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平成27年8月17日 定例記者会見 フルテキスト版

「阿波おどり」を終えて

(知事)
 お待たせしました。
 それでは、今日は私の方からは、「3点」発表させていただきたいと思います。
 例年阿波おどりを終えた後のね、翌週の記者会見というのは街中全体が何となくシーンとした中でということもありまして、そうした意味では昨年に比べますと、昨年は特にその前の週に大きな台風がありましたし、また、天候にもなかなか恵まれづらかったと、そうした点もひきますと、今年の場合には少し12日途中ね、(雨が)降ったり、13日は(午後)6時に始まる前にこう降ったりと、しかし、14(日)15(日)その後は大変素晴らしい天気に恵まれたということがあって、対前年度でもかなりの(入込み客)数が増えたと非常に良かったのではないかと思っております。そういう意味でも関係者の皆様方に心から感謝を申し上げたいと思います。

「とくしま若者未来夢づくりセンター事業」参加者募集について(説明)

 私の方からは3点、まず1点目、「とくしま若者未来夢づくりセンター事業」参加者募集についてであります。
県では、特に、例えば県の審議会で若者の皆さん方を一定以上入れていこうという目標を掲げてみたり、とにかく次世代の徳島、日本を背負って立っていただく若者の皆さん方の声をより柔軟に政策に反映をしていこうということで、従来の枠にとらわれない新たな仕組み、こちらを考えていこうと、それがまず第1弾としてこの「とくしま若者未来夢づくりセンター事業」ですね、今年度、新たに創設をさせていただいたものであります。
 この事業の中身に少し触れていきますと、若者の皆様方に身近な課題をテーマとして取りあげ、そしてカフェなど、リラックスした雰囲気、いかにも「意見聴取するぞ」みたいな感じじゃなくて、フランクな状況で、若者の皆さん方が会社員あるいはNPO法人の職員の皆さん方など、立場あるいは世代の異なる多様な皆さん方と、未来志向で対話を行っていただこうというものであります。
 課題解決のための新しい視点や若者ならではのアイデアを生み出せるような、趣向を凝らした企画・運営を予定をしているところであります。
 また、この事業は、テーマごとに、概ね15歳から30歳未満の方を若者ということで、このうちから20名程度、また、世代や立場の異なる皆様方10名程度、ご参加いただきたいと考えておりまして、8月17日から、募集を開始いたします。
 今年度は、4回にわたって実施をしたいと考えておりまして、まず、第1回目、こちらは9月13日の日曜日を予定をさせていただいております。
 徳島市内のカフェで、ラグビーワールドカップ、そしてその翌年に行われる東京オリンピック・パラリンピック、更にその翌年行われるアジアで初となる関西ワールドマスターズゲームズ、これらの開催等に向けまして、キャンプ地の誘致による観光客の誘客や、パラリンピックとユニバーサルデザイン、スポーツボランティアによる地域の活性化など、「スポーツによって、徳島を素敵にするアイデアの創出」をテーマに、募集を行いたいと考えております。
 また、11月に行うのが第2回目となりますが、こちらは西部圏域におきまして、地元食材のブランド化や、徳島の新ご当地グルメの開発、グルメツアーの企画などによりまして、「フード、(食)によって、徳島を素敵にするアイデアの創出」をテーマとしたいと考えております。
 また、第3回目は年明け1月に実施をしたいと思っておりまして、こちらは南部圏域において、アートな街づくりや、クリエイターとの連携した地域の活性化、阿波藍などの伝統文化の魅力発信など、「アート&クリエイティブによって、徳島を素敵にするアイデアの創出」をテーマとして、それぞれ、若い世代の方々をメインに募集をしたいと考えておます。
そして、2月に予定をしているのが第4回目になる訳でありますが、これはこれまでの1回目から3回目のテーマとはちょっと違っておりまして、この3回の各テーマごとに優れたアイデアを出していただいた方々によるプレゼンテーションによりまして、その内容を披露、また発表をしていこうというものでありまして、いわば「総集編」みたいな感じですね、さらに、一般の方々にも傍聴者として募集をして、聴いていただこうと考えております。
 なお、この事業に関する一連の取り組みにつきましては、SNS等を活用して、県内外に広く発信をしていく予定であります。
 私自身も、この「対話の場」に参加することによりまして、若者の皆様方ならではの独創的なアイデアを直接受け止めをさせていただきまして地方創生の種、シーズとして、大切に育んで参りたいと考えております。
 高校生や大学生、そしてお勤めの方など、県内の若い世代の皆様方に、奮ってこの「とくしま若者未来夢づくりセンター事業」に、ご参加をいただき、そして若者の皆様方の「夢」、直接ね熱く語っていただきたいと思います。

「環境首都とくしま・未来創造憲章」啓発用動画の公募について(説明)

 次に2番目、「環境首都とくしま・未来創造憲章」啓発用動画の公募についてであります。
 県におきましては、本年の1月、未来志向という形でね、環境に優しい「ライフスタイルへの転換」を推進をするため「環境首都とくしま・未来創造憲章」を策定を致したところであります。
 この憲章では、既に御説明をしておりますように「買う」「使う」「食べる」、3つ含める、日常生活における「7つの基本的な行動」別に、県民の皆様方に実践していただきたい具体的な「23の行動指針」これを盛り込みますとともに、特に未来志向、次世代を担っていただく子どもさんたちにも子どものうちから環境問題に関心を持っていただこうと、子どもさんたちにも分かりやすい「キッズバージョン」こちらも掲載、記載をさせていただいているところであります。
 特に若い方々に、この憲章をぜひ知っていただきまして、実践をしていただこう、従来型の紙ベースのパンフというのはね、若い皆さん方にはこれ受けない、価値観がそのあたり大分違ってきているところでありますので、その意味で、この憲章の内容を盛り込んだ動画を公募をしたい、それによって、スマホをはじめとする先ほども申し上げたSNSですね、インターネットを活用した周知啓発を進めていきたいと考えております。
 今回応募いただく動画につきましては、実写、アニメ、CG、コンピューターグラフィックですね、等動画であればその種類を問いませんが、憲章の7つの分野のうち2つ以上の内容を盛り込んでいただいたものとしていただきたいと思います。また、若者が出演をぜひしていただくものであること、そして作品の長さについては2分前後、これを条件と考えるところであります。
 応募資格としては、県内に限定をすることなく全国から応募可能とするところで、プロ・アマも問いません。
 応募期間につきましては、8月21日の金曜日から11月27日の金曜日までで、郵送、持ち込み、又はYouTubeによる応募とさせていただきます。
 応募いただいた作品につきましては、有識者を含む選定委員会で審査をさせていただきまして、決定の上、12月下旬に発表させていただく予定としております。
 審査に当たりましては、「若者への啓発」と「徳島らしさ」、これをポイントとさせていただきまして、重視をすることとして、そして来年の1月頃に表彰式を予定させていただいております。
そして、表彰の構成につきましては、最優秀作品が1点、また優秀作品が1点、特別賞が1点、選出をして、それぞれ賞金を贈呈することとさせていただいております。
特に、高校生、大学生の皆さんについては、ご自身あるいは同世代の方々が取り組んでいる環境活動、これを紹介していただいたり、環境問題で日々感じていることや今後ぜひやってみたい環境活動、これらを表現していただくなど、ぜひ若者ならではのフレッシュなアイデア、そして実践活動、これらを応募いただければと思います。
県といたしましては、こうした若者の皆さん方の気持ちのこもった作品、決して若者に限る訳ではありませんが、作品をあらゆる機会を捉えて、有効に活用していきたい、そしてターゲットとしては若い皆さん方の環境意識の向上、これに努めよう、そして本県の豊かな環境をぜひ次世代に繋げていきたいと考えております。

「徳島の『食と農』シンポジウム」の開催について(説明)

 そして最後、3番目については、「徳島の『食と農』シンポジウム」の開催についてであります。
 県におきましては、共通コンセプト、もう言うまでもなく徳島の人より東京の皆さん方がよく知っていただいておりますが、「vs東京」のもと、新しい価値観を徳島から発信をしていこう、様々な取組みを行っているところであります。
 今回、この「vs東京」の「10の徳島宣言」その1つであります「この土地の『食』は、幸せをもたらす」という考えのもと、食と農にスポットをあて、徳島の農業イコール格好いいという新しいイメージを発信をしていこうということで、
「No Agriculture,No Life.~農業のない人生なんて~」なんてね、(これ)をキーワードに、9月16日水曜日、県庁川向かいの「パシフィックハーバー」におきまして、「徳島の『食と農』シンポジウム」を開催をいたします。
 シンポジウムの内容としては、3部構成となっております。
 まず、第1部では、工業デザイナー奥山清行氏に、「これからの100年をデザインする~農業・地域の将来に向けて~」というテーマでご講演をいただきます。奥山氏を少しご紹介を申し上げたいと思います。ポルシェ、フェラーリ、超高級車ですね、特にフェラーリなどは動く不動産とも呼ばれるわけでありますが、これらの自動車を始め、最近では北陸新幹線などのデザインを手がけられるなど、「KEN OKUYAMA」の愛称で、世界的なクリエイターとしてご活躍をされておられます。
 現在は、ヤンマーホールディングス株式会社の社外取締役として、トラクターを始めとする農機具の製品などのデザインから、農業再生にも取り組まれておるところでありまして、こうした工業デザイナーの視点から農業の将来について、お話をいただきたいと考えております。
 また、第2部におきましては、県内各地において、従来の食あるいは農業、このイメージを一新させる取組みを行っていただいている異業種の皆様方による、パネルディスカッションを行いたいと考えております。パネリストとしては、阿波市から、若手生産者としてファーム唐渡の代表者であります唐渡義伯さん、また神山町からは、Café on y vaのシェフであります長谷川浩代さん、また上勝町ではRISE&WIN Brewing Co.の小林篤司さん、また美波町からは株式会社あわえの山下拓未さんにお越しをいただきますとともに、奥山氏にも、ファシリテーターとしてご参加をいただく予定といたしております。
 このパネルディスカッションでは、ICT、情報通信ですね、その積極的な活用によりまして、ユーストリームで、会場外からも生でご覧をいただける上、フェイスブックやツイッターなどでご意見や想いをリアルタイムに会場へお届けすることもできますので、当日会場には来れないんだよっていう皆様方、ぜひ、ディスカッションにネットを通じてご参加をいただければと思います。
 そして、第3部については、「とくしま『食』のプチ・マルシェ」と銘打ちまして、「すだちのジュレ」や美しい白ナス「美~なす」ですね、のピクルスをご試食をいただきながら、参加の皆様方が意見交換できる場、これを設けたいと考えております。なお、この試食メニューにつきましては、9月17日から25日までの間、パシフィックハーバーの期間限定メニューとしてご提供をしていただくこととなっております。
 このシンポジウムを地方創生の実現に向けて、本県農業の正に新しいデザインを創出をしていくんだという、正にそのキックオフとしたい、このように考えております。ぜひ、多くの皆様方にご参加をいただければと思います。
 私の方からは、以上3点です。よろしくお願いをいたします。

(幹事社)
 ありがとうございます。では、発表項目について、質問をお願いします。
 特にございませんか。
 では、発表項目以外でお願いします。

DMV(デュアル・モード・ビークル)について(質疑)

(NHK)
 すいません、よろしいでしょうか。デュアル・モード・ビークル(DMV)のことなんですけど、一部報道でJR北海道が導入を断念したということが伝えられていて、徳島県の県南で導入を検討されていたかと思うんですけど、今後、影響とかですね、県として何か要望、要請を今後していくのかとか、何かありましたらお願いします。

(知事)
 はい。この未来の乗り物ね、鉄路と道路とを両方走ることのできるデュアル・モード・ビークル。我々としては新しい乗り物革命。また、平時はもとよりでありますが、東日本大震災発災の時のように、例えば鉄路、つまり線路が寸断をされた、でも一日も早くこれを改良したいといった場合に、でも全線復旧なかなか大変と。でも、同時並行って言いますかね、並行して道路が走っているということであれば、一部道路と接続をする部分について改良を行って、早くに鉄路を復帰できるといったことでも、平時、災害時共に大変有効な未来の乗り物だっていうことで、JR北海道はもとより、国土交通省の方にも政策提言をして、徳島を実証の場にして欲しい。
 なぜかと言うと、これ私、平成16年、知事になって1年後だったんですけどね、JR四国、当時の松田社長さん、今は会長さんですけどね、から「おもしろい乗り物があるよ。知事の言っている、今、新しいのがあるから」ということで、北海道の苗穂(なえぼ)ここがJR北海道の実証の地だったんですね。そこをお訪ねをいたしまして、当時は本当にマイクロバスね、古いもう中古のマイクロバスに車輪付けただけの乗り物だった。だから、サスペンションなんかもね、あんまり利いてないもんですから、道路の上はいいんですけどね、鉄路に乗ったとたんお尻が痛くて、これは30分は乗ってられないな。でも、すごい物がどんどんできていきそうだなっていうね、未来予測をして、その当時のJR北海道の幹部の皆さん方にもね、実証するんだったらぜひ徳島の地も考えてもらいたいと、こうした点を申し上げた。
 ていうのは、このデュアル・モード・ビークルを実証する場合、JR北海道では克雪対策が大変なんですよね。それに比べると、徳島、確かに昨年の12月はね、三好(市)始めとする県西部3市町では大豪雪になったわけなんですけど、平時的にいくと非常にそういった点については障害が少ないということがあって、それが実際に実現が行われ、そして夜間走行って今までやったことのないね、こうした点についても海陽町の区間の、いわゆる阿佐東線においてこれを行わせていただいて、有効なデータが取れた。当時はJRのね北海道、会長さんまでお越しをいただいたところでありまして、そうした意味では我々としてもその後の開発を非常に期待をもって見ていた。
 また、国土交通省においても、いよいよ検討始めようか、その審査、いよいよ最終段階、実用化に向けての。こうした話があっただけに、今回の話っていうのは大変残念に思うところであります。
 しかし、JR北海道が今回の断念に至った経緯というのはね、これまでの路盤整備などについて、かなり厳しい面があった。保守点検ということですよね。また、さらにいよいよ北陸新幹線が開業をして、次には北海道へ新幹線が渡る。JR北海道としては、確かにこれまでの夢、その実現が図られるためには、あらゆる力、あらゆる技術力といったものを北海道新幹線にふり向けたい。こうした気持ちは確かによく分かるところでありますので、そうした断念。
 残念ではあるんですが、逆に我々としてはこれをこれまでJR北海道との繋がり、あるいは絆として、我々が引き継ぐことができればいいのにな、このようにも思うところでありましてね、一旦残念だという思いは強いわけでありますが、ぜひ国の方に対してもJR北海道がそういう事情で、デュアル・モード・ビークルその開発を断念をしていく、国としてもおそらく残念に思っているところがあると思いますんでね、こうした点を我々徳島が引き継ぐことができればな、これからそうした形での行動を起こしていきたいと、このように考えております。

(NHK)
 引き継ぐというのは、JR四国と何か共同してという。

(知事)
 そうですね。これもちろん、JR四国の御協力がないとどうにもならないところでありますんでね、まずJR四国。というのは、元々紹介いただいたのがJR四国の皆さん方ですんでね。JR四国としても、逆にこれ北海道に新幹線が渡ると、国鉄改革をして、そして各JRに分かれた時にね、経営が厳しいであろうと言われたJR北海道、九州、そして四国と、この3つについては特例を設けないと厳しいと。私は、当時、自治省でこうしたものにあたったわけでありますがね、財政的な特例であるとか、税制の特例、三島特例というものが実はあって、そして支援をすることによって、何とか経営を維持する。
 しかし、九州に新幹線が渡って、また不動産部門が大変好調になったということで、JR九州が黒字になった。いわば、この三島(特例)の支援を受ける必要がなくなってくる。そして、今度は北海道がということになればね、そういうことも分かると、正にオンリーワンで四国だけ残っちゃうということになるわけでしてね。
 そうした意味でも平成24年の時から、まずは(平成)24年5月の近畿知事会、そして6月の四国知事会で、四国新幹線の必要性を提唱させていただいて、そしてさらにはその7月に香川で全国知事会があったんでね、これは決議をするとともに、全国知事会でのいわゆる未来を見越したね、この国のグランドデザイン、この中に四国新幹線も入れさせていただく。
 最近では、国会議員の皆さん方の議連(議員連盟)もようやく作っていただけたということで、やはりこの段階で新幹線といったものをこれを具現化していく必要があるといった点も、これあるわけでありましてね。そうした意味を考えると、やはりこのデュアル・モード・ビークル、非常にお手軽なところ、しかし技術的な点が大変難しい点がある。新幹線とね、スピードっていうのは違うんだけど、技術的には未来の乗り物。リニアモーターカーに匹敵するんじゃないかと思うわけでしてね。
 そうした点では、私、山梨時代は課長時代、リニアモーターカー山梨誘致もやりましたからね。乗り物は、山形新幹線も作りましたし、そうした点を考えると、このデュアル・モード・ビークルぜひJR四国の今後の活性化、あるいはこれからの地方創生として中山間地域の乗り物対策、あるいは観光対策と、こうした点にも大変有効。いざ発災という時の早期道路、あるいは鉄路、これを一気に開くことができるわけでもありますんでね。そうした未来の乗り物について、しっかりとJR四国の皆さん方とタッグをこれからも組んでですね、そして国に理解を求めていければな、このように考えております。いわば、そのキックオフになるのかなと、こう考えています。

長安口ダムについて(質疑)

(徳島新聞社)
 よろしいでしょうか。長安口ダムの堆砂対策なんですけど、以前の知事の定例会見でも、国の方に抜本的な対策を求めていくというお話でしたけど、それで国交省の方でも抜本的な対策を講じるというような報道も出ておりますけど、それにつきまして知事の受け止めというのを教えていただけますでしょうか。

(知事)
 はい。これについては、長安口ダムをこれは異例というね、普通、国が造ったダムを県が引き受ける、払下げを受けるというのは普通にある例なんですが、長安口ダムはこれ徳島県が造ったダムなんですね。しかし、あの堆砂、想定をはるかに上回る早さで堆砂が進む。また、災いの年の平成16年度、尊い命が失われたあの土石流ですね、土砂災害。ここは破砕地帯でもあったわけでありますけどね、こうした点で一晩で坂州木頭川、特に旧木沢(村)の役場の前、いきなり河床が上がってしまったんですね。こういった形で、堆砂がもう想定以上にどんどん進むということで、堆砂が進むことによって、何が起こるかというと、ダムとしての機能が治水、利水共に弱まってくるということなんですね。
 ということで、今回も台風11号、県南が被害を受けたわけでありますけどね、この中であれだけ雨が降ったのに、もうその後実はかんかん(照り)になったら、途端に貯水量が危なくなったんですね。早明浦ダムは全然問題がなかった。こうしたことでも分かるように、渇水と、そして洪水を繰り返す。ましてや、1年の間にそれが繰り返すっていうことにまで周期が短くなってきてるんですね。これは、やはり抜本的な堆砂対策をやってもらう必要があるということで、こうした状況を想定をしてかなり前の段階からこの動きをし、そして国としてはなかなか異例だということでの長安口ダムを直轄管理、つまり国に管理をしていただいたと。そして、国の方としてはまずこのダムを有効活用していこうと。
 実は、私がまだ自治省で、建設省を担当していた昭和の時代ね、昭和の時代、河川開発課っていって、ダムをどんどん造るっていうのが国是であったんですね。それはなぜかと言うと、だいたいダム、山間地域にありますから、100年も経つとダムが全部土砂で埋まってしまう。土砂、土石などですね。そうすると、次はその上流にもう1つダムを造ろうって、どんどんダムを造るんだ。で、これは堆砂を留めておく砂防ダムに結果なるんですね。これが実は国の考え方。
 しかし、莫大なお金がどんどんかかるっていうことで、高度成長期についてはね、それが一つの産業ともなってきたところでありますが、なかなか低成長時代になると、これがなかなか厳しい。政権交代なども繰り返すという中で、やはりこれからは今あるダムを有効活用するべきじゃないだろうか。ダム自体はそういうことで100年はもつわけですからね。
 そうした意味で、この堆砂を抜本的に対策を行っていただく。県だけでこれを取っていくっていうのはもう本当に難しい。賽(さい)の河原ですよね。取ってもそれ以上に埋まってくるわけですから。これを国に、あるいは国としてはダムを更に洪水調整機能なども増そうということで、今世界初となるダムに水を貯めながら、ダムサイトを切るということをやっていただいているんですね。
 こうした技術がもし上手くいくと、当然、全国日本のダムあるいは世界中のダムが同じ状況にあるわけですから、この技術がまさに世界に売れるわけでありまして、ただ単に一つの長安口ダムというだけじゃなくて、複合運用。例えば、坂州木頭川の方にもう既に、もう完全に土留めだけになっているね、追立ダムがあるんですけどね、こうしたものも掘り返すことによって、もう一度これは砂防ダムとして十分に新たな堆砂を留めることができますし、もしこれを改造を加えると、ここに洪水調整機能ができるのかもしれないですしね。そうした点で、複合ダム運用ということもこれは国は考えていただける話となっていくわけでしてね。
 さらに、この堆砂を本当に抜本的に、今は取って下流域へ持っていく。ダンプがバンバンバンバンこう走って、そして取った物を下へ持っていってくれているんですが、これもだいたいイコールぐらいですもんね。これをじゃあ抜本的に減らしていく、堆砂を減らすんだ、河床を落とすんだと、上流のね。そうした点、こうなることによって、洪水調整機能を増し、渇水に対しての体制を持たせる。利水としての機能を増すと。こうした点が我々としては期待できるところでありますので、我々としてはこうした点、根気強くね、国に対して。
 もちろん、国もそうしたつもりになってきてくれてはいるわけではありますね。こうしたやはり大きな台風が来る、これに対しての洪水調整っていうのが大変難しいということになってくると、そのバックグラウンドの方をしっかりと対策しなければいけないと、当然そういった形になってくる。しかし、これは技術的にはまだまだ隘路がたくさんあるわけでありますので、国の、日本のね、まさに技術力、これを上げていただいて、そして最終的にはどういう形でねこれが予算化をされていくのか、まずは技術の開発の目途が立たないことには難しいとは思うんですけどね。なるべく早くにこうした対応を行っていただければと。
 こうすることによって、長安口ダムということだけではなくて、那賀川の利水、そして洪水調整といったね、こうした両面についての対策が進むんではないかと。そして、これが全国、世界のモデルになってくると。こうした未来志向、これでも臨んでいければと、このように考えています。

戦後70年談話への知事の所感について(質疑)

(徳島新聞社)
 先週の14日に、戦後70年の総理談話が実施されたんですが、知事の受け止めを聞かせてください。

(知事)
 はい。総理の70年談話ね。50年の村山談話、そして60年の小泉談話、そして今回70年の安倍談話ということで、それぞれ終戦からの節目の時に総理の談話がなされてくるということで、これは国内はもとより、特にアジアの皆さん方、そして世界の皆さん方から注目をされると。日本としての戦争に対してのいわゆるけじめと言いますかね、こうした点が注目をされて参りました。
 特に、安倍総理については、従来の総理談話、こうした点について新たな機軸からこれを対応していきたいと、早々とこうした点を言われ、これは期待と危惧をもって世界あるいは国内、共に受け止めされていたわけですね。だから、実際にはどういった談話が出されるのか、有識者会議なども経たわけであります。こうした点では、最終的な実際に行われた談話、こちらは村山談話あるいは小泉談話、こうしたものを引用する形で踏襲をすると。こうした点は一定の形となったという形かと、これはマスコミの皆さん方もそう言われております。
 そして、ただ、新たな機軸が今回盛り込まれたと。これは、特におわびといった点で、将来世代の皆さん方に、未来永劫おわびを続ける、こうしたことは是非ないようにという、これは総理のこれまでの思いだったんだと思うんですよね。こうしたものが、新機軸として書き込まれたと。
 また、この点についても賛否それぞれあるわけなんですが、やはりそうした総理が将来世代へ向けて、まずはおわびから入るといった点について、何とか解消しようという思い、これはやはり多とすべきではないかと。
 しかし、過去行い、侵略を受けた国々というのは、別にその侵略を受けた時の実際の人々、あるいはその後の世代の皆さん方にも、実は教育といった点、あるいは語り部といった観点で、引き継がれていく。我々日本においても、広島、長崎の原爆の体験であるとか、あるいは沖縄の皆さん方の思いについての語り部っていうのが、やはり不戦の誓いになり、そして将来に向けて、これは決して忘れてはいけないと、これは日本もあるいはアジアの諸国もまた交戦をした国々も、同様のことだと思いますのでね、こうした過去の過ちと言われる点については、しっかりと反省すべきものは反省をして、我々日本としても二度とああしたことを繰り返してはいけないと。これが不戦の誓いということになるかと思うんですけどね。
 こうした点はしっかりと引き継ぎながら、しかし未来志向で臨んでいく、こうした点についての解決、糸口こうした点については、やはり今を生きる者として、場合によっては「戦争を知らない世代が」とこう言われる我々の世代が、やっぱりこう引き継いでいかなければいけないんではないのかな。そして、未来志向で、侵略を受けた国、あるいは戦争を行った国、それ同士がですね、やはりこの地球1つの一家なわけですからね。グローバルという言葉もあるわけでありますので、地域のことを、そして国際的な視点でグローカルの考え方の中で、しっかりと引き継ぎ、そして未来志向で臨んでいく、こうした点が重要ではないかと、このように考えております。以上です。

(幹事社)
 その他、何か。よろしいですか。
 じゃ、ありがとうございました。

(知事)
 はい、どうも。

 
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