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平成27年8月3日 定例記者会見 項目別

参議院の選挙制度改革について その1(質疑)

(徳島新聞社)
 よろしいですか。同じ知事会での質問なんですけど、参院の選挙制度改革の法律ができてですね、それで知事会の方で有識者の研究会っていうのを立ち上げるということになったんですが、このねらいについて改めて聞かせて欲しいのと、あとこの設置のタイミングとして、この段階での設置っていうんではなくて、もうちょっと前にできなかったのかなという気もするんですけど、このあたりはいかがでしょうか。

(知事)
 はい。今回、全国知事会の場でもう一つ大きなね、議論になったのが、参議院の合区問題。ちょうど知事会をやっている28日の12時少し過ぎに衆議院でこの法律が決まった、つまり成立をしたということになりましてね。そして、島根・鳥取、徳島・高知、これらが有史以来、憲政史上初のいわゆる合区となったと。
 これまで、例えば地方の行政、あるいは国が補助金を決める、物事を考える、政策を行う場合には、全て都道府県単位で行われてきたんですね。しかし、例外が一つだけあって、これが関西広域連合。ちゃんと地方自治法上に基づいて、日本の有史以来初となる都道府県域を越える意思決定機関ということで、補助金もこの関西広域連合を単位にということでいただける。
 例えば、徳島県が担当している広域医療行政ですね、ドクターヘリ、今では6機体制を徳島がオペレーションしている。これも、徳島県としてもらうとか、あるいは一番最近入った京都・滋賀の京滋ヘリですね、それが例えば滋賀県に入るとかじゃないんですね。関西広域連合としてこれをいただくという形になっていまして、これは唯一の例外となっています。
 しかし、今回、それを地方の代表、これを2つの県を合わせて作った。で、その要因というのは、2回にわたる参議院選挙、その最高裁からの違憲状態、直ちに立法府はこれを是正をしなければ、次もし、やった場合には、違憲と出すということなんですよね。違憲として出されたら、もう一度選挙をやり直さなければならない。これはもう危機的状況ということで、止むに止まれずということを言われておりましたけどね、合区、これをしたと。我々地方の立場から見れば、今までずっと放っておいて、ぎりぎりの段階で「もうしょうがないじゃないか、だからもうこうした合区を甘受してくれ」と、このようにしか思えない。
 ということで、今御質問があったようにもっと早く手を打つ、あるいは打てなかったんだろうか、知事会もと、こうした話なんですね。ということで、実は知事会においては、この参議院については、正に地方代表、各都道府県代表、地方の府とすべきじゃないかっていうのを第1次安倍内閣の時に憲法改正をして、道州制を入れていこうと、こうした話があったんですね。となってくると、やはり地方の府の在り方といったもの、これが変わってくる。
 だったら、国も地方の代表の府、これを参議院として欲しい。できればアメリカのように、アメリカの上院と言った方がいいかもしれませんが、各州50州、例えばテキサスまたカリフォルニア、フロリダ、ものすごい人口の多い所も、あるいはアーカンソーね、こうした人口の本当に少ない所も全部2人、つまり100人なんですよね。つまり、州の代表だってしっかり位置付けているから、人口の格差、最高何と70倍。日本の比じゃないです、桁違いですよね。という形で、でもそれは州の代表なんだから、決めてるんですね。
 だから、そうしたものをしっかりと憲法の中に位置付けるべきじゃないだろうか。あるいは、日本の憲法上、地方自治第8章というのがあるんですけどね、92条から95条までのたったの4条しかないんですよね。しかも、この中で一番のバイブルと言われているのが92条。地方自治の本旨、これが全て決める。
 しかし、地方自治の本旨と聞いた国民の皆さん、四国の皆さんだったらね「えっ、本四公団ですか」みたいなね、「本州四国連絡橋ですか」みたいな、そうしたイメージも持ってしまうようなぐらい知られていない、分かり辛い。
 だから、こうした点をもっとはっきりと書くことによって、自主財政権あるいは自主立法権、こうしたものをしっかりと作る。そして、地方の声を陳情という形じゃなくて、国会に直接地方代表の皆さん方が、地方の代表としてそれを意見を述べる。これを参議院に持ってもらったらどうだろうかと。
 例えば、各都道府県2人、ということは今242名参議院議員の皆さんいるんですが、47かける2、94名。でも、ちょっと数が悪いから、じゃあ残る6名については比例代表にするとか、あるいは東京はちょっと特別なんでね23区ここから選ぶとか、いろんな考え方ありますよねって。
 アメリカは日本の約倍人口がいるのに、上院議員100人で、ちょっとね、日本100(人)でも場合によったら多いと言われるかもしれんから、だったらその内の47人は47都道府県、憲法上、国会議員は選挙で選ぶと書かれているんだから、じゃあ知事でもいいし、あるいは県庁所在地の市長さんでもいいし、あるいは県議会議長さんでもいいし、こうした人たちを充ててはどうだろうか。そしたら、53名でいいわけですよね。
 こうした形を実は、平成17年度の時に全国知事会に憲法問題特別委員会を作って、私もそのメンバーだったんですけどね。福井の西川知事さんが座長(委員長)さん務めていただいて、取りまとめをした。この中にも、きっちりとこの地方自治の問題を憲法上に位置付けなければいけない。もっと正確に、正しくと。こうした点があると同時に参議院(議員)出身の知事さんたちが、あるいは衆議院(議員)の皆さんもそうなんですが、そこから知事になられた皆さん方が「その方がいいよね」って、こうしたことを実は言われたところだったんですね。
 こういう取りまとめた結果、これも今回引き継いで、安倍総理が第2次以降、憲法改正をしようと、こうした話があったんで、じゃあこの機会に地方自治の部分を我々から提案しよう、具体的な条文でもということで、徳島県では若手(職員)を中心に憲法学者あるいは行政学者も入っていただいて、既に条文形式で参議院を地方の府にすべき、こうした点までもう関西広域連合はもとより全国に配付をした。もちろん、様々な御意見を頂きました。
 しかし、そうした中で知事会としての大きな戦略を練る総合戦略・政権評価特別委員会の委員長を引き受けることとなりましてね、この新しい課題としてこれを具体的に憲法と地方自治を入れようではないかと。これを提唱させていただいて、全国の知事さんからもほとんどやろうという総意をいただいたということで、その具体的な案といいますかね、(平成)17年度の取りまとめ、徳島の憲法草案、こうしたものも一緒に出しながら、今回の全国知事会で諮ろうとした矢先に、合区の問題が出てきたということで、もうほとんど全ての知事さん方から「これはやるべきだ」と、こうしたお話をいただいた。
 ということで、少し前置きが長くなりましたが、我々としてはまずこれは1年以内に答えを出していこうと、このように考えていたんですね。
 しかし、今回の法律の中で附則が書かれて、この中で、つまり来年ではなくてその次の(参議院議員)選挙までにきっちりと、抜本的な改革案、それを確実に得ることということが書かれた。じゃあ、ここにしっかりと、しかもこれは法律、憲法の問題というよりも法律上の問題でということになってきましたんで、憲法上改正をしていくっていうことになると、これはなかなか時間と手間と、もちろん国民の皆さんの総意が必要となるところですんでね。
 まずはこの法律問題に対してしっかりと対処すべきじゃないか。なかなか国会を待ってても答えが出てこない。で、ぎりぎりになったら「しょうがない甘受してくれ」、これでは困るよということなんで、じゃあ具体的な憲法学者であるとか、あるいは行政法学者であるとか、あるいはこうした公職選挙法に詳しい皆さん、こうした有識者の会を立ち上げていこう、速やかにと。
 そして、これはできたらなるべく早い段階で、法律ですからね、国、国会の方でそれを考えてもらわなければいけないんで、そうした答えを出していこうではないか、これは1年以内にと。今決まっているのはそこ。ということで、まずはこのなるべく早く研究会を立ち上げると。
 ここでは、東京都知事の舛添知事さんの方からも、実は(平成)17年の時の国会での憲法調査会小委員会の座長(委員長)さんが舛添当時の参議院議員さんだったもんですからね、いろいろ全国知事会も西川知事さんからも、舛添当時の委員長さんからアドバイスをいただいていたと。今回は、知事会の仲間として直接にね一緒にやっていきますんで、舛添さんともいろいろ相談をさせていただいて、いいメンバーでぜひまずは(研究会を)作って、そして具体的な議論をなるべく早く始めていきたいと、まずはこのように考えています。全体の回しは徳島県で行う。この(全国知事会)総合戦略・政権評価特別委員会でやっていこうと、こう考えています。

 
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