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平成30年12月28日 年末(臨時)記者会見 項目別

この1年を振り返って(説明)

(幹事社:司会)
 年末の臨時記者会見を始めます。知事よろしくお願いします。

(知事)
 それでは、御用納めを迎えましたので、私の方からまずは一年を振り返ってということで、お話を申し上げたいと思います。
​大抵は、干支が年頭会見に言った通りになったのかどうか、当たったのか外れたのかというところから始まるところでありますので、少し干支から振り返ってみたいと思います。
 今年は「戊戌(つちのえ・いぬ)」の年ということで、非常に良いものも悪いものもない交ぜとなって混迷の状況になっている。そうしたものが繁茂している。こうしたものの中から明るい兆しを見出して、そして大胆な剪定を行い根に太陽がしっかりと届くようにする。こうすることによって、一新・維新を産む年であると申し上げたかと思います。まさにその干支の通りになった1年かと思います。

 まずは、国内の情勢を少し振り返ってみたいと思います。
 清水寺の偉いお坊さんが今年一年の漢字「災」と書きました。まさに「災害列島」そのものとなりました。6月には、発生確率が低いと言われていた直下型の活断層地震が、大阪府北部で。7月には、徳島も三好市が大きな被害を受けましたが、7月豪雨で愛媛県が。あるいは、広島、岡山と200名を超える尊い命が失われました。そして、8月に今度は主役は徳島となりました。台風20、21号が相次いで史上初めて年間に二つの台風が徳島に上陸をする。台風21号は、なんと関西国際空港を使用不能にしてしまいました。もういいよと、国民の皆さんも思われたと思うんですが、しかし、9月には台風24号が北海道から離れるか離れないかの時に、また直下型の地震が今度は北海道で、胆振東部地震が。台風と直下型地震がほぼ同時に起きる、複合災害も現実のものだと、我々はまざまざと見せつけられたところであり、こうしたまさに、災害列島の様相となりました。
 しかし、こうしたものの中で暗い話題ばかりだったのかではなくて、二度同じものを受けても、次はしっかりと対応していくんだということで、受援体制の必要性を全国で共有することとなりました。
 徳島はもちろん、関西広域連合の一員でありますから、その一員であった大阪府への救援はもとよりのことですが、しかもこうしたものの中で、特に7月豪雨災害では、愛媛県に対して徳島県が、関西広域連合、あるいは全国知事会、そして国の窓口となって復旧に、今は復興に向けて支援をさせて頂き、ここでは国が新たに作った対口支援。例えば避難所対応であったり、あるいは、災害マネジメント総括支援員制度ということで、例えば、市町村長さんがあまり災害に詳しくない。でも、そこにプロフェッショナル人材をサポート役として送るという国の制度が、ちょうど発足したばかりだったんです。
 そうした中で、一番人員を抱えている、あるいは独自の制度も作っている徳島、当然のことながら、全国からご指名を受けて、そして徳島が宇和島市をはじめ、愛媛県をしっかりとサポートすることとなりました。
 こうした形で、今までは応援をすることに、色々な意図を持ってきたわけでありますが、これからは、そうした応援の受け入れ体制をどうするのか。こうしたものを全国で共有したのではないかと思っております。

 また、制度も大きく様変わりとなりました。
 一つは、民法改正で約140年ぶりの成年年齢の引き下げが行われました。若年の消費者被害を逆に助長するのではないか、多くの心配が国会の論議でもなされたところでありました。
 この点につきましては、昨年7月24日から消費者行政新未来創造オフィスが徳島県庁10階に。そしてその中に、この成年年齢引き下げに向けて若年消費者の被害防止。消費者庁が作った「社会への扉」を活用した公民、あるいは、家庭科の授業を徳島県では公私を問わず、特別支援学校も含め、高専も入れ全56校で展開をしたところであり、また公開授業として、全国の教育者の皆様方にもしっかりと、そうした授業の様相を見ていただいたところであり、この国会での民法改正の論議の中でも実は半分以上の答弁が、この消費者行政新未来創造オフィスでの徳島県庁と連携した事業展開がその答弁に用いられたところであります。そして2月には、消費者庁、法務省、そして金融庁と文部科学省、4省庁がアクションプログラムを作り上げ、そして、成年年齢の引き下げは2022年の4月からであるわけでありますが、これを迎え撃つために、2020年度までには、47都道府県全てで「社会への扉」を使った授業の展開が動き出したところでもありました。
 また、更にはこの様々な事業展開といったものをしっかりと、この国のトップが、ご覧をいただいたことにもなりました。9月1日には、現職総理としては初めて、安倍総理が徳島県庁にお越し頂きまして、そしてこの消費者行政新未来創造オフィスの取組みを直接見て頂き、私の方からもプレゼンテーションをさせていただいたところであります。そして、こうしたものの中で、総理の方からは全国展開に向けていい流れができている。徳島からどんどんモデルを出して頂き、この流れを強くしていただきたい。期待を込めて、お話を頂いたところでもありました。
 まさに地方創生、そして東京一極集中の是正という中で、なかなか、この流れを変えるのが難しい。しかし、この国を統治機構である何々省、何々庁が、霞ヶ関、東京から地方へ展開し、地方をフィールドとして、それぞれの事業展開をしていく。今までは、霞ヶ関から様々な政策を発信し、金太郎飴的に、地方にこれをやらせてきたと言ったら言葉があまり良くないかもしれませんが、地方はこれを倣ってきた。
 しかしこれからは、それぞれ特色のある先進地域で国が政策を新たに作り、そこをフィールドとして、地方から全国に政策を広げていく。この国としての新たな政策形成の形が作られた、これも記念すべき年であったんではないかと思っております。
​また、出入国管理法が改正になったり、働き方改革関連法が成立したりということで、この働き方、あるいは、人材不足、これはやはり国難と言われる人口減少がそのバックボーンにあるところでありました。
 こうした法律も成立し、例えば働き方改革関連法は、来年4月から順次、施行となるところであります。そうした意味では、そのキーワードがテレワーク。在宅勤務、モバイルワーク、そしてサテライトオフィス。全てのそのモデルが、徳島にということでありますので、徳島としてもその先陣を切って、さらなるモデルを作り上げ、人口減少がしばらく続くこの日本の中で、優良な企業の皆さん方がしっかりと欲しい人材を獲得することのできる、新たな形を作りあげていくことができればと考えております。

 そしてもう一つ、制度として大きいものは、参議院制度であります。前回の参議院選挙において、参議院が戦後できて、各都道府県の代表である、最高裁の大法廷判例の中にもかつては書かれた言葉でありましたが、しかし、人口減少に伴い、一票の較差を、司法の場が大変、強調されるようになりました。そこで立法府としても、何としてもこれに対応しなければいけないということで、公職選挙法が改正され、徳島と高知、さらには、島根と鳥取が合区となり、その結果、何が起こったのか。投票率は、高知県が全国最下位。そして、徳島県がブービー。さらには、参議院ができてから必ず、各都道府県代表が選ばれていたのに、鳥取県からは、とうとう参議院議員が選ばれなくなったということで、全国知事会において、また地方六団体あげて、この合区の解消を求める決議大会も東京で行わさせていただきました。その処方箋につきましては、全国知事会「総合戦略・政権評価特別委員会」私が委員長でありますが、その有識者会議であるとか、様々な場において、それを作り、国会の方にも参考人として呼ばれ、そうした点について意見陳述もさせていただいたところでありました。
​残念ながら合区の解消には至らなかったわけでありますが、改正公職選挙法が成立し、少なくとも、どの県からも参議院議員を出せる可能性が制度として作られたところであります。あくまでもこれは緊急避難ということでありますので、来年の参議院選挙はやむをえないかもしれませんが、その後に向けては憲法改正を含め、しっかりと制度として参議院の位置づけをしていただきたいと考えております。

 また、日本国というだけではなくて海外へ目を転じてみますと、アメリカのトランプ大統領が誕生し、自国ファーストの動きがどんどん世界中に、今広がってるところであります。そうした意味ではこの移民、難民問題をきっかけとして、ヨーロッパでの多くの政権が、大変、窮地に追い込まれるという状態となりました。まさに、世界全体が自国ファーストの波に、その価値観に飲み込まれようとしているところで、日本におきましても、例えば、対中国問題、対ロシア問題。あるいは、正に隣国である朝鮮半島。もちろん、アメリカもということで、多くの外交において、厳しい局面に立たされてきているところでもありました。やはり我々どうしても内政を預かる身であるわけでありますが、この外交といった点についてもしっかりとアンテナを立てなければ難しい。
 その意味では、草の根外交と言われる徳島としては、ドイツ・ニーダーザクセン州であったり、中国・湖南省であったり、あるいは、ブラジル・サンパウロ州。友好提携を県として結んでいるところもあるわけでありまして、今こそ、こうした皆さん方としっかりと手を携えて、そして地方から、外交を動かすことができないんだろうか。そうした意味ではドイツの皆さん方とは、スポーツ交流、文化交流、経済交流はもとよりでありますが、こうした点についてもヴァイル首相とはお会いをする度にお話もさせていただくところであります。
 友好提携を結んだ時の首相でありましたヴルフさんは、第10代ドイツ大統領となられ、今年は徳島県にもお越しを頂き、意見交換もさせていただきました。この中では、関西万博の協力要請もお願いして、ああしたらいい、こうしたらいいと、アドバイスもいただいたところであり、無事2025年の大阪関西万博も決まりました。そして徳島にとってみますと、昭和45年の大阪万博は対岸で大きな万国博覧会が行われるんだなと、これを見てきた立場でありましたが、今度はしっかりと誘致を支え、そしてこれからは、その成功に向けて協力していくという新たな局面、立場に立つこととなったところであり、二度目の大阪万博だという意味だけではなく、新たな展開がここに見えてくることとなりました。
 ということで、徳島からも世界に向けての動き、もちろん、TPP11であったり日・EU・EPA、こうした点についてもまず守りをしっかりと固め、しかし攻めに転じる大きなチャンスもいただいたということで、輸出戦略を強力に展開をしていく。
 その意味では、インバウンドと合わせ、海外からダイレクトに海にそして空へと窓口が必要となる。まず、豪華客船の誘致についても、着々と進んでいるところであり、今年は4月にマジェスティック・プリンセス。乗員、乗客、合わせて5100名とひとつの街が動いてくる。とにかく桜を見たいということで、勝浦の桜まつりに大型バス57台。もちろん、鳴門の渦潮を見たい、うだつを見たいというバスも展開を致しましたので、多くの皆さん方に徳島を体感をしていただいたところでもあります。
 また、空の玄関として1月21日から徳島阿波おどり空港がまさに国際空港機能を持つこととなり、香港との間で、連続チャーター便、キャセイ・ドラゴン航空、LCCではなくキャセイパシフィックグループのまさにフルキャリアでありますが、こちらが飛び、そして、冬から春にかけて、さらには夏ということで、なんと搭乗率が83.8パーセント、これが、12月19日からの季節定期便、徳島県政としては初でありますが、こちらに繋がることとなりました。今では、インバウンドの皆さん方だけではなくて、アウトバウンド、徳島県民、あるいは四国の皆さん方も、徳島阿波おどり空港から香港へ旅立っていただくことができるようになり、香港との人との、また経済のつながりも強くなっていく兆しが見えてきたところであります。

 また、東京オリンピック、あるいは来年のラグビーワールドカップ、そしてワールドマスターズゲームズ2021関西、この3年連続での国際大会、その前哨戦として、昨年は、日本初となるラフティングの世界選手権大会が大歩危小歩危で、今年はアジア初となるウェイクボード世界選手権大会が池田湖で開催されました。
 そして、来年はラグビーのワールドカップということで、こちらについても、ラグビー熱を高めていこう、絶好の機会ではないかということで、事前チームキャンプが、徳島では大関栃ノ心の母国であるジョージアの事前チームキャンプが決まったところであります。来年はいやが応でも、ラグビー熱が高まっていくんではないか。また、ジョージアという国、ワイン発祥の地でもあるわけでありまして、そちらに対しての関心も非常に高まっていくんではないか。そうした意味では、東京の新たな情報発信の場である「ターンテーブル」を通じて、ジョージアのものについても、PRすることができないであろうかと今進めているところでもあります。
 また、その翌年となる、東京オリ・パラは、国の定めたホストタウン。徳島県では言うまでもなくベートーヴェン「第九」アジア初演がとりもつ縁。今年は特にその100周年が様々な形で展開をされた年でもありました。次の時代へベートーベン「第九」初演の地をつないでいっていただこうと、ドイツ・ニーダーザクセン州からの高校生の皆さん方100名、台湾からの50名を含む約3000名の大合唱団が2月に展開され、そして、日独双方が定めた「第九」100周年を祝う記念事業の第1号に認定もされたところでありました。
 こうしたご縁、徳島がドイツの東京オリンピックのホストタウン。今年は、ちょうど東京オリンピック柔道大会の前哨戦となるグランドスラム大阪が行われ、こちらにドイツナショナルチームが、事前キャンプに、徳島に訪れていただくとともに、年が明けますと、正式に、事前キャンプの調印を行うことが決定をしているところであります。
 また、カヌーも、ドイツのナショナルチームの皆さん方6人中5名がメダリストということで、この皆さん方の秋季トレーニングキャンプが、川口湖で行われました。そして今後はオリンピックの事前キャンプの地として、その取り組みを進めていこうということで合意がなされております。
 さらにはハンドボール。ドイツ男子ハンドボールチームは世界ランキング第1位ということで、日本の男子ナショナルチームがいくらオファーしても、これまで一度も相手にしていただけなかった。しかし、昨年のドイツ・ニーダーザクセン州との友好提携10周年。そして、ホストタウンは徳島だということから、徳島県からニーダーザクセン州、そして、ドイツナショナルチームへのオファーということであれば、徳島でやろう。6月にアスティ徳島で記念すべき両ナショナルチームの対戦が実現したところであり、こちらにつきましても事前キャンプを徳島へという流れが進んできているところであります。
 こうした形でスポーツにおいても大きくこれからの3大国際スポーツ大会、その歩みを進めることができたのではないかと思っております。

 こうした形で、徳島としては、多くのモデルを出してきたわけでありますが、しかし今大きな課題として、人口減少とともに高齢化に対しての対応も求められております。2025年問題ということで、地域包括ケアシステムを一日も早く築き上げなければいけない。徳島としては、高齢化率が全国第5位ということで、西日本の中でもまず徳島が、地域包括ケアシステムであったり、あるいは高齢者の皆様方がアクティブ・シニアとして元気に活躍していただく。日本版のCCRC。国のモデルは、三好市、県のモデルは美馬市と指定がなされているところであります。こうした動きについても大きく歩みを進める一年となりました。
 徳島では介護現場。なかなか、給料をあげることができない。勤務条件を良くすることが難しい。でもニーズは高い。こうした中で、県版介護助手制度を昨年度スタートさせ、OJT研修ということで、各施設の皆さん方に引き受けて頂いて研修を受ける。介護周辺業務というものを切り分けて、アクティブ・シニアの皆さん方に行って頂き、これによって現役の皆さん方に対して、より多くの賃金が。そして、より多くの自由な時間を持っていただけるように、こうした制度をスタートし、今年度は2年次目となりました。多くの施設の皆さん方から、あるいはアクティブ・シニアの皆さん方からもっと、定数を増やしてくれと、増やしたんですが、それでも倍率は倍以上となり、決めた定数をさらに増やしてOJT研修を受けていてるところであります。こうした取組みを全国知事会で表明したところ、茨城県の方で是非採用したい。そして今年は、概算要求の中に国の制度として盛り込まれ、年末の政府予算案の中にそれがそのまま新しい介護助手制度として、平成31年度から国の制度としてスタートすることとなりました。
​徳島としては、着々と、これをもう一つの大変だという現場、保育の現場にもアクティブ・シニアの皆さん方に続々と出て行っていただこうと、次なるチャレンジも行っていこうとそういう取り決めをした一年でもありました。

 こうした形で、徳島としては、この1年陰陽の様々な問題が、日本あるいは海外とある中で、何としても明るい陽の兆しを見出していく。そうしたものの中で地方創生、県民の皆さん方に、あるいはその旗手として全国の皆さん方にモデルを提示することができた。
そうした一年であったんではないのかなと思うところであります。
 なかなか、来年を展望しても厳しい時代がますます来るんではないか。災害ももっともっと地球温暖化が成せる技ということで、厳しくなるんではないか。こうしたものも垣間見られるところでありますが、この一年を振り返ってみますと、今申し上げたような感じではなかったのかなと私の方からは思うところであります。
 本当に皆様方には、この一年お世話になりました。ありがとうございました。

(幹事社)
 では、質問を受け付けますので、質問のある社は挙手をお願いします。

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