文字サイズ

やさしいブラウザ・クラウド版はこちらからご利用下さい

平成26年3月17日 定例記者会見 項目別

「徳島県海上避難ガイドマップ」について(説明)

(幹事社:司会)
 では、知事の方からお願いします。

(知事)
 おはようございます。今日は私の方から3点、発表をさせていただきたいと思います。 まず、第一点目につきましては「『徳島県海上避難ガイドマップ』について」であります。
 「東日本大震災」が発災、千年に一度の大震災が起こるんだと。それから3年を経過をしたところであります。
 県におきましては、この想定外と言われたあまりにも甚大なですね、この津波被害の記憶、これを県民の皆様方にしっかりと留めておいていただきたい。被災地の皆さん方からも忘れないで欲しいと、こうした思いがあるわけでありますが、それ以上に次に来るのがこの「南海トラフ巨大地震」ではないか、このように言われるわけでありますので、是非、これを迎え撃つ教訓として、この被災地の思いといったもの、今回の事象といったものを、しっかりと引き継いでいく、我々そうした責務があるのではないかと考えております。
 そこで、東日本大震災発災の3月11日、ここに、国で作りました「津波防災地域づくり法」に基づきます「津波災害警戒区域」、いわゆる「イエローゾーン」と呼ばれておりますが、これを全国に先駆けて指定をしていくと。
 このきっかけについては、何度もこの場でも申し上げて参りましたが、東日本大震災発災から10日目に、関西広域連合一員としてカウンターパート、我々は兵庫県、鳥取県とともに宮城県を受け持つということでありましたので、宮城県の方に私自身も参りまして、徳島の部隊の活動状況、被災地の状況、つぶさに拝見をいたして参りました。
 その時に村井知事さんの方から、「過去に大きな地震があった、津波があった、こうしたことについてはしっかりと検証をしていたんだが、歴史に学ばなかった」と重い言葉があったんですね。つまり、三陸の方には過去、そうした地震があった、津波が来たということで、ここまで津波が来たという検証の、例えば石灯籠であったり石碑であったりあるいはお地蔵さん、こうしたものが教訓として作られていた。しかし、そこから海側の所に、もう今では住宅が密集をし、学校ができ、病院ができ、老人関係施設ができる、工場群があると。こうしたものが今回、大半のみ込まれてしまったと。
 こうしたものを受けて、この国土交通省の方が平成23年度の12月、この「津波防災地域づくり法」を制定をして、県知事、都道府県知事ですね、知事はイエローゾーン、こうしたものを指定することができるという、「できる規定」を作ったということなんですね。徳島県でも県南に行けば確かにこうした石碑がある。もちろん三陸ほど多くはないわけではありますが、そうしたところから海側を見ますと、多くの三陸と同じ状況になっているわけでありましてね。
 やはりこうした点、何としても「歴史に学ぶ」という重い言葉、これをしっかりと今に活かしていく。そしてこの東日本大震災の教訓、これを活かす。そして南海トラフの巨大地震を県民の皆さんとともに迎え撃つんだと。こうした意味で今回この「イエローゾーン」を指定をしたところであります。
 そしてこのたび、今度はまた、より海側にということでありまして、県の漁業調査船「とくしま」、こちらが収集をいたしましたデータ、これを活用いたしまして、沿岸の特に海底の地形、これによって津波の形が変わってくるわけなんですね。あるいは潮流、こうした現場の状況に詳しい漁業者の皆様方の御意見、こうしたものも踏まえまして、本県の沿岸域の津波高さ別の避難海域、あるいは、港から避難海域までの距離などをわかりやすく示した「海上避難ガイドマップ」を完成をいたしましたので、発表をさせていただきたいと思います。
 この東日本大震災でも、津波が沿岸に到達をするまでの前に、漁船を沖に出すと。そして漁業者、漁船、ともに助かった事例がたくさんあったわけでありまして、「海上避難ガイドマップ」は、このような、船舶のいわゆる「沖出し避難」の判断材料として、非常に有効に役立つと言うことでありまして、特に避難海域までの避難時間、「移動時間」ですね。津波が沿岸に到達をするまでの「到達時間」を比較検討し、短い時間の中で瞬時に判断をしていただく、その基として作成をさせていただいたものであります。
 では、どんなものかということで、皆さん方に御覧をいただきたいですが、(「徳島県海上避難ガイドマップ」パネルを提示し)こうした形でね、こっちが陸ですよね。こっちが海側ということで、各それぞれの水深、それぞれに応じてポイントを落としております。
 このガイドマップ、こちらにつきましては、県の沿岸、こちらを鳴門市、それから徳島市、阿南市あるいは美波町。そしてここはひとつに分けましたが牟岐町及び海陽町と。全部で5分割させていただいて作成をしております。今、見ていただいたのがこれは牟岐町及び海陽町という本県ではいちばん南のところの図ということですね。5枚あると思っていただければいいかと思います。
 また、「津波高さ別避難海域」につきましては、速度10ノット、だいたいこれを時速に直しますと18.5km以上で航行できる船舶を想定をしているところでありまして、例えば、「津波の高さが3mであれば、水深50mより深い海域」、また「津波の高さが4mならば、水深が70mよりも深い海域」、これらが避難海域の基準とさせていただいておりまして、それぞれ色分けをして示させていただいております。
 さらに、「避難海域までの距離」につきましては、港からの距離、こちらを「海里」、1海里、今のスピードでもおわかりのように、1852mですね、1海里が。及び「キロメートル」の表示とさせていただいております。
 こうしたガイドマップを作成をし、公表していくのは西日本では初めてとなるところでありまして、こうした取組みにつきましては、県のホームページで、3月17日から掲載をさせていただきまして、また船舶に関わりのあるところには、特にお配りをしようと。
 どんなところかと言いますと、当然のことながら漁業協同組合の皆様方、また沿岸の市、町、あるいは徳島海上保安部の皆さんですね。こうしたところにお配りしたいと考えております。
 なお、来る3月24日、月曜日には、南部総合県民局美波庁舎におきまして、説明会を開催をしたいと考えております。
 今後、この「海上避難ガイドマップ」、こちらを参考にしていただきまして、日頃から、避難海域までの移動時間や航路などをしっかりと想定をしておいていただくということで、漁船をはじめとする、例えば貨物船やレジャーボートなど、海上を利用されます全ての皆様方の安全・安心の確保に繋げるものと考えております。

 
知事からのご挨拶
知事の活動記録
写真で見る知事の動き
知事発言集
交際費執行状況
記者会見・庁議