〒770-8570
徳島県徳島市万代町1丁目1番地
- 電話番号:
- 088-621-2500(代表)
- 法人番号:
- 4000020360007
(事務局)
ただ今より、「阿波おどりロボット」の完成・お披露目に関する「共同記者会見」を始めさせていただきます。
まず、本日の会見者を御紹介させていただきます。
株式会社ジェイテクト 代表取締役社長 安形 哲夫(あがた てつお)様でございます。
(安形社長)
どうぞよろしくお願いをいたします。
(事務局)
飯泉徳島県知事でございます。
(知事)
どうぞよろしくお願いいたします。
(事務局)
それでは、まず飯泉知事からお願いいたします。
(知事)
はい。「『阿波おどりロボット』の完成・御披露について」であります。
株式会社ジェイテクトさん、言うまでもなく我が国を代表するベアリングのメーカーでありまして、正に世界を舞台に躍進をされておられるところであります。グローバル企業ということですね。
なかでも徳島工場では、半世紀以上前の1963年に完成をし、本県産業を牽引をする「機械金属工業界」の中核をなす事業所となっておられまして、「モノづくりを通じて、人々の幸福と豊かな社会づくりに貢献をする」という企業理念の下、社会、そして、今では、地球の持続可能な発展の具体的な取組みの一環とされまして、例えば、徳島の豊かな森を守り育てるために、本県が推進しております「とくしま協働の森づくり事業」に御参画をいただくなど、大変本県にとりまして、非常に馴染みの深い企業さんであります。
このように、本県との強い絆からジェイテクトさんにおかれましては、「徳島の阿波おどりをさらに盛り上げていこう」ということで、ジェイテクトさんが誇られます最先端のロボット技術を駆使をされまして、「二足歩行」で阿波おどりのダイナミックかつ滑らか、ここがポイントですね、滑らかな踊りを実現をする「阿波おどりロボット」の開発を進めてこられたところであります。そして、この度、「阿波おどりロボット」が、いよいよ完成の運びとなりまして、間もなく開幕をいたします徳島市の阿波おどりにおいて、御披露される運びとなりました。この場をお借りいたしまして、株式会社ジェイテクトの安形社長さんに心から御礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。
なお、「阿波おどりロボット」の開発にあたりましては、先日、天皇陛下の傘寿のお祝いの民俗芸能公演会で天覧踊りを披露されました本県を代表する踊り手でもあります「娯茶平」の岡連長さんに踊りを監修をしていただいたところであります。
阿波おどりの動きのデータ化につきましては、徳島大学病院の皆様方に御協力をいただいたところでありまして、こうした関係者の皆様方にも重ねて御礼を申し上げたいと思います。
こちらに御覧をいただいておりますように(パネルを指して)「阿波おどりロボット」この姿は、本県のマスコットキャラクターである「すだちくん」をモチーフにしていただきまして、愛らしさ、そして、ロボットらしさも重要なところでありまして、このロボットらしさと融合をしたイメージとなっているところでありまして、その名前も「阿波おどりロボット『すだちくん』」とさせていただければと思います。
そこで、お待ちかねの御披露についてでありますが、こちらにつきましては、両国橋南おどり広場におきまして、まず8月12日、火曜日となりますが、私が連長として率いております「とくしま連」選抜メンバーとの共演、初演舞を行っていただこうと考えております。そして、翌8月13日、水曜日には、ジェイテクトの皆さんの「ジェイテクト連」との共演によって行うことといたしております。
徳島が全国に誇ります阿波おどりという絶好の機会に、県民の皆様方はもとより、全国からお越しになる多くの皆様方に、ものづくり技術の粋を結集をして開発をされました、この「阿波おどりロボット『すだちくん』」を御覧いただきまして、ロボット技術が生み出していく新たな可能性を是非体感、感じ取っていただければな、このように考えるところであります。
今後、「阿波おどりロボット『すだちくん』」は、徳島県の知名度アップ、ものづくり技術のPRなど、多大な貢献が期待をできるところでありますので、ここは、マスコミの皆様方のお力添えを是非いただければなと。マスコミの皆様方の御協力をいただきまして、できれば全国、そして世界にも発信ができればとこのように考えております。
どうぞよろしくお願いいたします。
(事務局)
ありがとうございました。続きまして、株式会社ジェイテクト代表取締役社長 安形様からお願いいたします。
(安形社長)
ただ今、御紹介をいただきました株式会社ジェイテクトの安形と申します。
今回、徳島県が誇ります日本の代表的な伝統行事でございます「阿波おどり」において、私どもが研究開発を進めておりますロボットをお披露目させていただけること、大変ありがたく光栄に思っておるところでございます。
私どもジェイテクトと徳島県との関係は深く、今、知事からも御紹介ございましたように、1944年に徳島市内に工場を作っておったのですが、63年に現在の藍住町というところに移転をして、現在は、自動車や半導体用のいろんなベアリング、それから医療機器などのいろんな種類のベアリングを作っておるところでございます。
元々、創業者の、私ども前身、ひとつは光洋精工というベアリング会社でございまして、そこの創業者の池田善一郎氏が元々四国の出身だということもあって、今、香川(県)とこの徳島(県)に工場があるということでございます。また、グループ会社で光洋シーリングテクノというシールを作っている会社がございます。これも同じく藍住町ということで、グループでお世話になっている、こういうことでございます。
一方、徳島工場の従業員で構成します「ジェイテクト連」昔は「光洋連」と申しましたけれども、これ阿波おどりのために日夜研鑽を重ねておりまして、毎年夏が近づくと「気が気じゃない」と言うかですね、「ちゃんと仕事に励んでね」と、私、社長の立場としては、ちょっと言っておるところでございますが、今年も手ぐすね引いて参加を待ってるとこういうところでございます。
また、実は、今回のロボットの案には元々の伏線がありまして、91年に今とは大分違うメカ式、機械式の「阿波おどりロボット」の「オドロット」というのを徳島県内の地元の企業の皆さん方と共同で作らせていただいたという経緯もございまして、今回は、それの更に進化版ということでございます。ジェイテクトでは、将来のより良い社会づくりに少しでもお役に立てるように、常に先進技術の開発と実用化に向けた努力を続けております。本業と直接関係ないように見えるんですが、実は、開発の(常務の)中野の方からも御説明しますが、いろんな変速機ですとかギアですとか、軸受ベアリングですとか、またそれを制御する技術ですとか、実は私どもはベアリングの会社でありますと同時に、世界一のステアリングシステム、特に今の電気式制御のステアリングシステムを世界で初めて、25年前いろんな国に送り出した会社でございまして、実は、ステアリングの制御というのは小さいコンピューターと、それでもってモーターを制御することによって成り立っておりまして、そういった制御技術、いろんなものを結集して作ったということですね。実は、中野の道楽のようでいて、実は道楽ではないということもございまして、そんなことでやらしていただいておるということでございます。
そうした成果として昨年は、これもいろいろな医療介護なんかに使えるんじゃないかなということで、階段を自立的に上り下りできるような「昇ろっと」と言う名称をつけたんですが、そういうものも開発したり、いろんなことで今回のロボットもこういうイベントで出させていただくだけで、いろんな産業のこれからのシーズになっていくんじゃないかなと期待をしております。
ということで、今回の「阿波おどりロボット『すだちくん』」は、かなり難しいということで、中腰で、腰を落として自立で二足歩行をしながら、両手両足を使って阿波おどりのリズムに合わせるということですね、かなりのチャレンジングな、しかもスムーズにやるということ、チャレンジングなアイテムだとこのように思っておりまして、先ほど知事さんからも御紹介ございましたが、12日、13日に両国橋のたもとのところで御披露させていただきたいなというふうに思っております。
これからも私ども、徳島県の産業の発展や「ものづくり」に少しでもお役に立てるように頑張って参りたいと思っておりますので、どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げます。
ロボットの技術に対する詳細説明につきましては、担当常務の中野より、かなり彼は力が入っておりますので、力強い説明があるのではないかとこのように思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
(中野常務)
皆さん、おはようございます。ジェイテクトの中野でございます。
それでは始めに弊社が取り組んで参りましたロボット技術につきまして、紹介をさせていただきたいと思います。
(パネルを指しながら説明)
先ほど、安形の方から紹介がありました1991年「オドロット」という名前でスタートをさせていただきまして、県を挙げての製作に私どもが参画させていただきました。生みの親がこの梶原でございまして、彼から受け継ぎながら力を入れております。それから、これも安形の方から説明がありました「昇ろっと」。これは、車輪でありながら階段を昇っていくという非常に倒立制御の難しいものでありましたが、これは12年に紹介させていただいておりました。「ジムロット」とかですね。
今回は「オドロット」でございますが、実は、これを、ここで大きなブレイクスルーがございまして、上にございますオンリーワン、ナンバーワンのアクチュエータというところがみそでございまして、これが各関節にしつらえております。従来は、ここにございますような減速機であったり、モーターであったりというのを購入してそれを組み合わせるものですから、どうしてもある程度の体格になっていくと。弊社は、ギアも、それからモーターも、それからベアリングはもとより内製できますので、こういった非常に小さいところに内製、あるいは内製設計、自社設計、自社製作ができます。ここがポイントとなると思います。
中を見ていただいてわかるように、何が何だかわからないくらい、どこがモーターか、どこがギアか、わからないですけれど、こちらに比べまして、この大きさで30パーセントの高出力化ができるようになっております。
続きまして、この全てを内製した自社設計のものを制御するということになりますが、制御は、先ほどこれも安形が申しましたが、電動化ステアリングは私ども世界一でございます。2台に1台は、これを使っていただいておりますが、そこで培われました精密なトルク制御という制御技術、それから二つ目は駆動と言いまして、ここにあるのですけれども、ドライブシャフトをコントロールしながらトルクをやる、それは単に駆動トルクだけではなくて、車の姿勢制御技術にも使える協調制御という非常に複雑な制御技術を使ってございます。それから、豊田工機という工作機械では、御存知のとおり非常に速いスピードでぴっと位置を決めなければいけないという制御技術がございまして、これら三つの制御を一つのロボットにしつらえましたエンベデットテクノロジーロボコンという全国大会がございます。それに昨年挑戦をいたしまして、初めての挑戦でありながら完全優勝という史上初の快挙といって、ちょっとおこがましいのですけれど、為しまして、我々の兄弟の兄貴分でありますデンソーさんとかですね、並み居る電気制御のメーカーさんに勝たせていただいて、これらの技術の高さを証明させていただいております。
更に、とは言いながら、実は「阿波おどり」挑戦しましたが非常に難しいものでございました。いろいろ苦労して、今日も本当は連れてくるはずだったのですけど、踊りの練習に邁進しておりまして、申し訳ございません。実は、これに挑戦することによりまして、将来、介護であったり、いろいろ将来に繋がるであろうヒューマノイドの先進技術のブレイクスルーに是非とも使っていただきたいというふうに思っておりますが、結果としまして、ここにございますように身長160センチでございます。しかも駆動制御しているのは33軸ございます。これらを全てメカ制御為したにもかかわらず、35キロの設計重量になってございます。
結果としまして、これぐらいの体格でありながら、普通はロボットで走るんじゃなくて階段を昇るのは難しいのですけれど、その昇るステップは1秒くらいが限界だと言われておりますが、結果としまして0.7秒を実現しましたことと、それから、ここも非常に売りとして申し上げたいのが、「阿波おどりロボット」がぐっと腰をおろす、これは非常にロボットにきついんですね、これを設計重量でだいたい限界の値よりも倍沈ませておりますので、是非とも御覧いただきたいというふうに思ってございます。
先ほど言いましたように、ちょっと本人が今日、踊りに夢中になっておりますので、ビデオで見ていただきたいと思うんですけれど、是非とも優雅で軽快なリズム、それを両国橋南おどり広場、知事から御紹介いただきましたけれど、お越しいただきまして御覧いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
それでは、少しビデオで動きを見ていただきたいと思います。よろしくお願いします。
(「阿波おどりロボット『すだちくん』」のビデオを上映)
(事務局)
発表は以上でございます。これより質疑をお受けいたします。
進行の方は幹事社さんよろしくお願いいたします。
(毎日新聞社)
毎日新聞なんですが、これ徳島工場で作られたんですか。
(安形社長)
製作そのものはですね、大阪に研究開発センターという基礎研究をする所がございましてね、そちらの方が主体でやっております。
(毎日新聞社)
期間はどれぐらい?
(安形社長)
どこから数えるかによるね。
(中野常務)
全て数えまして1年半でございます。
(安形社長)
1年半ぐらいですかね。
(毎日新聞社)
動きのデータ化というのは、どのようにしてされたんですか。
(安形社長)
これはちょっとじゃあ中野の方から、いろいろ御協力、病院にも御協力いただいて。
(中野常務)
はい。ありがとうございます。徳島大学、今回につきましては、徳島大学附属の病院の方のキャプチャーモーションを撮る機械を一緒に使わせていただきましてですね、それで細かく、画像から落としていって、どういうモーションを人間がしているか、岡さんがどういうふうにしているかということを一緒になって分析していただいております。
(安形社長)
それをデータ化にして、デジタルデータにしてこのプログラムの中に折り込むと、こういうことよね。
(日本経済新聞社)
岡さんが監修っていうのは、今お話しあったですけど、岡さんにこう動いてもらってその動きをキャプチャーしてるってことなんですか。
(中野常務)
はい。そのとおりでございます。
(知事)
なんか似てますね。
(朝日新聞社)
今回、何台作られているんですか。
(安形社長)
これは、今回、本体は1台で、バックアップ用に完全じゃないんですけどもう1台おきましてね、一応開発した2台、1台半と言った方がいいかな。完成形で言ったら。そういう感じです。まあ2台作って、並行して。
(朝日新聞社)
12、13日は1台だけですか。
(安形社長)
はい。
(朝日新聞社)
もし雨が降っても踊れるんですか。
(安形社長)
防水は考えています。ちょっと、じゃあどういう悪条件を考えたか、ちょっと中野君の方からちょっと。
(中野常務)
これ詳しくはあれなんですけど、だいたいあり得る温度以上、それからかかる雨以上を耐久条件にテストをしております。
(安形社長)
一応防水で、今回の会場はちょっと一応上(庇)があるやに聞いていますので、よっぽどの雨でも大丈夫だと思ってますけど、一応、防水は考慮していますし、温度は最大マックス何度?
(中野常務)
テスト条件では40度。
(安形社長)
40度ぐらいまで。モーターに負荷がかかりますので、そういう温度条件。それと、あと風か?
(中野常務)
そうですね。
(安形社長)
風が吹くというのと。この3つぐらいは悪条件の中では考慮して、一応今注目をしてきました。
(中野常務)
あと、安形社長の方からもっと厳しい条件も実はございます。
(安形社長)
いろいろ、はい。
(四国放送)
駆動時間と、あとバッテリーどれぐらいもつのかっていうのと。
(安形社長)
これは今、はい、30分?
(中野常務)
何もしなければ、連続30分です。
(安形社長)
30分だね。連続30分ぐらいで、今のところ。
(四国放送)
先ほどの踊りの動きで30分間?
(安形社長)
あれで30分、だいたい。負荷かけて30分だね。
(中野常務)
そうですね。
(朝日新聞社)
ちなみに、これ1台どれぐらいかかったんですか。
(安形社長)
お金の話ですか。私も実は、聞かないようにしてきたんですよ。恐ろしいんで。
ただね、話がちょっと逸れますけども、今、研究開発費の1割、うちは売上げの3.4パーセントぐらいの売上げの研究開発費ですね。だいたい製造業としては、機械メーカーとしてはまあまあ平均的な値なんですが、4パーセントぐらいまでは上げてもいいよと。やっぱり、先行技術でね言っています。で、その内のまた1割ぐらいは道楽に使ってええぞと。これ、中野のところはですね、先行開発部隊なんですよ。ですから、いわゆるすぐ売り出す商品とは関係ないです。ある意味、道楽させとるわけですよね。道楽やって給料もらっとるいい身分なんですが、彼は。ですから研究開発費の10パーセントぐらいは、そういう先行開発とか、そういうとこに使ってええぞとは言うてあります。ですから、その中で、彼に与えた予算の中で、「自分のとこよう締めとらんやろ?いくら使ったか?」たぶん分かってないと思います。ただし、結構なお金は使っていると思います。私は、だから目つぶって、聞かないようにしています。
(朝日新聞社)
これからこう量産というか、なんか何台か。
(安形社長)
だから、そういうふうにして商売に結びつくとなりますと、これはもうちょっと原価管理、予算管理を緻密にしなきゃいけないんですけど、こういう先行開発のときは、私あんまり細かいことは言わないようにしていますので。たぶん、いくら遣ったか全部小遣い帳集計してないだろ?
(中野常務)
しないでいただきたいと思います。
(安形社長)
そんな状況でございます。
(日本経済新聞社)
さっき、医療、介護に使えるロボットの開発実績があると話あったんですが、これは製品化して売り出してはいるんですか。
(安形社長)
まだないですよね。ちょっと趣旨をちょっとじゃあもう少し。
(中野常務)
はい、私どもトヨタグループでございまして、私どもだけではなく、デンソーさんとか、トヨタさんとか、いろいろなところでやられてますヒューマノイドロボットにつきましては、メカ的なところ、あるいは制御的なところを提供させていただいております。製品化については、ジェイテクト単独ではいたしておりません。
(日本経済新聞社)
先ほど、社長の話にもあったんですけど、これの研究開発成果は、将来そういう介護ロボットなんかの、人型介護ロボット、人型ロボットの技術開発に生かしていこうと、そういうことですか。
(安形社長)
もちろん、グループの中でこれからいろいろそういったことの中にですね、私どもは部品メーカーという位置付けでございますので、今、先ほどちょっとお見せいたしましたああいうですね、モーターが全部一体化したアクチュエータということで、将来、部品メーカーとしてですね、協力できればいいなと思いますし、またヒューマノイド型のロボットだけではなくてですね、私ども普通のできれば産業用ロボットございますよね。ああいうところにも、ああいう高度なアクチュエータをですね、ビジネスとして将来また展開できればという思いもございます。
(四国放送)
知事は実際にこの実物を見たんですか。
(知事)
いえいえ、これが初めて、映像と。
(四国放送)
見てみてどうですか。
(知事)
いやー、見事なもんだなと思いますよね。滑らかでしょ。で、阿波おどりっていうこう雰囲気っていうかね、正に腰も落とし、足の運びといいね。やっぱり一番すごいなと思うのは、手ね。普通、人間があれやると必ずお化けって、こうなるでしょ。いくら自分、名手と言っても、こうなってる人って結構多いし。だから、きれいにこうなれるっていうね。やっぱり、岡さんのキャプチャリングしてるっていうね。私も岡ウォッチャーなんだけど。だから、なんか親近感覚える、「(阿波おどりロボット)すだちくん」に。いやー、すばらしいことですね。
だから、さっき言われるように、いろんなその条件、天候条件、こうしたものをクリアーと、ここもこう考えておられるということでね。おそらく、砂埃がたつとか、そういうのも先ほど、さらに厳しい条件と言われたものの中に入るんじゃないかと思うんですけどね。こうしたものを通じて皆さんにお披露目をして、ロボット技術っていうのは、例えばガンダムとかいうアニメの世界とか、SFの世界だけじゃなくて、もう実用化されているんだと。で、いろんな所で使えるんだと。そこから今度また新たな技術の発想がね。例えば、子どもさん達とか、そうした方たちに伝播していけば、この日本の工業技術、ものづくりっていったものに、おそらく新しいステージに今度は上がっていくんじゃないかと。そうした意味では、絶好の今回取組みをしていただきましたし、我々もそうしたステージをやっぱりこう提供しようと。未来に向けてってことですよね。
(NHK)
すみません。12日か13日に岡さんと並んで踊るとかっていうことはないですか。
(知事)
ここは岡連長ではなくて、私とあと安形社長。
(安形社長)
すみません。ちょっと役者が足りませんですいません。安形がやらさせていただきます。
(日本経済新聞社)
さっきお話のあったロボットの核になっているアクチュエータっていう装置、技術なんですけど、これちょっとごく素人向けに分かりやすく言うとなんなんだって言えばいいんでしょうかね。
(安形社長)
そうですね。ちょっと、中野から。
(中野常務)
アクチュエートの動かす、動くっていう名前をユニットに付けて、「アクチュエータ」って私ども呼んでおりますが、基本的にその動かすためのモーター、それからそのモーターを減速したり、減速することによって力をたくさん出したりですね、でその時に電気損失とか機械損失がなるべく下がるように、軸受もですねものすごくトルク、抵抗っていうんですがね、抵抗の低いやつを入れて、それを1つのユニットに設計するということは、多分ほかの会社さんではなかなか難しいと思います。ある一番いいモーターを買ってきて、で一番いいギアを買ってきて、そして一番合うだろう軸受をもってきますので、そういう意味では私どもはこのロボット用の関節に特化したそういう1つのユニットを御提供して、これを「革新アクチュエータ」あるいは「我々独特のアクチュエータ」というふうに呼ばせていただいてございます。
(安形社長)
あのパネルをもう一度見ていただくのがたぶん一番イメージしやすい。今の中野の申し上げた話で、これが従来の、ちょっとどれがなんで、どれがなんで。
(中野常務)
これが減速機でございます。そこがACモーターですね。そのためには、AC、DCとかいろいろ躯体がございますが、こちらですと、ここにございますところは減速機で、これがモーターになります。それを支える軸受は、実はこれ専用に私ども作っておりまして、要はスペースありきということで、これだけのトルクをここに設えると。
(安形社長)
こういう感じですね。これやっぱり全部の技術が持ってるからできると、こういうことでございます。普通の個別の所は、個別の技術を持ってきて、組むしかないんですが、一体化するのはやっぱりそれなりの要素技術というか、我々の基礎ビジネスの中にございますので、それができると、こういうことでございます。
(中野常務)
ちなみに、設計、製作全て内製でございます。
(四国放送)
そのアクチュエータっていうのはいくつ?
(安形社長)
いくつ全部で入れたかな?あの軸受の数全部入れたわけでは。33全部入れたの?16個ぐらい?
(知事)
正に関節ですよね。
(朝日新聞社)
先ほどのパネルで、腰の落とし量が2倍って書いてあったんですが、何と比較して2倍なんですか。
(中野常務)
これは、ヒューマノイドロボットで、世の中で御紹介にありました量産品の腰の高さ、例えばゆっくり歩いたり、あるいは昇ったりしたときのこの角度ですね。この角度を倍落としたと。実は、阿波おどりで、こう1回出して引っ込めるときに、この出すっていうときにガッと下がってしまうんですね。実は、これが目標値になりまして、2倍近いものがございます。
(朝日新聞社)
今回、そういうところの、実現するところ結構難しかったところですか。技術的には。
(中野常務)
はい。
(安形社長)
これは負荷かな、やっぱり。モーターとあの辺に対する負荷ですね。先ほどのアクチュエータに対する負荷、これが一番大変だったんだろうね。
(時事通信社)
いただいている資料提供の紙なんですけど、「県及び関係機関等との連携のもと、ジェイテクトが開発を進めてきた」とあるんですけど、具体的にその関係機関等っていうのはどういうことがあるのかなと。
(安形社長)
一番にはやっぱり動きの話か。病院との連携の話か。
(知事)
徳島大学病院との。
(安形社長)
人の動きをデータ化して、データライズして、それを制御に追い込むっていうのは、そこんところは随分お手伝いを、助けていただいた。
(時事通信社)
基本的にはもう全部自社開発っていうことなんですね。
(安形社長)
はい。
(日本経済新聞社)
これ開発のきっかけとか経緯っていうのは、どんな。例えば、県からちょっと打診したとかですね、またそれはよく分からないですけど、どうなんですか。
(安形社長)
これは、そもそもあれか?うちの社内で、私の前任者の時代からですね、やっぱり先程の話じゃないですけど、新しい技術入れられるときに、やっぱりその遊びの要素、道楽の要素っていうのはですね、ないと、やっぱり製造業は成長しきれないというところがございましてね。で、私の前任者の時に「そのぐらいやったらんかい」と、「阿波おどりロボットぐらい作ったらんかい」と、こういう声がかりがですね、あってですね。私もそれは非常に賛成でしてね。先ほど言いましたように10パーセントぐらいはね、開発の10パーセントぐらいは絶対道楽しないと、させないと、やっぱり製造業っていうか、技術開発っていうのは、もうなんか必要だと思った時に、そこから慌てて、ニーズが出てきた時に、いきなりシーズを開発しとったんじゃ間に合わないんですね。
やっぱり、シーズ技術はシーズ技術として、やっぱり棚に入っていて、会社の棚の中に入ってて、こんなニーズが出た時に、棚をのぞきにいくと、「あっ、ここにあるじゃん」と。そのシーズがあるねと、要素技術があるねという状態がやっぱり一番望ましい。まあこのバランス大事なんですけどね。あんまりシーズばっかりあっても、ニーズに使えなくて、シーズだけが棚の中に眠ってるっていうのも、ちょっとこれは経常では苦しいんですけど、やっぱりそれが僕は10パーセントぐらいだろうなっていうふうに思ってまして、まあ一つの目安にはしていますね。
(時事通信社)
そのお話でいうと、今回初めてその技術として生まれたのがこの「アクチュエータ」っていうのが、この阿波おどりロボット作るために生まれたものって考えていいんですかね。
(安形社長)
まあ、阿波おどりを契機にして、こういう要素技術がですね、「新型アクチュエータ」という要素技術が1つ完成したと。私どもとしてはこれが一番、この将来ビジネス、私社長の立場としてはね、将来ビジネス考えたときにこの「新アクチュエータ」は、「なんか使えそうやなあ」と「いっぱい使えそうやなあ」という気は正直あるんですよね。あっちゃこっちゃに。ロボットとしてだけではなくね。という気持ちは持ってございます。
(知事)
昨年の1月に、ジェイテクトさんからこうした話があって、我々もやっぱりこうロボットだと、これからは。だから、それを是非、やっぱりロボット作っていく時に、ベアリングっていうのはなくてはならないものなんですよね。滑らかなっていうね。是非そうしたものを作っていただくと、例えば介護だとかいろんなところにこれが応用できますし、例えば今林業だとか、あるいは建設業になかなか若い人たちが行かないっていうね、大変だっていうのもあるんですよね。そういうところにとっては、このパワースーツとか、こうした点からいくと、やっぱりもう日本は当たり前なんだけど、世界的なベアリング企業であるジェイテクトさんにそうしたものをやっていただくっていうのは、応用が広がるじゃないかと。そこで「じゃあやるんだったらやっぱり阿波おどりだよね」こういう話になったと。じゃあこちらももう最大限御協力させていただきましょうということなんですね。
(安形社長)
ありがとうございます。
(毎日放送)
ということは、2年はかかっていないと。1年半ぐらいですか。
(安形社長)
そうですね。
(四国放送)
とりあえず、今シーズンお披露目が終わった後はどうされるんですか。
(知事)
まず県としては、せっかくの機会ですので、阿波おどりだけっていうのはねもったいないので、まずその技術としてこれから一番お披露目があるのが、10月の9日から11日の「(徳島ビジネス)チャレンジメッセ」。この時にも是非出場してもらおうかなと。ここはもう逆に阿波おどりということ以上にロボット技術として見ていただくと。最先端をね。冒頭でも申し上げたように、例えば子どもさんたちもここチャレンジメッセたくさん来ますので、「うわ、すごっ」ていうね。ていうことで、ものづくりに関心持ってもらって、やっぱりそういう方面に自分たちは行くんだって、このロボット作るんだみたいな、このきっかけにもしていければなと。今やっぱり、「ものづくり離れ」、「理科離れ」ってよく言われるじゃないですか。それをどんどんどんどん逆に子どものうちから興味を持ってもらうと。
(毎日放送)
動力はバッテリー?
(安形社長)
はい、どのタイプのバッテリーだった?リチウムだな。
(毎日放送)
だいたい何分ぐらい動きっぱなし?
(安形社長)
一応30分ターゲットで。これも電池の方もどんどんどんどん日進月歩で進んで参りますので、こういったことも含めてですね、またいろいろこういうものの将来は広がっていくんじゃないかなと思っております。
(徳島新聞社)
例えばなんですけど、あのロボットのスイッチを入れ替えたら、別の踊りの動きになるとか、そういうのはテクニック的には可能なんですか。
(安形社長)
もうソフト、あとはチューニングソフトや、そのためにはそれこそ先ほどありましたけど、あるベースの踊りを解析して、データ化してというそういうプロセスはいりますけど、プログラミングすることは、そういったデータさえ持ってきてプログラミングすることは可能ですね。ですから、いきなりポンとというわけにはいきませんよ。やっぱりそのプログラミングをして、なおかつチューニングをしていく必要がございますのでね、自然な踊りに近づけるという。それはいろいろ可能だと思います。もちろん動きの制約はございますけどね。可能でございます。
(共同通信社)
ジェイテクトさんて全国各地に拠点とか工場あると思うんですけど、こういったその御当地ロボットを作ったのは今回が初めてのことなんですか。
(安形社長)
そうですね、はい。
(共同通信社)
今後、その各地ですね、徳島県以外でもこういったその御当地ロボットのようなものを作っていく予定はあるんですか。
(安形社長)
いや、またちょっといろいろ限られた人数とこのあれ(予算)でやっておりますので、今度は八木節をやれとかですね、こう何音頭をやれとこう言われてもちょっと・・・。
ポテンシャルとしてはもちろん持ってる、技術は一式持ってますので、あれですけどね。結構なそのヘッドカウントも含めていりますので、全面的に対応できるかどうかっていうと、ちょっとまたいろいろ、これは御相談ということでございます。
(幹事社)
ほかに質問のある方はいらっしゃいますか。
(毎日新聞社)
すいません。はっきりとした数字でなくてはいいので、ちょっとやっぱり開発費いくらぐらいかって、約でいいので。
(安形社長)
あんまり聞きたくないんですけど、ざくっと概算。どれぐらい遣ったんや?まあいいや、責めないから、ちょっと言ったって。
(中野常務)
そうですね、普通の御家庭の家1つぐらいですね。
(安形社長)
家1軒。
(毎日新聞社)
数千万。億はいかない?
(中野常務)
はい。これぐらいで勘弁してください。
(幹事社)
ほかによろしいでしょうか。
じゃ、ありがとうございました。