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平成27年10月19日 定例記者会見 項目別

鬼怒川堤防決壊を受けた対応について(質疑)

(毎日新聞社)
 鬼怒川の災害を受けて、国が今月、国管理河川の流域自治体と緊急行動を促していくっていう発表がありましたが、吉野川、那賀川がある県としてはどのように受け止めてらっしゃいますか。

(知事)
 国がそうした災害予防って言いますかね、事前に対応しなければああしたことが起こるんだと言ったことを、やはり実感をいただいて流域の首長さんたちといろんな会合をもっていく、意見交換をしていく、そして具体的な施策を打ち出していくと。正に、現場目線ということでね、こうしたことは非常にいい方向だと思っています。
 ということで、我々としては、例えば今事例に挙げていただいた吉野川であるとか、那賀川ですね、こちらについてはもう従来から、例えば四国地方整備局の皆さん方とね、最低でも年1回意見交換を行うわけでして、こうした時に事業の進捗であるとか、もう少しこうした方向性を打ち出してみたらどうだろうかと、こうしたことは提言をさせていただいていますし、もちろん河川局局長はじめですね、こうした皆さん方にも毎度のように提言させていただいておりますので、逆に言うと、我々としてはもう少し我々のような関係ね、何とか会議を打ち立てるっていうんじゃなくて、日頃から顔の見える関係ね、これをやはり行っていく必要があるんじゃないだろうか。
 特に、東日本というのは大きな台風が襲わないというのがこれまでだったんですね。だから、あの鬼怒川の映像、あるいは鬼怒川の堤防を見て、県内の多くの皆さん方からはね、いや、徳島の那賀川であるとか、吉野川ね、これ本川ですけどね、あるいはそこからの支川にしてもね、「いや、もっと堤防ってしっかりしてるよね」って。「いや、ああいうものなんだろうかとびっくりした」という声もたくさん聞こえてくると。逆に言うと、我々はそれだけ治水対策に過去から、先達の皆さん方から営々と莫大なお金を国・県・市町村でつぎ込んできたと、それが今日の安全・安心に繋がってきている。それでも、100パー(セント)じゃないわけですよね。まだ無堤地域があるわけですし、今回の台風11号でも那賀川流域は被害を受けたということになっていますので、これもちゃんと国との間で新しい対策をね、緊急5か年でこれを対策をやっていこうと、床上浸水対策ということで。
 そうした意味では、我々は常にこの治水との闘いということになっていますので、そうした思いといったもの、これが全国に広まってくれることによって、我々が今までやってきた知見といったもの、これは当然国にもってもらっている部分が多くあるわけなんですけどね。こうしたものをどんどん東日本の方にも活用いただければ、先達の皆さんのね、これやっぱり血と涙と汗の後ですから、結晶ですからね。これが伝わって、多くの皆さん方の命、財産これを守ることに繋がるんじゃないかと。 
 その意味で、我々としては更に一歩先に進んだね治水・利水対策、まず治水あっての利水と。いよいよ、早明浦(ダム)も動き始めるということがありますんでね。あるいは、那賀川、これは長安口ダムの改造だけではなくて、その上流のダムとの複合対策であるとか、根本的な堆砂対策をやっていくとか、これも新たな、ましてや日本で最初に手掛けていく。長安(口ダム)のあの改造っていうのもね、水を貯めながらダムサイトを切るわけですからね。これは、世界初のことでありますしね。
 こうしたものがこれからダムがもう堆砂で埋もれてしまった、また新たなダム造るんだっていうのが昔のやり方、でも今はもう新たなダムを造るんではなくて、このダムをもう一度生かして、活用していくんだと。これは、世界中に光をもたらしますんでね。こうした技術革新をすることが、この技術を海外に売ることができると。新しい成長戦略、それを徳島から発信をしていくと。こうした思いでね、これをしっかりと取り組んでいきたいと思いますんで。
 東日本の皆さん方もね是非これから治水対策といったものに、大きなやはり関心を持って、具体的な対策をざっくばらんに国と共に進めていただきたいと。地球温暖化になると、もっともっと台風が東日本、この間もね北海道に台風が行くっていう話がこれありましたしね、そうした点をやっぱり国全体で考えていく時が来たんではないかと、このように思っています。

(毎日新聞社)
 併せて、その他の県管理河川ついては、今後どのような対応をされますか。

(知事)
 はい。例えば、今、国の部分が那賀川、吉野川と出たわけですけどね、県管理の例えば飯尾川であったり、あるいは勝浦川であったり、たくさんこれあって、それぞれにダムを持っていたり、あるいは加減堰対策をやってみたりとか、様々な対策、これも従来にない対策をね行ってきているところでありますので、よりこの治水といった観点、そしてその治水の上に成り立つ利水、こうした点をしっかりと取り組んでいくということでね、これから更にお金はかかるかと思いますけどね、しっかりとまだまだ緒に就いたものが多々ありますので。あるいは、常時監視といったことではね、いろんなwebカメラ設置、これも提言を頂いたりしてるし、また行っている部分ありますんでね。また、テレビが丁度データ放送ということで、ダムの入りと出、これがどうなっているかっていうのも、全て見ることができるようになってますから。こうした点について、よりICTを活用した防災対策こうした点もこれから高度化をしていきたいと。徳島は何といっても、国の総務省との連携事業でG空間っていうね、ジオテクノロジーこれを活用して、平時、災害時にと。戦略的な災害医療もそうなんですけどね。こうしたものの最先端地域でもありますんで、是非ICTの力も活用してそうした災害予防、あるいは災害の時の対策、これが組めるように市町村とも連携をしっかりとしていきたいと思っています。

(毎日新聞社)
 国が流域と氾濫シミュレーションを作ったり、タイムラインを作ったりということを検討されていますが、県内河川でそれをすることはありますか。

(知事)
 まず、我々としてはタイムライン一番必要となるのは、今回大きな被害を受けたね、やはり那賀川流域、これは一番重要になってくると。やはり、ダムの洪水調節これをやっていく、こうした点について、やはりダムとの連動というタイムライン、これが必要になってきますんでね。既に、那賀川これの対策としてのタイムライン、国との間でというのは発表させていただいたところでありますんで、そうした意味でも我々としてはその最先端これを行くと。そして、何としても同じ台風が来て、同じ被害を受けることはもうやめようという形でやっていっていますので、やはり一番ポイントは今おっしゃっていただいた、いかにこのタイムラインしっかり対応していくのか、ここがポイントだと思っています。

(毎日新聞社)
 その県管理河川でも?

(知事)
 そうですね。もちろん、今この国との間のね、那賀川は、国と県と両方で管理をしていますけどね。実際に被害を受けた川ですので、そうした知見を当然のことながら、それぞれの河川、こちらに及ぼしていくということは考えられます。

(毎日新聞社)
 ありがとうございます。

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