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平成30年4月2日 定例記者会見 項目別

神戸淡路鳴門自動車道全通20周年について(質疑)

(共同通信社)
  今週で神戸淡路鳴門自動車道20年になると思うんですけど、この20年間で徳島が受けたメリット、デメリット、知事が考えられてる影響についてお伺いしたい。

(知事)
  ここはやはり、フェーズを分けるべきかなと思います。まずは、最初の10年。実は、徳島の場合はもう一つ先に橋が架かっているんです。つまり、昭和60年に大鳴門橋がまず架かって、淡路島と徳島がまさに陸続きになったと。この時に通行台数といいますか、高速の、この時がだいたい大鳴門橋の通行台数が230万台だったんですよね。それが平成10年に明石海峡大橋が架かって、いわゆる全通ですね、全通スタートの年、一気に600万台に増えたんです。そしてもう一つ大きな転機になったのが、例の千円高速、これが平成21年、この時850万台くらい。そして、今度は全国共通料金の導入が平成26年からなされ、ここでいよいよ900万台、もう1千万台を射程圏内に入れたと。この普通車、大型車含めた通行台数の経緯を見ても分かるように、まさに近畿と四国を結ぶ大動脈がここに。
  さらに昨今では、トラックの運転手さん達の勤務条件が大きく改善されたということで、例えば4時間以上運転をしたら30分以上は休憩を取らなければいけないとかですね。フェリーに乗っている間は全部が休憩時間になってた。こうしたことによって、九州と近畿を結ぶ物流、従来は関門ルート、関門トンネルであるとか関門橋を通じて来たんですよね。しかし、今は、これが豊予をフェリーで渡る。そして、四国縦貫道といいますかね、愛媛からそして徳島道を通って、そして神戸淡路鳴門ルートを通って行くという、これが非常に合理的であるという。おかげで徳島道は3割増となった。これによってもモーダルシフトがこれだけ行われているということが分かるかと思うんですよね。
  ということで、最初の10年においては、よくメリットも当然ある。でも、こちらは四国の人達がどちらかというと神戸、大阪の方に行きやすくなって、どんどん行っちゃって流出しちゃうんだと言われる。つまりストロー効果ですよね。スッカラカンに徳島なっちゃうじゃないって。しかし、10年経つと当たり前のことになるんですよね。神戸も当たり前、大阪も当たり前、陸続きがね。今度は逆に向こうの皆様方が、当たり前だったら普通に行こうよ、って。じゃあ環境が良かったら住んでみようよ、こういう形に逆にシフトが実は行われてきているんですね。
  じゃあどうやって具体的にそれを実証するんだという点については、平成22年と平成27年の人口移動(県域を越えた通勤・通学者数)の増減があるんです。例えば、兵庫県に徳島から、どのくらい増えたか、これがだいたい34.4パーセントぐらい増えてる。その一方で今度は逆に兵庫県から徳島に。普通はこっちの方が少ないと思うでしょ。56.4(パーセント)でね。このあたりの数字、見ても分かるように、逆にもう、向こうにとってみると当たり前と思ったんだったら、徳島へと、四国だとかそんな感じじゃなくてね。より環境のいい徳島へ行こう、こういう風になってくる。これが如実に分かる。
  つまり10年までのストロー効果が今度は当たり前になってしまうと、今度は逆現象を起こしてくると。つまりそれぞれが対等に、魅力を発揮することによって、人口移動が行われるということになるかと。そして物流の点でも正に、四国と近畿の結節点ではなくて九州と近畿の結節点、ここも徳島をはじめとするこのエリア、これは非常に大きく様変わりしてきたのではないのかなと。
  その意味で非常に大きかったのは、まずは徳島から平成16年に声を上げた、あの高すぎる高速料金、平成の大関所と言われた本四高速の料金を平成26年4月全国共通料金にした、ここが大きなポイント。もちろんなかなか最初は四国の3県の皆様方の賛同が得られなかったんだけど。そんなんだったら対岸の近畿攻め落とせばいいということで、平成22年の12月には、日本の有史以来初となる都道府県域を超える意思決定機関である関西広域連合、これを徳島、チャーターメンバーとして作り上げてね、どちらかというと最初は防災、東日本大震災でカウンターパートで名を馳せることに実は関西広域連合なるんですけど。実は関西広域連合は地方自治法に定める特別地方公共団体、議会を持ってるんですね、意思決定機関ということでその第1号の決議、これは徳島から提案をした本四高速の全国共通料金だった、いうこともありまして、その後10府県市、この橋の架かっている四国中国そして近畿とこれが大同団結して、そしていよいよ平成26年の4月全国共通料金を実現したんですね。これによって平成の大関所が無くなったと。細かく言うとね、まだ完全にネクスコ西日本と同じ体系にはなっていない。ただ、形としては、なっているというこでありますんでね。
  これがフェーズとしてこの10周年の時と20周年を迎える今回と大きく違うところ。そして、社会情勢が大きかった。先ほどのトラックの運転手さんの労務環境の改善とかね。こうしたことを考えていくとこれからますますこの橋といったものが意味を持つ。
  今もう一つは新たな形として、例えば、その橋の下に大きなものが渦巻いていますよね。鳴門の渦潮、世界三大潮流。これも今までには無かった形で、兵庫県と徳島県で、この鳴門の渦潮を世界遺産にチャレンジしようじゃないか、兵庫県側は自然、徳島は文化ということでね、それぞれで世界的なそうした知見をもった皆さん方も集まって頂こう。先般は、徳島のルネッサンスリゾートナルトを会場にしましてね、初めての国際シンポジウム。そして世界遺産、これを審査するイコモス(国際記念物遺跡会議)ですね、その国際学術委員会の委員長さん、幹部の方でありますけどね、李惠恩(イ・ヘウン)さんにお越し頂いて基調講演も頂いたということでありましてね。
  こうした様々な取り組みも今までに無い形で進めていける、これはやはり神戸淡路自動車道20周年、これは当たり前のものとなった、こうした点が大きいんではないか。
  また、今では「アワイチ」という自転車で、非常に健康志向ということで盛んな、淡路島一周ルート、「アワイチ」と呼ぶんですが、南淡路市、鳴門市、そして東かがわ市、3県にまたがっているんですね。それぞれの皆さん方が力を合わせてこのアワイチをよりこのエリアに広げていこうじゃないか。今は自転車で大鳴門橋を渡れませんので、それを運搬して、それで行くと。そうした声を上げて、あがったもんですから、今、兵庫県と徳島でお互い力を合わせて、ちょうど橋の下のところね、本来ここ新幹線が走る予定のところなんだけど、まだ、新幹線が走ることになっていない。ここ自転車道に出来るかなということで、もちろん渦の道に対してのものは考えなければいけないですけどね。まずはやはりここは風が強い、風洞解析。あるいは、橋に大きな加重がかかり過ぎてはいけない、加重、総重量、その解析。あるいは、全体として評価する、3つの分野で解析する、やっていこうということ。そうしてものがうまく出来ましたので、自転車道として。そして渦の道を見ながらね。こうした試みも、今までには無かった。つまり、これはもう当たり前のものなんだと、特別なものじゃない、こうしたことからスポーツ、文化、様々な芽が徳島、兵庫ともに、あるいは関西広域連合としてということで生まれてくる。正に新しい時代の幕開けがいよいよ来るかなと。
  そして今一番熱い期待を持って頂いているのが、やはり、東九州の皆さん方ね。大分、あるいは宮崎、この皆さん方がようやくここに東九州自動車道が出来た。これで西九州と対等になったと思ったら、向こうは新幹線が通ってる訳ね。まあまたということで。ここから第二の国土軸として、この四国新幹線が基軸になりますんで、今、与党プロジェクトチームの方では北陸新幹線、こちらがいよいよ大阪までのルートが来た。でも大阪で止めちゃもったいない。やっぱり2020年インバウンド4000万(人)、2030年6000万(人)、これを実現するためには、関空をもっともっと利活用しなきゃいかん、ということで、関空まで新幹線を入れようとなってくれば、関空は海の上なんで、その向かいにある大きな島に渡らせれば、大鳴門橋は新幹線が走れるわけですんでね。というこうした、動きにやはり東九州の皆さん方も大いに熱い期待を持つ、彼らとしては豊予を渡んなきゃいけない。ここはでも非常に深いということでね。よっぽどの技術。でも、そうした技術っていうのは、どんどん日進月歩、進んでくるわけですね。日本はそうした技術大国でもあるわけですから、我々としては、そうした四国新幹線、あるいは、第二の新たな国土軸、こうしたものについても、大きな期待が膨らむこれからということになるんではないかと。将来展望もいよいよと思っています。

(四国放送)
  今の明石の件で、課題っていうところもおっしゃって頂きたい。

(知事)
  やはり、課題というのは、もう当たり前になる。だからストロー効果ってのはめずらしいから言ってみよう、いうことから、当たり前ということになると、例えば明石海峡大橋を渡った向こう側、つまり、本州側の魅力の方が高いということになれば、これは大きな人口移動になってしまう。うねりになってしまう。単なる興味本位ではない、いうことなんですね。
  だから、そうした意味では、今、地方創生というのがちょうどタイムリー。日本全体が同じような環境がどこにでもあるんですね。例えば、香川県と岡山県、ここも同じことですし、愛媛県と広島県も同じ。我々四国にとってですね。だからそうした中でいかに魅力を高めていくか。やはり魅力の高いところに若い皆さん方も、あるいは現役世代も、また、高齢者の皆さん方も移り住む。当たり前のものになってるんだからね。珍しいとか、そういう興味本位じゃない。
  だから正に大競争時代、今まではあえて割と珍しい、あるいは橋の架からない時代というのは、隔離をされていた状況になっていたので独自の文化圏を持っていた。しかし、それがつながり興味本位ではなくて、当たり前になってしまうと、もう本州と同じ条件で勝負しなきゃいけない。だめだよと、言われたらおしまい。だから地方創生が今正にタイムリーだ。そこをいかに魅力を高めるか、もちろん自然、食、あるいは職場として、あるいは教育現場として、福祉として、医療として、あるいは子育て環境として。
  今やあらゆる課題が正に全国大競争時代になってくるところでありますんでね、四国徳島も正にその中に組み込まれている。もう当たり前の時代だということなんですよね。だから、少しでも気を緩めて、いやぁ、四国の中なんだからいいよ、なんて言っていたらあっという間に、県民の皆さんがいなくなっちゃう。あるいは、企業が全部いなくなっちゃう。こうなることも決して空想の世界ではない。現実のものとなるということになってくるんですね。正に全国大競争時代のまっただ中に今突入しているいうことになります。

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