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次に2番目、養殖ワカメ色落ち対策のための栄養塩、「しお」って書きますね、栄養塩供給技術の開発についてであります。
本県の「鳴門わかめ」は「スダチ」、「鳴門金時」、「阿波尾鶏」と並ぶ、本県の四大ブランドで、西日本一の生産量を誇り、冬、この時期1月から収穫に向けまして、海の中で大事に育てられているところであります。
一方、近年、海の「栄養塩」の減少によりまして一部地域では、ワカメの生長に欠かせない「窒素」の不足から、「色落ち」と言われる現象が見られるようになっているところであります。
この色落ちが発生いたしますと、販売価格が低下をいたしまして、経営に影響が出ますことから、漁業者の間では、大きな問題となっているところであります。
そこで、徳島県立農林水産総合技術支援センター水産研究課では、「色落ち」対策といたしまして、養殖わかめに栄養塩を供給する新しい技術の開発に取り組んできたところ、この度、実証実験によりまして、わかめの「色落ち」を回復させることに成功したため、12月8日、金曜日に特許を出願したところであります。
ということで、どんなことかなっていうね、イメージ図、
<パネル「栄養塩供給技術のイメージ図」を提示>
こちらでありますけどね。少しこの絵をご覧をいただきたいと思います。
<「栄養塩供給体の実物」を提示>
ここにね具体的な物があります。
ここに書いてあるこの二つ、ここですね。これはちょうどこうした、これが実物、これが「栄養塩」。
これをこの中に入れて、使うということなんですね。ここに置いときますのでまたご覧いただきたいと思います。
海で減少している「窒素」をわかめに供給するために、この半透膜構造を利用して専用の器具を製作し、わかめの養殖ロープに設置するものであります。ということでね、これにこれを入れて、こうつり下げていくと。で、栄養を補給させると。こういうシステムと、いうことになります。
もう少し具体的に申し上げていきますと、硝酸アンモニウム、これを寒天で、固めまして、外側を栄養塩、イオンを通す「半透膜」部分と栄養塩を通さないポリエチレンビニールの部分がある二重構造で包んだものを用意をさせて頂きまして、これを強度補強のために、専用のこの保護ケース、こちらに入れてわかめの養殖ロープにそれぞれ吊していくと、こういう形となります。
こうすることによって、真ん中の半透膜の部分ここですね、ちょうど。ここから必要な量の窒素成分が必要な期間、持続して溶け出し、すぐそばにある「ワカメの成長点」に効率よく供給されて、「色落ち」の回復が期待されるものであります。
なお、栄養塩が溶け出す速度につきましては、自在に調整することが可能となるんですね。ということで栄養塩の実物を今ご覧いただいたところであります。
また実際に、この技術により、栄養塩を2週間程度与えた結果、「色落ち」が回復したワカメと技術を使わなかったワカメの比較、少しご覧いただきますとね、
<パネル「色落ちが回復したわかめ」を提示>
このくらい色が薄くなっちゃう訳ですよね。また、小さい。これ見て、えらい差ということ、これ2週間でこれだけの差がでるということなんですね。
ということで、今後は、来年の1月から3月にかけまして、わかめの養殖漁場でまた更に野外実験、こちらを行いまして、その結果をもとに、実用化に向け改良を加え、技術の普及を目指して参りたいと考えております。
またわかめと同様に「色落ち」が発生している「クロノリの養殖」への応用についても今後調査をしていきたいと考えております。
この技術によりまして、高品質な「養殖ワカメ」の生産と「もうかる漁業」の実現を図れるように、しっかりと取り組んで参ります。