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平成30年8月6日 定例記者会見 フルテキスト版

徳島県、ドイツニーダーザクセン州、中国湖南省の「3国間青少年卓球交流」について(説明)

(幹事社:司会)
 それでは、よろしくお願いします。

(知事)
 おはようございます。今日は私の方から、3点発表をさせていただきたいと思います。
 まず、第1番目、徳島県、ニーダーザクセン州、中国湖南省「3国間青少年卓球交流」についてであります。
 県では、平成19年9月「ドイツニーダーザクセン州」と、また、平成23年10月には「中国湖南省」と、それぞれ、友好交流提携を締結いたしまして、これまで、それぞれ、文化、スポーツ、経済、あるいは教育など、様々な分野におきまして、交流を図ってきたところであります。
 このうち、スポーツ分野では、ニーダーザクセン州とは、柔道、マラソン、剣道、あるいはカヌー、ハンドボールなど、幅広い交流を行い、現在では、2020年東京オリ・パラにおける、ドイツのホストタウンとして、代表チームの事前キャンプ地誘致を推進しているところであります。
 また、湖南省とは、平成24年から、「とくしまマラソン」への「ランナーの招待」や、昨年、中国北京で開催をされました「日中友好交流都市中学生卓球交歓大会」への、徳島県湖南省合同チームでの出場などに取り組んできたところであります。
 こうした交流が実を結びまして、この度、来る8月17日金曜日から25日土曜日までの間、「ニーダーザクセン州」と「湖南省」の小中高生の卓球選手を招待いたしまして、「鳴門・大塚スポーツパーク」におきまして、本県初となる「3か国間の青少年卓球交流大会」を開催いたします。
 期間中におきましては、合同練習の他、22日の水曜日には交流試合も行いますので、是非、多くの県民の皆様方にも、ご観戦いただければと思います。
 来県されます選手を、少しご紹介申し上げますと、ニーダーザクセン州の選手は中高生6名で、全員が、「ドイツナショナルチームアンダー18」の代表選手として活躍されており、湖南省の選手は中学生6名、省内トップレベルの成績を収めるなど、共に、強力なメンバーとなっているところであります。
 このチームに対抗するため、本県からも、優秀な選手を選抜するとともに、この3国が一堂に会する貴重な機会をさらに活かすために、公益財団法人日本卓球協会のご協力をいただきまして、「全日本ナショナルチーム」の小学生及び高校生の選手にもご参加いただくことといたしております。
 この度の卓球交流では、本県の若い選手にとりまして、世界レベルの技術やスピードを、直接、体感できるとともに、各国の青少年との間での絆を深めるまたとない機会となるものであります。
 また、両州・省の皆様方には、この機会に、徳島の歴史や文化、さらには、豊かな自然に育まれた食材を用いた料理など、本県の魅力を存分に御堪能いただき、帰国後には、ここ徳島での体験を、多くの皆様方にぜひ広めていただきたいと考えております。
 今後とも、青少年のスポーツを通じまして、日本とドイツ、そして中国とのさらなる交流拡大に繋がりますように、しっかりと取組みを進めて参ります。

「すだちくん」25周年記念思い出写真&思い出エピソードの募集について(説明)

 次に第2点目、「『すだちくん』25周年記念思い出写真&思い出エピソードの募集について」であります。
 すでに皆様方が御存じの「すだちくん」、平成5年開催されました全国で初めてとなる、いわゆる2県開催ですね、徳島県と香川県の「東四国国体」での、徳島県マスコットとしてデビューして、今では、徳島県のみならず、全国に多くのファンを持つ人気者となっているところであります。
 当時、こういったマスコット・キャラクターというと、そのイベントでの1回きりといったことが多かったんですね。一時、大阪府でも何百という府のキャラクターがあって、もう分からないと、それをやめちゃおうという話も出たくらいでしてね。全国の頭の痛いテーマであったわけでありますが、平成15年の「ねんりんピック徳島2003」の開催を契機に、実はこの時にも違うマスコットを作ったらどうだろうかという話が当然あったんですね。しかし、あれだけ人気のあるすだちくんもったいないじゃない、すだちくんにねんりんピックも頑張ってもらおうということで、実ははっぴ姿にねじり鉢巻きという「阿波おどり」のコスチュームで、すだちくんに再登場いただいたんですね。
 その後は、もう続々ですよね。2度にわたる「国民文化祭」、また、「地域ICT未来フェスタ」といった、いわゆる全国大会、国家行事となるいわば、県のビッグ・イベントはもとより、「阿波おどり」あるいは「物産展」など、県内での各種イベントに出動し、今や、国内外に向けた、本県の魅力発信においてなくてはならない、名脇役とよく言うんですけどね。私は主役でもあるなと思うんですけどね。徳島の宝「すだちくん」として、大活躍をしていただいております。
 特に、「地方創生・元年」にあります、平成27年度からは、国、地方が総力を挙げて取り組みます最重要課題「地方創生」の実現に向け、地方創生の取組みを応援する「とくしま創生サポーター」に就任をしてもらいました。
 また、平成28年度からは、徳島発祥のお接待文化を様々な場面で発信していく、伝道師の役割「COO」というと会社の経営者かなと思うんですけどね。Chief Offer Osettaiというね。最後のOはお接待。お接待提供主任者として、さらに活躍の場を広げてもらっているところであります。
 この「すだちくん」も、いよいよデビューして今年度で「25周年」を迎えたところでありまして、これを記念いたしまして、この度、皆さんがお持ちになっているすだちくんとの「思い出の写真」、また、すだちくんに関わる「エピソード」を募集させていただきまして、すだちくんを、これまで応援していただいた皆さん方とともに、「デビュー25周年」をお祝いすることといたしました。
 ちなみに、今年ワールドカップサッカーがあったわけでありますが、南アフリカのワールドカップサッカー。時差の関係で大抵試合開始が午前3時なんていうことがあって、日本がいわゆる予選のリーグ、グループリーグを抜けられるかどうか最終決定戦なんていうときに、3時にすだちくんに誰が入ってくれるんだろうか、でもすだちくんの応援があったらなと、誰も入り手がなかったんで、実は私が入りましてね、そのときには当然、青少年センター、今のトモニプラザですけど、多くの大学生など若い人たちが300人以上、あの1階のフロアにおられたんですよね。そして始まる前にすだちくんの格好して出て、私の場合は柔道や弓道をやってますからね。普通あれすだちくんかわいい格好しているじゃないですか、「かわいい、かわいい」なんて言ってんだけど、あれ実は手を外すと頭が重くてむちうちになっちゃうんですよね。みんなこう(頭を手で支えること)やってるんだけど、私の場合はその心配がないんで、そのまましゅっとやったら。おお、今日のすだちくんしゅっとしてるぞ、とか言ってね、たたらを踏んでしたら、ノリもいいぞ、なんて言うけど、ジャパンが出てきたら誰も見てくれなくてね。そしてハーフタイム、ハーフタイムの時はみんなが来て、わあ、すだちくんだって言ってね、愛情の表現で回し蹴り、あるいはパンチなんていうのは結構頂いたところでしてね、でも最後にすだちくんのおかげでね、グループリーグ突破したぞ、決勝に行くぞということで、いきなり胴上げされましてね。すだちくんのまんまで。3回胴上げして、でもみんな言ってるんですよ、いったい誰が入ってるんだとか言って。そして、下ろしてもらったら、今度は主催者の皆さんがそうです今日はいったい誰が入ってるんでしょう、そうだすだちくん誰だって。すぽんと取ったら、いきなりわあとなってたのがシーンとなって。最前列にいた大学生の方が、「あ、知事じゃと。」すだちくんの頭を取った状態で5回胴上げされたんですけどね。もちろん髪の毛汗でびちゃびちゃになってましたけどね。それから、すだちくんに回し蹴りとパンチを入れる人はいなくなったという話もあるわけです。少し長くなりましたが。
 ということで、募集期間は、本日8月6日の月曜日から9月30日日曜日までとさせていただきまして、応募をいただきました「思い出写真」また「エピソード」は、抽選のうえ、素敵な商品を進呈させていただきますとともに、今年の秋頃を今予定をしておりますが記念イベントを開催させていただきまして、パネル展示などに活用させていただければと考えております。
 応募をいただいた皆様方はもとより、県内外の皆様方とともに、すだちくんとの思い出が共有することができればと考えておりますので、是非ふるって応募をいただければと思います。
 また、皆さんもご存じの通り、すだちくんは、コスプレ大好き、いろいろな格好で登場してくれるわけでありますが、本県をさらに盛り上げていただこうということで、この度、日頃の皆様方からの応援に、感謝の気持ちを込めまして、コスプレしたすだちくんの姿をプリントした、いわゆる「キャラクターカード」を作成をしたところでありまして、じゃあ、どんなものなのかって、こんな感じですよね。
<パネル「すだちくん25周年記念キャラクターカード」を掲示して>
もう、馴染みのあるICTすだちくんとかね。みんなそれぞれ。これがねんりんピックのときのやつですね。バルトの楽園の時のすだちくんもいますね。様々なすだちくんがいましてね。ちょっと気になるのが、やっぱり。
 というかたちで、今10種類のキャラクターカードをお示ししたわけでありますが、ちょっと気になると言ったのは、ほんとにこれだけでいいのってことですよね。当然サプライズがあってしかるべきていうことで、これとは別に、レアカード1種類ご用意したいと考えております。
 今後、すだちくんが参加をする「ゆるキャライベント」におきましては、皆様に、お配りさせていただきますので、様々なイベントに是非ふるってのご参加をよろしくお願い申し上げたいと存じます。

「カーボンオフセットマッチ」の実施について(説明)

 それでは3番目、「『カーボン・オフセットマッチ』の実施について」であります。
 最近よく聞きますよね。天気予報の時に、災害とも言うべき暑さとか、命の危険がという言葉をよく聞くわけでありますが。気象庁が「命の危険がある暑さ」、あるいは「一つの災害」といった危機感を示す「今年の酷暑」、猛暑どころか酷暑ですよね。また、西日本を中心とする記録的な大雨によりまして、甚大な被害をもたらすとともに、多くの尊い命を奪った「平成30年7月豪雨」西日本豪雨、こうした異常気象につきましては、地球温暖化に伴う気候変動との関係が指摘されているところであります。
 先日報道をされました、気候変動に関する政府間パネル、IPCCとも呼んでおります特別報告書の最終草案では、現状の温室効果ガスの排出ペースが続きますと、2040年頃の気温は、産業革命前に比べて「1.5度」上昇する、猛暑・豪雨の増加、あるいは植物・動物への被害につながることがはっきりと明示されたところであります。
 そして、気温上昇を「1.5度以下」に抑えるためには、今世紀半ばまでには、温室効果ガスの排出量を「実質ゼロ」とする脱炭素社会への変革が必要との指摘がされております。
 本県では、全国に先駆け、脱炭素社会を冠した条例であります、愛称は子どもさん達にも分かっていただきやすいようにということで、「すだちくん未来の地球条例」を制定するとともに、県内の温室効果ガス排出量につきまして、国の目標は2030年度に2013年度対比で26%削減、これを大きく上回る40%削減との目標を掲げ、地球温暖化対策に取り組んでいるところであります。
 まずは、県民生活、あるいは事業活動に伴う温室効果ガスをできる限り自らの努力で削減していただくことをお願いするとともに、どうしても努力を尽くしても削減できない場合は、排出量に見合う他の場所での温室効果ガス削減量を購入して埋め合わす「カーボン・オフセット」という考え方ですよね。これを推奨しているところであります。
 そこで、この度、県民の皆様方に、「カーボン・オフセット」を、より身近に感じていただくため、来たる8月19日となりますが、JAバンク徳島スタジアムにおいて開催をされる、徳島インディゴソックスのホームゲームを本県初の「カーボン・オフセットマッチ」として実施をいたします。
 具体的に少し申し上げて参りますと、来場者の皆様に公共交通機関の利用等を呼びかけたうえで、選手や来場者の移動や、ナイターゲームに伴う電力使用などによりまして発生する「約2トン」と考えておりますが、その二酸化炭素について、それに見合う他の場所での温室効果ガス削減量を購入し、埋め合わせする「カーボン・オフセット」を実施することといたしまして、その取組みを、御来場の皆様をはじめ、広くPRさせていただければというものであります。
 また当日は、温室効果ガス排出抑制の切り札となります、究極のクリーンエネルギー「水素」を利用して走行する燃料電池自動車「ミライ」を球場周辺に展示いたしますとともに、始球式における投球者のグラウンド入場に使用することで、多くの皆様方に、水素が、クリーンで身近なエネルギーであることを、実感していただきたいと考えております。
 さらに、球場内では高校生の皆様方が、河川、道路、公園等で発生した刈草をリサイクルして作成した堆肥「もったいない2号」の配布やインディゴソックスの選手によります環境クイズなど、様々な環境関連イベントを予定しております。
 これらのイベントを通じまして、脱炭素社会の実現に向けた県民総活躍の運動として、新たなライフ・スタイルへの転換を、県民の皆様方をはじめ、ご来場の皆様方に、しっかりと呼びかけて参りたいと考えております。
 私の方からは、以上3点です。どうぞよろしくお願いいたします。

(幹事社:司会)
 発表事項について、質問のある社はお願いします。
 発表事項以外で、質問のある社はお願いします。

大規模地震時医療活動訓練について(質疑)

(NHK)
 一昨日、南海トラフを想定とする巨大地震を想定とした医療搬送訓練が行われたと思うんですけれど。知事もご出席されたと思うんですけれど。船の中で、今回南部のまぜの丘にSCUを設置するというところが、初めての取組みとしてされていたと思うが、その意義と訓練を終えて見えてきた成果、課題とかを教えてください。

(知事)
 はい。この度、これだけ様々な災害が毎月のように起こるというようなこともありまして、特に、大規模な医療に関する訓練を徳島フィールドとして、そして全国から多くの、例えば、DMATであるとか、あるいは大学関係者、また、厚生労働省からもお越しいただきまして、医療の訓練を実施させていただきました。
 今もご質問がありましたように、その特色としては、SCUですね。つまりいろいろな、例えば、空からのヘリコプターなどそうした航空の拠点を初めて県南部のまぜの丘を中核としようと考えておりますので、南海トラフ巨大地震の時は。そしてさらに高松空港、この両方をSCUとして、DMATなど医療関係機関、また、関係する防災関係機関、10機のヘリを活用して展開をいたしました。私もちょうど本部がこの県庁ということで、4階に特設の会場を設けましてね。全国から、厚生労働省から、また、東北大学からも関係者の皆さん方がお越しをいただいておりましたが、その各チーム。例えばDMATはDMAT、DPATはDPAT、保健師チームは保健師チームと。また、自衛隊、海上保安庁ね、災害消防の関係、そして県の関係と。様々な機関が一堂に会して災害対策本部を立ち上げ、その中でどういった形で意思疎通を図っていくのか。
 また、発災から24時間ということの前提でありましたので、まさに救援救護救助、一番重要な時間。なんといっても、命の時間は72時間。72時間飲まず食わずにいると、なかなか厳しいということがありますので。例えば、生き埋めにされた皆さん方を救助するギリギリの時間が72時間。命の時間と。こうしたところへ向けて、じゃあ今24時間がたって、次にどういう指示をすればいいのか。DMATの展開の状況、さらには、医療救護班をどう展開していくのか。それをワンストップサービスでどう展開をするのか。実はこうした点については、今回の平成30年度西日本豪雨のときに実際に実践で行ったんです。まず、DMATを集中的に展開するというのは、その前の月、大阪府北部地震の時に、もちろん大阪府は関西広域連合のメンバーということでありましたので、徳島県は広
域医療、災害医療、7機のドクターヘリの共同運航をオペレーションする立場ということ
で、直ちに国立循環器病研究センターが電力が途絶してしまった、バックアップ電源が使えない。人工透析、あるいは、人工呼吸、こうしたものの患者の生命の危険がある可能性があるということがありまして、徳島のドクターヘリをはじめとする5機のドクターヘリに待機をかけて、そして実際には3カ所の病院。大阪府内外の3カ所の病院にこれらの患者さんを展開するということを実践として行ったところであります。
 また、西日本豪雨の時には、関西広域連合としてカウンターパートをまず決めようと。すぐさま、徳島県は、四国の2県、愛媛県と高知県、そして鳥取県が岡山県と広島県、という形をとりまして、関西広域連合の他の部隊もここを窓口として、また、四国の方には奈良県が配備をされたところであります。これだけの数は当然足りないということで、全国知事会に対する要請と同時並行で総務省の方からもということで、こうしたカウンターパートを行うとともに、厚生労働省からすぐさま、愛媛県の方にDMAT7隊を送ってくれという話がありましたので、中村知事さんとはすぐ、連絡を取りまして、愛媛県立の中央病院、そして、大洲市内の病院、さらには、市立宇和島病院に対して支援を行う。
 そして重要なのは、今回の訓練でもここという課題が当然指摘されるんですが、多くのDMAT、医療救護部隊が入ってきた場合に、どのチームがどこに行くのか。つまり、需要と供給をどうマッチングさせていくのかというのが非常に難しいんですね。しかも、刻一刻と状況は変わってくる。例えばこの病院は災害拠点病院だから50名引き受けることができると、言っててもその地域の皆さん方が助けてくださいと来た場合には、どんどん埋まってってしまうんですね。だから刻一刻と各収容人数はどうなるのか。当然この災害対策本部と同時に県立中央病院の方にもというのは、県下3拠点、県央、県西、県南に拠点を設けましたので、県央は県立中央病院、そちらの方にも視察に行ったところでありますが、そこでもやっぱり課題として指摘に出てきてまいりましたのは、全国から続々と、本当にDMAT来てくれてたんですよね。その部隊をどのように現場のニーズに合わせて展開をしてもらうのか。こうした点をつくるのが医療コーディネーター制度。
 実は、東日本大震災発災の時に、まさに徳島県はこの岩手宮城そして福島、3県のオペレーションをしなきゃいけなくなったんですよね。しかし、当時はまだ、医療コーディネーター制度なるものはなかったもんですから、特に、福島県に入った京都、滋賀の医療部隊の皆さん方が福島第一原発の発災を受けて一同に北上してきてしまったんですよね。これに対して宮城県としては到底受け入れる体制にないということがありまして、そこで考え出されたのが医療コーディネーター。お医者さん達に対しては、お医者さんがしっかりと医療コーディネートの需給関係をしっかりと。また、需要の状況、供給の状況も刻一刻と変わる。これをどう対処していくのか。また、第一次部隊だけで足りなく、第二次部隊をどう展開していくのか。また当然、今はDPATについてつまり災害派遣精神医療チームですけどね。ちょうど一昨年の熊本での地震では、益城町の精神病院が倒壊をしたということで、その患者さんの搬送を、徳島のDPAT、先遣隊が行ったわけなんですが。全国配備がまだまだされていない。しかし今回は、DPATを最初から投入するという前提で行ったところでありますので、当然精神病院の患者さんの移送というだけではなくて、それぞれの例えば避難所が大変厳しい状況にある場合に、精神的なバックアップをしていく。これも大変重要ということになりますので。こうしたまず24時間の対応の受援、応援、さらには、今度はその後の体制として、二次的な状況、つまり24時間から72時間までの間どうしていくのか。
 こうした点についても多くの課題、こうしたものが指摘をされ、今回は、そのうち多くの点はその段階での対応とさせていただき、想定外ということにはなってはいなかった訳ですけどね、やはり、今、申し上げたように今後の医療コーディネート体制をどうするのか。
 そして、もう一つ。大きな課題として浮かび上がったのが、これらの状況把握というのは、全てインターネットで行っているんですね。この災害対策本部も同様。県立中央病院の対策本部もそうですが。全てインターネット。今の県内の光ファイバーがそのままつながっていることを前提にしているんですね。非常用のバッテリーはなにか。バックアップは十分にできているところなんですが。そこで私の方からも指示をしたのが、つまり、地上系、線が切れるのは前提となりますので、切れた場合のバックアップ体制として、えばこれを電波でやるのか、あるいは衛星系でやるのか。こうした点をこれからは我々として、仮に今のインターネット体制が切れた場合、どうやるのか。
 あるいはボードやなにかの地図情報ということで、今インターネットで様々な情報が出せるわけなんですが、やはり同時並行で紙媒体というかね。従来どおり、ここの県道が途絶してますよ、何時何分です。皆書くんですよね。そういう書くものでやっていくのと同時並行でやる。書くものも今進化してましてね。電子白板なるものがありますので、たちどころにそれをプリントアウトすることもできるということもありますので、これからの新しい第4次産業革命の様々なインダストリー4.0。そしてソサエティー5.0をどう活用していくのか。
 また、今あるものが常にいつもあると思っていたんではいけないといった点についてもしっかりと考えていく必要がある。ということでこれからの新たな課題も見えてきたところです。特に、今、おっしゃられたSCUをまぜのおかに展開するというのは、我々は、前々から当然南海トラフ巨大地震が来た場合は、県南が真っ先に被災をするということでまぜのおかを全体の結集拠点にしていくということで進めている。また、海部病院の全国公立病院初となります高台移転についても常時、二つのヘリコプターが動くことができるツインヘリポート。ともにしかも10トン以上のヘリコプターが離発着可能と。今回はこのツインヘリポートも活用をして行うという形で海の上から、そしてまぜのおか、さらには海部病院をいかに活用していくかというのも今回初めて行うことができたところでもありましてね。
 やはり、SCU。今、常時あるのがあすたむらんどなどということになっているわけなんですが、県南のまぜのおか、拠点を増やせば増やすほど受入れが可能になります。また、それぞれがどう被災するかも分からないということがありますから、想定外だった。SCUが被災をしてしまった。どうにもならないということがないようにしっかりと我々としては、どこを拠点にすべきか、どこをバックアップにすべきか。そして、そうしたものがたとえ倒れたとしても最低限のことができるような体制はどうしていくのか。こうした点をしっかりとこれからも訓練を実践さながらにして、進めていきたいと考えています。

TTP11及び日EU・EPAへの対応について(質疑)

(徳島新聞社)
 先週、県の方でTPP11と日EU・EPAの影響について試算が出されたんですけども、米国を含むTPPの以前の試算に比べてもEUとのEPAを加えた今回の試算の方が農林水産業への打撃が大きいということだったんですけども、これに対する対応についてお伺いします。

(知事)
 今回、TPP11(イレブン)。さらには日EU・EPA、これがもう発効されるということを当然の前提としてその影響状況をはじき出させていただきました。今ご質問がありましたように、我々としては当初はアメリカも入ったTPPの影響をということで国の算定方法などを用いる形で試算を出したんですね。当然今回は、アメリカ抜きであったとしても日本とEUとの間のEPAは非常の大きな影響になる部分がありますので、今回はそれをはじき出させていただいたということで。これを前提としてしっかりと特に畜産関係が大きな影響を受ける前提の中で、当然のことながら影響を受けることに対しての守りをしっかりと固めるということで、農林水産未来創造基金も各毎年5億円ずつ積んで、そして新たな対策に当てていこうということで、既にこれはできあがってきているところでありますので、こうしたものを中心として中山間地域の農業、あるいは、畜産、今回影響があると。特に、木材関係にも影響があると出たところでありますので、こうしたまず守りをしっかりと固めると。
 そして同時に、これは農林水産の関係についても例えば食物検疫をはじめとする、それぞれの間の障壁が低くなる、あるいは、なくなると、いう形も考えられますので、ただ守るだけではなく、守りをしっかりと固めた上で、攻めに転じていく。常にこの攻めといった点では、特に徳島を代表する3大香酸柑橘、ゆず、すだち、ゆこうについて本格的な輸出に向かっていこうという形で、特にゆず。そしてすだちと進んでいるところでもあります。
 また、ハラール市場、16億。イスラム商圏ですね。この世界へも、ということで、既に牛肉のハラール圏内への輸出も進んできているところでありまして、そうした意味では、畜産についても、あるいは、様々な農産品についても、特に、中山間地農業ですね。攻めの農業と、これも今、着々と進めているところでありますので、今回の影響を前提にする中でしっかりと守りを固め、そしてより攻めに転じていく。なんといっても日本全体の人口がどんどん減る。つまり食としての口の数が減ってくるということがありますので、これからは、海外に向けて、特に2020年東京オリ・パラへ向けてインバウンド4,000万という数字を国が掲げている。昨年は、2,869万人だったわけでありますんでね。まだまだ、増える。そして、日本食、和食に注目が集まるということでありますので、その素材といったものが当然海外の皆さん方は使いたい。関心を持つということでありますので、しっかりと、この機会を逃すことなく、ターンテーブルはまさにその広告塔の一つとなるところでありますので、しっかりと攻めの方にも転じていきたいと考えています。以上です。

オープン半年を迎えたターンテーブルについて(質疑)

(徳島新聞社)
 いま、ターンテーブルの話があったんですが、あわせて、半年を経過したということで、今後への課題はどのあたりにあるとお考えでしょうか。

(知事)
 はい、今、既に今年2月オープンしたところでありまして、今お話がありましたように、半年ということになりました。奥渋谷に徳島という名前を冠しないターンテーブル。しかし、中に入ってみると最初にくぐるのれんから藍染めののれんでありますしね。ホテルのカウンターのところは青石でありますし、至る所に置いてあるインテリアの机は神山の杉などを活用したね。また2階のレストランに行きますと、壁紙は、どこかでみたことあるな、この花。すだちの花ですよね。
 ということで、皆さん方がいながら、これ何、徳島なんだということを分かっていただいて、特に奥渋谷。世界中のそれぞれの国に対して影響を持つインフルエンサーが集う地と。こうした皆さん方今たくさんおいでていただいている。私も何度かお邪魔をしたことがありますし、会を開いたこともあるわけですけど、おいでになる人たちの半分以上は実はどう見ても海外の人たちなんですね。それでシェフの皆さん方やウエイターの皆さんから聞いてみると、いや、常連客ですということでカウンターの席から埋まっていくというのがターンデーブルの一つの特色なんですよね。
 ということで、多くの国内外の皆さん方に集っていただいている。特に宿泊の点についても基調が藍色となっているところでありましてね。海外の皆さん方が好みますコンドミニアムですね。日本では二段ベッド的なものというのは、あんまり好まないですけどね。もちろん普通の二段ベッドではないんですけどね。個室感覚のある二段ベッドみたいになったコンドミニアムです。こうしたところから埋まっていくと。もちろんシングルであったり、ツインであったりするところもあるわけなんですが。宿泊の稼働率も約7割近くになってきていると。もちろんカテゴリーによってかなり差があるわけなんですけどね。
 また、レストランの方の利用というのも当時の想定以上に多くの皆さん方にお越しをいただいているということでありますので、これから課題といった点では、スタート半年ですので、やはりどんどんどんどん、そうした意味では知っていただくというのが重要なんではないだろうか。
 特に、県民の皆さん方が予約をしていただいて、ネットで決済をせずにホテルに行って決済をしていてだきますと、1割引であったり。あるいは、お接待カード。これは、県人の人達にはお使いいただけないんですがね。お接待カードですんで、一緒に連れて行っていただいた県外の人とかね。そうした人たちにはワンドリンクサービスとなるわけでありますが。こうした特典なども用意をさせていただいておりますので。県内の皆さん方にもご活用いただいて。よくお聞きするんですよね。今度東京で会合をやろう思うんだけどターンテーブルでやりたいと思うと、どうだろうかと。いやいや、ありがとうございますと。こうした話もいろんな場面でお聞きをいたしますので、ぜひ東京で何か会合を催すという場合であればターンテーブルを。
 そして、ほとんどの食材が徳島産でありますので、徳島の方々であればこれはどんな食材だというのが、逆にお一人お一人が説明をしていただけるんではないか。説明者になれる。歩く広告塔になっていただけるということですのでね。ぜひそうした県内の皆さん方が活用していただく、ということも一つのこれからの大きなテーマになってくるんではないのかなと思っています。
 それからもう一つあるのが、ターンテーブルに来ていただくというだけではなくて、発信拠点。もちろんここはマルシェとして1階のところには徳島産の様々なものを販売をしているわけなんですが。それに加えて、冷凍冷蔵のそれぞれ大きな保冷庫を持っておりまして、ここに航空便で届いた徳島の食材、旬の食材が揃ってるわけで。近隣の徳島のいわゆる産品を活用するレストランの皆さん方に提供をする場ということにもなっておりまして。逆にいうとターンテーブルが万が一、ある品種が足りない場合には、そうしたところがたくさん仕入れていてくれた場合は、そちらから逆に回していただくということも今後はしていこうと。お互い、相互融通をすることによって徳島の新鮮な旬の食材が東京一円にたちどころに手に入る。もちろん、徳島の物を出していただけるところということですかね。こうしたレストラン、そうしたところのネットワークというのも、これから東京オリ・パラに向けて、どんどんどんどん海外から人が来られる。特に来年はラグビーのワールドカップ。徳島は、あの強豪ジョージアの事前チームキャンプ地が決まったところでありますけどね。大関栃ノ心のお国ですよね。これから国際大会が来年のラグビーワールドカップ、再来年の東京オリ・パラ、そして徳島県も会場となる2021年の関西ワールドマスターズゲームズと。そうした意味では、全国、どんどんどんどん海外から来られるインバウンド。また、国際大会に来られる皆さま方に、絶好の機会を逃すことなく、いかにさらにPRをしていくのか。こうしたところがポイントになるんではないか。
 ただ、ターンテーブルのPRの仕方は少し、一風変わってると。普通だったら、徳島徳島っていろんなところに書くのが普通、今までのパターンなんですが、そうではなくて、じわっと。そして、一度それを味わった人は、その人自らが徳島の歩く広告塔になっていただく手法を採っておりますんでね。こうした手法がどのように今後発展をしていくのか。こうしたところも期待であり、課題であると。このように思っています。以上です。

平成30年7月豪雨災害への対応について(質疑)

(NHK)
 今日で西日本豪雨の発生から1ヶ月経ったんですけども、改めて徳島県の取組状況や被害について総括をお願いできますか。

(知事)
 まずは、この度の西日本豪雨、200を超える多くの尊い命が失われたところでありますので、こうした皆さま方のご冥福と、今なお避難生活をこの酷暑の中で余儀なくされている多くの皆さま、また、被災をされた皆さま方に心からお見舞いを申し上げたいと存じます。
 実は今回の西日本豪雨、徳島県にも、昨年7月初めて気象用語として出た九州北部豪雨の線状降水帯がかかったんです。これが結局、四国、中国、瀬戸内側にダアッとかかった。これが大きな今回の被害を招いたというふうにも言われています。そして今回は、初めていわゆる特別警報が発令になったんですね。この警報のあり方についても、今、大きく取り上げられているところであります。そうした意味では、昨年、今年と矢継ぎ早に新しい気象用語がどんどん出てくる。また、これに対して現場、特に市町村の皆さん方ですね。避難勧告、避難指示のあり方ということで、これも様々な課題が指摘をされて、そして、気象庁と直接、つまりうちだと徳島気象台と市町村のトップの皆さん方がダイレクトに話ができる、情報提供することができることが必要ではないか。こうした体制も進んできたところではあるんですが、やはり新しい状況、新しい用語が飛び交ってきてしまいますと、従来型のあり方ではなかなか追いついていかない。これが今回の実は大きなテーマになっているんではないかと思っています。
 今回の被害について、もう一度振り返ってみますと、本県も当然、被災を大きく受けた。特に、山城地域ですね。三好市、旧山城町と。もちろん、旧池田町のところも崩壊があるわけでありまして。そうした意味では、これらのエリアというのはかねてから地滑り地帯ということで、それぞれ分かっているエリアでもあり、これまで直轄の地滑りであるとか、治山であるとか。あるいは、県単事業も多く投入をし、その監視も行ってきているところではありますが、さらにそれ以上のところが崩れた。これによって県道が持って行かれる。市道が持って行かれる。林道が。こうした状況となりました。
 そうした意味では発災から落ち着いた段階で上空から、あるいは、地上からそれぞれの被災地点を見たところでありまして、そして1日も早く、県道として、どうやって啓開していけばいいのか。片側だけでもなんとか。全部落ちたんであれば、山側のところを少しくりぬいて、ただその上に民家があるというパターンが多いわけですので、そうしたところに影響のない工法はどうしたらいいのか。こうした点も、まずは県道を開けていく。啓開していくということを重点に行うとともに、地元三好市の皆さん方には、なかなかその時間がかかる、また、迂回路がなかなか厳しいということであれば、やはり一旦は下りてきていただくという対策も、地元三好市の皆さん方では進めていただくという形を取って、そして、道路が不通の地域を解消するという手法をとって参りました。これからは復旧にどんどん入っていくわけでありますけどね。やはり、一回災害を起こしたエリアについては、また、同じ状況が起こって、また、同じ被害を受けるということが絶対にないように、再度災害を絶対に起こさないと。こうした対応で、国との間でも、今後、災害協議を進めて、そして1日も早い復旧、復興を図っていきたいと考えています。
 そしてこれは、県内の状況ということでありますが、特に、徳島の場合には、先ほどもご質問にお答えいたしましたように、関西広域連合、特に、広域医療、広域災害に対してのいわゆる災害医療を受け持つということで、今も愛媛県のカウンターパート窓口となっている。関西広域連合はもとより、全国知事会、あるいは総務省という形で。その窓口の対応もさせていただき、そして人員も愛媛県の方に派遣をさせていただいております。
 もちろん、この間、消防は広島、警察は岡山、広島、また、保健師部隊も岡山、こうした形で多くの皆さん方が岡山、広島に展開をした。当初のときには、高知、愛媛、両方にリエゾンも派遣をしたところでありました。今は高知県は、応援の側に回っていただいているわけでありますけどね。そうした意味では、やはり受援体制。どうやって、被災を受けた場合に各部隊を受け入れるのか。ここも大変重要な点。
 特に、愛媛県を訪れたときに宇和島市にも行って参りました。ここは全面的に徳島県がバックアップをしているところであります。市長さんに対してのアドバイザーも徳島県からずっと送っているところでありますので、そうした状況、あるいは市長さんと直接話もさせていただいたところ、やはり、宇和島市としては、一番痛かったのは、給水拠点が土砂崩れでやられてしまった。たちどころに、徳島市、あるいは鳴門市、そして阿南市の給水部隊がこれらをバックアップ。そして、その後、大洲にも展開することになるわけなんです。そうした意味では、ここは痛かったというのと同時に、やはり、どうやって各部隊を受け入れるのか。この受援体制。ここが十分にできていなかったというのが市長さんからの生の言葉でありました。
 ということで、様々なバックアップ制度ができる。あるいは、避難所をつくるのも地元の被災をした市だけに任すんではなくて、対口支援ということで、そうした窓口を設けて、そして順繰り順繰りに。徳島の場合には、そうした市町村の皆さん方のご協力もいただきながらね。県と市町村でこの対口支援、避難所運営の対策を行うところでありますが、送ってきているところでもありました。こうした対策を進めていくことで被災地に対して少しでも、なんとか復旧、復興を、そしてその後普通の生活にいち早くどう戻れるか。こうした対応はもちろん進めるわけですけど、徳島県の方からこうして派遣をされ行っていただいた皆さん方が実践を経て、徳島で今回、線状降水帯がかかったわけですから、同じ被災があっても不思議ではなかったわけでありますので、そうした場合にまず初動としてしっかりと対応ができる。そして受援の体制も十分できると。こうした知見をより深めていく。
 なんといっても南海トラフ地震や中央構造線・活断層地震は、必ず来るわけでありますので、これらに対して迎え撃つ。また今ではこうした集中豪雨、線状降水帯ですね。これらについても迎え撃たなければならない。また、今回は、台風が、まさかの地球の自転と反転する行動をとった。台風は大抵は、西から東へ動くものが、東から西へ。そして南から北へ動くものが、九州では、北から南へと。全く今までの常識と反する。気象庁の方からもなかなかこれは予想不可能だという言葉も出たところでありますので。こうした状況。あらゆる事象をやはり想定をしながら対応していく。今後9月1日がそう遠くなく近づいて参りますので、9月1日の総合防災訓練におきましても、こうした点についての検証をやはりしっかりと行っていく必要があると思うところであります。以上です。

ジェネリック医薬品について(質疑)

(徳島新聞社)
 ジェネリック医薬品の重点地域に徳島が選定されたことについての受け止めと、ずっと最下位が続いていることについての課題についてお願いします。

(知事)
 この後発医薬品、ジェネリック医薬品。いまはかなりこのジェネリック。製薬会社の皆さん方の技術も高まってきたということで最初に創薬、最初に薬を作ったその成分といいますか、その効能とそう変わらなくなってきたんではないか。これをどんどん医療現場で使うことによって、当然これは値段がかなり安くなるということでありますので、どんどんどんどん増高をしていく医療費を抑えていく事に役立てるべきだ。ジェネリックをもっともっと使おうとした点が、今日本国として進めているということなんですね。そうした中ジェネリックの使う率というものが徳島県は全国最下位となっております。
 これはかつて指摘をされたことはある訳ですが、かつてはジェネリックがまだ先発薬といわれる最初の創薬と同じ効能までは難しいんではないか。こうした点もよく言われ、お医者さんの世界では中々ジェネリックを使いたがらないとした傾向も強くかつてはあったんですね。そして、徳島はなんといっても、多くの製薬会社の皆さん方が昔からあった。今では、世界の企業となった大塚グループもその一つでありますが、実は、昔では大塚さんよりも有名なところがたくさんあった。あるいは県外に、大阪などに本社を構えている。あるいは、その関連会社として本社が徳島にある。こうしたところの製薬団地、川内の方にありますけどね。こうしたところにたくさんあるわけでありまして。そうした意味では非常に効きのいい最初の創薬、先発薬ですね。これがどんどん作られるエリアということもありまして、お医者さんの皆さん方も、やっぱり、ジェネリックというところがあったんですよね。
 しかし、ジェネリックの効能がかなり上がってきた。また、国を挙げて、やはり、医療費増高。特に、薬価の部分でなんとか抑えるということになってくれば、やはり効能が先発薬と変わらなくなってきたとみなされる。そうしたジェネリックについては、やはりこれは国の方針通り使っていこうと。もちろん、あらゆる分野でというのは、お医者さん達がそれぞれご判断をいただくところではあるわけなんですけどね。そうした意味で、県としも、しっかりとこれを進めていこうと。これに対して厚生労働省の方から、やはりジェネリックの使用率が下位のところに対して重点支援を行うということで、助成などもいただきながら国とともにこのジェネリックをいかに普及をしていくのかも進めているところであります。ただ、昨今、ジェネリックがどんどん有名になって広がってまいりますと、同じもの同士の中の成分比較、こうしたものもマスコミの皆さん方を中心にされるようになってまいりましてね。時にはその中の部分がかなり中国から入ってる。そこに問題があるという指摘があったりする場合もありまして。こうした点も、ジェネリックがようやく人口に膾炙(かいしゃ)されてからこそといったことではありますけどね。
 こうした点については、医師会の皆さん方も非常にアンテナを高くされているところでありますので、こうした状況もしっかりと把握をしながら、まずは国とともに進めるとともに、なんといっても県民の皆さん方の安全安心を第一にしていかなければならないということもありますので、同時にアンテナを高くして、対応を進めていきたいと考えております。

県職員の懲戒免職事案について(質疑)

(徳島新聞社)
 先週、県職員の懲戒処分の発表がありましたが、これについて、コメントをお願いします。

(知事)
 はい。これは、自治医を卒業した医師が、徳島県の職員となるわけでありましてね。そして当然、中山間地域、へき地医療を担っていただいていたわけでありますが、研修に行くと言って、実はそれでバイトをしていたということがありまして、その金額が数千万に及ぶと。ご本人は、あくまでも色々お誘いを受けて、その技術を高めるためにやったんだっていう話があるわけですが、当然、そうしたバイト。しかも、研修に行くと言って、それを偽ってバイトをすると。これは公務員の倫理上は許されるものではないということがありまして、これまでの状況、ずっと把握をさせていただき、慎重に調査を進めるなか、本人にも確認をさせていただきまして、この度、懲戒免職という形を取らせていただきました。
 自治医のドクターというのは、今でこそ徳島県は、隔年で3名出せるようになったんですが、常に2名しか出せない。非常に貴重な戦力。しかも、中山間地域の医療を担っていただく、今でいう総合診療医を担っていただく。その意味では、例えば、学費であるとか、あるいは生活費、免除、支援という制度が行われ、我々都道府県が作った私立の大学が自治医科大と。これは栃木県の小山、そして埼玉県の大宮に大きな病院がありますけどね。そうした自治体としての総合診療の赤ひげ先生を担っていただく期待の星であるわけで、大変県内から優秀な生徒さんが毎年受験をされると。こうした点を考えると、このモラルが足りないといった点については、いかんとも口惜しいといった点ですよね。
 もしこの人ではなく、ちゃんとモラルのある、おそらくその年も2人しか受からないわけですから。違う先生が、生徒さんが受かっていたら、どれだけよかったかといった点があるわけでしてね。
 そうした意味は、自治医でしっかり学び、今も県内で活躍され、あるいは義務年限を終えて、県内で活躍されている。あるいは全国で活躍されている。そうした医師の皆さん方、これから自治医を目指す皆さん、あるいは自治医、今いる学生さん達にもね。これは非常に大きなダメージを与える、っていうことですので、本当にもう残念以外の何ものでもない。ということですね。
 ご本人は、ドクターであるわけでありますので、しっかりとこうした点については反省していただいて、そして今後はその技術を、やっぱり多くの皆さん方のための活かしていただければなと思っています。

(徳島新聞社)
 職員のアルバイトについては、平成25年にも同じように懲戒免職になっていると思うんですけど、県としてのチェック体制でありますとか、職員倫理の徹底でありますとか、そういったことについての反省点はありますか。

(知事)
 やはり、今回のような点が出た、チェック漏れと言いますか、これも県が例えば直接調査をして見い出したというんであればまだよかったんですけどね。こんな話がというところから始まったところでしたんで。そうした意味では、まだまだチェック体制が甘い。確かに公務員の場合には、採用するときに宣誓をしていただいて、決してこれは格好でやるっていうことではなくて、誠心誠意、全体の奉仕者であると。この宣誓をして、まずは、辞令を渡すという体制を取っておりますんでね。やはり常に新入社員といいますか、県庁に入られる皆さん方にもそれを今宣誓をしましたよね、それを忘れないでと。ともすると、すぐ喉元を過ぎて忘れると。
 いうことは毎年の職員採用の時、あるいは、職員研修の場でも私の方から直接申し上げるところなんですがね。しかし、中にはそうした人も、また、慣れなどから、あるいは今回のように誘いを受けたからと、安易な気持ちでそう流れてしまうと。こうした点がありましてね。こうした点については大きな反省材料として、チェック体制、チェックをしなきゃならんというのが情けないところでありますが。しかし、誤謬性(ごびゅう)は通用しなくなってきているところでありますのでね。しっかりとそうした体制を取っていければと考えています。

(徳島新聞社)
 任命権者としての責任についてはどのようにお考えですか。

(知事)
 そうですね。これは深く感じております。特に、このドクター。しかも、自治医というね、多くの県内の学生さんたちが憧れる存在でもあるし。地域医療の皆さん方にとってみると、頼りがいのある。また、地域の患者さんにとってみると、本当に心から頼れる、そうした存在だけに非常にダメージが大きいということでありますので、こうしたことを招いたことにつきましては、深く、これは、申し訳なく思ってるところです。

(徳島新聞社)
 那賀町の診療所や病院で診療をされていたということなんですが、今回の件が今後、へき地医療への影響というのはどういうふうに。

(知事)
 そこが一番心配なところなんですよね。やはりお一人こういう人が出ると、次の人も、あの人もそうじゃないのか。先生バイトしてんの。みたいなことをですね、つい軽く言われてしまうと。風評被害というのかもしれませんがね。そうすることによって、まじめにやっている人達が非常にダメージを受けてしまう。ショックを受けると。なんせ、患者さん方との信頼関係。あるいは、そうした形で、尊敬というか頼られているからこそということで、モチベーションを持ってやると。
 もともとそうしたへき地医療やってる公務員ドクターの皆さん方だけでなく、公務員自身が本当はそのはずなんですよね。昨今特に国の役人たちですよね。ここが非常に危機的な状況になってるんじゃないかと。例えば、必ずしも東大法学部からキャリア官僚すべてなるというわけじゃないんですが、今社会問題として取り上げられているのが、東大法学部が定員割れを毎年しているということなんですよね。昔はキャリア官僚になる、あるいは裁判官になる、あるいは検事になる。いろいろな道をということだったんですけどね。しかし、そうした世界が非常に給料も安い。しかも、24時間365日無定量に仕事をすると。しかし、その中でこれは国家の仕事をやれるということがモチベーションとして、別に給料が安いの関係ないよということでやってきた。しかし、それも今いろいろな点で、今汚職問題が取り上げられてますけどね。そういう形でこれはもう官僚組織の崩壊危機じゃないか。もう、すでにいや始まってるよ。大学からだと。東大法学部が定員割れをしている。こうした点についてね、これをどう考えていくのか。
 我々地方公務員であるわけですけどね。やはり同様のことがこれから言えてくる。ただ、我々の場合は今地方創生ということで、どちらかというとモチベーション、意欲が地方の公務員の方に高まっているんではないかといった点はあります。しかし今回のようなことが起こるとお医者さんの世界とか、切り分ける世界でなくて、やはり公務員の倫理はどうなってるんだと、そうした話につながってきてしまう。多くのまじめにやっている皆さん方が大きなダメージを受けてしまうということにもなりますんでね。やはり国民の皆さん、県民の皆さん方との信頼関係で成り立っているということですので、我々としてもこの点はしっかりと深くチェックをする、反省をする。そうした点についてはもう一度思いをはせなければならないと思っています。

(幹事社)
 よろしいですか。それではこれで終わります。

(知事)
 はい、ありがとうございました。

 
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