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平成28年1月4日 年頭(臨時)記者会見 フルテキスト版

新年のはじめに(説明)

(幹事社:司会)
 明けましておめでとうございます。

(知事)
 おめでとうございます。

(幹事社)
 幹事社、NHKとなります。今年もよろしくお願いいたします。

(知事)
 よろしくお願いします。

(幹事社)
 じゃ、年始の記者会見始めさせていただきます。
 じゃ、知事よろしくお願いします。

(知事)
 はい。改めまして、皆さん方、新年明けましておめでとうございます。どうぞ今年も1年よろしくお願いを申し上げたいと存じます。
 さて、恒例となりました、年始の場合には、干支の話からということであります。よく申年というふうに言う訳でありますが、この干支といった観点からいくと、十干を合わせると、今年は丙申(ひのえ・さる)の年ということになります。「ひのえ」甲乙丙丁の「丙」の字ということでね、これは樹木が一番生長点まで生い茂った、そうしたたくましさを表すと、このように言われます。また、「さる」これはね、モンキーというね、けものへんの猿を書くとちょっとよく分かんないですけど、干支の場合はこの「申」という字ですね。これを「さる」こう読む訳でありまして、ちょうどこれにあめかんむり付けると電気の「電」になってくる訳ですよね、似てる。
 ということで、電気に通ずるということで、これは、まっしぐら、目標に向かってドンと突き進むと、こうしたことを表します。じゃあ、丙申の年はどんな年なのかということで、よく60年一サイクルという干支の場合ですね。十干と合わせるとという訳でありまして、その60年前半の30年間、その価値観がもう全く通用しなくなったんだ、そうしたことを実感をさせられる年と、このように言われております。
 じゃあ、過去例を見てみようということで、60年前にタイムスリップ、昭和31年。じゃあ、この年はどんな年だったのか。「もはや戦後ではない」というはやり言葉、国連に日本が加盟をし、これからは高度経済成長そこにまっしぐらで行くんだ、その軌道に乗ったということで、こうした点については経済白書の中に当時書かれているものでありました。何となく、今の予感をさせられるようなこの干支ではないかと思います。

 では、今年どんな年になっていくのか、まず見ていきたいと思います。
 最初から、もう過去にはあまりないですよね、今日から何と国会が、通常国会がスタートとなって、そして補正予算、これが審議をされる。しかも、その大きな中身は2つ。その1つがこれも過去にないものであります。世界の何と4割の経済圏が誕生するTPP大筋合意、これを受ける補正予算。
 また、一昨年(平成26年)の9月3日からスタートとなりました地方創生、国の本気度と地方の覚悟が問われる、まさに地方発展の最後、日本のまさに創成の最後のチャンス、このように言われ、昨年がちょうど地方創生元年とも言われたところでもあり、それをあらゆるプレイヤーの皆さん方にということで、第3次安倍改造内閣から出たのが一億総活躍、この一億総活躍がそのもう1つということになります。
 また、今年はメモリアル、特に災害についてであります。東日本大震災からちょうど5年。特に、村井知事さんが、宮城県の村井知事さんが言われたのが「過去の歴史に学ばなかった」という重い言葉があります。
 これを一つの契機として、災害遺産という言葉があり、本県でも県南地域、あるいは吉野川流域には石碑が多く建てられているところでありまして、こうした物をもう一度振り返り、その当時、その当時に出来たこと、その時の皆さん方のその重い言葉、これをもう一度見直してみる。その意味では、ちょうど今年は昭和の南海地震、昭和21年の12月21日、尊い202名、徳島で命が失われたものでありまして、ちょうど70周年となるところでありました。
 そうした意味ではハードはもとよりソフトの面についても、また多くの県民、国民の皆さん方にもこのメモリアルをもう一度、温故知新ではありませんが、振り返っていただき、そして防災・減災対策、何よりも「とくしまゼロ作戦」南海トラフ巨大地震を迎え撃つ、これを加速をし、新次元に乗せていく年になるんではないかと思います。
 そして、3つ目。これは言うまでもなくね、スポーツイヤーです。4年に1度、オリンピック、つまり「リオ五輪」スタート。だから、2月には閏月になりますよね。今年だけ、オリンピックの年には2月の29日出現となるところでありましてね。
 その意味では山下敏和選手、ライフル(射撃)。あるいは、伊藤舞選手、女子マラソン。こうした本県ゆかり、関係者の皆さん方が出場が決定(又は)内定をしているところでありまして、否が応でもスポーツに関心が高まる年となるんではないかと思います。

 では、これに合わす形で徳島はどうなっていくのか、少し見ていきたいと思います。
 まず最初は言うまでもなく、この地方創生、一億総活躍といったそのモデルを打ち立てていく「とくしま回帰」。そこでは、昨年あるいは一昨年を「エポックメイク」の年ですね。この言葉、なかなか発音がしづらいということもね、言われたところでありますが。この「エポックメイク」の年このように申し上げました。で、それは何だったのか。
 つまり、高速道路、本四効果、これが徳島(自動車)道と結ばれる。四国横断自動車道が鳴門ジャンクションから徳島インターチェンジまでが繋がり、しかもその途中にスマートインターチェンジができ、徳島空港と直結をするということになる。また、いざ発災となったときにも崩れない耐震強化岸壁が沖洲(外)地区に出来上がり、そしてオーシャン東九フェリーがここへ移ってくるんですよ、こうしたお話も申し上げたかと思います。
 そして、次なるエポックメイクはこうした基盤がさらに進化を遂げていく。平成31年、ここでは何が起こるかというと、マリンピア、ここに徳島東インターチェンジが出来、北側からは有料道路がこちらへ高速道路が直結し、南からは新直轄、無料の高速道路がこちらへ進んでくる。そして、結節となっていくということなんですね。
 しかも、この耐震強化岸壁ですね、こちらが何と徳島東インターチェンジからたった1.5キロ(メートル)、車だと3分の距離ということでありましてね、オーシャン東九フェリー「びざん」が(今年の)1月の3日から1.7倍の収容能力となってこちらに移ってくるとともに、秋までには4隻で東京、そして徳島、北九州を運航している訳でありますが、全て大型船化、新造船となり、その暁にはちょうど秋と言われておりますが、北九州にある本店、こちらがこの徳島の新しいフェリーターミナルの方に移ってくることとなる訳でありまして。
 そうした意味では、この第二弾となるメモリアルでもあるし、そしてエポックメイクでもある訳でありますが、そこに向けての大きなスタートを切っていく年ともなる訳であります。
 また、そうした点でいきますとね、やはりこの未来エネルギーというね、こちら(パネル「未来エネルギー!」を提示して)。ちょうど今、県庁の正面玄関、西側の正面玄関ね、その北側の所が工事してますよね。皆さんも「一体これ一体何の工事してんだ。正月早々。」とねえ、お声も聞く訳でありますが、これを作っているんですね。
 つまり、二酸化炭素フリー、その自然エネルギー由来の水素ステーション、環境省のモデル事業を受けてここに誕生と。そして、今年度中、つまり3月末までには燃料電池自動車を県庁の公用車として入れ、そしてここに水素を供給する拠点が県庁の中にできる。
 そして、もう一つこの民間が行っていただきます移動の水素ステーションも、四国でも当然のことながら初めて、これが誕生ということになります。
 つまり、新しい水素グリッドがここ徳島から発信をされるところでありますし、これはここにある昨年の12月、安倍総理が写っておりますが、COP21、そして歴史的な決定が行われました。つまり、先進国も途上国も合わせて、今世紀の半ばには実質上、この二酸化炭素ゼロ、これを目指すということになると、当然、先進国である日本は、そしてその中でも自然エネルギー協議会会長県である徳島としては、さらに意欲的な数値目標を掲げていく必要がある。
 その大きな起爆剤がこの水素グリッド社会の実現ということでありまして、これからは燃料電池自動車だけではなくて、燃料電池バス、あるいはあらゆる産業界で使えるフォークリフト、こうした物についてもしっかりと燃料電池が活用される。平成28年度の政府予算、徳島の政策提言を受けて、フォークリフトについては制度化がなされようとしているところであります。
 また、もう一つこの自然エネルギーということであればね、(パネル「スマート回廊地域創造事業」を提示して)こちらにありますスマート回廊地域創造事業ということで、川口(ダム調整)湖、川口ダムの所でありますけどね、川口ダムの調整湖という「あじさい湖」でありますが、こちらを一つの、このまさに一歩先の未来を具現化をしていく自然エネルギー、そしてデジタルアートの拠点づくりとしていこう。何と言っても、那賀町は徳島が日本で最初に作り上げた「県版地方創生特区」第一号認定の所でもあり、そしてこの太陽光、小水力、風力、そしてあそこは水力発電所ですんでね水力と、こうした自然エネルギーといったものをしっかりと回廊として見ていただく。そして、デジタルアートミュージアムを全県下で、しかもフィールドで、あるいは箱物の中でということで、夏頃には、この相生の森林美術館に那賀町とのコラボで、そしてまた秋頃には大塚製薬のワジキ工場ですね、「エキサイティングサマー・イン・ワジキ」の会場でありますが、あそこに今度もう一つという形で、フィールドで、こういったまさに夏、秋にデジタルアートミュージアムをいよいよ具現化が図られてくることとなります。

 次に、2番目としてTPPを迎え撃つ「もうかる農林水産業」の具現化についてであります。国においては、今回、補正予算においても、しっかりとこの迎え撃つといった意味での、いわゆる攻め、これについてはいろいろな施策が散りばめられています。
 が、中山間地域であるとか、あるいは小規模事業者に対しての、いわゆる守りの対策がやはりどうやってみてもですね足りないんではないか、少ないんではないか、こうした点から、今、県単での農林水産に対してのハード・ソフト、この事業を全面的に切り替え、そして、パワーアップをして、2月の定例県議会には基金条例として、そして基金のしっかりと守りの部分としてこの中山間地域と、そして小規模事業者の皆さん、でも小規模といっても今、かあちゃん野菜であるとか、あるいはおじいちゃん野菜とか、もう孫にも、子どもにも食べさせたいという丁寧に作るというのが、デパートのブランド商品に実はなっているんですね。という形で、我々としてはしっかりとこれを迎え撃つだけではなくて、守る点についても行っていければと、このように考えているところであります。
 そうなってくると、当然この6次産業化に備える人材育成という点も重要となって参ります。(パネル「『徳島大学・新学部』と連携した人材育成・研究開発の取組み」を提示して)日本で初となる6次産業の学部を持った大学、こちらが今年の4月、徳島大学生物資源産業学部として定員100名でスタートを切ることとなります。
 そして、県の農林水産総合技術支援センター、石井町にありますね、この中にはもう専修学校化をした農業大学校ここからもこの実は学部に編入を受ける枠が作られているところでありまして、この6次化拠点である「アグリサイエンスゾーン」こちらをいよいよ強力にスタートを切ることとなります。
 また、当然、大学で、専修学校でということであれば、その一歩手前である、いわゆる高等学校、従来は職業高校と呼んでおりましたが、今、普通科高校を出て大学へ行き、そこでスキルを身に付けない皆さん方、この皆さん方は専門学校に行って、そしてそこでスキルを身に付けてようやく就職ができる。これ、でもちょっと順番が違うんじゃないだろうか。
 やはり、高校の段階でスキル、技術を身に付けた皆さん方が、さらに技術を磨きをかける大学に行って、そしてそこから就職がすぐできる。6次産業化人材育成を高校からということで、既に林業の面では那賀高校森林クリエイト科20名が、この4月からスタートとなる訳でありますし、また来年の4月からは、今度は農工商全体を合わせた6次産業科「アグリビジネス科」を城西高校、昔は「徳農」と呼んでいましたよね。城西高校にスタートを切るためのいよいよ準備を進めていこうと考えています。
 そして、水産こちらについても「マリンサイエンスゾーン」ということで、鳴門、そして美波町へと。特に、鳴門については鳴門の県の水産試験場、鳴門庁舎、その隣に薬学部の実は庁舎があるんですね。こうしたものを今、徳島大学においては生物資源産業学部そちらの関連の施設に作り替えを今年中にしてしまおうと。もっと言うと、3月末までと聞いておりますが。さらに、美波庁舎こちらは、水産版漁業のBCPも新たに入れ込む形で、県として新たにここを拠点化をしていこう、その新しい庁舎の中に生物資源産業学部サテライト、こちらを作っていただこうと。
 まさに、水産振興の拠点「マリンサイエンスゾーン」。LEDを魚礁に活用していこうというもの、またスジアオノリ植物工場ですね、新たなね。こうした点も新たな観点として作り上げていこうと考えているところであります。こうした形で、いよいよ人材育成も本格稼働の年となることとなりました。

 それからもう一つ、今度は3番目としては、安全・安心についてであります。
 先ほど、メモリアル、特にソフト、こうした啓発の関係などにも力を入れていこうと申し上げたところでありまして、「すだちくんメール」こちらについても全面的に切り替えを行っていこうというものであります。
 地域SNSの機能を1月に追加をしていくということで、やはり身近ないろいろな情報をいざ発災となったときも、あるいは平時においても使えると、そうしないことにはなかなか使いづらいよね。今までは登録の点などでも、使いづらいという点がね、私も実感していたところでありますけどね。こうした形で、新たにパワーアップをさせていきたい、このように考えております。
 そして、既に条例としては先行、昨年の12月の25日にしたところでありますが、「障がいのある人もない人も暮らしやすい徳島づくり条例」これがまず、トラックあるいはダンプカーのところに後退をする場合、あるいは接近するための警報装置、これを付けていただいているものについては、しっかりとその使用義務化を図っていこうというもの、既にスタートを切りましたが、4月からはまさに全面的に障がい者の皆様方のアクセスから始まって、「障害者権利条約」こうした点についての本格的な稼働。これをこの全国のモデルとしての条例としてスタートを切っていく。もう一部はね、スタートを切ったところでありますが。その意味では、視覚障がい者の皆さん方に対しての交通安全基本計画での位置付け、あるいは最終的に我々はホップ・ステップ・ジャンプというジャンプは法改正、道交法などですね。こうしたものについても新たにチャレンジをさらにしていくこととなるかと思います。

 そして、最後、4番目。「大胆素敵・とくしま」の魅力を大いに磨きをかけるということで、先ほどオリンピックの話をいたしました。当然、オリンピック、スポーツイヤーということでありますので、スポーツの関心が高まる。否が応でも、昨年、1万人大会での国際マラソンとなりました「とくしまマラソン」。
 今回は、いよいよ1万5千人大会ということで、ゲストには常連の金哲彦さん、そしてゲストとして、3年ぶりとなりますが、“Qちゃん”こと高橋尚子さんにもお越しをいただこうと。尾崎好美さんにも初参加していただくことといたしております。そして、1万5千(人)となりますとね、やはり多くの皆さん方にこの「とくしまマラソン」の、また徳島の状況を記憶に残していただきたいなということで、この県庁真横からスタート、かちどき橋を渡り、(国道)11号を走る、まさに徳島の一番のビル街、つまり市街地を走り抜け、そして上っていきますと吉野川大橋に出て、バッと大自然が広がる。そして、吉野川を走り抜けていただこうと。日本にもない素晴らしいコースでのスタートとなるものであります。
 また、オリンピック、カルチュラルオリンピアードという言葉があり、スポーツはもとより、文化世界最高峰の祭典、このようにも言われ、2012年のロンドンオリンピック、何と開会式までの4年間で17万7千(件)のイベントをイギリス全土で行い、文化でまず世界中の皆さん方を引きつけ、そしてオリンピックへ。これを徳島から関西広域連合、そして広域連合から全国知事会、さらには国として、東京オリンピック・パラリンピック文化プログラムがいよいよリオオリンピック終了後、スタートとなる訳であります。
 今回は、ロンドンオリンピックを超える20万(件)のイベント、また3つのカテゴリーとして、国が主体的に、また地方とのコラボで、また冠(イベント)などで多くの企業の皆さん方にも御協力をと、団体の皆さん方にもと、なる訳でありまして、こうしたものに対しても徳島発の政策提言、国民文化祭の新たな在り方、またアーティスト・イン・レジデンスの新たな在り方、こうしたものをこの中に組み込んでいったらどうだろうか、こうした点も具現化をされる。
 ということであれば、当然、全国初2度の国民文化祭を行った徳島でありますので、四大モチーフの一つベートーヴェンの第九、この新たな形、何と言っても日本全土で年末は第九やられますんでね。でも、日本初演は6月の1日、1918年ということでありますので、まず新しい第九を今月末となりますが、2千人の第九としてまずはスタートを切りたい。
 そして、その後にこれをテーマとして、今回はホップでありますので、ステップそしてジャンプと。ジャンプがちょうど平成30年。つまり、ベートーヴェン第九(アジア初演)から100周年ということで、こうした点でその2年後、平成32年には東京オリンピック・パラリンピックということにもなりますので、カルチュラルオリンピアードの一環として新しい第九、こうしたものも日本はもとより世界に発信を出来れば、そして第九を歌うんだったら世界から、ベートーヴェン、ドイツ人でありますんでね、そのドイツ人が感謝の念で行ったのが日本初演、アジア初演ということですから、徳島で第九を歌わないか、そうしたホップ・ステップ・ジャンプと、これに出来ればなと考えるところであります。
 ということで、今年、どうも1年間、これまでの30年間とは全く違う、中央集権からまさに地方創生、そして地方創生この大きなテーマの下にあらゆるプレイヤーの皆さん方、一億総活躍、そして日本創成その礎が、徳島から発信をされていく、そうしたどうも予感がされる1年になるんではないかと思います。
 しかし、こうした点についても、やはり何よりも発信をしていただくのはマスメディアの皆さん方、これからも是非、発信方よろしくお願いを申し上げまして、私からのまずは年頭の発表とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

これからの抱負について(質疑)

(幹事社:NHK)
 では、幹事社を代表して1つだけ。繰り返しになってしましますが、改めてですね、今年力を入れたい事柄、今年はこんな年にしたいっていう抱負を改めてお願いします。

(知事)
 はい。やはり、この地方創生、我々も地方の覚悟が問われる。一昨年、総理の前で直接、全国知事会で申し上げた責任者でもありますので、そのモデル「地方創生の旗手・徳島」これはもとよりでありますが、まさに一億総活躍のモデルを、そして徳島から一歩先の未来を具現化ができるように、県民の皆さんと共に創造的な実行力を遺憾なく発揮をして、そして行っていければな、このように思っています。

(幹事社)
 ありがとうございます。
 では、各社さん質問ありますでしょうか。

消費者庁の誘致に向けての意気込み(質疑)

(読売新聞社)
 はい。すいません。年末にも話が出てたと思うんですが、今年の出来事として一つ、消費者庁の誘致が実現するか否かがあると思うんですが、改めて実現に向けた意気込みとか、期待とかですね、その手のことをちょっと聞かせてもらえればと思います。

(知事)
 これは、当然、東京一極集中を是正をする、そして企業の東京にある本社、これを地方へ展開をしていくべきじゃないか、これはもう既に税制で出来上がったんですね。地方拠点強化税制と。
 しかし、隗より始めよということであれば、その旗を振った国のやはり政府機関が地方に移転をしなければ、企業も様子見ということになるという中で、徳島県は消費者庁をはじめ6機関、特に関西広域連合のところに、いわゆる各省庁の霞が関にある外局という、つまり何とか庁というね、例えば徳島県は消費者庁ですが、京都が文化庁、大阪が中小企業庁、兵庫県が観光庁というね。あるいは、総務省の統計局こちらを和歌山県がというのがある訳でありますが。
 こうした点についても、あるいは研究機関についても非常に政府の側のヒアリングが、「あれっ、どっちが最初に言い出したのかな」そうしたことがあると、全国知事会でも言われる訳でありますが、その意味でやはりこれを関西広域連合、今回は昨年の12月から奈良県が新規加入、2府6県4政令市となった訳でありますので、やはり関西の全ての力を結集して、これらの実現を国にしっかりと提言をしていこうということで、年が明けて早々にでも、この消費者庁はもとよりでありますがね。
 今申し上げた点、あるいは試験研究機関、こうしたものを関西広域連合の地に。で、これは何よりも国のためになるんではないか。地方創生だけではなくて、首都直下型地震が起きたときのまさに二眼レフ構造、これをしっかりとこの徳島をはじめとする関西に設けるべきだ。当然、関経連(関西経済連合会)をはじめ、関西の経済団体の皆さん方も同意をしていただいておりますので、しっかりとこれを国に対して行動に移していく、このように考えております。
 そうした意味で、これからはさらにこうした動きを加速をしていく、パワーアップをする。既に、河野担当大臣の方からは神山町の方にね、3月目途などという話もお聞きをしておりますが、消費者庁長官をはじめ、サテライトオフィスをこっちに作って、そしてどういった障害がさらにあるのか、こうした点の検証していく、県としてもそのバックアップシステムこれをしっかりと作らせていただいてね。
 これは決してこちらがただ単に引っぱってくるということではなくて、新しい働き方、まさに丙申(ひのえ・さる)の年ですんでね、これまでの常識が覆ると、霞が関は東京にないといけないと言っていたものが、地方でもできるじゃないか。しかも、これも日本屈指、世界屈指の光ブロードバンド環境のある徳島、そして消費者の皆さん方の消費者(が)センシティブって言いますかね、感度が一番高い徳島、こうした所で消費者庁がよりパワーアップをしていただく。新しい価値観をここに生み出せればな。干支のとおりになれるようにがんばっていきたいと思っています。

(読売新聞社)
 ありがとうございます。

大阪副首都構想について(質疑)

(朝日新聞社)
 ちょっとそれに関連してなんですけど、関西広域連合という、橋下さんが昨年末に一応お引きにはなりましたけども、中心におっしゃっていた話で副首都構想というのがあったんですけど、そこを生かして一応知事としてはどういう評価をされて、もしそういうのがあるとすればどういう影響が徳島に及んでくるというふうなことをお考えでしょうか。

(知事)
 これは、ちょうど(大阪)府知事選、大阪市長選、ダブル選挙の時のいわゆる維新サイドの方の公約という形で出されたんですね。この副首都構想というのは、世界にも副首都というのは多々ある訳でありましてね、我々としては副首都などと言わずに、二眼レフ構造というのは決して副首都じゃないんですよね。まさに、首都その代替機能を持つということであります。別に、首都機能移転とかね、国会の移転とか、そんな話を言ってる訳じゃなくて、機能としてしっかりとそうしたものを持たなければ、この国が保たない。
 また、これが地方創生の新しい働き方にも、つまり官僚の皆さん方にも人間らしい生活をしてもらったらどうだろうか。かつて、私もその一員でありましたんでね、より誰よりも実感をしておりますんでね、そうした意味で我々は打ち出している。
 ただ、副首都という名の下にですね、こうしたものが逆にこの政治ベースとして、維新と官邸との間でなされていく、こうした点についてはウェルカム。とにかく、物事を動かしていく。そして、東京には首都機能は全部ないといけないんだというこれまでの価値観、これが崩壊をして新たな価値観がまさに生まれてくると。
 それが干支、今年の丙申の年のいわゆる暗示である訳でありますんでね。そうした意味では、我々、関西広域連合でこの首都機能の代替と言いますかね、二眼レフ構造をずっと言ってきた。そうした点では、維新の皆さん方も維新なりにそれを咀嚼をして、そうした副首都というイメージを出されたんではないか。我々としては新しい価値観、ここに生み出すだけではなくて、その具現化をする、いよいよ年ではないかと、このように思っています。

ユネスコ「世界記憶遺産」登録申請について(質疑)

(毎日新聞社)
 よろしいですか。毎日新聞です。先ほど、庁内のテレビでの年頭挨拶で言及あったと思うんですけど、板東俘虜収容所の世界記憶遺産登録にチャレンジなさるということですが、これに関して2つほどお聞きしたいんですけど、1つはだいたいどういったスケジュールで申請に向けて取り組んでいくのかお聞きしたいのと、あとこの申請を通して県として期待なさる効果、どのようなことをお考えでしょうかということでお願いします。

(知事)
 はい。まず、このスケジュールについてであります。このユネスコの記憶遺産についてはね、これ実は平成9年から登録が開始をされて、今既に348件、日本では5件だけなんですけどね。
 ただ、これが有名になったのは、例の南京事件ですよね。これについて、日本と中国というか、国連との間で、そして菅官房長官の方からも「これ、ユネスコっていうのはあくまでもこの平和的な組織なんだろう」と。「だから、これも両国が、皆が、関係者が納得した上で、そしてそれが登録をされる。しかも、それが一方的に登録されたんではないか。これはユネスコの趣旨に反する。」ということで、分担金についてのね、ちょっと差し控えたらどうだろうかと、こうした話にまでもなって、「あっ、そのユネスコのいわゆる記憶遺産っていうのがあるんだ」って。これ、世界記憶遺産、このようにも呼んでいるんですけどね。これが非常にクローズアップをされたということであります。
 で、これは2年に1度申請を受け付ける。そして、各国は2つまでということに実はなっているんですね。ただ、例外がありましてね、2つの国以上で出していく場合はその例外と。ただ、2年に1回の申請というのは一緒なんですね。
 じゃあ、一番卑近のこの受け付ける年はいつかということなんですけどね。実は、これが今年の3月。そして、決定が(平成)29年の夏ということですので、ここには少し間に合わないし、日本の中でも既に、杉原千畝さんのものとかですね、2つ決まってるんですね。だから、我々として、まずターゲットとするのは、その次、つまり(平成)30年3月に申請受付にまず日本でなるであろうという、つまり(平成)31年の登録を目指していこうということになります。
 で、今後の徳島としてのその魅力といいますかね。この歴史遺産というのは、やっぱり史実でないといかんということで、例えば書き物であるとか、いろいろな印刷物であるとか、物であるとか、音楽でもいいんですけどね。そうした物がちゃんとあるということ、それから唯一無比であると、ほかにないということね。こうした点がまず審査のポイントになってくると。
 そうなると、実はジュネーブ条約に日本が加入をしていなかった。つまり、捕虜の虐待禁止、このルールが世界ではなされていた。でも、日本にはなっていなかった時に、第一次世界大戦の青島(チンタオ)の捕虜の皆さんをね日本中に引き受けた。でも、いろんなとこで悲しいかな虐待もあったんですよね。でも、板東の地に新しくできた、ここは捕虜じゃなくて俘虜なんだと、そしてその所長、松江所長さん会津藩士の息子さんということもあってね、「お国のために戦った人たちではないか」と、「武士の情け」という言葉。ちょうど、あわぎんホール、(徳島県)郷土文化会館の隣に碑があるんですけどね。という形で、人道的な扱いをし、その中では3つのオーケストラがあったり、あるいはビール工場、パン工場、印刷場ね、あるいは楽器まで作るということで、多くのドイツ文化がこの俘虜収容所の中で栄えた。
 そして、ドイツと鳴門の皆さん方との交流も非常に深まったということで、多くの実は史料が残され、これを今鳴門市皆さん方が保存をされているんですね。しかも、そのドイツの皆さん方が、人道的な扱いに対して感謝をして、そしてドイツへ帰国する時に演奏してくれたのが、ベートーヴェン第九のアジア初演ということで。
 今EUでは共通国歌がこのベートーヴェンの第九。しかも、ベートーヴェン、ドイツ人ですよね、生誕の250年、これがちょうど東京オリンピック・パラリンピックの平成32年になるということでね、ちょうどこのドイツとの関わりのメモリアルがずらっとこれから並んでくるんですよね。一番早いのが、実は来年、ここはニーダーザクセン州との友好10周年、これもベートーヴェンの第九アジア初演が取り持つ縁ということになる訳ですけどね。こしたこともあって、その翌年の(平成)30年が第九(アジア)初演から100年ということで、年明けたこの1月の末に、第九の、2,000人の第九を徳島から。その100周年、そこからさらにということでね。
 そうした意味では、ちょうどこの(平成)31年の登録というのは、こうしたものに上手くかみ合うんじゃないか。(平成)28年、そして(平成)29年(ニーダーザクセン州との友好)10周年、そして(平成)30年の(第九アジア初演)100周年、そして(平成)31年の登録を目指す。
 (平成)32年はベートーヴェン生誕250(年)と東京オリンピック・パラリンピック。そして、徳島としてのね、カルチュラルオリンピアード。という形で、これは徳島としての効果っていうだけではなくて、まさにカルチュラルオリンピアード、これを盛り上げていこうということにも繋がるということで、今年から、そして(平成)32年まで、ここを俯瞰したものへのチャレンジということになります。

(朝日新聞社)
 関連して、そしたら、2国間というやり方もあるということで、そうするとドイツ、例えば日本としてだけというお考え方でしょうか。

(知事)
 当然、日本の中で平成30年の3月に申請ということになってくるんですが、当然ライバルも出てくる訳ですし、逆に言うと、なるべく多くのものがこの記憶遺産に日本から登録をされる。であれば、単独でしかできないと言うんではなくて、徳島の場合にはドイツのニーダーザクセン州とちょうどね(平成)29年が10周年でしょ。翌年が申請をする年になってくるんで。
 このドイツのニーダーザクセン州と友好、きっかけはこれだった訳ですから、じゃドイツのニーダーザクセン州と友好をより育むと。10周年の、あるいはこれからのさらに10周年の一つの大きな打上花火として、これをやっていくということは当然ある。もちろん、今オリンピックに向けてやってるんですけどね。こうした点があるんじゃないかと思いますんで、もう一つの可能性としては、ニーダーザクセン州とこれを結んでやっていくということは当然あり得ると。
 もちろん、鳴門の場合には、鳴門とリューネブルクが、これは都市間やってますんでね。そうした意味では、ちょうど今のスケジュール感にのってくるし、あるいはニーダーザクセン州との10周年を大きく彩るものにもなるんじゃないかと、こう思っています。

(幹事社)
 それでは、各社さんよろしいでしょうか。
 では、以上にさせていただきます。どうもありがとうございました。

(知事)
 はい、どうも。
 それでは、今年1年どうぞよろしくお願いします。

このページに関するお問い合わせ
徳島県 知事戦略公室
電話番号:088-621-2015
FAX番号:088-621-2820
メールアドレス:chijisenryakukoushitsu@pref.tokushima.lg.jp
 
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