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平成30年8月20日 定例記者会見 項目別

徳島市の阿波おどりについて(質疑)

(NHK)
 今年の阿波おどりについて、総踊りが演舞場以外の場所で強行されるというまさに異例の阿波おどりになったわけですけども、この総踊りが演舞場以外の場所で強行されたことについて、どのように受け止めているかをまずお聞きしたいんですけども。

(知事)
 はい。この度は、このどちらかというと振興協会を中心にやってくる、いわゆる振興協会に所属をするすべての連が一堂に会して、従来は南内町の演舞場の方で行われていたものですけどね。そうした点について、それぞれ他の3会場。つまり有料演舞場が徳島市の阿波おどりの場合は4カ所。市役所前、紺屋町、藍場浜、そして南内町と。この総踊りが毎回行われる南内町については、いわゆるチケットが全部100パーセント例年は売れていたと。しかし、それ以外のところはだいたい5割。その中でも市役所前の演舞場は、ずっと減ってきて約3割ということがあって、これを何とか埋められないだろうかというそうした方針の中で、新たに作られた阿波おどりの実行委員会。こうした中で、有名連が当時、県協会の方が17連、そして振興協会の方が16連の33連ありますので、これを単純に4つに分けた場合に、大体一つの会場に8連が行くことができると。それによってそれぞれが最後に総踊りをやったらどうだろうかと、こういう新たな提案だったんですね。
 そして、これまでの赤字が出たというものに対して少なくともどんどん解消していこうという提案であったと。しかし、振興協会の皆さん方にとってみると、そういうイレギュラーな形というのはやったことがない。やはり振興協会の連が全部集まって、そして行うと、今回は14連の皆さん方が行うと。これはやはり映画「眉山」、ちょうどあれが南内町演舞場で最後の場面、フィナーレの場面がまさにこの総踊りをバックとして行われる、親子の対面というのが行われるわけなんです。こうしたことから一つの名物になっているものですから、それを簡単に形を変えることは難しいということで、それに対してお断りをするという話になったということで、うまくこれがかみ合わなかったということになったんです。そうしたことで有料演舞場の方で総踊りを行うということについて、逆に実行委員会の方がこれを認めなかった。
 でも、振興協会の皆さんにとってみると、これが踊り子の皆さん方にとっても、一糸乱れずと。実は、それぞれの有名連の皆さん方っていうのは、フォーメーションをはじめ、全部個性があって違うんです。これを一つの踊りに、例えば女踊りが、男踊りが、あるいは法被踊りがという、それぞれが同じ踊りをするということは、非常に難しい。これは事前にかなりの訓練をして、そして一糸乱れぬ行動をとらないと、なんだバラバラじゃないかとなってしまう。非常にこれは難しい。踊り手も難しいし、もっと難しいのは鳴り物なんですよね。鳴り物もそれぞれが、確かによしこのを演奏する訳なんですが、それぞれ特色が、鉦(かね)にあるところもあれば、三味線にあるところもあり、大太鼓、あるいは締太鼓、また篠笛(しのぶえ)、それぞれに個性がみんなあるもんですから、これがバラバラに演奏すれば、それこそ演奏にならない。これをまた一つにピチッと合わす。これまた難しい。よほどの訓練がないと付け焼き刃ではできるものではないということが、確かにプロの世界ではあるんですよね。
 ということで、今回は、有料演舞場といいますかね、そうしたところで行うということを実行委員会が認めなかったと。しかし、これまでそれに向けて練習を重ねてきた振興協会の連としては、多くのお客さん達もそれを見たいという声があるというのはね。確かに遠藤市長さんもテレビの番組で、私も見ましたけど、生番組出てるときにそう言われてましたからね。確かにあれは迫力がある。これはすばらしい。阿波おどりのフィナーレを飾るにというね、様々な形容詞が付けられた総踊りでありますんで。そうしたものの踊り子の、また見る人達の期待を担ってということで、振興協会の皆さん方が演舞場でないところでこれを行った。しかし、これに対しては、県警をはじめとして多くの皆さん方が見てる人達との間に、いわゆる仕切りがない訳ですよね。子供さん達もいるし、子供さん達が飛び出した時に大丈夫だろうかとか。様々な危険な点が危惧をされて、そうした指摘もあったという中で。しかし、これが事故もなく、最終的には行われたということでありましたんでね。そうした意味では、それぞれの主張が通されたということになるんではないのかと。
 しかし、これは、振興協会の山田理事長さんも言われてましたよね。来年は是非演舞場でやってみたいという話がありましたんでね。こうした点については、これから今回、今年の徳島市4日間の阿波おどり、もちろん前夜祭の部分も入るのかもしれませんけどね。実行委員会の方で総括を行われるんではないかと思っておりますので、そうしたものの中でしっかりと話されていくことではないだろうかと思っています。

(NHK)
 知事ご自身は、来年以降、総踊りについては、どうあるべきかとお考えですか。

(知事)
 これは、歴史と伝統に基づく総踊りと。ただ、それぞれの連で総踊りというのもやったりしていますんでね。いろんな定義があるわけですから。それぞれの総踊りというもの。つまりフィナーレとなるところですよね。例えば、娯茶平であれば、紺屋町、10時を過ぎて最終の締めを総踊りという形で、娯茶平だけで。そして最後は聴衆の皆さん方と一緒になって踊るという、これも一つの形でもありますので。やっぱりこれを契機として様々な形の阿波おどりとして踊り子の皆さん方が、あるいは、阿波おどりを楽しみに見に来ていただいている皆さん方が、見て、ああよかったな。あるいは、踊ってよかったなと。思ってね、それぞれが感動していただける新たな形というものを考えていただいたらどうだろうかと。
 というのは、昨今のこの阿波おどりに対しては、昔ながらの阿波おどりを愛する皆さん方からは、少しショー化しすぎてるんじゃないのかという話もあってね。昔は一丁踊りということで、それぞれの路地からよしこのが聞こえて踊りがだあっと出てきて、そしてそれが一体となってくという。そうした自然沸きだし型みたいな。何といってもこれは、元々は盆踊り。津田の盆踊りなどとも呼ぶ訳でしてね。そうしたものから派生をしたといういわれと、いやいやこれは蜂須賀さんが無礼講だっていうことで、徳島城から出たんだと、何通りかの説がある訳なんです。
 やはり、歴史と伝統のある阿波おどり。400年以上続いてる訳ですから、様々な形で進化し続けてきているということがありますので、やはり色々な形の阿波おどり。もちろん温故知新の部分もいるでしょうし、あるいは、これから東京オリパラを目指して世界の阿波おどり、そして、融氷していくとした点も必要となるでしょうしね。
 そうした意味では、今回、色々なものがこう出てきた、課題がですね。これはいいきっかけだったんではないかな。雨降って地固まるという言葉もありますし、ピンチをチャンスにということもありますのでね。そうした意味では、やはりこれから実行委員会の皆さん方であったり、あるいは振興協会、そうした皆さん方がね。何と言っても阿波おどりを伝統的に引き継ぎ、そしてそれを発展させていってくれる。その母体であるわけですんでね。こうした皆さん方がしっかりと大同団結をして、こうしようじゃないかと、こういう形になってくれるといいなというふうに思っています。

(NHK)
 あと、もう一点。大同団結していくために、確かに実行委員会と振興協会が対立していく構図というのは、観光客にとっても踊り手にとっても何のメリットもないと思うんですけども、対立の解消に向けて県として何らかの調整役を担うとか、そういったようなことをする、していくようなお考えは今後ないのでしょうか。

(知事)
 今、県としては、実行委員会には入っていないんですが、実行委員会を支える各種団体の入ってるところについて、当然、演舞場に対しての後援の部分については許可を出す主体であったり、あるいは、駐車場、あるいは、バスの手配ですね。こうしたものに対しての補助金を出す主体という形で、参画をさせていただいているところであります。これは阿波おどりを実行していく主体に対してはちゃんと支援をするという形になっておりますんで、今後、まずは、その主体となるいわゆる実行委員会、そして振興協会の皆さん方が、まずは大同団結をして、どういう方向でいくのかというのが、まず第一でないのかなと。
 当然、我々としては、バックアップをしっかりすると。今もすでにね、そういう体制は組んでるわけですし、また、もう一つは、これは、あくまでも徳島市の阿波おどりと。実は、阿波おどりは8月の9日鳴門を皮切りとして、そして8月の16日吉野川市、貞光つるぎ町、そして阿波池田三好市までつながるんですよね。
 ということで、県としてはこの全体の阿波おどりに対しての応援であったり、あるいは阿波おどりといったものを日本を代表する文化、また今では観光の旗印になっておりますんで、それを海外に要請を受けて派遣をしていく。つまり、在外交館の皆さん方がそれぞれの国から要請を受けて、その大きな日本とその国との、例えば、国交100周年とか、160周年。今年はフランスがそうなんですけどね。そうしたところに派遣をしていくとか。こういったものが大きな役割として行っておりますのでね。まずは徳島市の阿波おどり。確かに阿波おどり全体の看板であることは間違いない訳でありますんでね。しっかりと話し合いをしていただくと。その意味では、今回の阿波おどりについて、実行委員会をはじめ、しっかり検証をしていただくということは必要ではないかと思っています。

(四国放送)
 関連して。今回、いろいろ混乱があり、総踊りをめぐっては、実行委員会中止、強行、みたいな対立みたいなものになって、メディアには取り上げられたんですけど、結果、人出も過去最少っていう発表がされてますし、県の一大イベントである阿波おどりが、こういう形で発信されたこと、それから、そういう人出の面でも少なかったことを受けて、知事の率直な感想を伺いたいんですけど。

(知事)
 まずは、曜日の配列からすると過去最低に近づくということは想定に堅くなかった訳ですね。つまり、12日が日曜日だったということからいきますと、あと全部平日になる。つまり、宿泊はほとんど期待薄というところなんですよね。そうした中で、今回の内輪もめというかがあって、総踊りが焦点となって、総踊りを行う、いや認めないということがマスコミの皆様方で全国に報じられた。多くの人達は、あまり深くは阿波おどりの内容を知ってる訳ではありませんので、全国の皆さん方にとってみると、阿波おどりの総踊りをしないということは、要は徳島市の阿波おどりはやらないのかと、こうなっちゃう。そうした意味で、当然キャンセルしようとか、そうした動きが出てしまった。
 また、曜日の配列からしても、なかなか苦しい。しかも、これに加えて最終日、本来なら一番多く人の入る15日が大雨になった。徳島市には、警報は出ていませんでしたけどね。小松島から南は全部警報が出たということがありまして、私も3つの法被を着て踊りましたけど、ビショビショになりました。だから、そうした点から見て、演舞場に人がいなかったですから、人のいない演舞場で踊ってました。そうしたことから見ても、当然のことながら、過去最低になるであろうと。もちろん台風で1回中止をした時あったんですけどね。だからそうした点を考えると、最初から一致団結・結束してやらないとなかなか厳しいということは、想像に難くなかったんではないかなと。そうした中で、さらに、加えてということになってしまったということなんで、この点については大変残念だなと、曜日の配列は、後ろに向かって例えば、木金土日なんていうと、最高なんですけど、なかなかそうはいかなかったといった点、あと、天候にも恵まれなかったといった点がありますので、そうした点で今回は、あらゆるものがそうした点で出たんじゃないかと。
 つまり、曜日の配列。これも昔はね、曜日でやっていたと、いうこともあったんですが、やはりこれを日にちにしようと、徳島市の場合にはね。それで12、13、14、15と日にち固定でやるという形になった。そうしたものも含めて様々な検討材料が今回出されたんじゃないかと。そして今は、7月から8月にかけて、台風、あるいは、前線の異常ということで、地球温暖化がなせる技といわれ、来年はもっとひどいんじゃないかと、気象庁もこのように言っているところですから、そうした悪天候対策ですよね。
 実はこれも県も協力をさせていただいて、アスティとくしまをいざという時のための会場でバックアップ、用意はしてあるんですけどね。要は11日の前夜祭と同じようなイメージになってしまうということで。台風で中止したときに、アスティで1回やったことあるんですよ。でもやっぱりなかなか評判が難しかったんですけどね。だから、そうした対策っていうものも、万が一ということで考える必要も出てくるんじゃないか。
 ということで、私としてはそういう最悪の時も見てきていますんで、いい様々な材料が、そして最近のショー化されている阿波おどりに対しても、もっと伝統的な古式ゆかしき阿波おどりというものを復活したらどうだろうか。つまり、大衆・民衆のための阿波おどりという要素があってもいいだろうと。確かに、お客様達への阿波おどりっていうのも重要なんですけどね。そうしたご意見もたくさん出ていましたんでね。今回はそれを取り入れようということで、秋田町の交差点から向こうの、いわゆる阿波おどりロードにするんだというこれも一つの話でありますんでね。様々な課題が出され、そしてあるものはやられ、そしてあるものはなかなか難しかったと。そうした意味では多くの検討する材料が本当に出て、このピンチをチャンスに。あるいは雨降って地固まるという形にはもってこいの環境じゃないのかなと思ってます。

(徳島新聞社)
 今のお話のところで、今まで報道の話があったんですけども、やっぱり知事としても演舞場でやるべきだというお考えで、来年度以降は演舞場でやって欲しいというお話だったんですか。

(知事)
 今回、例えば、実行委員会の方も、演舞場、全ての演舞場で逆に言うと総踊りに似たものをやろうとした発想だったんですよね。元々は。ただし、振興協会がやっている総踊りというのは、そういう8連だけでやるということではなくて、振興協会に属しているすべての連が一体的にやると。当然そこに向けて準備もしてきたと。こういうことで逆に言うと総論的には一つの方向になっていたんじゃないかな。すべてのいわゆる演舞場で総踊りができれば。確かに、あの振興協会が南内町でずっと長年やってきた総踊り。つまりこれはチケットの売上率で明らかなんですよね。南内町で100パーセント、去年の例ですけどね。そして紺屋町と藍場浜が50パーセント。そして課題だ課題だといわれていた本部席のある市役所前がなんと30パーセントと。私もそれぞれの演舞場ですべて踊りますから、それは分かります。だからそうした意味では実行委員会が何とかしようというその気持ちもよく分かる。
 というのは、今回のこの発端が、阿波おどりが累積で約4億3千万円の赤字をかかえていたというところからスタートを切ったということがありますから、何とか黒字化していかなければいけないんだと。そうした課題解決といいますか、こうした点もあったということで、方向としては同じ方向を向いていたんではないのかな。ただ、その具体的な手法においてお互い意思の疎通というものが図ることができなかった。ここが大きな課題だと、そう思うんですけどね。
 だから、私もテレビの生番組しか分からないんですけど、振興協会の山田理事長さんも来年は一緒に総踊りやれればいいですよねっていうことで締めくくってましたよね、確か。遠藤市長さんも総踊りって魅力的なんですよねって、特に友人達がみんな言ってますって、生の言葉で語っておられましたからね。お互いに方向は一致してると。あとは手法の問題であったり、これまでの経緯であったり。そうした点を今後は、しっかりと話し合っていただいて大同団結という形になってもらえればなと考えています。

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