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平成31年4月22日 定例記者会見 項目別

和牛の受精卵等の持ち出しについて(質疑)

(徳島新聞社)
 先般発生した和牛の受精卵と精液の持ち出されそうになった事件を受けて、今月下旬から関係者を対象にした説明会を開いていくと。内容として、法令の遵守であったり、流通管理の徹底を呼びかけるというような内容だと思うんですけれど。以前、知事の会見の中で農林水産省内に設けられている有識者会議の動向を注視していくということをおっしゃっていたかと思うんですけれども。説明会を開くっていうのは、一つの事件を受けての行動だと思うんですが、県として、何か、独自の枠組み、要綱であったりとか、そういった流通管理に関する何か規程というのを設ける予定があるのか。あるいは、単に、関係者にそういったものを呼びかけるだけなのか。その後のお考えをお伺いできたらと思います。

(知事)
 これはいわゆる遺伝子情報であったり、今回は牛ということでしたので、いわゆる動物ですよね。それ以外の、例えば、植物の情報。こうしたものをいかに知的財産としてしっかりと守っていくのか。海外流出をどう防いでいくのか。こうした点が大きな課題となった。
 かつてから日本はこの知的財産、こうした点について少し甘いんじゃないかと。意識は高いんですが、防御といった意味で、非常に甘い。場合によっては産業スパイ天国などということも、よく言われて。例えば、イチゴ。皆さん方も食べるイチゴ。どこに種があるのと子どもさん達によくいわれるんだけど、外側に付いてるブツブツだよという話がある。それをそのまま生で、出していきますよね。それは、栽培することが可能なわけで。例えば、「あまおう」という品種があって、非常に人気が高いわけなんですが、韓国に行ったり、中国に行ったらいくらでも、それをより改良した「あまおう」版が、「あまおう」2世3世、って言った方がいいのか。それはどんどん高い値段で売られている。日本から「あまおう」を持っていく。いやいや、日本の「あまおう」よりも中国の、韓国の、「あまおう」の方が美味しいから、いらないと言われる。これはよく言われる一例なのですけど。
 だからこうした遺伝子情報であるとか、いわゆる知的財産をどう保護していくのか、しっかりと考える必要が、今回の事件あるんではないか。ただ、今、御質問があったように、徳島として様々な実は、政策提言をすぐさま行いたいということはあったんですが、実は一点、少しそれに踏み込めなかった点がある。
 というのは、本県のブリーダーの方の所からこれが出て、そして逮捕という事件にまで発展をした。つまり、徳島県として、遵法精神と言ったものを、ブリーダーの皆さん方にしっかりと伝えてこなかったんじゃないか。このように、仮に、政策提言をしたときに国に、つまり、農林水産省の皆さんに言われてしまうと。はい、そうですねということになってしまうんですよね。
 そこで、まずは、対策としては持っていたんですが、国の有識者会議の対応。実は、有識者会議の中にもそうした問題意識が非常にあるところでありますので、それをしっかりと見守り、そして踏まえさせていただいた上で、我々が考えていた対応といったものをよりバージョンアップする形で、農林水産省の方に提言をしようとした準備で前回の会見のときには見守るということを申し上げたんですね。
 今、御質問いただきましたので、どんな点で考えてるんだといった点をあえて申し上げたいと思います。今回の点、例えば同じ遺伝子情報の中で、徳島が今や世界に誇る地鶏ナンバーワンの阿波尾鶏。かつては、名古屋コーチンとか、比内地鶏がナンバーワンブランドだったんです。しかし、本県から産んだこの阿波尾鶏が、彼らは出荷羽数が大体40万羽とか50万羽なんです。でも、徳島の阿波尾鶏は200万羽と桁が違うということで、日本でも地鶏といえば、阿波尾鶏。ナンバーワンブランドで、海外にも展開をしてるんですね。しかしこれも当然のことながら、卵という遺伝子情報があって、それをスッと改良されるということになると、より改良バージョンで新たな地鶏ができて上がってしまう。
 ということで、ここのところはしっかりと、これを守る。卵という状況でね、あまり言い過ぎると、徳島県の企業秘密をばらしちゃうことになるんで、そこまでにしときますけどね。
 そして、守ると同時に、トレーサビリティ。つまり、入口と出口をしっかりと監視をするということを徹底をしてきている。これは養鶏農家の皆さん方にも協力を頂いてるところなんです。しかし、今回の和牛の点については、このトレーサビリティ、ここが欠けていた。もしこれが、ちゃんとできていれば、直ちに分かった所なんです。摘発される前に。ということで、このトレーサビリティをいかに、和牛のその精子といった遺伝子情報を確保していくのか。鳴門わかめのときにもそのトレーサビリティの話があったわけですけど。ここが大きなポイントになってくる。
 しかも、こうしたものを海外に流出をどう防いでいくのか。ここのところもなかなか難しい。法律でただ単に定めることができるかできないかの一番のグレーゾーンのところという課題もありましてね。
 そうした意味もあって、我々として、今言った大きな点を政策提言しようと。すぐさま行こうと考えていたんですが、本県から出たということもあって、そこのところは慎重にさせていただき、有識者会議その流れをしっかりと見守った上で、さらに改良バージョンを提言できればと考えています。

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