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平成30年8月9日 臨時記者会見 項目別

徳島県勝浦町における「国内最古級の恐竜化石含有層(ボーン・ベッド)」と「新たな恐竜化石等」の発見について(質疑)

(幹事社)
 徳島新聞です。それでは、随時、質問の方させていただけたらと思います。じゃあ、先に1つよろしいでしょうか。東先生に。今回のボーンベッドなんですが、これは、大きさというか、サイズというか、厚みというか、それはどういったものになりますでしょうか。

(特別館長)
 きちっと発掘してないんで、全部は分からないんですけど。今回の現場行ったことあるんですけども、今回の発見に立ち会っていないんであれなんですけど、そんなに広い面積じゃないはずです。ですから、密度的にあまり広くない場所から50個近く出てるので、私の30年間の経験からいえば、恐竜化石を発掘し始めた時の感じかなというふうに思っています。

(徳島新聞社)
 今回の45点というのは、すべてその層の中から見つかったというふうになるわけでしょうか。

(特別館長)
 転石のものもあるんですが、大半は同じ層から出たというふうにお聞きしております。

(読売新聞社)
 ボーンベッドというのは国内では他の地域でも出ているとは思うんですけど、さっきおっしゃっていた中央構造線より南側、いわゆる勝浦町が含まれる地域では珍しいものなんですか。

(特別館長)
 さっきちょっと話したんですけども、全体で今、1道17県から出ているんですけども。

(読売新聞社)
 ボーンベッドが。

(特別館長)
 いや、恐竜の化石が。その中で、ボーンベッドと呼べるものが10か所かなと思います。その中でも、10か所、無理やり入れた2か所もありますので。要するにですね、入ってた時はボーンベッドっていうんですけど、採ってしまってもう無くなった場所をボーンベッドと呼んでいいかどうか、判断がつかないんですが。この際、一応入れて10カ所なんです。で、それを抜くと2カ所か3カ所減ります。で、その減った中でも勝浦町はトップではないんですけど、結構その真ん中ぐらいに、密度としてはくるんじゃないかなと思っています。

(読売新聞社)
 これまでに、発掘した場所に10カ所ボーンベッドが見つかっていますよね。今回、先生のご認識ですけど、11カ所目。

(特別館長)
 いや、これで10カ所目。

(読売新聞社)
 これで10。今回含めて10ということ。

(特別館長)
 はい。

(関西テレビ)
 今回の発見というのは、恐竜化石の研究にとって、端的に言うとどのような発見になりますでしょうか。

(特別館長)
 先ほども申し上げましたけども、日本における恐竜出現時期の最も古い時期のものですから、やはりいつ頃から日本に恐竜が住みだしたかが大事なことなんですね。それが今度はどこからやってきたかという問題なんですけども、それを明らかにするには歯だけではちょっと難しいので、せめて学名がつけられれば、系統発生的にどこのものと近いとかですね、そういう議論ができます。ということでですね、そういう可能性が強く考えられる場所になったんじゃないかなというのが僕個人的に最大の意義だと思います。

(関西テレビ)
 知事と町長どちらにもお答えいただきたいんですけども、これから、先生からもありましたけれどもボーンベッドが見つかったということで、これからも期待されるということでしたけども、県としてまた町としてこれから恐竜の化石の採出についてどのような期待がありますか。

(知事)
 やはり、まず、そういうボーンベッドだということですから、今、東特別館長さんからも様々なものが、これから出てくるんじゃないだろうかと期待が寄せられたところですから、まずは丁寧に発掘をしていく。非常に発掘はデリケートな作業となりますので、根気とそして時間がいるということになります。また、そのエリアを保存していかないといけない。おそらく今日のこの発表を得て、多くの人たちがおそらく現地へ殺到することが予想されるんですよね。しかも現地は民有地でもありますし、非常に急峻な場所でもあります。そうした意味ではそうしたものを探しに行った人がケガをするということもありますし、民有地に勝手に踏み込むというのもまずいところとなりますので。我々としては勝浦町の皆さん方としっかりと連携をしてもちろん土地の所有者のご理解ということは言える訳ですが、しっかりとそれを保全をしていく。そして今後の掘削の作業ですね。そうしたものをバックアップしていく。ここが大変重要ではないかと思っています。

(野上町長)
 勝浦町として、今、知事の方からもお言葉あったんですが、現場は非常に急峻な山の中になります。それから同じように私有地であること、それからアクセス、そこまでの道のりはかなり狭隘で周りの山からもいろんな落石がある。道路もそういった落石。今まで勝浦町にそういった発掘をしようということで入って来られる方いらっしゃるんですが、きちんとマナーを守ってくれる方もいます。ただ、マナーを守らない方などもいらっしゃるのも現実です。地元の方にとっては、そういったマナーを守らない方によって道路に落石が出てきたり、あるいは自分たちの生活に支障が生まれるというようなことも今までございました。まず、今回発見された地層の保全というのが勝浦町、もちろん徳島県にもご協力、ご指導いただかなければいかんのですが、保全というのがまず勝浦町の役目かなというふうに考えております。

(関西テレビ)
 保全はもちろんあるんですけども、県として町として、結構大きい発見だと思うんですけど、寄せる期待というのは、どういう部分がありますか。

(知事)
 もちろんこれは、またこれからも多くのものが出てくるであろうという話がありましたし、今回だけでも日本最古級のものという話が出ておりますので、ますますそうしたものの期待。そして東特別館長さんからも話があったように、おそらく勝浦だとか徳島を冠したね、名前が重要なんだというお話が今ありましたよね。例えば、カツウラザウルスとか。そういった名前が出てくるんじゃないか。そうしたものをまずは出していただいて、そして今度はそれと同時に我々として勝浦の名前であるとか、徳島の名前がPRされてくる。ここからなんだと思いますね。先ほどの中にもそれぞれの地域の名前が。例えばタイのやつというとタイの名前が入ってましたよね。それとだいたい同じぐらいの古さだということですから、あそこにトクシマサウルスとか。カツウラサウルスだったら、世界中の人たちがそれを見て、これ日本の徳島勝浦というとこなんだよ。これだけでも知名度バンバン上がる。何といっても、この恐竜というのは、我々の世代でもジュラシックパーク。今はワールドといっていますけど。ああした映画の題材として、子どもさんから大人まで、まさにワクワクするような世界なわけですから、大いに期待をしたい。
 特に、我々として今、博物館30周年が2020年東京オリパラの年なんですよね。ということがありますのでそうしたものを逆に目玉にしていこうと。特に今回は展示替えをしやすく、そして、アップトゥデートのものにしていくということで4Kであるとか、VRですよね。あるいは非常にハンズオンという、触ってもいいよ、あるいは触ることによって周りがインタラクティブに変わっていく。こうしたものを導入しようと決めているところです。まさにジュラシックパーク、あるいはワールドが、その目の前に広がってくというのが、コンセプトとして非常に大きな要素になってくるということで期待は無限大ということですね。

(野上町長)
 勝浦町としましては、実は24年前に初めてイグアノドン類の恐竜化石が発掘された時に、地元のNPO法人がすぐに反応しまして、そこの地域に恐竜の里という手作りの公園を整備されたわけですけど。そのあたりも、ちょうど私役場の方の広報を担当しておりまして、その広報にジュラシックタウンという表紙見出しでPRしたこともあります。その後、NPO法人等がここの恐竜の里までのウォークラリーであるとか、恐竜の化石等の勉強というかフィールドワークみたいなのを受けながらそこまで歩いて行くというイベントをやっておりますし、また、お店屋さんあたりでも鹿の肉を利用したイグアノ丼とかいう丼をその時出したというようなこともございました。やっぱりそういったことで町の大きな財産になると思いますし、これから町づくりをしていく上での本当に大きな資源になると思うんです。その活用については、今まで取り組んできたようなこと以外にもっと考えられるんでないか。先ほどのコメントの中でも申し上げましたが、子ども達からの期待はかなり大きいものもあります。そういったものについて、考えていく必要があるんじゃなかろうかというふうに思っています。

(NHK)
 東特別館長にお聞きしたいんですけども、先ほども少し触れていらっしゃいましたけども、今回のボーンベッドの発見がどう意義があるか、なぜ恐竜の進化を解明するために重要な地域となっていくかっていうあたりもう少し御説明していただいていいですか。

(特別館長)
 先ほども言ったと思うんですけど、ひとつは日本産の恐竜が最古、古い時期のもの。これはものすごい大事なことなんですね。いつ頃、どっからやってきたってやっぱり興味ありますよね。それが大事なことなんです。さっき言わなかったんですが、最近の、福井の研究で、アジアどころかヨーロッパのあたりとの福井の恐竜の関連というのがものすごい親戚関係にあるんです。それよりも古い時期のものがここで採れてますので、ヨーロッパあたりに起源を発するものは間違いないんですけど、どう言う経路でこの海岸、当時の太平洋岸、今も太平洋に近いですけども、その住み始めたのかっていうのが日本の恐竜の研究のひとつの大きな課題ではないかというふうに思ってますので。そこが重要だということ。
 それから、重ねて申し上げますけども、有力なボーンベッドというふうに認定できるということです。それは今後の発掘なり、研究の発展に期待できるというふうなことだと思います。

(NHK)
 ボーンベッドが10カ所あるということなんですが、太平洋側ではないっていうことなんですか。

(特別館長)
 三重県も鳥羽竜という、学名ではないんですけど、結構大きな手足が出てまして、ただ、地層が立ってまして、採り尽くしてですね、それ以上発掘できない状態なんです。ただ、違う場所で見つかればそうなんです。ただ、確認されてません。そういう意味で、さっきの10カ所には入れているんですけども、それを除けば太平洋側で最大規模といいますか最有力といいますかということができると思います。

(NHK)
 新しく見つかって、これから掘るというボーンベッドとしてはここが、徳島が唯一で、ただこれまで見つかっているボーンベッドとしては三重が太平洋側にあると、その2カ所だと。分かりました。

(共同通信社)
 前回の見つかった歯は、転石からということですけども、その転石で見つかったのと、今回のボーンベッドは、関係あるんでしょうか。

(特別館長)
 地層が今回の所とつながってるんですね。転石ってのは、落ちてきた石なんで、おそらく地層の分布の範囲なんです。ですから、全く関係ないところから流れてきたものじゃないと思います。出てきた歯もよく似てますので、まず一緒の層だと思います。重ねて言いますけど、落ちてきた石ですと、どの地層かっていうのが特定できないんですね。それを2年間かけてですね、この地層というのを見つけられたんで、2年間の成果かなというふうに皆さんに敬意を表します。

(司会)
 お時間もそろそろ参りましたので、最後にこの度発見されました化石を囲んで記念撮影を行いたいと思いますので、発表者の皆さま、発見者の皆さま、前にお進み下さい。

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