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平成26年8月11日 定例記者会見 項目別

台風11号による被害について(その1)(質疑)

(NHK)
 すいません。昨日の那賀川が溢れて、那賀町とか阿南市とか、結構水に浸かっていると思うんですけど、住民の方の声とか聞いてみますと、長安口ダムがすごい放流をすると、いつもこう、水が溢れてくるんだというような話を聞きまして、今回、これまでにないぐらいの放流量だったということなんですけれども、そういう現状について、長安口ダム、今、改修とかやってますが、現状について、知事はどういうふうにお考えでいらっしゃいますでしょうか。

(知事)
 今、お話しがありましたように今回の雨量というものが、長時間、そして、しかもこれまでにない雨量であったと。台風があれだけゆっくりと移動をすると、沖縄などではああいう現象ってあるんですが、本州、四国も九州も含めてそうなんですが、来た時にああいう状況っていうのは、本来はない形なんですよね。
 ということで、このダムといった観点では、このダムがダーッと流れてくる、上流から流れてくる水を一回そこで堰き止めて、そしてそれをなるべく下流域に影響のないような形で調整をすると。「洪水調整機能」と呼ばれているわけなんですが、これを行ってきているわけなんですね。ダーッと本来だったら流れてきたものが、ダムがなければそのまま流れるということだったら、本当にもう上中下流域もうほとんど水浸しになっちゃうと。それを洪水調整をすることによって、それを守っていくということなんですね。
 じゃ、今回どうしてあんなことに那賀川流域がなったのかということなんですが、実はダムを造って、その時に計画をするわけですね。どのぐらいまで調整ができるのかと。今回はそれを超えてしまった。これは那賀川筋、つまり長安口ダム、また勝浦川筋、正木ダム、これが実は行われた。つまり、計画を超えた洪水操作ということで、洪水操作という、これを「ただし書き操作」と我々の世界では言ってるんですがね。この操作に入ったということなんですね。これはもういわゆる自然に流れてくる分と流す分を極力同じにしていく。でも、いきなり同じにしたらもう大変なことになるので、少しでも調整をしながらも、でも最終的にはもう同じにしないと、今度はダム自体がもたなくなるということなんですね。
 じゃあ過去こんなことどうだったのということなんですが、実は長安口ダムでは平成21年の8月以来の2度目と。正木ダムについては、昭和52年にダムが完成をしたわけなんですが、これ以来は初めてということで、いかに長時間、そして大量の雨がそのダムの上流に降ったのかということなんですね。ということで、この特別な操作であるということから、最小限の操作の時間、これを抑えて実施をすると。なるべく、それを行って、今度はまた洪水調整、こちらに戻そうということなんですね。ということで、その後については通常の操作、でも、その間に流れた分で今回の影響が出たということになります。ここについては、確かに「もっと調整機能できないのか」、あるいは、「もっと水を低くしておくことはできないのか」、当然こうしたお考えがあるわけでして、長安口ダムについても、当然水位を落として、そして待ち受けると。お考えとしてね、例えばじゃあ、「空っぽにしとけばいいじゃないか」、極端な話でいくとそういったところまで、当然被災をされた皆さん方から、お気持ちでいくとね、なるわけなんですが、なかなかそこの部分がどこまで落とすか。
 ただ、今回も当然のことながら、国の方でも落として待ち受けをしていただいた。しかし、それ以上に長い時間と大量の雨が降ってしまったと。これ、今の「ただし書き操作」の歴史、少し簡単に御説明しましたけどね。これからも分かるように、今までになかった長時間、大量の雨が降ったと。じゃあ、今工事をしている「角落としゲート」とか、こうしたものについても、今あるダムを新たに造るということではなくて、堆砂対策を含めまして、今あるダムの調整機能、洪水調整機能ともう一つここは利水機能という農業用水であるとか、あるいは下の工業団地に対しての工業用水、あるいは平時の飲み水と。こうしたものを供給をよりしやすくする。特に、長安口ダム、那賀川筋っていうのは、非常に川が延長としては短い割には、高低差が大きいということで、ダッと降ったらダッと流れると。つまり、洪水と渇水を繰り返す川なんですね。
 ということで、これまで我々としても、なんとか利活用できる、そしていざという時に下流域の皆さん方に被害を最小限に食い止めると。いろんな工夫をやってきたわけですが、その一環として国に、もともとこれ県で造ったダムだったんですが、堆砂対策にしてみても、あるいはダムの機能強化といった点でも、我々ではなかなかしづらい、やりきれないと。そこで、国の方に提案をして、国のダムにしてもらったと。そこで今の工事。そして、水を溜めながら、実際にダムを切っていくと。世界初のね手法を採って、似たようにもう古くなって、昔はもうだいたい100年ぐらい経つと、堆砂でダムが埋もれて、そしたら次のダムを造ると。これ昔の考え方だったんですけどね。もうそれはちょっとね、無駄じゃないかと。やはり、今あるものを極力使っていこう、強化をしようと。そういう形でほかのダムのモデルともなると。これ世界中同じことなんですけどね。これを発信をしていこうということで、今国に行っていただいているんですけどね。
 そうした意味で、今後はそういう流し方といったものの調整がよりできるような形で進める。そして、ポケットを大きくする意味で堆砂対策を行っていただくと。この両面で今やっている過渡期。それと同時により早く、今回は那賀川に対してたくさん水が流れて、内水ですね、そこに流れ込む川が堰き止められてしまって逆流をする、そこで溢れるということなんですね。ですから、なるべく早く本川で水が捌けるようにということで、川の場合は下から直してってもらう。また、下の部分については、これ国が直轄って言ってますが、国が管理をしてくれている那賀川、そして桑野川がこう一緒になりますよね。あそこの部分からずっと整備をしていただきましてね、流下能力をどんどん高めていくと。
 ということで、この今回、加茂谷地区のところについても、深瀬において、ここも堤防ができるとか、それに合わせる形で土地改良事業が進むとか。こうしたものを言っているところなんですが、まだやりきれてない。ようやく今度は内水の方に入っていこうという段階になってきていると。ということで、今回、あれだけ大きな被害となったということなんですね。
 本当に、繰り返しになりますけど、被災を受けた皆様方には、もう繰り返しですが、お見舞いを申し上げるとともに、我々としても一日も早くね。おそらく、これから地球温暖化ということで、今回のようなこと、今までも本当になかったわけなんですが、気象庁の方でも今回、三重県に特別大雨警報を出したということでも分かるように、どんどん地球温暖化が進めば、台風が巨大化をして、季節外れにどんどん来るということにもなりますので、我々も国と共に力を合わせて、一日も早くですねこうした整備、イタチごっこになると言われればそうなんですが、しかし、諦めずにやっていくと。そして、できる限りの生活支援策を講じていこうということなんですね。
 ということで、今回、那賀町につきましては、国との関係で調整をさせていただいて、災害救助法の適用をさせていただいた。ただ、「家が床上浸水になっている、なかなか住めないじゃないか」もうそうしたお声はもっともなことなんですけどね。ここについては、もう繰り返しお見舞い申し上げ、そして対策を今、そして今後についても行っていくということとなります。

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