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令和元年8月26日定例記者会見項目別

「令和元年度徳島県総合防災訓練」の実施について(質疑)(その3)

(NHK放送局)
 今回の訓練のテーマでもあると思うんですけど、県南が孤立するというところで、この計画の中にも海洋町が孤立する地域として指定されているんですけど、県として、「南海トラフ巨大地震」が起きて、県南が「孤立」するといったときにそれに対する対応としてどのような状況が考えられるか。「孤立」というところに関して、具体的な取組みとしてどう進めていくか。

(知事)
 まず、県南地域の孤立の状況ということなんですが、「南海トラフ巨大地震」が起こったと。そして、津波が押し寄せる、こうなりますと、国道55号、確かに立派な幹線道路なんですが、これが、おそらく波をかぶって寸断されてしまうということで、今、四国横断自動車道で阿南までですね、そして、阿南安芸自動車道で、例えば、阿南安芸自動車道の阿南から繋がっていく「桑野」、「福井」ここはもう事業化がされている、そして、その先の「日和佐道路」はもう供用開始がされていると。ただ、「日和佐道路」の終点から牟岐のエリア、ここがまだ事業化されていないと。しかし、その先には、今年、いわゆる「海部野根道路」ということで事業化が進むということになっています。
しかし、はっきり申し上げて、これらができるっていうのは1年、2年でできるもんでは到底ないわけでありますので、当然その間に「南海トラフ」が来るということになると、国道55号が寸断される、もちろん「日和佐道路」は使えることになるんですけどね。そうした形でそれぞれの集落、あるいは、市町村が完全に孤立をする、こうしたことは想像に難くないと。となってくると、陸上は無理、救援・救助はですね、その場合にやはり、海と空ということになります。
 そこで、「まぜのおか」、ここに「南部防災館」を建てたのもその意味ということでありまして、ここをまさに「災害対策南部本部」に位置付けまして、そしてここには、平時はインディゴソックスなどが試合をするね、蛇王球場、こうしたところをヘリポートとして活用する、また、「東日本大震災」発災以降は都道府県立の病院としては「全国初」、高台移転をした「海部病院」、ここはもう「南海トラフ」を迎え撃つことを前提としていますので、病院本体のヘリポート、ドクターヘリが平時離発着するのは当然なんですが、いわゆる海上自衛隊、あるいは、陸上自衛隊の双発ヘリ、10トン以上のものですね、これらもこの病院のヘリポートに、10トンのうち前半のものであれば止まることができると。
そして、ただそれを超えるものについては、今度はその隣にある立体駐車場の上に「ヘリポート」、これを用意しておりまして、これは十分、対応可能ということで、陸上自衛隊、海上自衛隊、さらには、海上保安庁、こうしたところの重たい双発ヘリ、そして、ドクターヘリ、防災ヘリ、警察のヘリ、こうしたものが同時に離発着することができるようにしているんですね。という形で空への色々な救援・救助というものをまずしっかりとと。
そして、今度は海からということで、こちらにつきましても、「まぜのおか」周辺、こうしたところにそうした、海上から、当然その間は、ヘリポートになったり、ホバークラフトに立ったりということがあるかと思うんですけどね、こうした形で海と空からしっかりと、孤立対応していくと、これが物理的な面ということになります。
 ただ、物理的な面だけではなくてもっと重要なのが、これは昨今、いろんな所で、例えば、中山間地域でがけ崩れなどで、いわゆる「土砂災害」で孤立化した場合に起こるのは、電話ですとか、あるいは電気、こうしたものが切れてしまうと。こうしたものについて、特に今回は、電話、携帯電話ですね、あるいは、普通の固定電話、こうしたものがまずは切れると、切れた後にいかに速やかに復旧をしていくのか。そこで、自衛隊はもとより、電力事業者、また通信事業者の皆さんと組んでやってみようと。自衛隊とライフラインの事業者の皆さんとの意思疎通、そして、一致協力してどういった形ができるのかと。こうしたものが大きなテーマとさせていただいています。
 そしてもう一つは、当然のことながら、空からということでありますと、今もご説明申し上げたように、様々な機関、様々な種類のヘリが、いわゆるその地域に集まってくるんですね。そうなってくるとお互いの意思疎通、これが難しい。場合によっては、目視ができたところでぶつかってしまうということは当然あり得りますので、初めて、航空自衛隊の皆さん方に参加をしていただく、しかも、福岡が管制ということでね、こうした形で各ヘリコプターのいわゆる、統制を執ると。
 実は、最初に私が知事になってから、このヘリコプターの統制を執ったのは、平成16年、あの災いの年。ちょうど、木沢でお二人が亡くなることになるんですね。さがしゅう木頭がここからドンと持ってかれて、そこでいわゆる、木沢が孤立化してしまうということで、ちょうど、閉校していた木沢の中学校、そこの校庭、ここに「ハンター」というね、陸上自衛隊のヘリ、松茂の方から飛びまして。この時に実は陸上自衛隊、防災ヘリ、また県警のヘリが、いわゆる入谷のエリア、空が非常に狭いエリアに7機集まったんですね。その場合は、事前に用意をしたんではなくて、それぞれの7機の間で相互調整をして、1機だけがホワリングをして真ん中で、そしてそれぞれの指示を出すというね、いわゆる、統制をその場で即応でやったんですね。
 しかし、こうしたものを事前にしっかりとやっておこうと。実は、阪神・淡路大震災の時にわれわれは非常に大きな教訓を受けたんですね。いわゆる、長田をはじめ神戸の町。まずは倒壊し、火が出たと。そういったところにマスコミのヘリを統制できなかったということで、多くのマスコミが独自にヘリを調達して、そして、火が出ようというところ、ばんばんばんばん、ヘリコプターで、いわば、巨大な扇風機で火を煽ると。この時にはとにかくこのヘリを何とかできないだろうかと。緊急着陸というのもあったんですが、降りる場所がない、また、事前にそうしたものが整備されていない。こうしたことがあって、政府の方からマスコミ各社の方に共同取材にしてくれということで、1機のヘリにしていただいたんですね。まあこうした、これもその場でバタバタバタバタ、やってと、ちょうど私は消防庁長官付、そのとき、その日からなってましたんでね、官邸での会議、あるいは自民党の部会、様々な会議に出ていましたけど、そうしたもののルール化が全くなされていなかった。ヘリコプターを有効に、民間、あるいは様々な、防災関係機関と、そうした大きな教訓があったんで。少なくとも16年の時には、そういう形で、これもその場で執っていただいたんですけどね。その後、しっかりとその統制を執るということも必要と。また、そのルール化、精度化をしていくと。簡単に言ってしまうと、「マニュアル化」ということになるんですけどね。こうしたことを陸、海、空、3自衛隊の皆さま方に協力をいただいてしっかりとやってみようと、「初」のことということになります。

(幹事社)
 ほかに質問のある方は。なければ、その他発表事項の質問の方に移ろうかと思います。
では、その他質問がある方、おいでになりますか。

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