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平成27年8月3日 定例記者会見 項目別

参議院の選挙制度改革について その2(質疑)

(時事通信社)
 先ほどの質問の関係のことで参院選改革を検討するという、知事会として検討するという話で、先ほどのお話では憲法改正ではなくて、あくまでも法改正で都道府県代表を選べるような提案をしていきたいと、そういう方向性なんですかね。

(知事)
 いや、そうではなくて、これは2つに分けてフェーズを考えるということですね。
 我々としては、今回の合区問題を前提にしていたわけではなくて、いずれそうなると、違憲状態だと言われているわけですから、そうなる前に先手を打って、もし本当に憲法改正をしていくのであれば、そりゃいろんな項目言われてますよ。環境権の問題だとかね。いろいろあるんだけど。
 それよりもやっぱり、一番国民の皆さんにとって身近な地方行政、これをしっかりと位置付けるべきだ。そして、アメリカのように、もっと言うと、この憲法自体も元々はアメリカの思想、地方自治がそもそもそうなんですよね。民主主義の学校とまで言われる。だから、最初の時にたった4条、そして漠然とした地方自治の本旨と書いた。
 それをだんだん日本も軍国主義の時代から、今度はそれが変わってね、まさに民主主義がどんどん芽生えてくると。そうなったら当然そうしたものが充実をしてくるんで、改正をしてもっと詳しいものになるんじゃないだろうかっていう、おそらく期待が当時GHQ含めね、あったんじゃないだろうか。これは当時の話として言われてきたんですよね。
 だから、憲法改正だっていろんなところで賛否両論ある中で、それだけ関心が高いということは、そろそろ機が熟してきたといった点はあるんじゃないかと。だったら、我々としてはかつて言われ、その地方自治の、民主主義の学校ですよね。そこの部分をきっちりとこの機会に充実をすべきじゃないかと。
 そして、その中に、やはり我々が陳情でいちいち国会議員さんたちに、陳情でっていうんじゃなくて、地方の声を直接届けてもらうと、国会議員さんがね。そういう府として参議院を位置付ければ、逆にその一票の格差、これは違ってくるんですね。まさに今は数だけの問題で。
 昔はそうじゃなかった。衆議院にしても各県に1つずつ基数っていうのを置こうとか、参議院もそうなんですけどね。でも、それによって一票の格差、もう今や人口比だけになってきてる最高裁の判決。そんなことしたら最終的には大都市部だけになって、正に日本創成会議が言った極点社会になっちゃう。あとのところは誰ももう意見言えなくなると。果たしてそれでいいの、それが今回の全国知事会での各ほとんどの知事さんの危機意識だった。こんなことでどうするんだって。
 という形で我々としては、根本的には憲法と地方自治の関係を、しっかりとこの機会に。これはもう最初にあの憲法草案の時からの大きな課題だったわけですから、それをこの機会に解決をすべく、やろうではないかと。でも、それよりももっと急場になってきたのが今回の法律の改正ですよね。法律で改正されてしまった。そして、その中で附則が付いた。だったら、これに合わせて提案を法律改正の考えとして出すべきじゃないかということなんですね。
 もちろん最終的なねらいっていうのは、きっちり憲法に位置付けないことには、これはなかなか難しい話、あくまでも司法っていうのは法律に従って、一番最高規範はもちろん憲法ですけどね。これに従って判定をしていくわけだから、それがもう完全に今もう数だけっていうことになってきたっていうのは、やはり法的な解釈であるとか、法の整備、憲法も含めてね、やはり、そこんところにまだまだ足りない点があったんじゃないか、あるんじゃないか、それが顕在化したと。昔は、だから裁判所そんなこと言わなかったですよ。今回のように、数だけみたいな。
 今、正に多くの知事さんから原理主義になってる、数だけって、じゃあ東京をはじめとする1都3県、それから愛知はじめとする中京圏、大阪近畿圏、福岡をはじめとする九州の北部圏、ここだけにもう国会議員さんが集中してしまうと。あと地方の声は全く聞いてくれないと。そんなんで本当にいいのかと。そういう社会が今回は、各知事さんたちからも見えたんですよね。
 だから、去年と今年とでは全然違いますよ議論、我々が言ってきた時と。我々はずっと(平成)17年から言ってきてるわけだから。いよいよ我々が言ったことに、皆がなるほどと、徳島がね言ってきたことと、そういうことだと思ってね。
 ということで、今みたいに当面やらなければいけないのは、この法律への対応と。そして、国会自体が求められているわけだから、抜本的な改革案を出し、成案を諮ると、得ることと言われちゃってるわけ、書かれてる。それに対しては、やっぱり我々としては提案をしていかなきゃ。
 それと根本的なもの、これも同時並行でこれ考えなきゃいけない。当然その根本的なバックボーンがあってのここ、そうしなかったらやっぱり小手先とかね。もう、その場しのぎとか言われてしまうわけで、やはり我々知事会としては、しっかりとバックボーンを持って、考え方、思想をしっかりした上で政策をどうするかと。今、小手先の政策ばっかりで動きすぎ、日本全体が。もっと骨太の本当のところをビシっと入れないと。だから、こんなことになる。

(朝日新聞社)
 その抜本的なその次の選挙へ向けてですね、やっぱり附則で付いてることを受けてですね、一応、知事会としてはその次どう、つまり2019年の参院選へ向けて、やっぱり何らかの参院の選挙制度の在り方を牽引されていくというところでよろしいわけでしょうか。

(知事)
 おっしゃるとおりです。

(朝日新聞社)
 で、そのスケジュール感ですけれども、それはつまり(20)19年の選挙へ間に合わせるためにはですね、だいたいどういう感じで今。

(知事)
 と言うよりも、当面来年の選挙があるわけで、おそらく国会もこのまま放置はしないと思うんですよ。附則に書かれている以上は。何らかの形で動き始める。だったら、その中にきっちりと知事会としてはこういう考えですよと、こういう案はどうだと、こうあるべきではないかというのを地方の代表としてきっちりと言っていく。

(朝日新聞社)
 次の選挙までって言うのは、つまり来年の選挙までにはっきりその抜本的な改革案を示すということですか。

(知事)
 と言うか、当然今言われてるのは次の選挙ですから、2019年、なんですけどね。そこまで悠長なこと言っといて本当に大丈夫かということなんですよ。
 つまり、今回のように切羽詰まって、時間切れ、もうこれしかない、パチッ。どうせこうなってくるわけだから。だったら、その前にきっちりと地方の考えを示しておくと、これは各知事さん方からも、これは1年じゃないだろうと、もっと早いんだろうと。こういった話なんですね。

(朝日新聞社)
 組織を立ち上げる、つまり研究会みたいなのを立ち上げるのは1年以内でということではなくて。

(知事)
 いえいえいえ。

(朝日新聞社)
 1年以内で一定の取りまとめをしていこうと。

(知事)
 それがその成案という形なのか、考え方なのかはその時によるんですけどね。やはり、これは1年以内に対応していかないとまずいんじゃないかと。

(朝日新聞社)
 つまり、来年の参院選までということですね。

(知事)
 来年の参院選になるのか。最初出してたのは、来年の4月っていうのをこう書いてたんですけどね。だんだん数が多くなってくるっていうことと、学者の皆さん方集まっていただいて、どこまで議論が熟するかと。これもありますんで。

(毎日放送)
 合区の件でお伺いしたいんですけれど、現状その次の参議院選挙までに知事会としてのいろいろな意見等、集約して提案するという話でしたが、現状だと徳島と高知で1つの選挙区になり、1つの候補者しか参議院議員として送り込むことができないという現状について、率直に今、どうお感じになられているかという意見をお伺いしたいんですが。

(知事)
 もう、これは日本の行政というのはこの憲政、先ほど憲政史上って言ってるのは、徳島県という意味ではなくてね、憲法の憲ね。憲政史上ずっとそうやってきた。都道府県単位で国の行政も動かしてきた。一部例外、関西広域連合とあるわけですけどね。
 それを考えると、あまりにもね、これは残念すぎるというか。おかしいんじゃないかって。会見の時には、残念という言葉をよく言いましたけどね。これはおかしい。で、一部のこの4つの県だけが、代表がきっちり出していけない。それは、比例で救うとか、なんとかって話はあったとしても所詮、比例は比例ですよ。県の代表じゃないわけだから。制度的にはね。
 そうした点を考えると、じゃあこれこそ、今問題になっているのは、憲法第14条、法の下の平等なんですよね。1票の格差で不平等だと。じゃあ、こっちのほうがもっと不平等じゃないのって。憲法14条を盾に取るんだったら、今回の合区の方が問題。ただ、最高裁の方からは、1票の格差これを是正すべきだ。そうしなければ違憲だ。違憲状態だと。こうした話が出たんで、立法としては対応したと。
 でも、今回の結果をみると、本当の法の下の平等というのであれば、47都道府県、つまりこれは行政の単位としてやってきたということなんでね、それぞれ。しかも、立法府ではあるんだけども、法律を作ってそれは何に影響するかというと、行政に影響させる、わけなんですから、それでこそ不平等。逆に言うと、憲法第14条をどう考えるのと。
 だから、もっと言うと、ある一部地域だけの影響する法律、今回正にそうですよね。徳島と高知、あるいは島根と鳥取と、そこに大きな影響をもたらすものは、憲法第95条、ある一定の地域だけに影響を及ぼす場合には、特別立法しなければいけない。やってないですよね。だから、ここのところもぎりぎりなところを詰めていったら、一体どうなるんだろうかと。
 今、なんか1票の格差の部分だけ原理主義的に、いろんな訴訟が起こるんですけどね。今度は、逆訴訟として、憲法14条で今までの行政の単位といったものと、今回のもので完全に格差ができる。これは、誰が見ても明らかね。例えば、何倍だと、じゃあ、2倍が違憲なのか、いや5倍が違憲だ。でも、アメリカ70倍よ。ドイツあるいはフランスなんかどうするのって。それはきっちり定めているからと言えばもちろんなんだけど。
 そうやって考えると、それは割とこう、バクッとしたね、何をもってそうなのかっていうのは、分からないじゃないですか。どこにも書いてないんだから。ただ、各都道府県単位に行政をやってきている。で、そこの代表が国で法律や何かを作っていると。
 これを考えると、代表を出せない所と出せる所ができる。誰の目が見てもこれは明らかに法の下の平等に反する。もちろん、反するんだということを決めるのは、これはもちろん司法の世界なんで、決められた法律を執行する立場である、しかも地方の代表である我々がそこまで言っては、これはやはりね、おこがましい話なんだけど、やっぱり、そういうふうに思うよね。
 それから、もう一つは憲法第95条をどう解釈するのって。今までそこには誰も言及してきてないから、こんなことになったんでね。ここまで本当に出るんであれば、我々としても言わざるを得ない。ただ単に、法律が決まったからそれを執行するだけの立場の知事だというんではなくて、おかしいでしょって。これは。今回は、その責任者として、全国知事会のね。ここは、はっきり言わせていただく、これからは。
 で、これに対して、じゃあ具体的に、我々執行権者、いわゆる執行する者だけではなくて、学者の皆さん方にも入っていただいて、さあどうなるんだと。本当にどう考えるべきかと。そうした意味では逆に最高裁の方からも、いいきっかけをね、与えていただいたんじゃないか。今までは、何となく漠然として、1票の格差、1票の格差ってこう言い続けてきた部分があったわけですけどね。
 これはもう正面切って、何をもって法の下の平等なんだ。第14条はどうするのかと。そして、じゃあ今回のような方策をとった場合には憲法第95条をどうするんだって。これをきっちりとこれからは、やはり議論の俎上に載せていかなければならない。もんもんと我々し続けてきたんですけどね。そうした大きなきっかけをね与えていただいたんではないかと、こう思っていますんでね。
 今まではただ残念だということだけを申し上げて参りました。これからは、やはりおかしいではないかということを言う立場になった。ただ、私は徳島の知事ではあるんだけど全国知事会のね、総合戦略・政権評価(特別委員会)の委員長でもあるんで、あまり自分の立場ばっかり言ってしまうと、ほかの知事さんたち、あるいは今回増になった都道府県もあるわけですから。そうした点を考えるとあんまりね、それ言って。
 ただ、そうした課題がありますよということを、きっちりとこの場で地方の代表として、これは出していく必要がある。取りまとめる必要があると。あとはそれをどう判断するかっていうのは、立法府である国会が決めていっていただく。で、そのもとで、さあ訴訟が起こった場合には、司法である最終は最高裁、ここで白黒を付けていただくと。こうしたことになる。でも、そのきっかけは、我々が作ることこそが今回は責務。そう思っています。

(毎日放送)
 それでは、県の代表として、その憲法改正というところで、やはり参議院議員はやっぱりその1つの都道府県に1人は出ていくべきだっていうような声を最終的にはまとめていかれると。

(知事)
 例えば、国が道州制を作るということになると、これはまた話が別。でも、最近では道州制の議論がもうほとんどなされていかないんではないか。今回、いかに全国的に都道府県というものに対して国民がね、やはりそうした意識がものすごく根強いんだということが分かったということが出た。
 これを今までどっちいくんだという話があったじゃないですか。一時期は衆議院の皆さん方ほとんど9割がね、いや道州制やるべきだって、そういう時期もあったわけですがね。
 しかし、今回合区の問題をきっかけとして、都道府県に対しての帰属意識といったものが、非常に強くなったということも分かるということになりますんでね。これは、各都道府県に1人ずつ出すとか2人ずつ出すっていうのは、最終的にはこれは立法府で考えるべき。あるいは、最終的に司法としてどう判断するか、これはあるんで。
 我々としてはやはり参議院といったものを地方の代表にするんだ。そして、各都道府県から平等に代表を出していく。こうした点をしっかりと詰めていく。ここがポイントなんですね。各都道府県から1人だとか、そんな話を言ってるわけじゃないんですね。

(幹事社)
 よろしいでしょうか。

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