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平成31年3月11日 定例記者会見 項目別

JR四国の路線別収支について(質疑)

(徳島新聞社)
 先日、JRの方から路線ごとの収支が示されて、県内非常に厳しい状況で、県南の方は特に赤字が大きいということになっているんですが、まず、受け止めからお願いします。

(知事)
 先般、JR四国の皆さん方が四国の各JRの路線ごと、つまり、例えば100円を稼ぐのにどのくらいのコストをかけているのか。こうした路線別収支が出されるということになりました。もとより四国全域で厳しい数字が出てくるというのは、想像に難くなかった。というのは、もう少し経営がJR四国よりはいいんじゃないだろうかと思われていたJR北海道が新幹線は函館から札幌まで引かなければいけないこともあり。あるいは各路線の保線を維持管理するのが非常に厳しいということで、様々ないわゆる維持管理の不適切な管理といったものが指摘をされ、改善命令が出される。そうした中、JR北海道が出した結論というのが、何と半分の路線の廃止という大変ショッキングな発表がありました。これに伴って、JR北海道がずっと温めてきた鉄路と道路と両方走ることのできる、DMV、デュアル・モード・ビークルの開発もこれで止めるということになったところでもありました。
 当然こうした波というのは、次はJR四国に来るであろう。JR北海道がああであれば、恐らくJR四国は3分の2は廃線になるんではないか。こうしたことが出ても、うーんという話があって、しかしここはJR四国は少し対応が違っていたんですね。当然そうした日は来る。であればその前にもう少し沿線自治体の皆さん。あるい有識者の皆さん方とともに、その後のJR四国の在り方、鉄道の在り方といったものを検討しよう。在り方の研究会を四国全域で立ち上げよう。私もメンバーとして参加をさせていただいて、第1回のときには課題や未来展望を申し上げ、そして、DMVの話も申し上げました。つまりデュアル・モード・ビークルについても、JR北海道が断念するということであればこのすばらしい技術をJR四国、そして徳島県、また高知県も含めてでありますが、四国が受け継ぐべきであろう。ということで、これがいよいよオリンピックの年、2020年に阿佐東線で営業運転をDMVで行う。つい先般はそのための独自に車両開発をする。まさに営業運転用のDMVのお披露目第1号を行わせていただいたところでもあります。
 こうした形で今、JR四国管内では何としてもこの鉄路、基幹交通としてまず維持をして、それに合わせる今度は、枝葉となってくるバスの路線であるとか、あるいはそれ以外の新たな手段というものがないだろうか。こうしたものをしっかりと考えていこう、四国全体で。こういう形で何度か検討会、有識者会議をこなしてきたところでありました。
 そうした中、JR四国としてもやはりそうした各路線の厳しさといったものを沿線自治体の皆さん、関係者に知っていただこうという形で、その発表ということにつながった。
 かつてから、国鉄時代からと言った方がいいのかもしれませんが、四国にある路線の中で一番収支が厳しいというのは過去から牟岐線と、このように言われた。特に、牟岐線も全域ということではなくて、阿南からその南。つまり海部駅までが牟岐線となりますので、そこが一番厳しいということは言われておりました。
 我々としても、危機感を持っていたということもあって、DMV、これは国の技術審査会の中からいわゆるDMVだけが走る区間にまず、営業運転を認めましょうということになりましたので、阿佐海岸鉄道区間。つまり、今だと海部駅から甲浦駅間だけDMVが鉄路を走ることができることになっていたんです。
 しかし、橋上駅に甲浦も海部駅もなってるんですよね。高架構造になっている。でもDMVの一番の特色というのは鉄路と道路を走るっていうことですから、道路に高架の場合には下ろさなきゃいけない。甲浦の場合には、どうにもならないので、今その工事をスロープを付けて、下の道路へ下ろせる。モードチェンジを切り替えられる、そうした部分を工事してるんですけどね。
 では、海部駅までこれをするかと。大体この経費に1億円ぐらいかかってしまいますので。じゃあこれをお隣の牟岐線の阿波海南駅はどうだろう。ここは、実は、平面交差の駅なんです。ということで、実は、JR四国から阿波海南までを貰い受けよう。恐らく、よそのところではそういうことをやったことがないと思うんですけど。
 ということで、我々としては、阿佐海岸鉄道、その区間を甲浦から阿波海南まで伸ばすと。つまりその区間DMVが走ることができますし、海部駅だったら1億円ぐらいかかった下へ降ろすためのいわゆる、モードチェンジのための施設にほとんどお金がかからなくていいということがありますので。こうした点、これも実は、JR四国の皆さん方は高く評価していただいている。
 また、さらに阿佐海岸鉄道に対しての様々な支援も行ってきていただいている。車両であったり、人的な問題であったり。こうした点も極力、阿佐海岸鉄道株式会社、あるいは沿線自治体。これは、徳島県と高知県ともにということですけどね。この中でしっかりとやっていこうという形をし、JR四国の皆さん方の負担を極力軽減していく。
 また今度、もう間もなく発表となってまいりますが、いわゆる鉄道とバスとをきっちりとパチッと合わせていく新しい考え方。つまり「パターンダイヤ」。こうしたものについてもまずは徳島県内からやってみようではないかと。こうした様々な提案を行って、我々としてはまずこの一番厳しいと言われる、牟岐線を何としても維持をしていくんだ。廃止と言われてしまってからそれを守るということは至難の業なんですね。しかし、徳島県内が、また高知県とも連携をしながら何としても維持をしようとしている。JR四国に協力をしようとしている。こうした姿勢というのはもちろん、半井社長さんはじめ、JR四国の皆さん方にも評価を頂いているところであります。そうした動きというのは、四国全域に、もし、広がっていけば、四国の鉄路というものをしっかりと守っていく、大きな突破口になるんではないか。我々としては絶対に、JR北海道の轍(てつ)を踏んではいけない。逆にJR九州のような形が果たしてとれるんだろうか。ここは、逆にJR四国の皆さん方と新たにチャレンジをする。
 では何でこのJR九州とJR北海道にこだわるのか。これは、国鉄が分割民営化をされたときに、絶対に単独で黒字にならないであろうと。実は私もこのとき自治省で担当をしておりましたんで。そうした意味で、この3つを三島。北海道、九州、四国、という3つの島ということで、三島の特別の制度。これは、財政支援、また税制での支援。両面から支援制度を作ってきたんですね。
 例えば財政支援。これは大きな基金を作って、ここから運用益でこれらに財政的な支援を行う。もう一つは、税制。例えば、固定資産税。こうしたものを大幅に減免をする。こうした形で支援をしてきた。しかし、JR九州は新幹線が博多から何と鹿児島まで通ることになりましてね。そしてこれによる不動産ブームによって実は黒字になったです。
 ということで3島という会計の中からスピンアウト、飛び出すことに卒業することになりまして、今では、2島への支援という形になりました。我々としては成功事例として、JR九州のように、決して、JR九州も鉄道で黒字にはなってないですよね。しかし、それにかかわる博多地区などでの不動産部分。例えばホテルを作るとか、マンションを作るとか。こうしたことで黒字化することができた。
 これについては、JR四国、半井社長さんがお遍路さんをはじめ、これからはインバウンドブームになる。駅の近くに、いわゆる宿泊施設、簡易の。あるいは食事の場所、こうしたものを作ろうと。これをまず第1号を阿波池田駅、真正面に作ってくれたんですよね。非常に好調と、お遍路さんをはじめ、海外の皆さん方ですね。これを四国全域に広げていくと。いわばJR九州の一つの派生系と言っていいかもしれません。
 そしてもう一つは、やはり、JR北海道の轍を踏まないようにということで。今回の阿佐海岸鉄道の事例を一つとして、我々としてはまずは、牟岐線。そしてさらには厳しいと言われている鳴門線。つまり、閉鎖区間であれば大丈夫という条件を、DMVつけられているわけですが、これが、阿佐東線で大丈夫だという形になってくれば、相互乗り入れを可能とすれば、今度は例えば鳴門線の方にDMVを走らせる。これができれば鳴門の駅は実は鳴門のプラットホームから向こう先は、網で囲ってるだけで、開ければそのまま道路に出て行くことができるんです。つまりDMVにとっては、ほとんど改良をせずして、道路を走り、例えば、ポカリスエットスタジアムに走り込んで行くことができる。そのときにはヴォルティスがJ1に戻ってほしいんですけどね。
 あるいはこれから3年連続で国際スポーツ大会があって、特に鳴門の地には、事前チームキャンプ、あるいは、キャンプが非常に増えてくるところでもありますので、そうした形をこれからレガシーとしてどう残していくのか、全国大会を。あるいは、国際大会を。そうしたときにDMVが鳴門線でも走らすことができるということになってくれば、まさに大きな起爆剤となるし。また、中山間地域からどんどんどんどん公共交通が失われて、免許返上はしたものの何に乗ったらいいんだ。こうしたものに対してもDMVはバスともなり、そのまま、鉄路を走ることができる。例えば蔵本駅であれば、総合メディカルゾーン、徳島大学病院、そして、県立中央病院の方にそのまま走り込んでいくこともできるわけですね。
 ということで、我々は、未来志向をしっかりとする中で、JR四国の皆さん方とともに、何としても、牟岐線をはじめ、徳島県内の鉄路を守り抜く、そしてより利便性を高めていく、次世代の公共交通体系をしっかりと作り上げていきたいと考えています。以上です。

(徳島新聞社)
 今のお話は、鳴門線でDMVを走らせる検討を始めるというお話ですか。

(知事)
 いいえ、まずこれは将来の可能性ということです。あくまでも今、国の技術審査会の方から言われてるのは、DMVを走らすのは、営業運転としては、閉鎖区間だけ。つまり、阿佐東線だけ。つまりJRの他の線が入らないということですね。そういった区間だけと言われてます。でも実証というか、もうこれからは営業運転ですけど、それを行ってこれは大丈夫だというふうになったら当然、技術審査会の方から、相互乗り入れということも今度はやってみますかということは当然、想像に難くない。そうなった場合にその候補として、鳴門線が上がってくるということです。

(徳島新聞社)
 DMVとかですね、パターンダイヤのお話というのが基本的なお話だったと思うんですけれども、以前からそういうお話はされてきたと思うんですけれど、具体的な数字が示されて県として、何か検討を指示したりとかですね。今後維持に向けた協議が具体的なところがこの数字をもって始まっていくと思うんですけども。そういった対応っていうのはないですか。今のところは。

(知事)
 今回、来年、いよいよ阿佐東線にDMVが走る訳ですから。今申し上げたように、これまでJR四国が阿佐東線へ支援をしていただいた分についての負担の軽減というものを行う。これはもう既にJR四国の負担が軽減されてるっていう一つの事例ですから。そして阿波海南までは、こっちは貰い受けるわけでしょ。当然ただでもらい受ける訳ではないですからね。ここも、逆に言うと、支援というよりもJR四国の負担軽減ということになり、結果としては、牟岐線の阿南から南に向けての収支改善につながる。
 そしてさらに営業運転をすることによって、今申し上げた、鳴門線への可能性というものが見えてくる。また、パターンダイヤはまだやっていないですけどね。これからそれをやることによって、より牟岐線、あるいは、そのJR四国に乗る皆さん方が増えてくるということになれば当然、収支改善につながってくるということになりますから。
 いよいよ今までやってきたこと。もう既に収支改善に貢献してる部分もあるし。より具体的に、そして他の路線に応用が利くといったことも提示をできるわけですから、まさにこれからそうしたスタートを切っていくと。やはり未来に対して希望がなければ、JR四国の皆さん方も、これはなかなか維持をしていくっていうことが難しいという結論になってしまうということですから。我々としては常に今あること、そしてさらに、次に、もうすぐできること。そして将来展望とこの三つを提示していくということと思っています。

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