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(時事通信社)
参議院選の選挙制度改革で「合区案」というものが軸に、今まずは比例にするというような話が出ているようなんですけれども、このような動きについては、どういうふうにお考えでしょうか。
(知事)
勿論、1票の格差という観点。日本国憲法で日本人であれば、法の下に平等であるということが定められているところでありますので、裁判所でいわれるその1票の格差、これにあまりにも差があると。例えば5倍以上だと違憲状態、違憲だっていう話もこれあったりね、してきたところでありますが。
では、じゃあ最終的に人口が、大都市部にどうしても集まってしまうという中で地方の減少、人口減少が激しいと、そういう中で、じゃあ例えば鳥取県と島根県を合わせてしまおうとか。あるいは、場合によっては徳島県と高知県を合わしてしまおうと、こうした案が今の「合区案」というのが実はあるんですよね。
でもこれは少し、私としては乱暴だなと。47都道府県がそれぞれ平等に、勿論、東京都だけ少し、首都東京ということで、都ということで特別の法律も定められているところでありますので、そうした意味からすると他の46(道府県)については、やはり同じにすべきだというふうに考えています。
例えば、諸外国を見てみても、例えばアメリカですよね、アメリカは50州あるわけなんですけど、日本は47(都道府県)ですよね。じゃあ、50州でもテキサス州とかカリフォルニア州とか、非常に人口の多いところと、あるいはアーカンソー州とか、アラスカ(州)なんかもそうなんですけど、こう非常に人口の希薄なところ、じゃあここで、上院議員ですね、いわゆる州を代表するといわれている上院議員、オバマ大統領も前は上院議員だったですけどね。この上院議員を、じゃあ、カリフォルニア州はアーカンソー(州)の10倍いるんかって、あるいは、アーカンソーとかその辺りが周辺と一体となって2つの州で、例えば2人出しているのかとか、そうじゃないんですね。あくまでも、これは州の代表としてカリフォルニア、テキサスでも2人、アーカンソー州だって2人。州の代表だと、つまり、ここに1票の格差は生じない。つまり州代表だという位置付けが為されている。それが故に上院(議員)と下院(議員)という2院制を設ける中で、上院と下院の役割がまったく違ってきているんですね。
やはり日本も、今よく言われているのは、衆議院と参議院、2院制をとっている。しかし、何かときたまね、参議院の皆さんには申し訳ないんだけど、よくマスコミの皆さんにも言われるように、その参議院っていうのは衆議院のカーボンコピーかって、こうよく言われてますね。最近、カーボンコピーと言ってもね、分からない人がおってもだけど、要はコピーだと、そのまま写したということをよく言われる。
で、ねじれの問題が起こった中で、もう1院制でいいんじゃないかとかね。あるいは、もう参議院要らないとかいう話が、どんどん、どんどん、こう出てしまう中で、やはりこの1票の格差っていうものを、きっちりとやらないとっていうね、そうしたところへ、こうずっと、でもこれって王道の議論じゃないとね。だから、こっち側へ ずっと逸れていってしまっている感じが、こうするというかね。やはり、本来、衆議院と参議院というのはどういうものなのか、これをしっかりと。憲法には、しっかりとそうしたものが定められている。しかし、我々としては地方行政を預かる身としては、やはり衆議院、参議院、どっちかは、せめて地方の府であってほしいなって。アメリカっていうのは、そうなってますよね。上院は各州を代表して意見を国会で述べるわけですからね。そうした点、やはりどっちか、それぞれ衆議院、参議院どっちでもいいんですけどね、そうした役割をしっかりと定め、そうすることによって衆議院と参議院、これが、どちらかがどちらかのカーボンコピーであるというようなことではなくて、やはり大切な、それぞれの地方、あるいは国、これを代表して意見を述べてくれる非常に重要な機関なんだと。こういうふうに国民の皆さんから、理解をしてもらえるような、根本的な議論をいよいよする時が来たんじゃないのかなと、そう考えていますけどね。