文字サイズ

やさしいブラウザ・クラウド版はこちらからご利用下さい

平成27年8月17日 定例記者会見 項目別

長安口ダムについて(質疑)

(徳島新聞社)
 よろしいでしょうか。長安口ダムの堆砂対策なんですけど、以前の知事の定例会見でも、国の方に抜本的な対策を求めていくというお話でしたけど、それで国交省の方でも抜本的な対策を講じるというような報道も出ておりますけど、それにつきまして知事の受け止めというのを教えていただけますでしょうか。

(知事)
 はい。これについては、長安口ダムをこれは異例というね、普通、国が造ったダムを県が引き受ける、払下げを受けるというのは普通にある例なんですが、長安口ダムはこれ徳島県が造ったダムなんですね。しかし、あの堆砂、想定をはるかに上回る早さで堆砂が進む。また、災いの年の平成16年度、尊い命が失われたあの土石流ですね、土砂災害。ここは破砕地帯でもあったわけでありますけどね、こうした点で一晩で坂州木頭川、特に旧木沢(村)の役場の前、いきなり河床が上がってしまったんですね。こういった形で、堆砂がもう想定以上にどんどん進むということで、堆砂が進むことによって、何が起こるかというと、ダムとしての機能が治水、利水共に弱まってくるということなんですね。
 ということで、今回も台風11号、県南が被害を受けたわけでありますけどね、この中であれだけ雨が降ったのに、もうその後実はかんかん(照り)になったら、途端に貯水量が危なくなったんですね。早明浦ダムは全然問題がなかった。こうしたことでも分かるように、渇水と、そして洪水を繰り返す。ましてや、1年の間にそれが繰り返すっていうことにまで周期が短くなってきてるんですね。これは、やはり抜本的な堆砂対策をやってもらう必要があるということで、こうした状況を想定をしてかなり前の段階からこの動きをし、そして国としてはなかなか異例だということでの長安口ダムを直轄管理、つまり国に管理をしていただいたと。そして、国の方としてはまずこのダムを有効活用していこうと。
 実は、私がまだ自治省で、建設省を担当していた昭和の時代ね、昭和の時代、河川開発課っていって、ダムをどんどん造るっていうのが国是であったんですね。それはなぜかと言うと、だいたいダム、山間地域にありますから、100年も経つとダムが全部土砂で埋まってしまう。土砂、土石などですね。そうすると、次はその上流にもう1つダムを造ろうって、どんどんダムを造るんだ。で、これは堆砂を留めておく砂防ダムに結果なるんですね。これが実は国の考え方。
 しかし、莫大なお金がどんどんかかるっていうことで、高度成長期についてはね、それが一つの産業ともなってきたところでありますが、なかなか低成長時代になると、これがなかなか厳しい。政権交代なども繰り返すという中で、やはりこれからは今あるダムを有効活用するべきじゃないだろうか。ダム自体はそういうことで100年はもつわけですからね。
 そうした意味で、この堆砂を抜本的に対策を行っていただく。県だけでこれを取っていくっていうのはもう本当に難しい。賽(さい)の河原ですよね。取ってもそれ以上に埋まってくるわけですから。これを国に、あるいは国としてはダムを更に洪水調整機能なども増そうということで、今世界初となるダムに水を貯めながら、ダムサイトを切るということをやっていただいているんですね。
 こうした技術がもし上手くいくと、当然、全国日本のダムあるいは世界中のダムが同じ状況にあるわけですから、この技術がまさに世界に売れるわけでありまして、ただ単に一つの長安口ダムというだけじゃなくて、複合運用。例えば、坂州木頭川の方にもう既に、もう完全に土留めだけになっているね、追立ダムがあるんですけどね、こうしたものも掘り返すことによって、もう一度これは砂防ダムとして十分に新たな堆砂を留めることができますし、もしこれを改造を加えると、ここに洪水調整機能ができるのかもしれないですしね。そうした点で、複合ダム運用ということもこれは国は考えていただける話となっていくわけでしてね。
 さらに、この堆砂を本当に抜本的に、今は取って下流域へ持っていく。ダンプがバンバンバンバンこう走って、そして取った物を下へ持っていってくれているんですが、これもだいたいイコールぐらいですもんね。これをじゃあ抜本的に減らしていく、堆砂を減らすんだ、河床を落とすんだと、上流のね。そうした点、こうなることによって、洪水調整機能を増し、渇水に対しての体制を持たせる。利水としての機能を増すと。こうした点が我々としては期待できるところでありますので、我々としてはこうした点、根気強くね、国に対して。
 もちろん、国もそうしたつもりになってきてくれてはいるわけではありますね。こうしたやはり大きな台風が来る、これに対しての洪水調整っていうのが大変難しいということになってくると、そのバックグラウンドの方をしっかりと対策しなければいけないと、当然そういった形になってくる。しかし、これは技術的にはまだまだ隘路がたくさんあるわけでありますので、国の、日本のね、まさに技術力、これを上げていただいて、そして最終的にはどういう形でねこれが予算化をされていくのか、まずは技術の開発の目途が立たないことには難しいとは思うんですけどね。なるべく早くにこうした対応を行っていただければと。
 こうすることによって、長安口ダムということだけではなくて、那賀川の利水、そして洪水調整といったね、こうした両面についての対策が進むんではないかと。そして、これが全国、世界のモデルになってくると。こうした未来志向、これでも臨んでいければと、このように考えています。

このページに関するお問い合わせ
徳島県 知事戦略公室
電話番号:088-621-2015
FAX番号:088-621-2820
メールアドレス:chijisenryakukoushitsu@pref.tokushima.lg.jp
 
知事からのご挨拶
知事の活動記録
写真で見る知事の動き
知事発言集
交際費執行状況
記者会見・庁議