〒770-8570
徳島県徳島市万代町1丁目1番地
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(事務局)
ただ今より、「阿波おどりロボット」の完成・お披露目に関する「共同記者会見」を始めさせていただきます。
まず、本日の会見者を御紹介させていただきます。
株式会社ジェイテクト 代表取締役社長 安形 哲夫(あがた てつお)様でございます。
(安形社長)
どうぞよろしくお願いをいたします。
(事務局)
飯泉徳島県知事でございます。
(知事)
どうぞよろしくお願いいたします。
(事務局)
それでは、まず飯泉知事からお願いいたします。
(知事)
はい。「『阿波おどりロボット』の完成・御披露について」であります。
株式会社ジェイテクトさん、言うまでもなく我が国を代表するベアリングのメーカーでありまして、正に世界を舞台に躍進をされておられるところであります。グローバル企業ということですね。
なかでも徳島工場では、半世紀以上前の1963年に完成をし、本県産業を牽引をする「機械金属工業界」の中核をなす事業所となっておられまして、「モノづくりを通じて、人々の幸福と豊かな社会づくりに貢献をする」という企業理念の下、社会、そして、今では、地球の持続可能な発展の具体的な取組みの一環とされまして、例えば、徳島の豊かな森を守り育てるために、本県が推進しております「とくしま協働の森づくり事業」に御参画をいただくなど、大変本県にとりまして、非常に馴染みの深い企業さんであります。
このように、本県との強い絆からジェイテクトさんにおかれましては、「徳島の阿波おどりをさらに盛り上げていこう」ということで、ジェイテクトさんが誇られます最先端のロボット技術を駆使をされまして、「二足歩行」で阿波おどりのダイナミックかつ滑らか、ここがポイントですね、滑らかな踊りを実現をする「阿波おどりロボット」の開発を進めてこられたところであります。そして、この度、「阿波おどりロボット」が、いよいよ完成の運びとなりまして、間もなく開幕をいたします徳島市の阿波おどりにおいて、御披露される運びとなりました。この場をお借りいたしまして、株式会社ジェイテクトの安形社長さんに心から御礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。
なお、「阿波おどりロボット」の開発にあたりましては、先日、天皇陛下の傘寿のお祝いの民俗芸能公演会で天覧踊りを披露されました本県を代表する踊り手でもあります「娯茶平」の岡連長さんに踊りを監修をしていただいたところであります。
阿波おどりの動きのデータ化につきましては、徳島大学病院の皆様方に御協力をいただいたところでありまして、こうした関係者の皆様方にも重ねて御礼を申し上げたいと思います。
こちらに御覧をいただいておりますように(パネルを指して)「阿波おどりロボット」この姿は、本県のマスコットキャラクターである「すだちくん」をモチーフにしていただきまして、愛らしさ、そして、ロボットらしさも重要なところでありまして、このロボットらしさと融合をしたイメージとなっているところでありまして、その名前も「阿波おどりロボット『すだちくん』」とさせていただければと思います。
そこで、お待ちかねの御披露についてでありますが、こちらにつきましては、両国橋南おどり広場におきまして、まず8月12日、火曜日となりますが、私が連長として率いております「とくしま連」選抜メンバーとの共演、初演舞を行っていただこうと考えております。そして、翌8月13日、水曜日には、ジェイテクトの皆さんの「ジェイテクト連」との共演によって行うことといたしております。
徳島が全国に誇ります阿波おどりという絶好の機会に、県民の皆様方はもとより、全国からお越しになる多くの皆様方に、ものづくり技術の粋を結集をして開発をされました、この「阿波おどりロボット『すだちくん』」を御覧いただきまして、ロボット技術が生み出していく新たな可能性を是非体感、感じ取っていただければな、このように考えるところであります。
今後、「阿波おどりロボット『すだちくん』」は、徳島県の知名度アップ、ものづくり技術のPRなど、多大な貢献が期待をできるところでありますので、ここは、マスコミの皆様方のお力添えを是非いただければなと。マスコミの皆様方の御協力をいただきまして、できれば全国、そして世界にも発信ができればとこのように考えております。
どうぞよろしくお願いいたします。
(事務局)
ありがとうございました。続きまして、株式会社ジェイテクト代表取締役社長 安形様からお願いいたします。
(安形社長)
ただ今、御紹介をいただきました株式会社ジェイテクトの安形と申します。
今回、徳島県が誇ります日本の代表的な伝統行事でございます「阿波おどり」において、私どもが研究開発を進めておりますロボットをお披露目させていただけること、大変ありがたく光栄に思っておるところでございます。
私どもジェイテクトと徳島県との関係は深く、今、知事からも御紹介ございましたように、1944年に徳島市内に工場を作っておったのですが、63年に現在の藍住町というところに移転をして、現在は、自動車や半導体用のいろんなベアリング、それから医療機器などのいろんな種類のベアリングを作っておるところでございます。
元々、創業者の、私ども前身、ひとつは光洋精工というベアリング会社でございまして、そこの創業者の池田善一郎氏が元々四国の出身だということもあって、今、香川(県)とこの徳島(県)に工場があるということでございます。また、グループ会社で光洋シーリングテクノというシールを作っている会社がございます。これも同じく藍住町ということで、グループでお世話になっている、こういうことでございます。
一方、徳島工場の従業員で構成します「ジェイテクト連」昔は「光洋連」と申しましたけれども、これ阿波おどりのために日夜研鑽を重ねておりまして、毎年夏が近づくと「気が気じゃない」と言うかですね、「ちゃんと仕事に励んでね」と、私、社長の立場としては、ちょっと言っておるところでございますが、今年も手ぐすね引いて参加を待ってるとこういうところでございます。
また、実は、今回のロボットの案には元々の伏線がありまして、91年に今とは大分違うメカ式、機械式の「阿波おどりロボット」の「オドロット」というのを徳島県内の地元の企業の皆さん方と共同で作らせていただいたという経緯もございまして、今回は、それの更に進化版ということでございます。ジェイテクトでは、将来のより良い社会づくりに少しでもお役に立てるように、常に先進技術の開発と実用化に向けた努力を続けております。本業と直接関係ないように見えるんですが、実は、開発の(常務の)中野の方からも御説明しますが、いろんな変速機ですとかギアですとか、軸受ベアリングですとか、またそれを制御する技術ですとか、実は私どもはベアリングの会社でありますと同時に、世界一のステアリングシステム、特に今の電気式制御のステアリングシステムを世界で初めて、25年前いろんな国に送り出した会社でございまして、実は、ステアリングの制御というのは小さいコンピューターと、それでもってモーターを制御することによって成り立っておりまして、そういった制御技術、いろんなものを結集して作ったということですね。実は、中野の道楽のようでいて、実は道楽ではないということもございまして、そんなことでやらしていただいておるということでございます。
そうした成果として昨年は、これもいろいろな医療介護なんかに使えるんじゃないかなということで、階段を自立的に上り下りできるような「昇ろっと」と言う名称をつけたんですが、そういうものも開発したり、いろんなことで今回のロボットもこういうイベントで出させていただくだけで、いろんな産業のこれからのシーズになっていくんじゃないかなと期待をしております。
ということで、今回の「阿波おどりロボット『すだちくん』」は、かなり難しいということで、中腰で、腰を落として自立で二足歩行をしながら、両手両足を使って阿波おどりのリズムに合わせるということですね、かなりのチャレンジングな、しかもスムーズにやるということ、チャレンジングなアイテムだとこのように思っておりまして、先ほど知事さんからも御紹介ございましたが、12日、13日に両国橋のたもとのところで御披露させていただきたいなというふうに思っております。
これからも私ども、徳島県の産業の発展や「ものづくり」に少しでもお役に立てるように頑張って参りたいと思っておりますので、どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げます。
ロボットの技術に対する詳細説明につきましては、担当常務の中野より、かなり彼は力が入っておりますので、力強い説明があるのではないかとこのように思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
(中野常務)
皆さん、おはようございます。ジェイテクトの中野でございます。
それでは始めに弊社が取り組んで参りましたロボット技術につきまして、紹介をさせていただきたいと思います。
(パネルを指しながら説明)
先ほど、安形の方から紹介がありました1991年「オドロット」という名前でスタートをさせていただきまして、県を挙げての製作に私どもが参画させていただきました。生みの親がこの梶原でございまして、彼から受け継ぎながら力を入れております。それから、これも安形の方から説明がありました「昇ろっと」。これは、車輪でありながら階段を昇っていくという非常に倒立制御の難しいものでありましたが、これは12年に紹介させていただいておりました。「ジムロット」とかですね。
今回は「オドロット」でございますが、実は、これを、ここで大きなブレイクスルーがございまして、上にございますオンリーワン、ナンバーワンのアクチュエータというところがみそでございまして、これが各関節にしつらえております。従来は、ここにございますような減速機であったり、モーターであったりというのを購入してそれを組み合わせるものですから、どうしてもある程度の体格になっていくと。弊社は、ギアも、それからモーターも、それからベアリングはもとより内製できますので、こういった非常に小さいところに内製、あるいは内製設計、自社設計、自社製作ができます。ここがポイントとなると思います。
中を見ていただいてわかるように、何が何だかわからないくらい、どこがモーターか、どこがギアか、わからないですけれど、こちらに比べまして、この大きさで30パーセントの高出力化ができるようになっております。
続きまして、この全てを内製した自社設計のものを制御するということになりますが、制御は、先ほどこれも安形が申しましたが、電動化ステアリングは私ども世界一でございます。2台に1台は、これを使っていただいておりますが、そこで培われました精密なトルク制御という制御技術、それから二つ目は駆動と言いまして、ここにあるのですけれども、ドライブシャフトをコントロールしながらトルクをやる、それは単に駆動トルクだけではなくて、車の姿勢制御技術にも使える協調制御という非常に複雑な制御技術を使ってございます。それから、豊田工機という工作機械では、御存知のとおり非常に速いスピードでぴっと位置を決めなければいけないという制御技術がございまして、これら三つの制御を一つのロボットにしつらえましたエンベデットテクノロジーロボコンという全国大会がございます。それに昨年挑戦をいたしまして、初めての挑戦でありながら完全優勝という史上初の快挙といって、ちょっとおこがましいのですけれど、為しまして、我々の兄弟の兄貴分でありますデンソーさんとかですね、並み居る電気制御のメーカーさんに勝たせていただいて、これらの技術の高さを証明させていただいております。
更に、とは言いながら、実は「阿波おどり」挑戦しましたが非常に難しいものでございました。いろいろ苦労して、今日も本当は連れてくるはずだったのですけど、踊りの練習に邁進しておりまして、申し訳ございません。実は、これに挑戦することによりまして、将来、介護であったり、いろいろ将来に繋がるであろうヒューマノイドの先進技術のブレイクスルーに是非とも使っていただきたいというふうに思っておりますが、結果としまして、ここにございますように身長160センチでございます。しかも駆動制御しているのは33軸ございます。これらを全てメカ制御為したにもかかわらず、35キロの設計重量になってございます。
結果としまして、これぐらいの体格でありながら、普通はロボットで走るんじゃなくて階段を昇るのは難しいのですけれど、その昇るステップは1秒くらいが限界だと言われておりますが、結果としまして0.7秒を実現しましたことと、それから、ここも非常に売りとして申し上げたいのが、「阿波おどりロボット」がぐっと腰をおろす、これは非常にロボットにきついんですね、これを設計重量でだいたい限界の値よりも倍沈ませておりますので、是非とも御覧いただきたいというふうに思ってございます。
先ほど言いましたように、ちょっと本人が今日、踊りに夢中になっておりますので、ビデオで見ていただきたいと思うんですけれど、是非とも優雅で軽快なリズム、それを両国橋南おどり広場、知事から御紹介いただきましたけれど、お越しいただきまして御覧いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
それでは、少しビデオで動きを見ていただきたいと思います。よろしくお願いします。
(「阿波おどりロボット『すだちくん』」のビデオを上映)
(事務局)
発表は以上でございます。これより質疑をお受けいたします。
進行の方は幹事社さんよろしくお願いいたします。