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平成26年9月9日 臨時記者会見 項目別

徳島県「共通コンセプト」の完成発表について(質疑)

(幹事社)
 ありがとうございました。
 それでは、質問のある方お願いします。

(時事通信社)
 菱川さんにお伺いしたいんですけど、徳島県の方に、今ちょっと移住されてるかどうかちょっと分からないんですけれども、徳島県にいらっしゃって、「vs東京」という形でこれから打ち出していくということなんですけど、東京に勝つというその徳島の魅力とか特徴とかっていうものは、どういうところだというふうに具体的に何かありますでしょうか。

(菱川代表取締役)
 そうですね、物や例えば食べ物だとか、観光地っていうものをまずは引き合いに出すよりも、徳島の方々のマインドを少しこう攻めのマインドにしたいという気持ちはありました。これを進めるに当たって。なので、東京に比べて、こっちの方がおいしいでしょとか、こっちの方が風景がきれいでしょっていうようなことは、今のところ具体的に示すものではなくて、まずはこのコンセプトを打ち出すことによって、なぜそういうふうになったかと言うと、やはり僕自身が徳島の方々とこの2年濃く付き合ってきて、一番真っ先に思ったのが、徳島の方々は「いい人たち」だなと思ったんですよ。いい人たちで、平和なんですね。なので、強く言わないんです、物事を。言わない傾向のように感じました。
 ですので、ただやっぱり外から来た我々からすると、魅力的なものがたくさんあるんですけど、そんなに強くは打ち出さないんです。ですので、率先して言う、つまり胸を張るって言うんですかね。自負を持つって言うんですかね。もう少し言葉を重ねれば、プライドかもしれません。そういったものをこれをきっかけに、徳島の方々に持ってもらおうと、そういうことで、県庁だけが旗振り役だけではなくて、オール徳島でみんなでプライドを持って、徳島は良い所であるというふうに言えるようになればいいなと思います。たくさんあると思うんです、魅力は。僕はたった2年関わっただけですので、もっともっと、むしろ徳島に住んでいる方々や、徳島の方々が自ら発信していくべきだなというふうには思っています。

(朝日新聞社)
 今回、新たに共通コンセプトを定めたということで、これまでとコンセプトを定めたことによって、どう変わり、このコンセプトをどのような形で具体的に政策なり、こう反映させていくという方針なのかというのをお伺いできればと思います。

(知事)
 はい。従来、これは別に徳島だけの話じゃないんですけどね、国においても東京一極集中の打破だとか言って、総合計画とかいろいろ作ってきたんですね。三全総だ、四全総だ、新全総だと。最終的に、いくらやったってだめで、とうとう諦めちゃった。もう全総も作らなくなった。国すら諦めてしまったぐらい、東京集中、一極集中が進んでしまった。
 しかし、そうすることによって、日本がどうなったかというのは、もう皆さんが誰よりも分かっている。もっと言うと、国民の皆さんが一番分かっていて、いよいよ日本全体、都市が消滅しちゃうんだと。地方も都市も消滅すると。消滅時代が迎えられると、日本創成会議があのショッキングなものを出した。あの刺激的なものを出されて初めてみんなが気がついて、地方創生だ。ましてや今回は、担当大臣まで置いてね。そして、一極集中、東京一極集中の打破をするんだと国が高らかに宣言をした中で、地方が誰も東京とはとても勝てないよって。これじゃ話にならない。やはり、地方こそが言っていって、「いやー、地方がそれだけ元気に言ってるんだから、国もその対策をとらなきゃ」って。本当は、順番逆なのね。ということで、今回はそうした国が本腰を入れて動き出したんだ、我々地方の危機なんだということなんで、徳島としてはまずしっかりとこれまで培ったもの、これを題材として立ち上がっていこうと。
 そうなってくると、まずは東京をいろいろなものの価値基準の計りにしなければいけない。東京と比べてどうだ。地方同士でどうだこうだ、2番だ3番だということではなくてね。正に徳島として、どういう新しい価値を、対東京としてもっていくのか。そこをきっちり定めないことには、政策もグラグラグラグラしてきてしまうと。いやいや、10番以内に入ったらいいじゃないかとか、2番に入ったらいいじゃないかとか、そんな話ではないと。やはり、しっかりと政策を打ち立てていくには、何を対象として、どこと比べて、いわゆる皆さん方、よく記者の皆さん言われる数値目標、こうしたものをしっかりと持っていこう、価値基準を。
 元々、知事最初に就任した時、私が「オンリーワン徳島なんだ」と、順位にこだわるわけじゃないんだということを、一番原点で申し上げたと思うんですね。これは実はこういうこと。菱川さんが代弁をしてくれましたけどね。いわゆる、徳島にいいものがあるんだけど、これはもう若い人でも、中堅の人でも、高齢者の人もそうだけど、「徳島どんな自慢あります?徳島どう?」って言ったら、みんな「徳島なんちゃないけん(なにも無い)」って。そうじゃないだろうって。たくさんあるじゃないか。そのためには、やっぱり比べる基準がはっきりしてないから、そうなってくると。東京と比べる、東京はなんでもあるとみんな思ってる。
 でも、違うんですよね。東京で良いものだと言われているものは、実は徳島をはじめとする地方から打ち出されたものを、菱川さんたちのようないろいろな日本有数のグラフィックデザイナー、デザイナー、多くのアーティストたちが、磨きをかけて世界基準のものにしていっている。しかし、こうした供給、地方がどんどん落ち込んでいくことによって、供給源がなくなることによって、東京も結果として世界の中の価値基準として遅れをとってきたのが今。だから、日本が沈没するという形になる。
 ここは、我々は別に徳島がというだけではなくて、我々がしっかり価値基準をもって、新しい価値を出していくと同時に、今度は東京がそれを元にしてね、もっと言うと、おそらくこの「vs東京」、分かるでしょ。普通だと、「徳島vs東京」って書く。違う「vs東京」、一番手を徳島が打ち出すんだと。徳島は、課題先進県と同時に、これからは課題解決先進県を目指す。今の人口減少社会、そして東京一極集中をどうやったら、切り替えていくことによって、この解を見出していこうというのが、今の日本全体の方向であれば、次にここに、例えばここが四国のほかの県であったり、中国であったりね、東北であったっていいわけですよ。
 やはり、東京を価値基準の対象として、地方がしっかりと立ち上がらなければ、今回国が出した地方創生、これも意味がないことになる。せっかく我々にチャンスをくれると同時に、これは大きな試練でもあるわけなのでね。これをまず東京に対して「vs東京」ということで、徳島が少しとんがったと見られるかもしれないんだけど、これを打ち出すことによって、今回の国が出す方針、この基軸をしっかりと地方が受け止めて、そして地方からその処方箋、解を出していく。これからどんどん地方、ほかの所が更にこれに続いてもらわないと意味がない。その一番槍を徳島が今回突き刺させていただく。
 そのためには、「ほんなんやったってだめじゃない」と言われてしまっては意味がないということで、ここを今度は政策を築き上げる。今までは、「徳島発の政策提言」、そして徳島発のものがジャパンスタンダードにと言ってきたものをしっかりと対象を東京という、比較の対象を定めた上で、更に硬質的なものにしていこうと。いよいよ集大成と、我々にとってはね。それと、国にとっては地方創生と言ってくれたわけなので、そして東京一極集中の打破なんだ、ここまで言ってくれたわけなので、これをしっかりと具現化を地方からしていこうではないか。そのコンセプトでもあるということですね。以上です。

(徳島新聞社)
 すいません。今の話も重なる部分があると思うんですけど、知事としてはどういう具体的な施策、こういう取組みで、こういう姿勢を示していくっていうのはありますか。

(知事)
 いや、もうこれはあらゆる施策の旗印なわけなんで、あらゆるもので何か出た場合に、東京と比べてどうなんだと。まだでもその意味では我々弱いわけね。東京と比べてどうって。みんなが徳島と東京のように、徳島と比べてどうって言われなきゃ本当は意味がないわけでね。まだまだチャレンジャーに過ぎないわけ。だから、あらゆるものについて、そういう価値基準を設けて、「いやー、二番手、三番手で甘んじていい」ということではないと。
 現に、ブレイクスルーをしたものは多々あるわけですしね。あるいは、東京と競い合ってきたこと、例えばICTの世界、映像の世界4K、8Kということから言えば、はっきり言って東京の後塵を拝することはないわけですし。食の分野についてみても、逆に東京がそれを期待をして、そして東京としても商売をしていくということは多々あるわけです。ましてや、東京のいろいろなデザイナーであるとか、あるいはICTの先取の皆さん方も徳島に来て、より東京よりも仕事の能率が上がり、東京では家族的な生活ができないものを逆に徳島だったらできるじゃないか。新しいこういうのは価値基準ですよね。
 今までICTの先取っていうのは24時間365日暗い部屋の中でバタバタバタってやっていくんだと。これでは消耗するだけの話なんです。いや、そうじゃないと。やはり、新しい価値基準が徳島にあるんだ、東京じゃないんだよって。そうすることによって、今度は東京もおいおいおいと、徳島にプスってやりつけられるのかと、俺らだってしっかりやんなきゃだめじゃないかって。そうだよって、東京の一番の相手は世界。世界で一番に東京がなってもらわないと、我々も困るわけ。世界で100位以下の東京を相手にしたって、何の意味もないわけなのでね。今の東京は正にそうなってきてしまっている。しかし、2020年の東京オリンピックに向けて、おそらく最強の都市となってくるのが、日本では東京と期待されているわけなので、日本として再生する、これは正に最後のチャンス。その東京にもっと早い段階から頑張ってもらう必要があるよっていうことであれば、東京として国内にいわゆる競争相手がないという日本では意味がない。
 そして、これが逆に46道府県が皆ね、そうだって言ったら、東京だって大変だと思いますよ、そりゃ。そうなってもらわないと、はっきり言って、今回の政府1丁目1番地と言っている地方創生はないと思いますよ。そうすることによって、地方創生じゃなくて、日本国創生になる。だから、おそらく国の期待はそこまであるんだと思うんですね。ただ、そこはまだ地方がどんどん疲弊するというマイナスイメージばっかりだし、どちらかと言うと、今マスコミでうける各都道府県のキャッチフレーズっていうのは、自虐的なことがうけるじゃないですか。そこまで言うのって。そこまで来ちゃってるわけね。違う。みんないいこと言いたいはずなの。だったら、最大のチャンピオン、正にスーパーキリングである東京を相手取って、やっぱりしっかりやっていかないことには。だから、そこまで地方も努力をしなきゃいけないと。そういうことの今回は提唱でもあるということですね。
 ちなみに、これまで徳島発の政策提言、昔は陳情だ、要望だといったものを切り替えてきた。それから、課題先進地域であった徳島、四国地方といったものが課題解決先進になるという形で、いろいろな処方箋を出し、それが正に受け入れられてきた。ジャパンスタンダードになってきたということであれば、ここでやはりステージを替えて、もう一段違う次元でもって政策立案をし、しかも磨きかけをしていくと。そうなると、やはり対象をきっちりと定めていく必要があるというのが今回ということですね。

(菱川代表取締役)
 私からちょっと補足的なんですけど、若干僕の立場というのは、県庁の職員ではないですから、会議を通して県庁の方々、つまり政策に従事している方々と会議を通してお付き合いしたわけですけど、こういうスローガンを作る際に、やはり先ほど、知事から御説明のあったタスクフォースといわれる若手の職員さんたちを中心とした、組織をまたいでのチームが編成されたんですよね。そういうところにやはり変化を、外側から見ての変化を感じます。
 あと、同時にやはり別の視点から見ると、世の中が働き方が変わってきたりっていうようなことがあると思いますので、今まで若手たちが学校卒業したら、どこに就職しようかっていうふうに考えていたものが、起業もしくはそういった投資みたいな、そういう今までと違う形で仕事をやっているようなことに世の中が動いてきているところに、徳島県庁は敏感に今反応しようとしている。実際、その神山の動きを等々見てみても、そういうものを受け皿として受け入れようとしている。つまり、起業支援に値するわけですけど、そういった新しい動きに敏感に対応しようとしている。これが、まだまだ一つ一つは小さい波かもしれないですけど、おそらくこの波っていうのは、大きなウェーブになるんじゃないかなと。外部の人間ですけど、近しい距離として見ているとそういうふうに感じるんですよね。
 ですので、今回こういうコンセプトを打ち出すことによって、ここに敏感に反応してくるクレバーな連中っていうようなところに期待をしているっていう。だから、のべつ幕無しにたくさんの人たちに来て欲しいっていうことではなくて、コンセプトを打ち出すことによって、そういう敏感な人たちにまず振り向いて欲しいっていうようなところはあります。だから、やや物議を醸すか、もしくは賛否両論あるかというようなところを恐れずに、そのタスクフォースの方々がこのコンセプトのままいきましょう、これでいきましょうというふうに決めた背景にあるのは、そういったことだと思うんですよね。だから、やっぱり優しい言葉、角のとれた言葉で誰も傷つけない、だけれども、かといって強く刺さらないっていうようなメッセージをこれ以上重ねても仕方がないというような、そういうタイミングだったんじゃないかなと思います。背景には、そういうものが補足的にはあります。
 で、やはり今回いろいろなものを製作しましたけれども、映像もそうですし、映像は、先ほど話をしてた2年間、我々がお付き合いの中で、農村舞台や農村舞台でも人形浄瑠璃や、あとはもちろん阿波おどりや井本紙漉場も行きましたし、そういった後は藍染めですね。そういった胸を張って言えるものというのは、撮影を、しかもそうですね本業ですので、テレビコマーシャルと同じような機材を持ち歩いて撮影をしてたわけで、そういったもので凝縮された映像でしたし、今後ろに御覧いただいているポスターは、これは阿波紙。阿波紙に藍染めで染めたものです。ですので、オールメイドイン徳島なんですね。ただし、デザインだけは、そういった層ですね、いわゆる若手っていうところは意識しています。そういったところに刺さって欲しいっていう願いはあります。ですので、神山に来ればなんでもできるよとか、Wi-Fiが飛んでるとかいうような、そういうワードを織り交ぜながら、東京と遜色ない、むしろ勝っているところは十二分にあるっていうようなことを十分にアピールしていくっていう。
 もちろん、ここにあるだけではなくて、今後チャンスさえあればどんどんどんどんこれがシリーズ化できる、いろいろな形でこのコンセプトの下にメッセージを打ち出せるという可能性を秘めて作っていると。どうしても、強い何か固定的なキャッチコピーを作ってしまうと、もう打ち出すものが一つになってしまうので、いろいろなメッセージがきてもこのコンセプトでくくれるというようなことにしてあると。なので、今日のここがスタートラインなので、打ち出したことによって、今度はそこに出てくる新しいおそらく課題が見えてくると思うので、それをこの基準に従って、どんどんやっていく必要があるんじゃないかなと個人的には思っています。

(知事)
 で、今菱川さんが言っていただいたように、どこにメッセージを出すかと。もう一つは、東京にいる人たちにメッセージを出すと。今まで東京にいると、地方のことに関心がないんですね。あらゆる情報・物・金、全部東京に集まってくる。東京にいればいい。それが気持ちがいい、心地がいいということになるんですね。しかし、実はそうじゃないと。それが今回のサテライトオフィスで、ICTの世界は地殻変動を起こし始めた。でも、あらゆる分野ではまだそうなってないわけですね。だから、特に東京にいる先ほどクレバーな人たち、そういう感性、こうしたものがピピッとくる皆さん方に、こうだよということをお知らせをしようというメッセージ、徳島からの正にラブコールっていうかね、メッセージでもあるわけですね。一遍、気が付いてみてって。こういった分野どうって。気付きを誘導していこうと。これも大きなポイント。
 現に今、神山だとか美波町だとか、こういうサテライトオフィス関係で入ってきてるところというのは、どちからというと上勝も含めてそうなんですけど、東京、首都圏からの人の方が多い。対、だからどことの出入の関係でみると、社会増でいくと、東京から多いんですね。出ていくよりも入ってくる方が多いというのが、徳島の中山間地域の特徴、こうした流れを正に本格的にしようということなんですね。まだ一部の分野しか知られてない。これをあらゆる分野の皆さん方に、あらゆる階層の皆さん方にまずお知らせをしようと。そして、それを知っていただいて、ピピッと反応した人、こうした皆さん方に関心を持って、そして徳島にもおいでをいただこうと。こうした意味もあるということなんですね。

(読売新聞社)
 菱川さんにお伺いします。この「vs」、戦うとか敵とかいうことが想起されます。こういう言葉を使われたのは、先ほど言った刺さって欲しいというようなメッセージかなと思うんですが、vs、戦うということでは当然勝敗というのはその後にあるわけで、もっとエッジのきいた言葉で言えば、東京に勝つというふうな、語呂はよく分かりませんが、ということもあり得たと思うんですが、そうしなかった、一歩前、戦うところまでに留めた理由とかってありますでしょうか。

(菱川代表取締役)
 そうですね。やはり、今回のコンセプトの背景には、東京へ向けてっていうことと同時に、これ徳島県人、徳島県の方々に向けてっていうこともやはり大事なポイントなんですね。つまり、ちょっと先ほどと繰り返しになるかも知れないですけど、もともとやはりいい人の感覚を持っていた徳島県の方々に、これを機にちょっと勝ち負けの感覚で徳島っていうものを外にPRしてみてはどうかっていう、これが県庁からの提案なんですね、一つの。だから、どうしても平和でいい人っていうところで、「良いでしょ、どうですか」っていうふうに言ってきてたところを、「どうだ」っていうふうに強めに言っていくというようなところ。
 で、やはりやや繰り返しになりますけど、今それを言うべきタイミングじゃないかと。つまり、オリンピックが背景に、数年後に迫っているとか、様々な分野で働き方とかビジネスとかっていうところで、地殻変動がいろいろなところで起きている。徳島県庁の中で、そういった組織みたいなところでも少しずつ変化が起き始めている。今このタイミングでこういう強い攻めの姿勢っていうものを示していく必要があるんではないかと。おそらく、勝ち負けを例えば数字ですとか、そういったところで勝負をして、勝った負けたっていう議論が起きる可能性が十分あるんですよね。それはそれでいいと思ってるんです。勝った負けたって言っていればいいかなと。重要なのはそういう一度勝ち負けみたいな姿勢で、姿勢を正してみませんかっていうようなことではあります。

(読売新聞社)
 結果というか、戦うという姿勢という、そういったところを変えていくのでここの言葉に絞られたということですか。

(菱川代表取締役)
 絞りました。

(読売新聞社)
 あと、もう一個、こういうことは感覚的なものなので聞いてもあれですが、東京というのは東京都を指しているのか、いわゆるこう東京圏みたいなものか、23区みたいな都市部に絞ったものかっていうと、だいたいどの辺りを指しますか。

(菱川代表取締役)
 まず、僕の意見から言うと、感覚的なのでどのようにとられても構わないと思ったんですね。と言うのも、個人個人で東京って口にするときに、おそらくちょっと感覚違うと思うんですね。東京って言いつつ、横浜辺りをのことを指してたりとかっていうような。あとは、関東っていう意味での東京っていう言い方をしたり、特に地方の方々が東京っていうふうに言うときっていうのは、結構ばらばらな感じがするんです。東京都のことを言ってるのか、ピンポイントで渋谷のこと言ってたりとかっていうようなことだったりとか。おそらくアーティクルで全然違うので、東京っていうこと。なので、東京都としなかった理由の一つとしては、そういうざっくりと首都圏っていうような。つまり、目標にすべきトップレベルにあるものというような言い換えができるんじゃないかなと。紛れもなく日本の中で地方都市が目標にすべきトップレベルにある行政区っていうことになってくると、紛れもなく東京っていう言い方ができるなと。なので、目指すなら、もしくは超えるならトップでしょっていうような姿勢を具体的に示すという意味での東京っていうことになったと思うんです。

(知事)
 正にそういうことですよね。だから、東京都と、じゃあこれ舛添知事と腕相撲するの、そんな世界じゃないわけですね。つまり、あらゆる世界、業界、分野の中で、東京っていうイメージがそれぞれあって、場合によってはそれ23区っていう場合もあるし、それが千代田区という場合がある、あるいは霞が関だという場合もあるわけですよね。だから、必ずしも東京都っていう意味じゃなくて、ていうのは逆に今度は首都圏の方に行くと、首都圏でまたおもしろい現象が起きて、例えば山梨県でいって、山梨の東の地域、東山梨とこう呼ぶんだけど、彼らは西東京って言うわけね。違うだろうって、山梨の中では必ず言うんだけど。それと同じことで、皆自分たちを東京に、ネオ東京っていうかね、東京にこう包含して捉えたがるわけですよ。
 だけど、我々は違うよって。そこを対立価値基準にして、あるいは対比の価値基準にしてやっていこうと。いつまでも東京擬きになっていたんではしょうがない。逆にそういう所の人たちも解放していくっていうのがある。現に、私は山梨でも埼玉でも霞が関でも勤務していたんでね。新潟でも。正に、みんな東京擬きになりたがるわけ。でも、我々は違うよって。東京擬きじゃないんだって、逆に徳島擬き増やそうよって。逆にね。
 で、そのためには、今、菱川さんがなかなか私自分とこ言うとね、手前味噌で言わなかったんだけど、やっぱり徳島、人がそういうところが良すぎてね、「いやお先にどうぞ」の世界なわけなんですよ。違うだろうって、やっぱり自分たちの物一番いいよってどうして言えないのって。「うーん」ってこうなるわけね。「うーん」じゃないって、いいんだよって。じゃあ、どこと比べるのって。じゃあ、東京の人っていうとね、日本の場合必ず東京の人がどうとかって言うじゃないですか。じゃあ、その人たちと比べてみてどうって。じゃあ、聞くんだったらその人たちに聞いてごらんよって。いいの悪いのって。それで聞いたら、「いやいやいや、ええって言われた」。そしたら、みんな自信持つわけね。そうした意味もある。だから、「立ち上がれって」先ほど映像にあったじゃないですか。やっぱり、立ち上がってみるっていうことね。座ってずっとウジウジって言ってるんではなくて。やはり、立ち上がってみて、ぱっと周りを見て、そしてその時にまず東京をしっかり俯瞰しようよって。そういうことなんですね。だから、それぞれに東京はあると思うんですけどね。

(読売新聞社)
 分かりました。

(共同通信社)
 2点ありまして、1点目は、東京に勝つっていうのは何をもって勝つと考えられているのかっていう点と、もう1点はやはり東京と比べるとなると、ある意味で一極集中の東京をトップとする価値観にはまっているような気がして、果たして環境も違う、持っている資源も違う、全く別の土壌で戦っていくべきような気もするんですけど、そういう意味で東京と比べることで徳島の良さが限定されることはないのかっていう危惧があるんですけど、その点についてお願いします。

(知事)
 まず、ここの点はね、おそらく今の話っていうのは、ともに一緒のことだと思うんですけどね。つまり、逆に日本中が東京呪縛になっている。あらゆるものが東京が一番って。比べるまでもなく東京が一番、こんなこと言うわけね。今出た、例えば自然環境がいいとか、そんなん田舎だろうで終わっちゃうわけ。で、そこに人住んでるのって。猿、猪だけじゃないかって、必ずこういうふうに言われる。例えば、高速道路一つ造る場合、東京の外郭環状だとか何かがまだ遅れていると、それなのに四国に高速道路を造る、北海道に造る。そういったものを東京霞が関、永田町でなんと言ってるか。ね、「熊しか走らん所に何造るんだ」って平気でそうした議論がなされる。
 これは違うじゃないかって。これはやはりみんな東京に価値基準が一極集中、当たり前になってるからそんなことになる。違うだろうって。新しい価値観というのを見出してごらんって。そのためには、まず東京にいる人たちにその気付き、これをしてもらわないと。そうだ、素晴らしい自然環境って得がたいものなんだって。じゃあ、それと比べて東京どうなのって。確かに、公園比率、東京は高い。でも、今デング熱でどうなっているかというと、どんどん公園閉鎖しなきゃなんない。これはどうしてこんなことが起こるか。おそらく、天の啓示かも知れない。東京に人が住み過ぎてしまっている。いろんな人がいる。無作為にどんどん入ってきてしまう。国内外を問わずと。こうした点をもう一度しっかり考え直して、やはり、「あっ、自然環境っていうのは大きな価値基準じゃないか」って。それから比べたら、東京って結構下位だよねとかね。
 この間、おもしろいのが日経マネーっていうかな、出てたですね、その預金高。こうした話で、都市部の方がお金持ちかと思ったら、意外と違ってた。確かに、ここは1位が東京、2位が香川、3位が徳島。だから、こういったところも意外と知られてないわけ。これは一世帯当たりの貯金高の話なんだけどね、平均の。だから、そういった点について、やはりもっともっと東京の人にも思ってもらう。で、日本全体が東京一極集中の価値基準、ここから解放されなければならない。でも、誰かがこれを一番槍を突き付けないことにはね。これリスクというかも知れないけど、これをやらなかったら、とてもじゃないけど一極集中の打破なんかできるわけがないし、地方の再生があるわけがない。
 もっと言うと、それは悲しいこと、結局地方のいろいろなものを全部集中して出来上がったのが東京なんだから。もっと言うと、地方のいいとこを全部集めた、正に日本の代表が東京なんだから。その東京が疲弊していく。だから、東京の場合には両方のチャンス、ピンチがあって、こういう疲弊の部分、地方からどんどん栄養源が与えられなくなる疲弊の部分と、かたやなんとしてでも、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを成功に導かなければならないっていう、この両方があるわけ。となってくると、東京にもっともっとあらゆる価値基準を持ってもらわないといけない。このままの東京でもだめ。それをやはり今こそやると。おそらく、今回国もそれが気が付いて、地方創生なんだと、史上初のことですからね。そうしたものを打ち出したんだと。そう思うんですよ。

(菱川代表取締役)
 例えば、東京の街頭インタビューで、「東京と徳島、どちらが豊かですか」みたいなアンケートをやっても、たぶんまだ勝負にならないんです。それは、イコール認知度なんですよね。徳島のことがよく知られてないので、比べようがないという。で、やはりタスクフォースのメンバーが今からやろうとしていることは、認知度をこういう方法で認知度を上げていくっていうことはまず一つの方法なんですよね。なので、現時点で具体的な数字を挙げながら、この分野については東京に勝っていこうっていうような、そういう今回のコンセプトではなくて、まず認知度を上げていくことで、例えばそういう「豊かなのはどちらですか」っていう街頭インタビューをしたときに、豊かさでいったら徳島なんじゃないかっていう意見が一人また一人と増えていくような状況を作っていくっていうような。
 で、その豊かさとか美しさとかおいしさみたいなものというのは、数値化できないものなんですけど、やっぱり普段から徳島はそういった数値化できないものっていうのを今までもずっとPRしてきてるんですよ。なんですけど、やはりそれは数値化できないが故に、美しい徳島とか、おいしいものが揃っている徳島っていうことで、PRが強く残らずに終わってしまうっていう。だから、まずは、やはり繰り返しになるかも知れないですけど、具体的にこの項目について勝ちますよっていうようなものはまだ意見としてはまだ早すぎて、そのまだスタートラインに立ったところで、今からそういう勝ち負けの姿勢でちょっと徳島も前のめりの姿勢になりますからっていう宣言なんですよね、だと思っています。

(時事通信社)
 よろしいですか。お二人にお伺いしたいんですけど、今後、「vs東京」っていう価値観を浸透させていかなきゃいけないと思うんですけど、県庁の職員を対象にするのか、県民を対象にするのか、東京にいる人を対象にするのかっていうことで、ここで発表しただけで当然浸透しないと思うんです。民放テレビの人も来てないし、どうやって具体的にどういう形で、どういうふうに浸透させていくのか、現時点で考えていることがあればお伺いできますか。

(知事)
 はい。というか、もう早速やるのは、今日これ発表させていただいて、ホームページに載せていくのは当たり前のこと、ユーチューブそうしたものを出していくと。当然、それだけだと日本人しか(見ない)、日本語で出るので、これはやはり今、日本全体が注目される。そして、東京というものにものすごくみんな関心しているのね、海外の人が。だから、東京っていって検索した場合に、「vs東京」当然出るわけなんで、ということであれば、当然、英語媒体にしてこれを出していく。で、世界中にこれを打ち出していくんだと。そうしないと、世界中の人、日本をイコール東京とこう見てしまう。いや、違うと。なんか、東京と徳島があるらしいぞって。海外から見たら、大阪もね、あるいは名古屋もそんなん関係ないわけですよ。やっぱり、今や日本イコール東京。そうなったものを変えていく必要もあるということで発信をする。
 そうすると、先ほど御質問があったように、「あっ、自然て言うんだったら、なんか東京は全然でないんだけど、徳島行ったらいいらしいよ」とかね。そういう形にもなってくる。ということで、まずどんどんこれは積極的に情報通信媒体を通じて出していくと。それから、あと今お話があるように、それぞれ庁内、県内、そして県人会はじめとする東京、そういう関係者、そうしたとこにもどんどん出していく。だから、今度そう遠くなく東京(徳島)県人会もありますからね。先の映像なんていいと思いますよ。みんな涙するんじゃないですか、おそらく。私もほろっときたよ最後。ちょっと体勢整えてから次進めましたけどね。やっぱりそういうところの感動。だから、二度目の国民文化祭の時のオープニング見てて、多くの人がやっぱり涙したと。
 だから、気付きを県内の人にも是非持ってもらう。それと同時に県内はもとよりなんだけど、徳島御出身で東京に行ってる人たちね。でね、これおもしろいんだけど、いろいろな県人会、私も出るわけなんですけどね、東京の県人会だけはね、出てくる人みんな言葉東京弁だしね。「我々は東京の人間だ」って言う人結構いるのよ。そうでない人もいるんだけど。もう東京に同化してしまうのね。だから、そういう人たちにもう一度徳島を本当の意味で、心の底から思い返してもらおうと。「あっ、そうだ私たちは徳島なんだ」って。そうした意味では、そういう映像とかっていうのはいいんじゃないかなと。これは、二度目の国民文化祭のオープニング、総合フェスティバルの時に実感したものなんですけどね。「いやー、やっぱり、ふるさと徳島だよ」って。そういう意味では、きっちりとそういうものを定めていこうということなんで、あらゆる媒体活用して、これをPRしていきたいと思っています。

(朝日新聞社)
 さっきのその浸透で、関連してなんですけど、後ろのそのロゴとか、そのポスターみたいなものっていうのは、今後、観光ポスターにそのロゴを使用したりとか、後ろの「どこで踊ったってほれが阿波おどりじゃわ。」とかっていう、そういうわざわざ作られたものを、活用方法っていうのは具体的に何か考えてることありますか。

(知事)
 一番最初にやっていくのは、例えば名刺とかね、職員の持っている。つまり、こういうところからまずロゴでやって、「これ何ですか」っていう、それも話題性なわけね。そういうところからどんどんやっていこうということですね。もちろん、あらゆるポスターや何か、そうしたものでそういうのを打ち出していくというのを当然考えていますけどね。まずは、話題性っていうのが重要で、「これなあに」って。聞いてもらわなかったら話にならない。

(菱川代表取締役)
 浸透させていくということでは、まだチームの中のブレスト(ブレインストーミング)の中で出てきている構想段階の話ですけど、今「vs東京」なんですよ。数年後、「vsパリ」って言ってる可能性があるんですよ。「vsニューヨーク」って言ったりとか。で、「おっ、今度、徳島はニューヨークって言い始めた」みたいな。で、重要なのは今ここで示しているのが東京っていうのが、今目の前で仮想敵にするには、一番最も適していたっていうだけで、これがやっぱり今後起きるであろういろいろな事象によって、その都市名だとか地域名を変えてもいいと思うんですよね。思ってるんですよ。要するに、やっぱりそれぐらいなんか威勢よく自分たちをPRしているっていうことが、じわじわどんどん浸透していけばいいなっていうふうには思ってるんです。
 だから、何かすごく大きな予算をかけて、マスのメディアに対して一斉に広告的にバーッといって短期で終わらせるっていうのは、もうやり方としては古いので、そういうやり方を採らない。で、可能な限り若い層に刺していって、若い層の人たちが、僕ポスターを作った時に、真っ先に周辺にいる若手たちに聞いていきました。「これがTシャツになったら欲しいか」っていう聞き方をしました。「欲しい」って言う奴もいるんですよ。「あ、だったらファーストステップはいいかも」っていうふうに思ったんですよね。だから、これを今度はどのように料理していくかっていう、これを単純に今までのやり方で、ポスターを貼って終わりっていうことにしてしまってはいけないんですよね。なので、これもまた、タスクフォースを含めて、これの広め方っていうのを従来のやり方を採らないっていう意味でやっていく必要があると。
 当然、だから、そういうツイッター、フェイスブックみたいなものは、そういうものはフル活用していく。さらにその上で、「どうする?Tシャツ作る?」とかっていうようなことも含めてですね。なんかこう広め方っていうようなものが、通常、県庁のようなところがやらなそうなことっていうのは、どんどんやっていくことで、ちょっと目が離せない県であるっていうふうに認知がされれば、「vs東京」というキャッチコピーそのものが、話題性になるかどうかっていうことよりも、むしろコンセプトとしては勝ちなので、「徳島県が今おもしろいぞ」っていうふうな注目のされ方っていうのが、一番理想的なゴールと言えばゴールですね。

(徳島新聞社)
 すみません。ちょっと技術的なことなんですけど、ロゴについては、どういう思いというか、コンセプトみたいなのがあったのかということと、「vs東京」というのは、ヒアリングの中から菱川さんが生んだ言葉なのか、それとも、チームの中から生まれてきた言葉なのか。

(菱川代表取締役)
 厳密に言えば、チームの中からです。それを最終的に選んだのは、チームの投票ですね。投票に近い形で。

(徳島新聞社)
 チームは、統括本部?

(菱川代表取締役)
 そうです。タスクフォースと言われる若手の職員さんたちで組織された(統括本部の下部組織のチーム)。
 僕も驚きました、実は正直言って、もっと耳障りの良い言葉があったんですね。そんなに尖ってない、いわゆるキャッチコピーっぽいものがあったんですよ。いくつもあった中で、もうほぼ全会一致と言っていいくらいの強い一致で「vs東京」になったんですよ。これは、ちょっとやや、我々の外部的立場から見ると、やや驚きました。それで、盛り上がっていくと議論が熱くなっていくので、こういうことが、そのチームに限らず起こっていけばいいなと思いました。
 ロゴデザインに関しては、アートディレクターを担当した小林という者なのですけれども…

(徳島新聞社)
 それは菱川さんの会社の?

(菱川代表取締役)
 そうです。彼に一任しました。一任した理由は、徳島のことをよく知らなかったからです。徳島のことをよく知らない人間に「イケてるロゴデザインをしてくれ」っていうふうに頼みました。徳島のことをなまじ知ってると「徳島っぽいもの」を作るので、逆にインフォメーションのかなり少ないデザイナーというようなものを狙って、こういう文字なんだけど、キャッチコピーとしては、このキャッチコピーなので、これをTシャツにしたら格好いいようなロゴにしてくれ、但し、最低限読めるようにねって。様々なものが途中出てきたんですけど、ぱっと見読めて、ロゴとして若手達が、「格好いい」と直感的に思えるようなものを選んだっていう。

(徳島新聞社)
 単純に、意匠的に「格好いい」という、単純にって言うとあれですけど、見た目がやっぱり「格好いい」っていう徳島の思いを入れたっていうわけでは全然ない。

(菱川代表取締役)
 違います。

(知事)
 というか、そのキャッチのところで、徳島の若手の思いということね、正に。だから、タスクフォースを若い人たちを中心に作った。やっぱりこれを今、菱川さんが言われたみたいに、職階制で上に上げていくと、絶対こんなん上がってくるわけがない。「無理」とか、すぐ言うわけ。「無理じゃないだろう」って。だから、敢えて若手に全部決めてもらった、そこは。
 新しい価値観を作る、新しいものを作るっていうものは、本当に若者であったり、外目線というもの、これが重要なわけですよ。だから、そうした点で今回、正にそこは従来手法といえば従来手法、役所の世界じゃ全く違うんだけど、こういう今、菱川さんが言われた民間では、どう決めていくなんていう場合は、絶対にそうなわけ、そこは。そうじゃないと新しい価値を作れるわけないんだから、足引っ張られるわけだから、そこはね。
 ということで、今回は若手中心に考えた。最終決めたのは、私が決めたけど。菱川さんは「大丈夫ですか」みたいな感じで最初あったけど、「これでしょう」って、そこはね。そこなんです、ポイントは。やっぱり、これから日本全体も同じことが言えるわけ、今は徳島が偉大なる社会実験やってるように映ると思うんだけど、日本がこれをやらなきゃだめなんだ。今の日本が正に大変な瀕死の状況というのは、そういうこと。だから、これだけの借金抱えて何もできていないわけ、課題が解決できていない。だから、徳島でできればみんな思うと思う。「日本もできるぞ」って。それをやるのは若い人たち。逆に経験を積んだ人間は、その考えを、時には大変な場合があるので支えてあげる側にまわる、「あかん」って言うんじゃなくて。「こうやったら上手くいくかもよ」「ここ我々に任せろ。行け」って。「とにかく行け」って、「大丈夫だ。やってみろ」って。これが重要。
 若い人たちが徳島は、もう今までは、なかなか発言できなかったんですね。何か言ったら、みんなに潰されるから。違う、「どんどん言えよ」って。それで逆に私の仕事は、この上の人たちが「あー、ごちゃごちゃ」って、「いらん」って、「あんたら、いらん」って言うのが私の仕事。これをいかに打ち出していくのも仕事ね。
 やっぱり日本のこれから、あるいは徳島のこれから、やっぱり、これから30年先、40年先を背負って立つ若い人たちがしっかりと自分たちの思いでもって、出していかないと意味がない。これが今回なんだけどね。

(徳島新聞社)
 今までの話とかぶるんですけど、「共通コンセプト」っていうと、僕ら、普通の人もそうだと思うのですけれど、香川県の「うどん県」とか、高知県の「高知家」みたいに、その県のイメージを伝えるものが、簡単にいうとイメージなんですけども、この徳島の「vs東京」っていうのは、県の魅力発信を最終的にするんですけど、それよりもこういう新しい価値観をイメージによって徳島にあるっていうような投げかけるようなイメージで捉えた方がいいんですか。これを通じて、徳島のことを最終的に魅力発信をするっていうような。

(知事)
 一番のポイントは、やっぱり「気付き」なの。つまり「高知家」にしても、「うどん県」にしても、みんな聞いただけでわかるじゃない。「高知家」高知県でしょ、高知県が一家になるのね、ということね。「うどん県」ね。だって、インターネットで検索をして、47都道府県の名前を入れて、真っ先にいわゆる「Kagawa prefecture」が出ないのは、香川県だけだからね。今度はマンUから移るけど、ドルトムントに。彼が一番に出るんだから。だからそれが「うどん県」としてやっていこうと。でも、うどんは有名じゃない。「さぬきうどん」って。でもイメージが分かる。
 じゃなくて、「vs東京」ということで、「え?どこ?」って。これが重要。コマーシャルってそうなのね。ぱっと見て、これは車のコマーシャル、これは、例えば、家のコマーシャルってわかったら、だめなの。何だろうって。だって、ものすごくコマーシャルあるんだもの。ましてや東京なんていうのは情報があり過ぎて氾濫している。その中で、ぱっと見て「えー」って、「何これ」って、みんなが気がついてくれて「徳島だって」って、ここなのよ。ここはだからプロにお任せをしたわけ、どういうふうに打ち出すかってね。
 ただ、その「vs東京」は若手の思いよ。「なんで今まで徳島がこうだったんだ」って、「良いとこあるじゃないか」って、若い子は思うわけ。ただ、それを摘んでしまうわけね。年功序列というのも一つあるし、私なんか、それは昔っからおかしいと思ってきた。だから、自分として、今やってんだけどね。そうした若い子の思いがわかるから、「じゃあ、これだぜ」っていう世界。だから、「もう一気にやろうぜ」って思いを、というところなんです。やっぱり気付きと驚きの中から「徳島だって」って、やっぱりそこなのね。

(菱川社長)
 発想が、例えば「高知家」とか「うどん県」っていう、もろ広告代理店的発想は、してないんですよ。これは、ディレクターとして、どう考えたかというのは、この「vs東京」っていうロゴマークが入ったTシャツを吉祥寺辺りに住んでいる奴に着させて歩いててほしいんですよ。で、それに引っかかった連中が「何あれ」ってなって、検索してほしいんですよ、こういう動線を想像したんですよ。
 そういう人たちは、きっと徳島に来た時に点在している良いものを自ら発見していく人たちなんですよ、きっと。という勝手な類推なんですけど、そういうある種のプロファイリングをしたんですよ。こういう人たちに来てほしい。きっと、アグリカルチャーやサテライトオフィスの狙いとか、あとは、ものづくりとかっていうことを、わりと短時間にディープに解釈していく人、敏感な層っていう人達が、ここは豊かな所だから、意外と飛行機で来てみたら遠くもないし、利便性も高い、インフラも整っている、「起業するならここかも」って思ってほしいんですよ、そういう層の人たちに。
 だから、やっぱり何をもってしてキャッチコピー、県をアピールするときにある程度の層はあったとしても、不特定多数の人たちに、のべつ幕なしに浸透したイコール成功っていうことじゃないと思っているので、結果的にどういう人たちが、少数でもいいからどういう理想を描いた人たちが集まって、どんなコミュニティを築いていっているのかというところが、その一つの成功だと思っています。
 やはり、今、過不足なく来てしまっている徳島が、もしあるとするならば、そういうちょっと尖った人たちには、是非来てほしいなというような思いもありますし、やはり「いや、行ったって就職する会社が無いから」みたいな人たちには、別に来てほしくないんですよ。行って起業するぐらいの勢いの人たちに来てほしいっていうような、やや、やっぱりプロファイリングというか、来てほしい人物像っていうのを想像しながら、だからやっぱり、優しい、みんなにとって受けやすい言葉には、どうしてもならなかったんですよ。

(幹事社)
それでは、ありがとうございました。

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