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平成28年1月4日 年頭(臨時)記者会見 項目別

ユネスコ「世界記憶遺産」登録申請について(質疑)

(毎日新聞社)
 よろしいですか。毎日新聞です。先ほど、庁内のテレビでの年頭挨拶で言及あったと思うんですけど、板東俘虜収容所の世界記憶遺産登録にチャレンジなさるということですが、これに関して2つほどお聞きしたいんですけど、1つはだいたいどういったスケジュールで申請に向けて取り組んでいくのかお聞きしたいのと、あとこの申請を通して県として期待なさる効果、どのようなことをお考えでしょうかということでお願いします。

(知事)
 はい。まず、このスケジュールについてであります。このユネスコの記憶遺産についてはね、これ実は平成9年から登録が開始をされて、今既に348件、日本では5件だけなんですけどね。
 ただ、これが有名になったのは、例の南京事件ですよね。これについて、日本と中国というか、国連との間で、そして菅官房長官の方からも「これ、ユネスコっていうのはあくまでもこの平和的な組織なんだろう」と。「だから、これも両国が、皆が、関係者が納得した上で、そしてそれが登録をされる。しかも、それが一方的に登録されたんではないか。これはユネスコの趣旨に反する。」ということで、分担金についてのね、ちょっと差し控えたらどうだろうかと、こうした話にまでもなって、「あっ、そのユネスコのいわゆる記憶遺産っていうのがあるんだ」って。これ、世界記憶遺産、このようにも呼んでいるんですけどね。これが非常にクローズアップをされたということであります。
 で、これは2年に1度申請を受け付ける。そして、各国は2つまでということに実はなっているんですね。ただ、例外がありましてね、2つの国以上で出していく場合はその例外と。ただ、2年に1回の申請というのは一緒なんですね。
 じゃあ、一番卑近のこの受け付ける年はいつかということなんですけどね。実は、これが今年の3月。そして、決定が(平成)29年の夏ということですので、ここには少し間に合わないし、日本の中でも既に、杉原千畝さんのものとかですね、2つ決まってるんですね。だから、我々として、まずターゲットとするのは、その次、つまり(平成)30年3月に申請受付にまず日本でなるであろうという、つまり(平成)31年の登録を目指していこうということになります。
 で、今後の徳島としてのその魅力といいますかね。この歴史遺産というのは、やっぱり史実でないといかんということで、例えば書き物であるとか、いろいろな印刷物であるとか、物であるとか、音楽でもいいんですけどね。そうした物がちゃんとあるということ、それから唯一無比であると、ほかにないということね。こうした点がまず審査のポイントになってくると。
 そうなると、実はジュネーブ条約に日本が加入をしていなかった。つまり、捕虜の虐待禁止、このルールが世界ではなされていた。でも、日本にはなっていなかった時に、第一次世界大戦の青島(チンタオ)の捕虜の皆さんをね日本中に引き受けた。でも、いろんなとこで悲しいかな虐待もあったんですよね。でも、板東の地に新しくできた、ここは捕虜じゃなくて俘虜なんだと、そしてその所長、松江所長さん会津藩士の息子さんということもあってね、「お国のために戦った人たちではないか」と、「武士の情け」という言葉。ちょうど、あわぎんホール、(徳島県)郷土文化会館の隣に碑があるんですけどね。という形で、人道的な扱いをし、その中では3つのオーケストラがあったり、あるいはビール工場、パン工場、印刷場ね、あるいは楽器まで作るということで、多くのドイツ文化がこの俘虜収容所の中で栄えた。
 そして、ドイツと鳴門の皆さん方との交流も非常に深まったということで、多くの実は史料が残され、これを今鳴門市皆さん方が保存をされているんですね。しかも、そのドイツの皆さん方が、人道的な扱いに対して感謝をして、そしてドイツへ帰国する時に演奏してくれたのが、ベートーヴェン第九のアジア初演ということで。
 今EUでは共通国歌がこのベートーヴェンの第九。しかも、ベートーヴェン、ドイツ人ですよね、生誕の250年、これがちょうど東京オリンピック・パラリンピックの平成32年になるということでね、ちょうどこのドイツとの関わりのメモリアルがずらっとこれから並んでくるんですよね。一番早いのが、実は来年、ここはニーダーザクセン州との友好10周年、これもベートーヴェンの第九アジア初演が取り持つ縁ということになる訳ですけどね。こしたこともあって、その翌年の(平成)30年が第九(アジア)初演から100年ということで、年明けたこの1月の末に、第九の、2,000人の第九を徳島から。その100周年、そこからさらにということでね。
 そうした意味では、ちょうどこの(平成)31年の登録というのは、こうしたものに上手くかみ合うんじゃないか。(平成)28年、そして(平成)29年(ニーダーザクセン州との友好)10周年、そして(平成)30年の(第九アジア初演)100周年、そして(平成)31年の登録を目指す。
 (平成)32年はベートーヴェン生誕250(年)と東京オリンピック・パラリンピック。そして、徳島としてのね、カルチュラルオリンピアード。という形で、これは徳島としての効果っていうだけではなくて、まさにカルチュラルオリンピアード、これを盛り上げていこうということにも繋がるということで、今年から、そして(平成)32年まで、ここを俯瞰したものへのチャレンジということになります。

(朝日新聞社)
 関連して、そしたら、2国間というやり方もあるということで、そうするとドイツ、例えば日本としてだけというお考え方でしょうか。

(知事)
 当然、日本の中で平成30年の3月に申請ということになってくるんですが、当然ライバルも出てくる訳ですし、逆に言うと、なるべく多くのものがこの記憶遺産に日本から登録をされる。であれば、単独でしかできないと言うんではなくて、徳島の場合にはドイツのニーダーザクセン州とちょうどね(平成)29年が10周年でしょ。翌年が申請をする年になってくるんで。
 このドイツのニーダーザクセン州と友好、きっかけはこれだった訳ですから、じゃドイツのニーダーザクセン州と友好をより育むと。10周年の、あるいはこれからのさらに10周年の一つの大きな打上花火として、これをやっていくということは当然ある。もちろん、今オリンピックに向けてやってるんですけどね。こうした点があるんじゃないかと思いますんで、もう一つの可能性としては、ニーダーザクセン州とこれを結んでやっていくということは当然あり得ると。
 もちろん、鳴門の場合には、鳴門とリューネブルクが、これは都市間やってますんでね。そうした意味では、ちょうど今のスケジュール感にのってくるし、あるいはニーダーザクセン州との10周年を大きく彩るものにもなるんじゃないかと、こう思っています。

(幹事社)
 それでは、各社さんよろしいでしょうか。
 では、以上にさせていただきます。どうもありがとうございました。

(知事)
 はい、どうも。
 それでは、今年1年どうぞよろしくお願いします。

 
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