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平成27年5月18日 定例記者会見 項目別

鳴門わかめの新品種について(説明)

 次に、2番目、「鳴門わかめ」の新品種についてであります。
 鳴門わかめは言うまでもなくスダチ、あるいは、なると金時、地鶏ナンバーワンの阿波尾鶏と並ぶ、本県の四大ブランド、その一つということで、西日本一の生産量を誇っているところであります。
 鳴門海峡、なんと言っても海でありながら大きな川かと思うくらい潮が激しい、この潮が激しい潮流にもまれて育ち、そのすばらしい色・艶、また、食感は、国産ワカメのトップブランドとして、広く県内外の皆様方に親しんでいただいているところであります。
 通常は、寒い時期に育つ養殖ワカメは、水温が低下をする11月から養殖が始まりまして、年が明けて1月から春先にかけて収穫をされるものでありますが、昨今の地球温暖化の影響かと言われているわけでありますが、本県の沿岸の海水温が、この50年程の間に、1℃~1.5℃上昇しているところでありまして、これにより養殖開始時期に遅れが生じる、そして養殖期間の短縮による、ワカメの生長の遅れが生産(量)に影響を与えてきているところであります。
 そこで、ピンチをチャンスに切り替えることは出来ないだろうかということで、農林水産総合技術支援センターの水産研究課おきましては、全国に先んじまして、「南方系のワカメ」、温暖化になってきているわけでありますからね、「南方系のワカメ」と本県の「鳴門わかめ」を交配させることによりまして、この海水温の上昇に適応した新品種の開発に取り組んできたところであります。
 その結果、平成25年度に、阿南市椿泊産の天然ワカメと「鳴門わかめ」を交配させた新品種が、高い海水温でも、生長と品質に良好であるということが分かりました。このような「交配」させる技術、本県が持つ非常に高い技術であるわけでありまして、東日本大震災の際には、日本でNo.1とNo.2の生産を誇っております三陸わかめ、岩手県、宮城県、こうした三陸わかめの復興にも貢献できるようにということで、その支援もさせていただいたところであります。
 ということで、口で言っているだけでは分かりませんから、じゃあ、どんなに違うのかいうのがこちらです。
(パネル「徳島県が開発した『鳴門わかめ』の新品種」を提示して)
 ここにありますように、これが新品種、これが従来の鳴門わかめ、見ただけでも大きさが違うと言うことがお分かりをいただけるかと思います。
 どんなに違うかと言いますと、ここに書いてありますように従来(品種)よりも葉の部分の重さは、1.2~1.9倍、約倍ぐらい違うんですよね、また、葉のしわが少ない、葉が肉厚で、滑らかであることが特長であるということになります。
 ということで、実は私も皆様方には申し訳ないんですが、試食をさせていただきました。味はもちろんのことでありますが、やはりこの肉厚感と言ったところで、歯ごたえが大変いいと、これまでの鳴門わかめも非常に良かったと訳でありますが、これまでの使い方でありますお味噌汁であるとか、あるいはわかめのしゃぶしゃぶ、何せ褐藻類でありますからこの褐色ですけど、これをさっとお湯にくぐらすと鮮やかな緑色に変わる、まさに手品みたいでね。
 ことに東京のお客さんたちはそれを見るだけで、そのしゃぶしゃぶばっかり食べるだけで終わってしまうなんてことも最初の頃はありました。
 ということで、この新しい品種を鳴門わかめの従来の食べ方にぴったりではないかと思うところであります。
 平成25年度、そして、平成26年度に、延べ11地区の生産者の皆様方に、「試験養殖」を実施をしていただいたところ、特に、「小鳴門海峡」などつまり潮流の速い海域において、優れた成果が出ることが分かってきたところであります。
 今後、今年の秋から、県内の生産者の皆様方に限定をさせていただきまして、本格的な養殖を進めて参りたいと考えております。
 偽装から「鳴門わかめ」のブランドを守るのが「認証制度」ということであるならば、こちらは、「地球温暖化」という自然環境の変化から養殖ワカメの生産を守り、さらにはブランドを発展を、逆に、ピンチをチャンスに変えていこうという本県ならではの技術のまさに活用といえるのではないかと思います。
 この新品種が、本県を代表するブランド品である「鳴門わかめ」の新たな起爆剤に、こうなれるようにですね、より多くの皆様方にご賞味をいただき、そして生産者の皆様方とともにしっかりと取り組んで参りたいと考えております。

 
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