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平成25年11月3日 臨時記者会見 フルテキスト版

「明治大学、徳島大学、徳島県との連携・協力に関する包括協定」について(挨拶)

(司会)
 始めに、本日、協定を調印いたしました、明治大学、徳島大学、徳島県の三者を代表いたしまして、飯泉徳島県知事より、御挨拶を申し上げます。

(知事)
 それでは、明治大学、徳島大学、そして徳島県を代表させていただきまして、一言御挨拶を申し述べさせていただきたいと存じます。
 本日は、「明治大学、徳島大学、徳島県との連携・協力に関する包括協定」、ただ今、滞りなく無事終了いたしたところでありまして、まずもって、皆様方に御報告させていただければと思います。
 まず、今回のこの協定に至る一番のきっかけについてでありますが、こちらにつきましては先ほど、御司会からも御紹介がありましたように、徳島大学と徳島県との間で、今、日本全体が「成長産業」、「成長戦略」だと言っております「6次産業化」。これを大いに進めていこうということで、「農工商連携」。これを進めていくその連携センターを(平成)24年3月に協定を結び、進めさせていただいているところであります。
 そして、「植物工場」。我が国の中でも研究開発としては、その第一人者である明治大学の皆様方にも御協力をいただこうと、こうした点からこの度のこの「包括協定の締結」に至ることとなりました。
 そこで、今回の包括協定によりまして、一番のきっかけとなりました「農工商連携」、これはもとよりでありますが、「6次産業化」の次世代のモデルを是非この協定の中から生み出していければな、まずはこのように考えております。
 また、両大学にも若き豊富な人材がおられるわけでありますので、やはり、ともすると昨今の大学教育の現場は座学が多い、つまり、デスクワークが、あるいは机の上での勉強が多い、このような指摘もされるわけでありまして、是非、徳島県全域を「フィールドワーク」としていただきまして、この若き人材の皆様方が伸び伸びと、そして次世代に向けて新たな研究開発はもとより、「COC」、地域貢献の正に頭脳拠点として大いに羽ばたいていただく、この「フィールドワーク」、そして、その「場の提供」を徳島県としては、して参りたいと考えております。
 今日のこの「包括協定」が、「大学」と「地域」との新たな形を生み出す処方箋となりますことを心から御期待申し上げますとともに、明治大学、そして徳島大学の限りない御発展を心から御祈念を申し上げまして、私からの御挨拶とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。

(司会)
 それでは、質問等を受け付けさせていただきたいと思います。
 社名とお名前をおっしゃっていただいてから、御質問をお願いいたします。

「明治大学、徳島大学、徳島県との連携・協力に関する包括協定」について(質疑)

(読売新聞社)
 まず、明治大学さん、徳島大学さん、徳島県さん、それぞれにお伺いしたいんですけれども、御自身の組織で持ってらっしゃる「最大の強み」と、この協定を通じてどのように更に活かしていけるか、今後の展望をお聞かせください。

(明治大学長)
 私どものこうした地域貢献については、「社会連携機構」という組織がございまして、その下に生涯学習を担当する「リバティアカデミー」というのと「地域連携推進センター」この2つが組織として置かれております。
 生涯学習の方は、年間約400講座、受講生18000人の規模で毎年展開をしております。その講座の展開の姿として、オープン講座というのがございまして、受講生だけではなくて一般の方にも開放して講演会等を展開するということをやっております。
 また、「地域連携推進センター」では、具体的に地域との連携の業務を担当をしておりまして、学生派遣、研究者の派遣も含めて展開をしているところでございます。
 そうした中で、私どもは、社会貢献・地域貢献という側面で言うと、本学の持っている知的財産を社会に役立てていただく、その2つの組織を通じて役立てていただく、そしてまた、私達が研究者として現場へ出て行く、そして、学生達をお邪魔させていただく、そうしたことを通じて多くのことを学ばせていただいております。それが、研究や教育にフィードバックするという好循環を果たしているというふうに思っておりまして、全国的に様々な地域と連携をさせていただいております。
 そうした経験を踏まえて、徳島県、徳島大学との連携に注力をしていきたいというふうに思っております。新しいそうした展開の場を、機会をいただいたと大変喜んでおります。

(徳島大学長)
 先ほどの明治大学の学長さんのおっしゃったこととほぼ同じです。徳島大学もやはり「地に根ざした大学」を目指しておりまして、社会貢献はそれぞれ行って参ったんでございますけれども、全体のバランス的に個々の活動が多かったということで、今「COC」、「センター・オブ・コミュニティー」ですね、「COC推進機構」を作りまして、そこで一括してきちんと筋だった行動をしていこうということで、今回も全国展開をしている明治大学との協定でもって、徳島だけではなくて他の地区とも連携を図りたいというふうに思います。
 もう一点は、知事がおっしゃいましたように、農学部が中四国の国立大学で無いのは徳島大学だけです。これだけの農業県であって無いということなので、やはりどうあるべきかということで、工学部の生物工学科の学生を中心として、今からは「6次産業」の人材育成であろうということで始めたところでございます。これは、明治大学の農学部も全国のリーダーの一つでございますので、「植物工場」あるいは、ちょっと具体的になりますけれども「医療ブタ」等の開発を行いたいと、これからスタートするところでありますけれども、そういう教育、「6次産業」の人材育成を目指しているところでございます。

(知事)
 最後、徳島県ですが、今日のこの協定の一番のきっかけとなった農業、実は「関西の台所」を長年、徳島県は任じて参りまして、丁度奇しくも、今日、県立農業大学校の100周年記念、これを行ったところでありますし、また、今年から農業の関係の農林水産全般なんですが、「普及」、「研究」そして「教育」をワンストップにした県立の農林水産総合技術支援センターもスタートをしたということでありまして、こうした日本の今では台所を期待をされる徳島としてのバックボーン、そして、そのフィールド、これを今度は大学の皆さん方と更に「6次産業化」に向けていこう、人材もここから大いに輩出をしていこうと、まずはこれが強みの一つだと考えています。
 また、さらには昨今「6次産業化」となると、農業というだけでは足りない、今お話がありましたように、「植物工場」という形で、いわゆる工学系、そしてこの中には「LED」あるいは「ICT」こうしたものが多く使われてくることになります。
 となってまいりますと、今、徳島は日本でトップの二つの「光王国」を持っているところで、一つは、言うまでもなく「LED」。世界最大の生産拠点が徳島県に日亜化学工業株式会社さんがある。また、「LEDバレイ構想」ということで、今では117社の皆さん方がこのLEDの応用製品を作る、これらが徳島県に集積をする、そのネクストステージとしての相乗効果が期待をされる。
 また、もう一つは、「ICT」。ブロードバンド環境では、日本で一番が今は徳島、特に全県を光ケーブルで結んでおりまして、ケーブルテレビの普及率、これについては全国平均が、まだまだ51.8%に対して88.9%、しかも、後発の利で、これが各家庭にすべて光ファイバーで入っていると、大いなるブロードバンド環境を持っていると。これを正に「ICT」として、この新たな分野に利活用していく、こうした大きな二つの「光王国」があります。
 また、さらにもう一つは、今では東日本大震災発災以降、電力をはじめとするエネルギーは無尽蔵ではない、これが立証されました。そこで、今では再生可能エネルギー、特に自然エネルギーの開発がどんどん急ピッチで進んでいます。特に固定電力の買取制度がスタートをした。そうした点で徳島では豊富な「日照」、あるいは「小水力」。非常に急流河川が多い。また、「風力」。風向が良いということ、また、県土の75パーセントが森林ということでの「バイオマス」と、正に「自然エネルギーの宝庫」であるわけでありますし、丁度、今、自然エネルギー協議会、38道府県、また200を超える企業が集まったものでありますが、その会長県も徳島が引き受けさせていただいている。こうした新しいエネルギーをこうした分野に如何に活かしていくのか。こうした点についても大いなる可能性を秘めている、これが徳島の大きなポテンシャルだと思っています。
 そして、今、香川(徳島大学)学長さんから「医療ブタ」の話も出ました。確かに徳島県は糖尿病死亡率ワースト1が非常に長く続いて参りましたが、その一方で、多くの医療人材、お医者さんの数ですとか、そうした多くの豊富な医療人材があるわけでありまして、日本では初となる大学病院と県立中央病院が隣同士にある、今まではこれはデメリットだと言われてきたものをお互いの建て替えを契機として一体化をする。しかも、高度医療機器、例えばPET/CTをはじめ、こうしたものについての「医療特区」を取ることによって、全く今の日本に無いような形での医療対策といったものも行うことができるようになっておりまして、こうしたものを正にバックボーンとしてこの協定を更に実のあるものに、そして、日本の多くの課題を解決をしていく「課題解決先進県」として、この協定を大いに活かしていきたいな、そして、日本のモデルをこの協定から生み出せればと考えています。以上です。

(司会)
 他にございませんでしょうか。

(徳島新聞社)
 具体的に取組み内容が決まっているお話があればお願いします。

(徳島大学長)
 一つは12月に「モラエス生誕100年」ということで、そのモラエスの講演会を含めたものを明治大学で、徳島大学と明治大学が一緒になって講演会をやる予定があります。一番新しいのはそれです。

(徳島新聞社)
 研究分野で何か。

(徳島大学長)
 研究分野はですね、ここで言うべきかどうか。できるかどうかと言うのがあるんですけれど、先ほど出た、繰り返しになりますけれど「医療ブタ」ですね、「ミニブタ」の開発。それは、疾患も関係しますし、手術のスキルを学ぶということもあります。
 それから、植物ですけれども「松茸」の人工栽培ですね、それから「朝鮮人参」等付加価値のあるものを考えています。

(明治大学長)
 今、お話いただいたポルトガルの文豪モラエスのシンポジウムですね、これが「リバティアカデミー」のオープン講座ということで、東京の神田駿河台で展開をさせていただきます。
 まず、第一歩の試みでありまして、これは多分、毎年企画を立てていただいて、展開をするようになっていくんだろうというふうに思います。それと、今お話のありました「クローンブタ」の研究も本学の農学部でかなり専門的な先生がおられますので、そうしたことも可能性としてはというふうに思います。
 また、本学は、「社会科学系」、「人文科学系」そして「自然科学系」の3分野について、10学部15研究科を持っております。そういう意味で言いますとお互いに共同できる分野がかなりあるのではないかというふうに期待をしております。例えば、医療分野であれば法学部、あるいはロースクールの方の医療倫理に関わる法学的なアプローチであるとかですね、そうしたこともお手伝いできるのではないかなというふうに思っております。まだ、具体的な話は進んでおりませんけれども、おそらく連絡協議会のようなものを作って「あれがやりたい、これがやりたい」というお話を合わせながら、連携の実を挙げていくということになっていくというふうに思います。

(知事)
 後、農業の関係でしたら、既に先ほども御紹介のあったゼミ学生の皆さん方がお越しをいただいて、そして実証のいろんな調査学習を行っていただいた。その成果といったものを既に活かして「新しい営農システム」を創出事業という形で、徳島としては新しい営農スタイルをこの中からも築き上げていく。こうしたものについては、これからも更に進化をさせていきたいと思っています。
 それから、また「とくしまマラソン」、これは既に明治大学の競走部の皆さん方に御参加をいただいているわけでありますが、こうした「スポーツ交流」についてもこれから大いに展開をしていきたいと思います。
 また、モラエスについては、もう既に御紹介があったところでありますが、なんと言っても徳島の場合には、「4大モチーフ」があるわけでして、「阿波藍」、「阿波人形浄瑠璃」、「阿波踊り」そしてベートーベン「第九」と。音楽の分野についても「邦楽」、「洋楽」、「ジャズ」と豊富にあるわけでありますので、こうした文化の関係についても更にこれから深めていければなとこのように考えています。以上です。

(司会)
 他にございますでしょうか。
 なければ、以上をもちまして「明治大学、徳島大学、徳島県との連携・協力に関する包括協定」の調印式を閉じることといたします。本日はどうもありがとうございました。

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