〒770-8570
徳島県徳島市万代町1丁目1番地
- 電話番号:
- 088-621-2500(代表)
- 法人番号:
- 4000020360007
(毎日新聞社)
毎日新聞なんですが、これ徳島工場で作られたんですか。
(安形社長)
製作そのものはですね、大阪に研究開発センターという基礎研究をする所がございましてね、そちらの方が主体でやっております。
(毎日新聞社)
期間はどれぐらい?
(安形社長)
どこから数えるかによるね。
(中野常務)
全て数えまして1年半でございます。
(安形社長)
1年半ぐらいですかね。
(毎日新聞社)
動きのデータ化というのは、どのようにしてされたんですか。
(安形社長)
これはちょっとじゃあ中野の方から、いろいろ御協力、病院にも御協力いただいて。
(中野常務)
はい。ありがとうございます。徳島大学、今回につきましては、徳島大学附属の病院の方のキャプチャーモーションを撮る機械を一緒に使わせていただきましてですね、それで細かく、画像から落としていって、どういうモーションを人間がしているか、岡さんがどういうふうにしているかということを一緒になって分析していただいております。
(安形社長)
それをデータ化にして、デジタルデータにしてこのプログラムの中に折り込むと、こういうことよね。
(日本経済新聞社)
岡さんが監修っていうのは、今お話しあったですけど、岡さんにこう動いてもらってその動きをキャプチャーしてるってことなんですか。
(中野常務)
はい。そのとおりでございます。
(知事)
なんか似てますね。
(朝日新聞社)
今回、何台作られているんですか。
(安形社長)
これは、今回、本体は1台で、バックアップ用に完全じゃないんですけどもう1台おきましてね、一応開発した2台、1台半と言った方がいいかな。完成形で言ったら。そういう感じです。まあ2台作って、並行して。
(朝日新聞社)
12、13日は1台だけですか。
(安形社長)
はい。
(朝日新聞社)
もし雨が降っても踊れるんですか。
(安形社長)
防水は考えています。ちょっと、じゃあどういう悪条件を考えたか、ちょっと中野君の方からちょっと。
(中野常務)
これ詳しくはあれなんですけど、だいたいあり得る温度以上、それからかかる雨以上を耐久条件にテストをしております。
(安形社長)
一応防水で、今回の会場はちょっと一応上(庇)があるやに聞いていますので、よっぽどの雨でも大丈夫だと思ってますけど、一応、防水は考慮していますし、温度は最大マックス何度?
(中野常務)
テスト条件では40度。
(安形社長)
40度ぐらいまで。モーターに負荷がかかりますので、そういう温度条件。それと、あと風か?
(中野常務)
そうですね。
(安形社長)
風が吹くというのと。この3つぐらいは悪条件の中では考慮して、一応今注目をしてきました。
(中野常務)
あと、安形社長の方からもっと厳しい条件も実はございます。
(安形社長)
いろいろ、はい。
(四国放送)
駆動時間と、あとバッテリーどれぐらいもつのかっていうのと。
(安形社長)
これは今、はい、30分?
(中野常務)
何もしなければ、連続30分です。
(安形社長)
30分だね。連続30分ぐらいで、今のところ。
(四国放送)
先ほどの踊りの動きで30分間?
(安形社長)
あれで30分、だいたい。負荷かけて30分だね。
(中野常務)
そうですね。
(朝日新聞社)
ちなみに、これ1台どれぐらいかかったんですか。
(安形社長)
お金の話ですか。私も実は、聞かないようにしてきたんですよ。恐ろしいんで。
ただね、話がちょっと逸れますけども、今、研究開発費の1割、うちは売上げの3.4パーセントぐらいの売上げの研究開発費ですね。だいたい製造業としては、機械メーカーとしてはまあまあ平均的な値なんですが、4パーセントぐらいまでは上げてもいいよと。やっぱり、先行技術でね言っています。で、その内のまた1割ぐらいは道楽に使ってええぞと。これ、中野のところはですね、先行開発部隊なんですよ。ですから、いわゆるすぐ売り出す商品とは関係ないです。ある意味、道楽させとるわけですよね。道楽やって給料もらっとるいい身分なんですが、彼は。ですから研究開発費の10パーセントぐらいは、そういう先行開発とか、そういうとこに使ってええぞとは言うてあります。ですから、その中で、彼に与えた予算の中で、「自分のとこよう締めとらんやろ?いくら使ったか?」たぶん分かってないと思います。ただし、結構なお金は使っていると思います。私は、だから目つぶって、聞かないようにしています。
(朝日新聞社)
これからこう量産というか、なんか何台か。
(安形社長)
だから、そういうふうにして商売に結びつくとなりますと、これはもうちょっと原価管理、予算管理を緻密にしなきゃいけないんですけど、こういう先行開発のときは、私あんまり細かいことは言わないようにしていますので。たぶん、いくら遣ったか全部小遣い帳集計してないだろ?
(中野常務)
しないでいただきたいと思います。
(安形社長)
そんな状況でございます。
(日本経済新聞社)
さっき、医療、介護に使えるロボットの開発実績があると話あったんですが、これは製品化して売り出してはいるんですか。
(安形社長)
まだないですよね。ちょっと趣旨をちょっとじゃあもう少し。
(中野常務)
はい、私どもトヨタグループでございまして、私どもだけではなく、デンソーさんとか、トヨタさんとか、いろいろなところでやられてますヒューマノイドロボットにつきましては、メカ的なところ、あるいは制御的なところを提供させていただいております。製品化については、ジェイテクト単独ではいたしておりません。
(日本経済新聞社)
先ほど、社長の話にもあったんですけど、これの研究開発成果は、将来そういう介護ロボットなんかの、人型介護ロボット、人型ロボットの技術開発に生かしていこうと、そういうことですか。
(安形社長)
もちろん、グループの中でこれからいろいろそういったことの中にですね、私どもは部品メーカーという位置付けでございますので、今、先ほどちょっとお見せいたしましたああいうですね、モーターが全部一体化したアクチュエータということで、将来、部品メーカーとしてですね、協力できればいいなと思いますし、またヒューマノイド型のロボットだけではなくてですね、私ども普通のできれば産業用ロボットございますよね。ああいうところにも、ああいう高度なアクチュエータをですね、ビジネスとして将来また展開できればという思いもございます。
(四国放送)
知事は実際にこの実物を見たんですか。
(知事)
いえいえ、これが初めて、映像と。
(四国放送)
見てみてどうですか。
(知事)
いやー、見事なもんだなと思いますよね。滑らかでしょ。で、阿波おどりっていうこう雰囲気っていうかね、正に腰も落とし、足の運びといいね。やっぱり一番すごいなと思うのは、手ね。普通、人間があれやると必ずお化けって、こうなるでしょ。いくら自分、名手と言っても、こうなってる人って結構多いし。だから、きれいにこうなれるっていうね。やっぱり、岡さんのキャプチャリングしてるっていうね。私も岡ウォッチャーなんだけど。だから、なんか親近感覚える、「(阿波おどりロボット)すだちくん」に。いやー、すばらしいことですね。
だから、さっき言われるように、いろんなその条件、天候条件、こうしたものをクリアーと、ここもこう考えておられるということでね。おそらく、砂埃がたつとか、そういうのも先ほど、さらに厳しい条件と言われたものの中に入るんじゃないかと思うんですけどね。こうしたものを通じて皆さんにお披露目をして、ロボット技術っていうのは、例えばガンダムとかいうアニメの世界とか、SFの世界だけじゃなくて、もう実用化されているんだと。で、いろんな所で使えるんだと。そこから今度また新たな技術の発想がね。例えば、子どもさん達とか、そうした方たちに伝播していけば、この日本の工業技術、ものづくりっていったものに、おそらく新しいステージに今度は上がっていくんじゃないかと。そうした意味では、絶好の今回取組みをしていただきましたし、我々もそうしたステージをやっぱりこう提供しようと。未来に向けてってことですよね。
(NHK)
すみません。12日か13日に岡さんと並んで踊るとかっていうことはないですか。
(知事)
ここは岡連長ではなくて、私とあと安形社長。
(安形社長)
すみません。ちょっと役者が足りませんですいません。安形がやらさせていただきます。
(日本経済新聞社)
さっきお話のあったロボットの核になっているアクチュエータっていう装置、技術なんですけど、これちょっとごく素人向けに分かりやすく言うとなんなんだって言えばいいんでしょうかね。
(安形社長)
そうですね。ちょっと、中野から。
(中野常務)
アクチュエートの動かす、動くっていう名前をユニットに付けて、「アクチュエータ」って私ども呼んでおりますが、基本的にその動かすためのモーター、それからそのモーターを減速したり、減速することによって力をたくさん出したりですね、でその時に電気損失とか機械損失がなるべく下がるように、軸受もですねものすごくトルク、抵抗っていうんですがね、抵抗の低いやつを入れて、それを1つのユニットに設計するということは、多分ほかの会社さんではなかなか難しいと思います。ある一番いいモーターを買ってきて、で一番いいギアを買ってきて、そして一番合うだろう軸受をもってきますので、そういう意味では私どもはこのロボット用の関節に特化したそういう1つのユニットを御提供して、これを「革新アクチュエータ」あるいは「我々独特のアクチュエータ」というふうに呼ばせていただいてございます。
(安形社長)
あのパネルをもう一度見ていただくのがたぶん一番イメージしやすい。今の中野の申し上げた話で、これが従来の、ちょっとどれがなんで、どれがなんで。
(中野常務)
これが減速機でございます。そこがACモーターですね。そのためには、AC、DCとかいろいろ躯体がございますが、こちらですと、ここにございますところは減速機で、これがモーターになります。それを支える軸受は、実はこれ専用に私ども作っておりまして、要はスペースありきということで、これだけのトルクをここに設えると。
(安形社長)
こういう感じですね。これやっぱり全部の技術が持ってるからできると、こういうことでございます。普通の個別の所は、個別の技術を持ってきて、組むしかないんですが、一体化するのはやっぱりそれなりの要素技術というか、我々の基礎ビジネスの中にございますので、それができると、こういうことでございます。
(中野常務)
ちなみに、設計、製作全て内製でございます。
(四国放送)
そのアクチュエータっていうのはいくつ?
(安形社長)
いくつ全部で入れたかな?あの軸受の数全部入れたわけでは。33全部入れたの?16個ぐらい?
(知事)
正に関節ですよね。
(朝日新聞社)
先ほどのパネルで、腰の落とし量が2倍って書いてあったんですが、何と比較して2倍なんですか。
(中野常務)
これは、ヒューマノイドロボットで、世の中で御紹介にありました量産品の腰の高さ、例えばゆっくり歩いたり、あるいは昇ったりしたときのこの角度ですね。この角度を倍落としたと。実は、阿波おどりで、こう1回出して引っ込めるときに、この出すっていうときにガッと下がってしまうんですね。実は、これが目標値になりまして、2倍近いものがございます。
(朝日新聞社)
今回、そういうところの、実現するところ結構難しかったところですか。技術的には。
(中野常務)
はい。
(安形社長)
これは負荷かな、やっぱり。モーターとあの辺に対する負荷ですね。先ほどのアクチュエータに対する負荷、これが一番大変だったんだろうね。
(時事通信社)
いただいている資料提供の紙なんですけど、「県及び関係機関等との連携のもと、ジェイテクトが開発を進めてきた」とあるんですけど、具体的にその関係機関等っていうのはどういうことがあるのかなと。
(安形社長)
一番にはやっぱり動きの話か。病院との連携の話か。
(知事)
徳島大学病院との。
(安形社長)
人の動きをデータ化して、データライズして、それを制御に追い込むっていうのは、そこんところは随分お手伝いを、助けていただいた。
(時事通信社)
基本的にはもう全部自社開発っていうことなんですね。
(安形社長)
はい。
(日本経済新聞社)
これ開発のきっかけとか経緯っていうのは、どんな。例えば、県からちょっと打診したとかですね、またそれはよく分からないですけど、どうなんですか。
(安形社長)
これは、そもそもあれか?うちの社内で、私の前任者の時代からですね、やっぱり先程の話じゃないですけど、新しい技術入れられるときに、やっぱりその遊びの要素、道楽の要素っていうのはですね、ないと、やっぱり製造業は成長しきれないというところがございましてね。で、私の前任者の時に「そのぐらいやったらんかい」と、「阿波おどりロボットぐらい作ったらんかい」と、こういう声がかりがですね、あってですね。私もそれは非常に賛成でしてね。先ほど言いましたように10パーセントぐらいはね、開発の10パーセントぐらいは絶対道楽しないと、させないと、やっぱり製造業っていうか、技術開発っていうのは、もうなんか必要だと思った時に、そこから慌てて、ニーズが出てきた時に、いきなりシーズを開発しとったんじゃ間に合わないんですね。
やっぱり、シーズ技術はシーズ技術として、やっぱり棚に入っていて、会社の棚の中に入ってて、こんなニーズが出た時に、棚をのぞきにいくと、「あっ、ここにあるじゃん」と。そのシーズがあるねと、要素技術があるねという状態がやっぱり一番望ましい。まあこのバランス大事なんですけどね。あんまりシーズばっかりあっても、ニーズに使えなくて、シーズだけが棚の中に眠ってるっていうのも、ちょっとこれは経常では苦しいんですけど、やっぱりそれが僕は10パーセントぐらいだろうなっていうふうに思ってまして、まあ一つの目安にはしていますね。
(時事通信社)
そのお話でいうと、今回初めてその技術として生まれたのがこの「アクチュエータ」っていうのが、この阿波おどりロボット作るために生まれたものって考えていいんですかね。
(安形社長)
まあ、阿波おどりを契機にして、こういう要素技術がですね、「新型アクチュエータ」という要素技術が1つ完成したと。私どもとしてはこれが一番、この将来ビジネス、私社長の立場としてはね、将来ビジネス考えたときにこの「新アクチュエータ」は、「なんか使えそうやなあ」と「いっぱい使えそうやなあ」という気は正直あるんですよね。あっちゃこっちゃに。ロボットとしてだけではなくね。という気持ちは持ってございます。
(知事)
昨年の1月に、ジェイテクトさんからこうした話があって、我々もやっぱりこうロボットだと、これからは。だから、それを是非、やっぱりロボット作っていく時に、ベアリングっていうのはなくてはならないものなんですよね。滑らかなっていうね。是非そうしたものを作っていただくと、例えば介護だとかいろんなところにこれが応用できますし、例えば今林業だとか、あるいは建設業になかなか若い人たちが行かないっていうね、大変だっていうのもあるんですよね。そういうところにとっては、このパワースーツとか、こうした点からいくと、やっぱりもう日本は当たり前なんだけど、世界的なベアリング企業であるジェイテクトさんにそうしたものをやっていただくっていうのは、応用が広がるじゃないかと。そこで「じゃあやるんだったらやっぱり阿波おどりだよね」こういう話になったと。じゃあこちらももう最大限御協力させていただきましょうということなんですね。
(安形社長)
ありがとうございます。
(毎日放送)
ということは、2年はかかっていないと。1年半ぐらいですか。
(安形社長)
そうですね。
(四国放送)
とりあえず、今シーズンお披露目が終わった後はどうされるんですか。
(知事)
まず県としては、せっかくの機会ですので、阿波おどりだけっていうのはねもったいないので、まずその技術としてこれから一番お披露目があるのが、10月の9日から11日の「(徳島ビジネス)チャレンジメッセ」。この時にも是非出場してもらおうかなと。ここはもう逆に阿波おどりということ以上にロボット技術として見ていただくと。最先端をね。冒頭でも申し上げたように、例えば子どもさんたちもここチャレンジメッセたくさん来ますので、「うわ、すごっ」ていうね。ていうことで、ものづくりに関心持ってもらって、やっぱりそういう方面に自分たちは行くんだって、このロボット作るんだみたいな、このきっかけにもしていければなと。今やっぱり、「ものづくり離れ」、「理科離れ」ってよく言われるじゃないですか。それをどんどんどんどん逆に子どものうちから興味を持ってもらうと。
(毎日放送)
動力はバッテリー?
(安形社長)
はい、どのタイプのバッテリーだった?リチウムだな。
(毎日放送)
だいたい何分ぐらい動きっぱなし?
(安形社長)
一応30分ターゲットで。これも電池の方もどんどんどんどん日進月歩で進んで参りますので、こういったことも含めてですね、またいろいろこういうものの将来は広がっていくんじゃないかなと思っております。
(徳島新聞社)
例えばなんですけど、あのロボットのスイッチを入れ替えたら、別の踊りの動きになるとか、そういうのはテクニック的には可能なんですか。
(安形社長)
もうソフト、あとはチューニングソフトや、そのためにはそれこそ先ほどありましたけど、あるベースの踊りを解析して、データ化してというそういうプロセスはいりますけど、プログラミングすることは、そういったデータさえ持ってきてプログラミングすることは可能ですね。ですから、いきなりポンとというわけにはいきませんよ。やっぱりそのプログラミングをして、なおかつチューニングをしていく必要がございますのでね、自然な踊りに近づけるという。それはいろいろ可能だと思います。もちろん動きの制約はございますけどね。可能でございます。
(共同通信社)
ジェイテクトさんて全国各地に拠点とか工場あると思うんですけど、こういったその御当地ロボットを作ったのは今回が初めてのことなんですか。
(安形社長)
そうですね、はい。
(共同通信社)
今後、その各地ですね、徳島県以外でもこういったその御当地ロボットのようなものを作っていく予定はあるんですか。
(安形社長)
いや、またちょっといろいろ限られた人数とこのあれ(予算)でやっておりますので、今度は八木節をやれとかですね、こう何音頭をやれとこう言われてもちょっと・・・。
ポテンシャルとしてはもちろん持ってる、技術は一式持ってますので、あれですけどね。結構なそのヘッドカウントも含めていりますので、全面的に対応できるかどうかっていうと、ちょっとまたいろいろ、これは御相談ということでございます。
(幹事社)
ほかに質問のある方はいらっしゃいますか。
(毎日新聞社)
すいません。はっきりとした数字でなくてはいいので、ちょっとやっぱり開発費いくらぐらいかって、約でいいので。
(安形社長)
あんまり聞きたくないんですけど、ざくっと概算。どれぐらい遣ったんや?まあいいや、責めないから、ちょっと言ったって。
(中野常務)
そうですね、普通の御家庭の家1つぐらいですね。
(安形社長)
家1軒。
(毎日新聞社)
数千万。億はいかない?
(中野常務)
はい。これぐらいで勘弁してください。
(幹事社)
ほかによろしいでしょうか。
じゃ、ありがとうございました。