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平成26年9月1日 定例記者会見 項目別

全国学力テストの結果について(質疑)

(時事通信社)
 よろしいでしょうか。先週発表されたんですけど、全国学力テストの結果なんですけど、今回、徳島県は中学校の数学を除いて全国平均以下ということで、順位も一部は上がったんですけど、大きく下げたのが目立った状況だったんですけど、知事としてその状況を見ての御感想をちょっと伺いたいんですけど。

(知事)
 全国一律に、そして同じ尺度の上で競う話ですので、非常に残念だということしか言いようがない。これまでもこの学力テストに対してはしっかりと対応していこうと。何と言っても、子どもさんたちの学力向上、これが目的ということになりますので、ただ単にその競争でいい順位を取ればいいのかということでもないと、こうは思うんですけどね。
 ただやはり、47都道府県、同列にダーッと出てきますから、順位が。「ああ徳島の子どもって勉強できないんだな」なんてイメージがつくっていうのは、子どもさんたちの自信といった点でもマイナスになるし、県のイメージとしても、「じゃあ徳島に転勤をしよう」といった時に、ちょうど小学生、中学生のお子さんを抱えている皆さんだったら、いや学力の低い徳島県に転勤するのは、ちょっと子どもが厳しいと、将来考えたら。だったら、もう単身赴任で行こうって。それは、その御家族にとっても決してプラスではないわけで、やはり家族がバラバラになるというね。そうしたいろんな実はマイナスの効果といったものもこれあるわけですので、やはり良ければ良いに越したことはない。そのように思います。
 ということで、教育委員会全体としても、教育現場、小学校、中学校含めてしっかりと対応をするということ、これをまた申し合わせていると思うのですけどね。ただ、もう一つ今回の特色のある現象っていうのは、沖縄県がいきなり、本当に全国最下位に近いところから、いきなり一桁に上がってきたと。そのどうやって上げたのかっていうと、だいたいこれ1位、福井(県)とそれから秋田(県)が競うんですよ、1番をね。今回もお互いが1位・2位、1位・2位をこう分け合っているわけなんですけど、その秋田の方法を学んだんだと。そのただマネをするんじゃなくて、沖縄方式にこれを替えてやったと。
 ただ、あまりそういうテクニックだけ、しかも今回はその科目が、国語と算数・数学という2教科だけということがありますので、じゃあ、そこだけ徹底的に模擬テストみたいにしてやって、訓練をすれば確かに、かつて知能テストってあったみたいに、点は取れるんですよね。
 でも、本当にそれでいいのかといった点もこれあって、じゃあ、ほかの理科だとかあるいは社会だとか、中学校入ったら英語とか、こうしたものはいいのかみたいなことになってしまうということもあるので、全教科でやるっていうんであればまだしもなんですけどね。そうした点について、国語と算数・数学というだけではなくて、これを機会に、例えば順位があまりよくないということであれば、もっと教育現場でもしっかりと日頃の学習、これを高めていくと。昔、自分が小学校、中学校の時を振り返ってみると、例えば学校で抜き打ちテストがあったりとか、突然なんかこうある。中間・期末だとか、こうしたところはあるわけなんですけど。そうしたいろいろな工夫といったものも、そして常に勉強していくという姿勢を作るっていうことね。
 そして、今回も基礎と応用とこう2つに分かれる。基礎も重要、でそれをベースにした応用も重要ということですから、基礎がよければいい、応用ができればいいということではなくて、それぞれの特色といったものをもう一度よく踏まえ直して、出た結果について、それぞれが小学校、中学校の教育現場はもとより、教育委員会全体として、やっぱり咀嚼し直す。そして、もう一つは御家庭あるいは地域、そして学校と三つの教育要素がこれあるわけですけど、やっぱりそうした形で、お互いに気付き、応用の部分ていうのは日頃の刺激だとか、気付きといったところに結果が大きく左右される部分がありますのでね、常に物事を考え、発想して、前向きに考えていくと。そうした癖がつくということが応用力を高めるということにもなるのでね。基礎はある程度やっぱりこれ詰め込みっていうのも重要になるのでね。そうした点を今後のプラスに転じていくいいきっかけにしてもらえればなと。あまりその順位だけに一喜一憂するっていうのはいかがなものかと。しかし、低いなら低いなりにそれはしっかりと原因を踏まえてその対策をとっていく。これが重要なことだと思います。

(時事通信社)
 関連してなんですけど、今回のテストの特徴として、学校別の成績の公表もできるようになるというのが特徴だったと思うんですけど、今回、県教育委員会としては公表はしない方針になっているようなんですが、知事としてこうした方がいい、ああした方がいいというような考えがあればお伺いしたいんですけど。

(知事)
 はい。これは学力テストが行われる度にこの質問が出てくるわけで、私は公表をあえてする必要はないと。
 それはなぜかと言うと、今お話をした点もあるんですけど、今回、あくまでも国語と、それから算数・数学と2教科だけ、ということなので、逆にこれをどんどん公表していくとなると、公表されるということを前提とすると、そこだけに力を入れると。それが、逆に学校の先生の今後のいろんな勤務評定にも繋がっていくと。小学校の場合には、全教科になりますのでね。中学校になってくるとそれぞれの教科になるのですけど、そうすることっていうのは、じゃあほかの3教科、小学校の場合2教科ですけどね。理科とか社会はどうでもいいのか。あるいはもっと言うと、副4教科という、例えば、体育だとか音楽だとか美術だとか図工だとか、場合によっては書道とかこうあるんですけどね、そうしたものはどうでもいいのみたいなね。こういうことになりかねない。
 やはり全人教育っていうことを考えると、小学校、中学校のうちにはあらゆる教科に対してしっかりと取り組むと。どうしてもこう受験中心になると、副4教科、例えば、音楽の時なんかみんな内職したりね。私なんかも、そういうのは叱り飛ばしてあげるね。「何やってんだ」って言って。自分が生徒の時よ。だから、そうしたやはりその副4教科に対して軽く見るとか。学力テスト以外の教科についてはどうでもいいって。これは全く逆の話でね。だから、全部の教科を、もしやるということで、総合的な評価をするということであれば、全体を出していくと。だから、模擬テストなんてのはそうですよね。全国的にやる模擬テストなんていうのは、もう名前から学校から全部出ますから。我々も中学校や高校の時は、よく受けさせられましたよ。学校自体もそういうことやったし。全国で何番とか、いや10番だ、何番だってやりましたけどね。そうなってくるとこれまた別なんだけど、やはり教科が2教科に限られているということ。
 だから、あまり小手先だけにっていうことは必ずしも小中学生にとってはプラスにならない。このように思いますので、私としてはそういったことに拍車をかけてしまう公表というものはなくてもいいんじゃないか。もちろん、全体的に公表するからそれに反対をするっていうことでは毛頭ないんですけどね。それはやったことについて、きっちりと示すということは必要なことかと思うんですけどね。
 それと、受けた子どもさんたちに聞きますと、その点数は分かるみたいなんだけど、答案返ってこないって。逆に言うと、改善点としては、やっぱりどういった所をどう間違ったのか。一体どこが間違えて、どこが正しかったのかっていうのが、今ひとつ分からないっていう実感が子どもさんたちにはあるようなのでね。そうした所も改善をして、「あっ、こういう所が、もっとこういう所はこういうふうに理解しましょう」とか、そういうこの教育的指導、こうしたものがあった方が望ましいんじゃないかと思いますので、あえて改善点っていうことであれば、やはり子どもさんたちに、普通のテストだって全部答案返ってくるんだから、模擬テストだって、やっぱり答案返してあげるべきじゃないかな。できれば一言、二言書いてあげると。そうすると、よりやる気が出ると。子どもさんたちにやる気を出させる。これが一番ということですのでね。そういう形になる学力テストにもっていければ、より効果が出るんじゃないかな。こう思いますね。

(徳島新聞社)
 すいません。関連で、知事おっしゃるように順位よりもやっぱり平均点とか、そういうところを意識すべきだと思うんですけど、知事が就任されてからですね、結構、先駆けて小学生とかの少人数学級どんどん入れて、きめ細かい教育をやってきているにもかかわらず、過去7回ですかね、成績ちょっと分析すると、落ちてきたりとかしてるんですけど、その現場はきめ細かくやっているはずなのにもかかわらず、力が付いてきていないといふうに、その比較するんじゃなくて、徳島だけをみると。そういう状況にこう教育に力を入れている立場からすると、今の現状っていうのは、どうなのかなっていう。

(知事)
 それは、もう御質問のとおりでね、内心はね「何やってんの」っていう気はあるわけですよ。でも、教育は、これスポーツも同じで、体力テストのときもそうだったんだけど、あの時も全国ドベにいたりしてたでしょ。やっぱり、そういう気付きっていうのが重要、これは教育現場としてね。子どもさんたちもそういう競争社会にあるんだっていうことをね。これどうしても東京とか大阪だと、もう受験、なんでも競争。あるいは、スポーツの世界も競争、競争って。これもいいような悪いようなところがこれあるのでね。そうしたことから言って、やっぱり教育っていうのは長い目で見るということだから、一喜一憂しすぎない。
 ただ、今お話があったように、仮に毎年のテストが同じレベルだとすると、平均点が落ちるっていうことは、やっぱりどこかに問題があるということが言えると思うんでね。だから、順位をどうよりも、やはり平均点しっかり見ながら、そして改善をしていくと。「あっ、徐々に上がってるんだな」と。ただ、よそがよりがんばったら、順位は落ちちゃうわけなんで、あまりここは順位を気にする必要はないと思うんですけど。しかし、順位でしか見ない方々も、県外の人ではいるわけだから、「じゃあ徳島に多くの就職口を」と、よくこういう意見も聞くんだけど、大抵そう言われちゃうわけね。「徳島に行って、子ども連れて行ったら、学力落ちるんじゃないか」って。そしたらもう単身赴任でと。本当は御家族で来ていただけると、人口面でもいいし、税収の面でもいいわけなんだし。また、その御本人たちにしてみると、家族バラバラよりは、一家で徳島のいい環境を体感してもらった方がいいわけですのでね。みんなにとって不幸であることは間違いない。
 だから、やはりしっかりとその辺りは学校の教育現場でも、毎回こうした結果は出るわけだから、それに対してもっとがんばると。御自分たちも教え方、それから子どもさんたちの接し方ね。そのための環境は作ってきたつもりですのでね。あとは、これをどう教育現場が自覚をして、そして徳島ならではの、今回沖縄ならではのっていうのが注目されていますけど、そうした教育方法というものを確立していってもらいたいなとこう思いますね。

(幹事社)
 ほかに質問のある方はお願いします。
 よろしいでしょうか。それでは、ありがとうございました。

(知事)
 はい。よろしくお願いします。

 
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