を延伸させることは、まさに全ての県民、国民の皆さん方の願いであり、そこで、「加齢」に伴い「心身の活力」が低下し、「入院や要介護」の危険性が高まる状態、いわゆる、「フレイル」に着目し、県民の皆様お一人おひとりが、「心身」ともに「健康」な「アクティブシニア」として、御活躍いただくための県民総ぐるみでの「フレイル予防推進事業」をスタートいたして参ります。
 まず、その第一弾といたしまして、「フレイルに対する予防意識」を高めていただくため、来る9月12日(木曜日)となりますが、「キックオフ講演会」を開催いたします。
 講師には、「フレイル予防研究」の第一人者であられます、東京大学高齢社会総合研究機構の「飯島勝矢」教授をお招きし、「フレイル」の特徴はもとよりのこと、その予防に不可欠と言われる3要素、「栄養、運動、そして社会参加」を一体的に向上をさせることの重要性についてお話いただくほか、「フレイルの兆候」を早期に発見し、改善をするための手法について、分かりやすくご講演をいただくことといたしております。
 また、今回の「キックオフ講演会」を皮切りとして、モデル地域となる、「三好市」、「那賀町」、「藍住町」では、「医療・介護の専門職」の皆様方を「フレイルトレーナー」として、「アクティブシニア」の皆様方を「フレイルサポーター」として、それぞれ養成した上で、「地域ぐるみでのフレイルチェック」を実践いたして参ります。
 さらには、こうした地域の取組みをしっかりと後押しするため、気軽に実践することのできる「フレイル予防プログラム」や「メタボ」から「やせ予防」への適切なシフトチェンジを啓発する「低栄養・予防支援ブック」の作成についても、「医療・介護の専門職」の皆様方の御協力をいただきながら、取り組むことといたしております。今回の「フレイル予防推進事業・キックオフ講演会」を契機といたしまして、市町村や関係機関等との緊密な連携のもと、地域の「アクティブシニア」の皆様方と、「医療・介護の専門職」の皆様方がしっかりとスクラムを組むことで、「健康でアクティブ」な「シニアの輪」が県下一円に拡がり、個々の皆様方の「予防意識の高揚」や「健康寿命の延伸」、ひいては、「地域の活力向上」にも繋げることができますよう、「徳島ならでは」の「フレイル対策」にしっかりと取り組んで参りたいと考えております。私の方からは、以上「2点」です。どうぞよろしくお願いいたします。

(幹事社)
 発表事項について質問のある方はどうぞ。
 では、発表事項以外に質問のある方、お願いします。

推計人口について(質疑)

(徳島新聞社)
 先日、県の推計人口が発表されまして、人口が73万人を割り込んだということで、減少ペースが加速しているようなんですけども、県としての受け止めをお願いします。

(知事)
 今、ご質問がありましたように、去る8月29日に発表いたしました令和元年8月1日現在での本県の推計人口が73万を割る729,587名となったところでありまして、人口推計が始まったのが昭和30年ということですが、それ以来初めて、県人口が73万人を割り込んだということになります。本県の人口は、直近では6,800人程度の減少で推移をしてきた。その中身についてでありますが、その約7割、72%程度ですが、こちらは自然動態、いわゆる、生き死に、ということです。
 一方、直近の平成30年度の社会動態、これは出入り、ということですが、転入者数が3年ぶりに増加に転じる成果が表れている一方で、転出超過数は1,923人。その前の年に比べまして、40人拡大をしているんですね。好景気が背景となる、あるいは、東京オリンピック・パラリンピック、いろんなイベント事業といったものが東京をはじめとする、東京圏に集中をするっていうことで、進学、あるいは、就職を機会として特に若い皆さん方がどんどん東京圏、大都市部へと進んでいっているということなんですね。こういう傾向が現れているわけでありまして、しかしそうした中にも、大阪とかに沢山行ってるのか、あるいは、名古屋などに行ってるのかというと、そこをスルーしちゃって、結局大阪も人口減少。今は40道府県が人口減少と、こうなってるところでありました。東京の一人勝ち、こういう状況になっています。まさに東京一極集中をなんとしてでも是正をする。もちろんそれだけのことではなく日本全体の人口をいかに増に転じていくのか。統計数値としては合計特殊出生率。通例のペースでいくと2.07、この数字があると人口を維持することができる。ところが、まだまだ日本全体1.42が、直近の平均。徳島1.52ということですから、我々としても何としても自然動態、こうしたものを国全体として上げていく。 また、東京一極集中を是正して少しでも地方に新しい人の流れ、回帰。つまり、社会増減、こうしたものを均衡に持っていくといった点ではやはり地方創生、こうしたものの施策をどんどん進めて地方の魅力を高める、特に若い皆さん方に学びの場、あるいは、就業の場として徳島をはじめとする地方、これを選んでもらう。そうした意味では昨年、国が作りました、地方大学・産業創生法、その推進エンジンとなる地方大学・地域産業創生交付金事業、全国7つしか選ばれなかった。しかも、毎年10億円かける5年。それが徳島も次世代の光、これをテーマとしてね、選ばれ、既に事業に入ってるところでありまして、これによって魅力的な就学の場、そしてそれが生業となってくる魅力的な就業の場、これをどんどん進める。そしてもう一つは、東京一極集中の是正。それは何といってもこの国の統治機構である何々省、何々庁が全て霞ヶ関、東京にある。手上げ方式となったものの、今、2021年4月の京都への文化庁。しかし、今般、「まち・ひと・しごと創生基本方針」の中で、閣議決定が6月21日されまして、徳島に消費者庁の本庁である、恒常的な拠点、そして今の「消費者行政新未来創造オフィス」でやっている分野をさらに広げ、人員を拡大をして、そして徳島と東京、現段階では、ということですけどね。車の両輪として本庁機能、この充実拡大をと。
 そしていよいよ始まりますG20消費者政策国際会合。9月5日、6日。消費者庁と徳島県共催ということでね。G20ですから、20カ国とお思いかもしれませんが、なんと38カ国・機関の皆さん方が徳島に集結をし、そして世界的な消費者行政、消費者教育、これらを討議をし合い、今後の未来へ向けてのSDGs12番目。作る責任、使う責任、この達成をしっかりと行なっていく。これをレガシーとして、消費者庁が新たな機能として国際研究調査。そうしたものについての国際的な業務、これを徳島で展開される。先般、宮腰消費者担当大臣が徳島で記者会見をして、概算要求にこれを反映すると。こうした話を頂いたところであり、徳島としてはまずG20消費者政策国際会合、これをしっかりと消費者庁の皆さんとともに成し遂げ、そしてそのレガシーとして消費者庁の新たな本庁機能、世界へと。この部分を徳島でしっかりと根付き、成果を出していく、こうした形に取り組む。これもひとつの新しい人の流れを作り上げていく大きな根本となるところでありますので、自然増減はもとよりのこと、社会増減、しっかりとこうした点についても、なかなか厳しい国難とも言われる人口減少、これをしっかり迎え撃っていく。こうしたモデルを徳島はもとより、全国知事会としても、打ち上げていければと。このように考えています。以上です。

県総合戦略について(質疑)

(徳島新聞社)
 県の総合戦略が最終年度を迎えているということで、これまでの地方創生施策の効果についてはどういうふうにお考えでしょうか。

(知事)
 我々としては、5カ年の「vs東京『とくしま回帰』総合戦略」をやってきたところでありますが、特に、この人口減少を食い止めるというこうした点、あるいは、社会増減、これをなんとか均衡に持って行くと。こうした点については国全体の将来推計。これをひとつのベースとしながら、徳島、地方、四国といった所っていうのは非常に不利な状況にあるわけですが、少なくとも、日本の平均、こうしたところは目指していける、その努力をしなければいけないということで様々な政策を掲げてきたところであり、その中にはもちろん、効果をだしてきてるものもある。そうした意味では、社会増の部分も出てるわけではありますが、しかし、まだまだと言った点がありますので、当然これまでの5カ年行ってきた施策、しっかりと毎年検証はしているところではありますが、その結果を次、国がもう間もなく発表してくるとは思うわけですが、第二期となる新たな5カ年戦略、こうしたものに活かしていくことが出来ればと。その意味では国全体が人口減少なかなか食い止められていないと、国家的な課題だ、国難だと。このようになってきてるところでありますので、やはり、知恵は地方にありの言葉ではありませんが、最初に人口減少に直面するのは四国、中国、いわゆる、地方というところで。課題先進県からそれを解決する、処方箋を打ち出していく、課題解決先進県徳島としてもずっとそれに取り組んできたところでありますので、まさに地方の知恵、これをもっともっと集結をして国にしっかりと、政策提言、あるいは、国と地方協議の場、こうしたところでどんどん提案をして、それを全国に広めていく。こうした形をこれからはしっかりと取っていく。つまり、この人口減少という国難を国とともに、しっかりと、スクラムを組んで、そして、打破をしていく、それを目指す、という形で進めていければと。このように考えています。

(徳島新聞社)
 2015年に策定した人口ビジョンで2060年に60万から65万というふうな数値を設定されているが、今後、総合戦略の見直し、第二期に伴って人口ビジョンを引き下げたり、そういうお考えはありますか。

(知事)
 今お話のあった2060年、ここのところで60万から65万という少し幅を持たせた人口推計を徳島としては出した、ビジョンをね。これは実は国が2060年に1億という数字を発表した。ということであれば、普通は、徳島、四国、中国っていうのは、一番、限界集落、過疎が厳しいところでありますので、下方にこれをずらすというのが、普通はリーズナブルな考え方なんですが、それでは、施策にならない。やはり、それを少なくとも全国平均に持っていくということは1億人から割返す徳島のシェアということで、60から65万と。努力目標的にもしっかりと、それを示したということですね。しかし現実的には、国が難しくなってきた。2053年に1億を割るっていうのが、今、国の推計。こうしたものをしっかりと見る。その中で次の人口推計と、つまり、人口ビジョン、これを打ち立てていければと。確かに、60から65万、これにしがみついて行きたい所はあるんですけどね。しかし、国がここまで落ち込んでしまってるということになると、どういう風に数字を出していくのか、これまでの5カ年のトレンド、こうしたものを加味する中で出していきたいと。こう思っています。

(読売新聞社)
 自然減を食い止める、増加に転じると簡単なことではないと思うんですけども、日本全体で食い止めていくなかで、どういった点が特に大事と思われますか。

(知事)
 大きく二つ、今お話しのあった人口ってのは自然増減、社会増減と、二つあるんですね。まずは日本全体で考えた場合にはやはり自然増。これを目指していくと。つまり今1.42という合計特殊出生率。この数字だけでも少なくとも、日本全体の平均っていうかね、これが2.07、これになってようやく人口が均衡するわけですから、それを上回る、まだどの都道府県もこの域に達していない。これをしっかりと、これは国と共にやっていくと、いうことになります。つまり、子供を産み育てる、また育てやすい環境、これを国を挙げてね。今回、10月から消費税が増税になると。一方で幼児保育教育の無償化というのがスタートすると。これもその大きなひとつの施策ということになるわけですが、さらにそれぞれの地方、例えば、合計特殊出生率一番高いのが沖縄。であれば、日本全体が仮に沖縄のようになると2は超えるんですよね。だからそうした沖縄の良さ。こうしたものをもっともっと国が、やはり現場主義、国民目線ということで取り上げていただくと。我々も沖縄の皆さんと共に様々な事例、もちろん、それ沖縄以外にも良い事例がたくさんありますので、そうしたものも、やはり政策提言ということで、国にどんどん出していく。あるいは、国と地方協議の場で予算、法律、制度。こうしたものを提案、提言をしていくということが必要になると思っています。
 それから、もう一つは、格差なんですね。つまり沖縄これだけ伸びている。あるいは大都市部にはどんどんどんどん社会増減が増えている。こうしたものをやはり均衡させていく必要があるだろうと。そうなるとやはり、地方創生第2弾というものが、まずはそれぞれの都道府県、市町村が総合戦略5か年計画をどう打ち立てていくのか。それに基づく形での具体的あるいは魅力的な施策がどう実行されるのか。いわば実装されるのか、ここにかかってくる。でもそうした点については、これ大競争時代になるんで、少なくとも地方に新たな人の流れを作る。法律で先ほどご紹介をした地方大学・産業創生法。こうした法律まで作ったわけですから。やはり霞ヶ関、各省庁を地方に分散をさせることによって、そしてそれに関わる大企業の本社がそれに伴って、それぞれの地域に移って行くと、業種別に。こうした大胆な政策、これをもっともっと、加速させていく必要があるんじゃないかと。実は9月1日が、防災の日、震災を考える日。ということで全国で防災訓練、これを国も地方も行った訳なんですが、やはりこの中で防災省、防災庁とも言ってますけどね。これをやはり作るべきじゃないかと。我々関西広域連合としては、もう何度も政策提言してますし、今回7月富山で行われた全国知事会においてもその決議を行ったところなんですよね。復興庁を廃止するというものを残したということも、これありと。やはり事前復興という、徳島が今提唱しているね、こうしたものを考えると防災庁的なものと復興庁とが一緒になれば、例えば、まさに防災省として、事前復興の概念で日頃から対応していくと。なんといっても災害列島というもうひとつの国難、これを迎え撃つ大きな司令塔が恒常的な組織としてできる。確かに、内閣府の方に防災担当があるわけなんですが、各省寄せ集めという状況で100名、これではとても物足りない。だからこうしたものを、やはり、しっかりと、まずは防災庁。できれば、これも消費者庁と一緒で防災省へと。場合によっては復興庁と一体的にと。そうなると、その各機関を消費者庁はこれから東京と徳島、二眼レフってことになりますが。防災庁ができるんであれば、東京とそれから、関西広域連合の地。特に阪神淡路大震災を経験した神戸。そして今、復興庁、その局もある、例えば、福島、東北ですよね。こういう、3眼レフになりますけどね。こうした形もありじゃないかと思いますので、やはりこうした二つの国難である、人口減少と災害列島っていうのは、必ずしも違うものではなくて、やはり、これを一体的に考える、相乗的に考え、相乗効果を出すと。こういう時代に入ったんではないのかなと。こうした点も全国知事会からしっかりと政府の方に言っていきたいと思っています。

「食品ロス削減全国大会in徳島~エシカルでひろげよう~」の開催について(質疑)

(NHK放送局)
 発表事項の話を聞いていいですか。

(知事)
 どうぞ。

(NHK放送局)
 「食品ロス」の全国大会が初めて都道府県の主催になったというようなことですが。

(知事)
 そうです。

(NHK放送局)
 どうして徳島県が都道府県での主催となったのかあらためて教えてもらいたいのですが。

(知事)
 はい。実は今回、第3回でして、昨年が第2回、京都市で開催されているんですね。ということで、今までは割とこう市町村単位というか、第1回目の大会が長野県の松本市の方で行われたと。そして、第2回が昨年京都市でということで、どちらかというと、今まで「食品ロス」、そうしたものは市町村単位で割と身近なものとして対応されたと。
 しかし今、「食品ロス」これに関わる法律まで制定されたということで、国家的に取り組んでいくという気運になってきたんですね。となると、やはり市町村単位というよりは、都道府県単位で行なっていくべきじゃないかと我々の方からもそうした提言をさせていただいて、じゃあということで、法律制定後、「初」の第3回となる「食品ロス全国大会」が徳島県で主催となって行われると。
 つまり、法律の制定といったものが大きな後押し。また、国家的なあるいは、国民的な気運醸成、これを図っていく必要があるというのが背景にあると思っていただければと思います。

(NHK放送局)
 その中でも、「消費者教育」とか「エシカル消費」とかそういうところが認められたという感じなのか。

(知事)
 はい。これはやはり、「消費者庁消費者行政新未来創造オフィス」、平成29年7月24日から、徳島県とともに「食品ロス」を始めとするこの「エシカル消費」、こうしたものをどんどん展開を全国的にやってきたと。当然そうなってくると法律制定後、消費者庁の皆さん方も、じゃあこの徳島、拠点がありますから、そこでやっていこうという、国としてもそうした気運になってくるということになるかと思います。

(幹事社)
 ほかに質問のある方。

医師の確保について(質疑)

(徳島新聞社)
 9月1日から小児科救急医療が縮小になる。県として小児救急の医師の確保であったり、今後医師の確保が難しくなるということで、県として出来ることとか、県の方針ていうのうを教えてください。

(知事)
 今、日本全体が人口減少。その大きな要因が少子化、こうなるんですね。そうなってくるとお医者さんの免許には例えば、内科医とか小児科医とか産婦人科医とは書いていないですね。お医者さん、ドクターっていうのは医師法に基づいてオールマイティに診れる。ただ、これだけ、医療が高度化をしてくると、専門分野、これはやはり、持っていただく必要がある。もちろん、総合診療医という赤ひげ先生のように身近に、オールマイティに診るお医者さんも必要になるんですけどね。しかし、そうした中で専門分野で見た場合、やはり小児科、産婦人科、こうしたところは、なり手が確保できない。つまり、前に比べると、どんどん数が減っちゃうと。つまり症例を見る、その数が減るということですから、当然そこの分野にお医者さんが増えるということがないと。この傾向がずっと続いてきた。これが、俗に言う、診療科偏在という問題なんですね。今では別に産婦人科、小児科だけじゃなくて、外科あるいは麻酔科、こうしたところも、どんどん減っちゃってて。これ、大変だということになっていると。
 こうした中、特に小児科の先生方が今言うようにどんどん毎年数が、なり手が減っているんですよね。その一方で、小児科の先生は女医さんが結構多いということで、今回この小児救急が輪番で組んでいたり、こうしたわけであったり、あるいは、中核病院として南部の徳島赤十字病院。こうしたところで務めていただいている小児科の先生が、例えば、産休に入られる。こういう先生がたくさん出たんですね。ということで、実は辞められたわけじゃない。ただ産休に入られてそこが、実際、配備が難しい、当直は当然できない。そうした中で24時間365日小児救急をやるということが、やはり安全性の問題で難しくなったと。こういうことなんですね。だからこれは一時的な期間であると。我々としては、そうした先生方がまた復帰を頂いて体制をしっかりと組めるように進められればなと。しかし、根本的な問題としてはやはり、小児科医、こうしたところをもっともっと本当は目指していただきたいなと。実はNICU、っていう言葉もあるように今は少ないこの子供さん達を少しでも命を守っていこうと。消費者庁と共に子供の事故防止、これも大きいんですが、生まれた新生児、この皆さん方を大切に。そしてしっかりと守っていこうと。そうした意味ではNICU、そうした点についても、徳島大学とそのバックアップセンターとして、県立中央病院、今3階で繋がれてますよね。そうした形で少しでも助かる小さい命を救っていこうと。こうしたところでもやっていますので、より高度な小児科、これが求められると。是非、小児科をもっともっと多くの先生方が目指していただきたい。でもそのためには、先ほどから出ている、なんとしても少子化。この傾向を子供さんがどんどん増えてくる、そうした日本になれるように国と共に、力を合わせていく。これが同時並行で、あるいは、その先に進めなければいけないことかなと。このように実感をしています。

(徳島新聞社)
 なり手の確保に向けて、対策というのはありますか。

(知事)
 二とおりありまして、一つはまず全体的にはやはり、小児科を目指そうということになるとお医者さんはやはり多くの症例をこなしていかないと優秀なお医者さんにはなっていけない。じゃあその診る相手である子供さんを増やしていくと。つまり合計特殊出生率という統計でいうとね、こうした数字を上げれるぐらい魅力的な日本が、またそれぞれの地方というところが、子供を産み育てられる環境。もっというとその前に結婚をしようじゃないかと思える環境、あるいはそうした支援機関。これを充実をしていく必要があると思っています。もう一つは、今ある中で、やはり、小児科の世界っていうのがお医者さんにとって魅力的だよ、こう思っていただけるような。先ほどNICU、小児救急であったり、新生児対策であったり、こうしたところにはご紹介をさせていただいたんですがね。小さい命を助けていく。大人を助ける、これとはまた違う喜びがあると。これは小児科の先生方が、常々言われる。こんな小さい子供に、大人だったら普通に行える、気管挿管が本当に出来るのかとかね。カテーテル入れれるのか、あんなちっちゃい血管に。本当に微に入り細に入りの技術であったり、気遣いであったり、思いやりが、やはり小児科の先生方には求められる。そういう素晴らしい世界なんだと。そしてその小さい命を救えた時の喜びというね、もちろん、人を助ける、大人も同じだって言えば同じなんですが。しかしそのこの喜びが違う。こうした魅力をもっともっと、今、小児救急はじめ、新生児医療室などで活躍をされてるね、先生方が生の言葉で語って頂くと。そうしたプロモーションビデオじゃありませんけどね。県としてもそうした魅力を高めると。県の採用ビデオっていうのうは結構魅力的に作ってますけど。そういう工夫も医師会の皆さん方、あるいは、大学の方と連携してやっていく必要があるのかな。このようにも思っています。

小見野々ダムについて(質疑)

(徳島新聞社)
 小見野々のダムの移転計画について。先日国交省の2020年度の概算要求の方で移設計画が盛り込まれた。現在地から下流に移設するという計画内容ですが、これについてはまずどのように受け止められていますか。

(知事)
 まず背景というか、小見野々ダムが今ある、いわゆる那賀川。これは非常に高低差があって、でもその割には長さが短い。つまり急流。渇水と洪水を繰り返した、まさに、四国の暴れ川。徳島の場合には、四国三郎の異名を持つ日本的な暴れ川である吉野川。そして南にはこの四国の暴れ川である、那賀川。この両方の治水対策。非常に長年先人の皆さん方も苦労した。例えば、吉野川であれば、岩津から上流。吉野川全体としたら、中上流と言うんですけどね。ここをあえて、三好、美馬。このエリアには、堤防を作らせない。そしてここで氾濫原として溢れさせて、そして、岩津から下流を守ると、こうしたこともやってきた。でも今ではそういう話ではなくて、早明浦ダムも出来た。そして、利水といった観点では、池田ダムが出来て、そこから香川用水、香川は渇水を繰り返したんですね。こうした状況がある。でも、災害を受けるのは全部徳島。ということで早明浦ダムを触るにあたって、いわゆる岩津から上流の無堤地域が10、今、二つ直轄で工事をしてもらってますが、10年以内に残りの8箇所も全て着手をしてもらう。まさに美馬三好の皆さん方に長年この吉野川の、あえて国に氾濫原とされて治水対策で苦労、また多くの水害を甘受してきていただいたと。このお気持ちを察して、とにかく一日も早く無堤地区をなくし、そして美馬三好の水害を防いでいくと。こうした対策を今進めてもらっています。国と共にと。そこで問題はこの那賀川と。ここは、徳島の中にほぼ入っていますので、徳島として国と共にどうしていくのか。元々は、先般、角落としゲートができて、大規模に洪水、利水、こうした機能が高まったわけなんですが、こちらは、県営ダムとして作られたんですね。しかし、どんどんどんどん堆砂が進んでいくと、利水、あるいは、治水。そのそれぞれの機能が失われていく。このままではそう遠くなく長安口ダムは全部堆砂で埋もれてしまう。しかしなかなかこれ、堆砂を取る、難しいですよね。
 そこで国に対してなんとかこの長安口ダムを直轄で管理してもらえないだろうかと。そして、ダム改造。そして、堆砂対策、恒久堆砂対策と我々は呼んで、政策提言しましたけどね。でも国のダム、国が作ったダムを県に払い下げる。これはまあ普通あることなんですけど、県で作ったダムを国が貰い受ける。これはほぼない話なんですよね。つまり、水が上から上流から下流に流れるになっても下流から上流へ遡る、っていうのはね、鯉の滝登りじゃありませんけどね。普通は無い。しかしこれも平成16年。三位一体改革でいわゆる河川局の補助金が全て一般財源化を知事会の中で会長以下が提言をした。しかしこれ、一般財源化っていうことになると、補助金がなくなって、税として、地方税として配られる。となると、当然人口の多いところに、東京とか、大阪とか、神奈川に行っちゃうと。しかしこれらのエリアっていうのはかなり水路にしても、洪水調整も出来上がってる。地方でこそ、災害が起こる訳ですから、これはやはり国が補助金なり、国としてお金をプールしといてもらって一気に投入をして、例えば、復旧復興する。でも同じ災害が来たらまたやれるので、今徳島では再度災害防止事業ってことで、同じ規模の災害が来た場合には二度とやられない。そうした形では、災害予防、これが必要だと。平成16年、私の方から提言をさせていただいて。最初は全国知事会では、災害復旧が常識なんでそれは聞けない、っていう話もかなりきつく言われたんですよね。ちょうど災いの年、台風が10。日本に最高に上陸して。特に九州の知事さん方が、それに賛成したい。国民の生命、財産を失ってから、莫大な税金で復旧したって何の意味も無い。その前に県民、国民の生命、財産守ろう。それで2,000億の河川局の補助金が全て残るとともに年を明けた17年、大規模な災害予防を冠した日本初の国の補正が作れたんですね。そういうことで、この災害予防概念というものを作って、そうした公共事業の財源を増やした。
 そうしたこともあって、一つは飯尾川のあの加減堰。これも本来は、川っていうのは広げるのが、治水事業なのに、ここもあえて下流の徳島市の南北井上を守るために、ちょうど今フジグラン石井のところでね、狭めて、狭窄の部分を作って、溢れさせて、もっと言うとそこから上流の鴨島ね。今の吉野川市、ここも水害にさせて下流を守るという手法をかつて国は取った訳なんですよね。それだけ技術力が無かった。しかし、まずここで、角ノ瀬の排水機場。今は、飯尾川が直接、吉野川に流れてたものが鮎喰川に流すと。そこへポンプアップをする。そして、樋門を作る。しかも角ノ瀬の排水機場は四国最大、毎秒20トン。本当は40トンあると理論的には加減堰両方飛ばすことができる。しかし半分ということがあって右岸を飛ばしてますね。これによって、その後、ほぼ、あのフジグランの所では水害が起きない。今回の大きなあの台風の時にも大丈夫と。この角ノ瀬の排水機場がいきなり建設費として直轄で付いてますね。そしてもう一つが長安口ダムの国での直轄。これは少し時間がかかりましたけどね。これをやっていただいて、そしてダムを水を溜めながら、ダムサイトを切って角落としゲートにも、それから、洪水吐ゲート。これによって洪水、あるいは、治水の容量、非常治水、利水の容量が増した。もう一つは、恒久堆砂対策といった点についても、すでに工事が始まって。つまり坂州木頭川からの方がたくさん砂利が入ってくる、ということがあって、破砕帯があるんですね。もうすでに埋もれてしまったいわゆる砂防ダムである追立ダム。これもう砂防堰堤になってんだけど。これを掘り返してポケットにしてそこからベルトコンベアでトンネルで抜いてそして、長安口ダムの下流にこの砂利をどんどん流すと。この今恒久堆砂対策っていうかね。今は中長期の堆砂対策、国は言ってますけどね。これも今、工事が始まった。そうした中で国としては、これ全て世界初のこと。今あるダムをどう、維持していくのか。
 そこでこの小見野々ダム、これは、四国電力が作ったダム。いわゆる発電のダムですよね。でもこれもほとんど埋もれてしまった。これは地元那賀町の皆さん、木頭の皆さん方が、なんとかこれ堆砂対策やってよって。でも四電もとてもとてもそんなお金ない。ということで何と国土交通省はそれを国のダムに一端引き上げて、そして改造しようと。もちろんこの小見野々ダムを長安口ダムのように水を溜めながら改良する手法であったり、あるいは恒久堆砂対策をやる。これも当然考えるわけなんですけどね。そうした中でやっぱり、選択肢として、下流域にもう一つ作るか、こうした手法も考える。我々として様々な、しかも、流域住民の皆さん方が納得していただけるような形で。そして那賀川全体の治水、利水。その効果を高めると。今でもかなり高まった。そして、平成26、27。大きな水害。これが那賀町の鷲敷土佐地区。さらには阿南の加茂谷、ここで起こった。これもいよいよ令和2年度中にはまさに再度災害防止事業として。加茂谷は国の直轄。そして鷲敷土佐。那賀町は県の補助事業として今急ピッチで行ってるわけですので、これらとも合わせて、この那賀川の治水利水安全度を飛躍的に高めると。いうことを進めていきたいと。こう考えていますので、決して今回の小見野々ダムだけということではなく、那賀川全体の治水利水といったものを考えて、これは国と共にやっていきたいと。このように考えています。

(徳島新聞社)
 この計画についてですが、浸水被害への軽減が期待されるんですけども、一方で、周辺が水没であるとか、環境の変化も懸念される声もある。その辺は県としてどのように。

(知事)
 これはまず、今回の事業で水没をするということがあるとは聞いてはいないんですよね。こうした点については、やはり、何度も国の方には、地元そのエリアの人達、何と言っても、かつては、細川内ダムの建設を巡って自殺者まで出すと。大変なことが起こったわけですんでね。やはり、そうした過去の歴史というものを国にしっかりと踏まえていただいて、しかし今回の事業、この小見野々ダムがどんどんどんどん意味が無くなってくるものをあえて逆に、意味のあるものにして、那賀川の治水、利水の安全度を高める。この大きな方向というのはおそらく、これは、那賀川流域の住民の皆さんにとっても、理解して頂ける方向だと、これだけの、水害を繰り返したんですからね。渇水も含めて。ですから後は、地域住民の皆さん方がしっかりと、それなら協力するよ、やろうよ共にと。こうなる方向で進めていただけばと。国の方には常々申し上げてることですけどね。

(幹事社)
 他によろしいでしょうか。では、知事ありがとうございました。

(知事)
 それでは、よろしくお願いします。

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