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(徳島新聞社)
ふるさと納税についてです。佐那河内村がですね、返礼率が50%のクオカードとか旅行券で寄付を集めて県の方から指摘があったようなんですけれども、それについて知事の受け止めをお願いします。
(知事)
これはマスコミの報道にも出ているところなんですけど。佐那河内村の方で、いわゆる総務大臣通知に抵触する返礼品が送付されていた。といったものが10月2日に判明したところでありますので、県としては翌日となる10月3日に佐那河内村の方に対して、直ちに見直しを依頼させていただいた。
これは佐那河内村だけという話ではなくて、他にも当然ある可能性がありますから、全市町村に対しても改めてであるんですけど、返礼品の自己点検を行っていただくように通知を発出させていただいたところであります。
その結果、今も、お話がありましたように、佐那河内村、クオカードなどを出していたんですが、この返礼品については、自主的に取りやめをなされたところとなります。
ということで、やはり金品に当たるもの。金券ですよね。あるいは、どこかの家電製品とか。そうした、やはり、地元のものとは余り関係のない。それから、換金性の高いもの、こうしたものについては、やはり自粛をすべきだと。
つまり、ふるさと納税という制度。あくまでも、これは税制度であると。その原点をやはり忘れないでいただきたい。そしてふるさと。これは別に佐那河内村、あるいは、徳島県出身というだけではなくて、徳島を、佐那河内村を、第二の故郷だ。あるいは応援したいとこういう人たちの気持ちをね、受け入れると。どちらかというと、その返礼品で釣る、ということはあんまりよくないんですけど。それを目的に寄付を集めると。
現に、佐那河内村の場合も、こうしたものに切り替えたとたんに、わあっと増えた。それはなぜかというと、カタログが出てるから。全国ネットでね。そこを見てる訳ですよ、みんなが。だからその佐那河内村に、あるいは、徳島県にということじゃなくて、そのものが欲しいからふるさと納税をする。これ全然意味が違う。
だから、私はじめ、当時の全国知事会でふるさと納税を提案した、その気持ち。つまり、一般的な例ですけど。18歳までそれぞれの地で、徳島をはじめ地方で育って、そして、大体大学で、関西であるとか、あるいは東京の方へ行く。そしてそのままそこで就職をしてしまう。つまり、就職をして初めて税を納める。それまでは、例えば、義務教育にしてみても、あるいは高等学校にしても、その地域で育む。地域の税で育んでいく。そして、稼げるようになる。そしたら今度は東京で、大阪でそれを落とす。
これは少しね。まあ、確かにそれは応益課税という意味があるから、その地域でもっていろんなものを利活用してるんで、それに見合った形で税を出す。これは地方税の根本なんですけどね。
しかし、もうちょっとあったっていいんじゃないって。やっぱり、そのふるさとに育ててもらった。ようやくお返しができるようになった。税金という形でね。その時に、それは全然違う、東京とか大阪に全部100パーセント落ちちゃう。
これはやっぱりおかしいよね。やはりふるさとに対して自分の気持ちを伝えたい。でも、それをしたくてもなかなか難しかった部分がありまして、それを税という形でやるべきだということを当時東京都知事は石原慎太郎さんだったですけど、大反対って言って、東京、神奈川、大阪、愛知の皆さん方が言うんでね。
いや、そんなに自信ないんですかと。つまり、それは取られると思うから、反対と言う訳で。そうじゃなくて、東京が、あるいは大阪が、魅力のあるところであって。いやいやいや、自分東京出身だけど、どこかに今行ってると。徳島来てると。徳島に全部税金を払うのは、ちょっとって、東京にまた、とこういうのありなんだから。
それ、自信ないんですかと私は言ったんですよ。いや、そんなことないよと石原さんは言うからね。じゃあ、公開討論しましょうよと。おお、そんなこと言ってねえと、こういう話があったんで。確かに、地方同士の地方税の奪い合いというのは少し支障があるんで、制度を一部変えさせていただいて私から提案させていただいて、実は所得税にもこれを入れようとした。
そしたら石原さんは、所得税にかけてくれるんだったら構わないよ。国も負担するんだろ。ということで実は東京都は賛成って言ってくれた。そしたらおもしろいよね。神奈川、愛知、大阪の知事さん方。え~、いう感じで、パタパタバタバタって賛成と、全会一致で賛成になった。
それがふるさと納税が出来た、創設の時の話ね。
だから、私としてはせっかく地方税として、こういう画期的な税金ができた。なんせ、その当時にはふるさと創生とかね、地方創生なんて言葉なかったんだから。
それを考えると、この制度というのは、もっともっとその制度の根幹を考えてもらって、うまく使ってもらいたい。
そして、これが今で言うところの地方創生の、新たな地方への回帰。これに結びつけていただく大きな起爆剤ね、ツールにしてもらいたいなという気持ちがこれあるんで。
そこのところはちゃんと皆さん方、御自分で税制というものを考えてもらいたいな。いちいち国の方に通知を出されるとか、3割が限界だとか。
確かに、私はずっと、すだち、一箱だけだけどね。ケチと言われて、それから今カタログにしてますけどね。 でもそれでも、とくしま特選ブランドから選んでいただくと、いうことにしてますからね。
そういう形で、このふるさと納税議論というのは、一定のところに落ち着くんじゃないのかなと。気づきの問題ですからね。
(徳島新聞社)
一定のところに落ち着くのではないかというお話でしたけれども、知事としては今後ふるさと納税がどうなっていくのが望ましいとお考えでしょうか。
(知事)
はい。これは、やはり返礼品といったものの中身。さっき言った金券であるとか、海外の電化製品に人気があるからとか、そんな話ではなくて、まさに地元のもの。感謝の念としてお送りをする。それを目当てにふるさと納税してくれということではなくてね。より、好きになってほしいと。そうした意味合いのものを、まずは、お気持ちとして、これはお接待の話な訳ですからね。
現にその税金で一部負担をしていただく部分はある訳なんですけど。しかし、その方のお気持ちというものは、それで実行できてる訳だから。本当は何もなくてもということはあるんだけれども、気持ちとして、その気持ちに対して気持ちで答えるということだということなんでね。
その3割程度がとか、何とかって線を引かれないといかんというのはちょっと寂しい感じがしますよね。