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平成28年6月3日 臨時記者会見 項目別

平成28年度6月補正予算(案)について(説明)

(幹事社:司会) 
それでは、知事のほうからよろしくお願いします。

(知事)
 おはようございます。私のほうからは、平成28年度6月補正予算(案)の概要について、記者の皆様方にお手元にお配りをさせていただいている一枚物、それに沿う形でご説明をさせていただきます。
 まず最初、熊本、そして大分、ここに甚大な被害をもたらしました、平成28年熊本地震、これを教訓とした「強靱で安全な県土づくり」、この加速、更には、県内産業の競争力強化、また雇用促進はもとより、TPPの発効を見据えました「農林水産業のさらなる発展」、そして本県の魅力を余すことなく発信、「とくしま回帰」の流れを加速させる取組みなど、県民の皆さん方の安全・安心、経済・雇用対策に迅速かつ機動的に対応する。
 こうした方針のもと、三本柱のもとで編成をさせていただきました。一つが、「安全・安心対策の推進」、2つ目が「経済・雇用対策の推進」、そして3番目が「大胆素敵とくしまの実現」という形となり、総額は37億円となります。
 それでは、主な事業について、以下、柱に沿ってご説明をさせていただきます。

 まず最初は、「安全・安心対策の推進」についてであります。
 冒頭でも申し上げましたように、熊本地震を踏まえた防災・減災対策についてでありますが、皆さん方もよくご存知のように4月の14日午後9時26分、そして、4月16日午前1時25分と2度にわたり震度7を観測した熊本地震、これまでにない形だと、前震、本震という形が発表されたところでありますが、住宅はもとよりでありますが、道路・水道等のいわゆるインフラにも大きな被害をもたらしたものでありまして、自然災害の、その猛威、これを改めて知らしめたものとなりました。
 本県におきましても、地震の発災直後から、熊本県のご要請をいただきまして、直ちに災害派遣精神医療チーム・DPAT先遣隊を皮切りといたしまして、災害派遣医療チーム・DMAT、また警察、消防、更には応急危険度判定士など、救命・救急を最優先として、16日からは135名体制で支援を行ったところであります。
 また、こちら側に対しては、熊本地震支援本部を立ち上げをさせていただきまして、全庁を挙げた支援体制、この元で、水、食料などの緊急物資の支援を行うことはもとよりでありますが、もう一つ、これは九州知事会から東日本大震災、この時の経験をということで、カウンターパート制度を世に出した関西広域連合に対して支援要請がありまして、非常に被災の大きかった熊本県の益城町(ましきまち)、あるいは総務省から緊急の要請があって4月22日から26日まで東京都、そして兵庫県とともに40名体制で支援を行った南阿蘇村、こういったところで、避難所の運営の支援、また保健師チームや医療救護班による保健・医療支援活動、また、被災の建物などによりますその危険度がいったいどうなっているのか、住み続けることが可能か、応急の対策は必要なのか、これはもう厳しいのか、応急危険度の判定業務支援、また、学校の時期となっているところでありますので新学期、一日も早く学校が再開出来るようにという教育活動支援など、各市町村や民間企業をはじめとする県内各界・各層の皆様方にご協力をいただき、人的支援、物的支援を行っているところであります。
 さらには、県営住宅等の無償提供、また義援金を原資とする「大規模災害被災者等支援基金」、東日本大震災の時に作った基金でありますが、これを活用した、本県へ避難をされる方々への生活支援制度を速やかに開始するなど、被災者の皆様方のニーズに応じた様々な活動を展開をしているところであります。
 被災地におきましては、未だに多くの方々が、ご不便な生活を強いられているところでありまして、本県としては、今後とも被災地のニーズにしっかりと寄り添い、そして的確に把握をさせていただきまして、一日も早い復旧・復興に向けた支援を、引き続き行って参る所存であります。
 一方、今度は翻ってみるとということでありますが、本県におきましても、東日本大震災、これを教訓といたしまして、南海トラフ巨大地震、これを迎え撃つために、平成24年12月21日、12月21日何の日と言いますと、これは昭和南海(地震)の日ということで、この時からスタートをした「震災に強い社会づくり条例」を制定をいたしまして、そして中央構造線活断層帯に係る土地利用の適正化を図るための「特定活断層調査区域」の指定、これは平成25年8月30日、40メートル幅でということであります。
 また、津波災害警戒区域、いわゆるイエローゾーンというね、これは、宮城県の村井知事さんの「歴史に学ばなかった」っていう重い言葉で、国土交通省による平成23年の津波防災地域づくり法、これに基づく制度ということでありまして、このイエローゾーンの指定、これは平成26年3月11日、東日本大震災、この日を忘れないようにという形で、全国初、これらの制度をスタートさせたところであります。
 もちろん、その狙いというのは(震災時の)死者ゼロを目指すということで、今回の地震から得られました教訓、課題、これらをしっかりと踏まえまして、県民の皆様方の命、暮らしをしっかりと守る取組みを一層加速することとしております。
 そこで、ということであります。
 これまでも、住宅の耐震化につきましては、いわゆる昭和56年6月の新耐震基準以前の住宅に加えまして、基準が強化をされた平成12年6月の、いわゆる「新・新耐震基準」以前の住宅も「耐震診断・改修」の補助対象として、より効率性、効果性の高い取組み、これに進化をさせてきたところであります。今回のような「震度7クラス」の地震による、そして新耐震基準でも住宅が倒壊をする、こうしたものに対して、まずは命を守っていただくための、いわゆる耐震シェルター、この設置を促進をしていこうということで、6月補正予算(案)では、耐震シェルター(設置)、これを支援する制度の補助要件、今年の4月からは高齢者の世帯だけを対象としていたものを、まず全ての世帯を対象にと、また、新耐震基準以前の住宅のみを対象としていた、これはなぜかと言うと、高齢者住宅としては実は旧耐震のものが非常に多かった、これをまず新耐震に安いお金で上げていただこうと、こうした目的が実はあったんですね。
 ということで、他のものは新・新耐震基準以前のものを対象としたものが、耐震シェルター、これについては旧耐震、このものを何とか新耐震に持って行こうという形をとっていたと、これが今年の4月の状況ということでありますが、これを今回の6月補正では新・新耐震基準以前の住宅も対象にということで、これは簡易(改修)であろうが本格(改修)であろうがシェルターであろうが、その対象の基準が揃ったということになります。また、予算の戸数については、当初予算で計上している50戸から100戸へと倍増をさせるものでありまして、県民の皆様方の命を守るんだと、こうした形で制度の進化をさせていきたいと考えております。
 また、木造(住宅)の改修や今も申し上げた簡易改修耐震によります木造住宅の耐震化を推進するため、補助申請、この手続きがね、なかなか面倒なんですよと、多くの声をいただいておりますので、耐震診断から改修工事までをワンストップで申請を出来る制度をはじめといたしまして、今年度4月からスタートしております、事業者の皆さんに直接補助金を支払う委任払い制度、つまり一回、施主の皆さん方に立て替えてもらうことをしないということですね、委任払い制度など、手続きが簡素化されまして、使い勝手を向上させる制度となっているところであります。
 今後は、さらなる普及を図りますために、市町村の皆さんと連携をしっかりとさせていただき、専門相談員を派遣をする戸別訪問の実施、というのは時たま、そうした詐欺も出てくるものですからね、そうしたものをしっかりと診断をしていただく必要があるということであります。
 また、耐震診断員と改修施工者のマッチングのサポート、耐震化の相談窓口や研修会の実施など、住宅の所有者の皆さんはもとよりでありますが、施工者の皆さん方にも積極的にPRをさせていただいて、耐震化につながる支援の強化によりまして、死者ゼロの実現に向け、大規模地震を迎え撃つ木造住宅の耐震化を一気に加速を出来ればとこのように考えております。
 また、熊本地震では、一部避難所におきまして、天井あるいは照明器具が落下をした、窓ガラスの破損などによりまして、施設が閉鎖をされる措置がとられたこと、また度重なります余震への恐れも相俟って、車中泊を余儀なくされる、エコノミークラス症候群ということでね、血栓ができて肺だとか、頭のほうにこう詰まるということで、亡くなる方も実は出てきたと、中越沖地震の時の実はこれは教訓だったんですね。これが活かされなかったということで、本県におきましても、その発生が危惧される南海トラフ巨大地震はもとより、中央構造線活断層帯を震源とするいわゆる直下型地震などの大規模災害、これにしっかりと備える、その意味での早急な安全診断とそれを踏まえた対策が求められることとなります。
 こうしたことから、避難所の指定を受けた施設におきまして、天井の落下、あるいは壁の倒壊などの危険性、その緊急調査をすることといたしまして、実施主体である市町村に対して、必要額の補助をしたいと考えております。
 また、避難所指定をされている県立学校等において、天井の落下防止対策を実施をするとともに、エコノミークラス症候群、その要因の一つである、いわゆるトイレが汚かった、あるいは和(式)が多すぎるという話がありましてね、トイレのこうした不足に備えるため、特に高齢者の皆さん、また障がいを持たれている方々の利便性に鑑みまして、洋式の災害用簡易トイレ、これを整備をするなど、発災後、直ちに必要となる物資、あるいは資機材、こうしたものを適切に確保をし、避難所の機能強化、これを図りたいと考えております。
 さらには、地域の安全・安心を守ります消防団の加入の促進、また緊急交通路における信号機の滅灯、信号機が電気が来なくなって点かなくなっちゃうと、また倒壊対策、こうしたものを実施いたしまして、災害時における対策をハード・ソフト両面から進めていきたいと考えております。

 次に、2番目の柱であります、「経済・雇用対策の推進」についてであります。
 まずは、「徳島の強みを活かした成長産業の強化」についてであります。
 最近の円高の傾向、また新興国経済の減速、加えて、熊本地震による国内産業への影響など、本県を取り巻く動向に大きな変化が出てきているところであります。
 このような情勢の中で、「とくしま回帰」、その加速化、そして県民総活躍社会を実現をさせていくためには、本県の強み、フルに活かした競争力の強化によりまして、将来に向けた安定した雇用の創出することが、まさに必要不可欠となるところであります。
 このたび、厚生労働省が進める「戦略産業雇用創造プロジェクト」に、本県が提案をした結果、提案内容を評価いただきまして、今年度から平成30年度まで3年間の計画、これを行うこととなりました。この中では本県製造業の強みを活かしまして、今後、成長が期待をされる新素材、あるいは医療・健康、そして地域資源関連産業を新成長戦略産業に位置付けさせていただきまして、特に高機能素材の用途開発、国内外の展示会への出展支援等による事業の拡大、そして大都市圏での県内就職希望者とのマッチング、こうした形での企業の開発・生産また新市場の開拓、さらには人材の育成・確保などを総合的かつ体系的に支援することによりまして、3年間で700名の雇用を創出することを今、目標としております。
 次に、「TPP発効を見据えた『もうかる農林水産業』の飛躍」についてであります。
 TPPについてはね、今、衆議院の中では継続審議、また、アメリカの大統領選挙の結果によってはどうなるんだろうかと、こうした不確定要素がある訳ではありますが、今はTPPが発効する、こうした方向で進んでいる訳でありますので、その発効をしっかりと見据えた県内対策、これを打つことが必要となります。そこで、特に影響の大きいと言われている、農林漁業関係ですね、その皆様方の不安を払拭をするとともに、本県農林水産業は、まさに成長産業化していくんだ、そして産業としての競争力を高めていく、これが急務となるところであります。
 そこで、流通コストの低減を図りますための集出荷施設、こうしたものの再編整備、また、生産技術を高めるための施設の整備への支援を行いますとともに、農作物の高度な生産管理、輸出する時にはこれは確実に必要なんですよね、あるいは鮮度保持技術を組み合わせた革新的な技術体系、これを作りだす実証研究を実施するなどによりまして、競争力のある産地づくり、これを進めたいと考えております。
 今後とも、昨年12月、全国に先駆けまして「徳島県TPP対応基本戦略」、これを作り上げたところでありまして、この基本戦略に基づきTPPの発効、これをしっかりと見据えた本県ならではの一歩先の対策、これを着実に進めていきたいと考えております。

 最後は、「大胆素敵・とくしまの実現」であります。
 まずは言うまでもなく、地方創生の関係でありますが、「『地方創生応援税制』を活用した地方創生の展開」についてであります。
 去る4月14日、衆議院本会議におきまして、「地域再生法の一部を改正する法律案」これが可決、成立をしたところであります。
 この法律でいったい何が定まったのかということでありますが、これまで本県が国に対して、「個人版のふるさと納税」提唱者の一人であった訳でありますが、やはり企業も法人、人ということでありますので、企業版のいわゆる「ふるさと納税」があってもいいんじゃないか、作って欲しいという企業の皆さんの声、これがありましたので、全国知事会の場でも積極的に「企業版のふるさと納税」、これを進めたらどうだろうか。特に、昨年7月、岡山(県)で行われました全国知事会ですね、そうした創設について強く提案をさせていただきました、この「地方創生応援税制」、いわゆる「企業版のふるさと納税制度」が、今回のこの法律改正の中に盛り込まれたところであります。
 これを使うことによって、企業の皆様方からいただいた寄附金を、県の地方創生事業に活用をする「ふるさと徳島地方創生応援事業」これを創設をしたところであります。
 この「企業版ふるさと納税」については、創業地の自治体へ寄附をしていただくことなどによりまして、地域活性化、その取組みを後押しをしていただくとともに、企業の何と言っても東京などに集中している本社、これを地方に移転をしていく、その呼び水としての顔の見える効果、こうしたものを期待するものであります。
 今後ともこうした制度を積極的に活用いたしまして、多くの企業の皆様方に、徳島のまずは応援団となっていただこうと。そして、地域とのつながりが強くなって、じゃあ本社を徳島に移そうと、こうした「とくしま回帰」につながるように、しっかりと取り組んで参りたいと思います。
 次は、「『おもてなしの国とくしま』魅力向上の推進」についてであります。
 本年3月公表された国の新たな観光ビジョンにおきましては、東京オリンピック・パラリンピックが開催をされる、2020年における訪日外国人旅行者(数)、その目標、従来は2,000万人、これを4,000万人へと倍増が示されたところであります。
 また、本年の4月決定をされた五輪のエンブレムでね、最初からこうしておけばよかったのに、純和風にすればよかったのに、ということですが、ジャパンブルー・藍色が採用された組市松紋ですね。
 こうした契機を捉えまして、阿波おどり、阿波藍をはじめとした、本県が世界に誇れる文化の発信と同時に、「観光のPR」を連携させた取組みを積極的に展開をしたいと考えておりまして、国内はもとより、香港をはじめとした東アジア、東南アジア、また8月に開催をされるリオのオリンピック・パラリンピックにおいて、本県の魅力、これを発信をいたしますとともに、現地の旅行業者の皆さん方との関係の強化をこの機会に図っていこうと、外国人観光客、その誘客を強力に進めたいと考えております。
 また、「次世代へ繋がる豊かな環境づくり」についてでありますが、昨年の12月に採択されたCΟP21におけるパリ協定においては、画期的なね、「今世紀後半には温室効果ガスを実質的にゼロに」ということで、この目標が掲げられたところであります。
 脱炭素社会、これに向けた取組みがまさに急務となる。そこで、脱炭素社会の実現に向けまして、本県が有する豊かな森林その多面的機能に着眼をいたしました環境保全活動、環境教育をより一層、効果的に推進をしたい、このように考えておりまして、旧交通機動隊の庁舎、これを有効活用しようと。新たな環境活動連携拠点をここに整備をしたいと考えております。
 県民総ぐるみによります「環境首都・新次元とくしま」、その実現に向け、しっかりと取り組んで参りたいと思います。
 最後にということでありますが、こうした一連の取組み、創造力そして実行力さらには発信力、この三位一体によりまして、効果的かつ機動的に「地方創生の旗手・徳島」そして「一億総活躍のモデル」、ひいては日本創成、この実現を一歩先の未来を見据えた形で進めていきたいと考えております。
 私のほうからは以上です。どうぞよろしくお願いをいたします。

(幹事社:司会)
 ありがとうございました。
 それでは、補正予算に関連した質問を、各社ございませんでしょうか。

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