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平成28年7月11日 定例記者会見 項目別

参議院議員選挙の結果について(その2)(質疑)

(徳島新聞社)
 参院選に戻るんですが、今回与党が目標とした改選議席の過半数を獲得しているという結果については、知事はどのようにお考えでしょうか。

(知事)
 マスコミの皆さん方からもね、最初から61(議席)はいくであろうという形は報道されていましたんで、恐らく国民の皆さん方もそういうもんなんだろうなという風に捉えられたんではないか。やはり、ここはアベノミクスということで、これは今回の選挙戦ではそれぞれが賛否両論でね、様々な選挙戦を展開をされたところなんですが、やはり国民の立場に立ってみると、まだ途中なんだと。総理もこれでアベノミクス成果が出たんだということではなく、途中なんだと。この道を行くんだと。一つのキャッチフレーズになっているんですけどね。やはりそれをしっかりと見届けようではないかという形ではなかったのか。
 もちろんこれが、衆議院選挙ということになると政権選択選挙ということになるんで、場合によったら違ったのかもしれないですけど、でも、ひょっとしたら今回同じか、あるいはそれ以上に与党が増えたのかもしれないです。これは分かりませんけどね。
 参議院選挙という一つの形、よく言われるのが衆議院選挙までのその政権の中間評価なんだという風に、参議院の場合よく言われることがあるんですけどね。そうした意味では、仮にこれが中間テストだということであれば、国民にとってみるとまだまだ途中だということで、これに対してしっかりやれといった形を出されたんではないのかな、こうした印象を受けたところです。
 ですから政権に就いている政権与党の皆さん方にとってみると、もうこれでいいんだということではなくて、しっかりとやれというエールをもらったんだということでね。やはりこれまで以上に、例えば地方の声であるとか、あるいは地方創生、一億総活躍、それぞれの皆さん方のところに光の届く、そして何よりもアベノミクス三本の矢だというんであれば、その実感がね、ちゃんと行き渡ると、こうした点でこれまで以上にやはり様々な政策の総動員をね、18(歳)、19歳の皆さん方があまり身近な政策が公約に掲げられてないという声を、これは生の声で出されている訳ですから、今回の参議院選挙での様々な声といったものをね、マスコミの皆さん方が非常に丁寧にまとめていただいて、報道していただいてますので、こうしたものをよく分析していただいて、そして、近々大きな補正もあるんではないかっていう話もありましたので、まずはこうした補正の中で、東日本大震災から今年は5年ですし、また熊本は、今、なお復興途中ということですから。
 また、我々南海トラフ首都直下型、今、つながっちゃってますけどね、こうした次に来るであろうというものに対しての備え、国土の強靱化、こうしたものに対してもしっかりと取り組む施策、そして、地方を含め隅々の人々に、「あ、なるほどこうした施策が進めばこうなるんだな。日本の国あるいは生活良くなるんだな」と、こうしたものをもっともっと分かりやすくお伝えをいただきたいなと、このように思っております。

(時事通信社)
 参院選で。一応、改憲に前向きな勢力が3分の2を確保したということで、安倍首相もこれから個別の条文についてしっかり議論をしていくというような発言もしていたようなんですけれども、知事として今後の改憲論議に期待するものとか、個別の条文や何かで議論を深めていってもらいたいものとかっていうのはありますか。

(知事)
 これは、先ほどから出ているこの合区の解消といった観点でね、総合戦略政権評価特別委員会、そしてそこで設けた研究会ですね。こうしたものの、中間報告など、こうしたものの中で、やはり地方の在り方、今回のこの合区、つまり根本的に国民の皆さん方の声が平等に届かない。確かに一票の格差で平等だと言うんですが、じゃあ都道府県をこう2つがね、1人だということになった場合、この高知の皆さん方にとってみてもね、一体本当にどうなんだろうかと。あるいは鳥取島根の皆さん方もね、特に鳥取の皆さん方が言われてましたね。「いややっぱり地元が、県別で出してもらいたいですよね」って声が出ていた訳ですからね。
 やっぱりそうした声からすると、参議院の在り方といったものをこの機会にしっかりと、場合によっては憲法の中に明示をしていく。で、しかもこの参議院の在り方っていうだけじゃなくて、そもそも地方自治ってなあに、憲法の第92条にあるんですけどね、地方自治の本旨とこう、それしか書いてない。
 また、国と地方の在り方、これも今様々な解釈が、憲法解釈がありましてね。国が全部権限を持っていて、それを地方に分け与えるというね。だから権限い譲といった場合の「い」という字がね、「移す」という字を書く場合と、委任の「委」と書く場合と2つあるんですね。我々としては、もう移してくれという移動の「移」。で、国としては違う。国の持ってるものを地方に任すんだというこの委任の「委」と書くのね。同じものであってももうこういう風に違うとね、二律背反ではないんだけど、そうしたことが現実にある訳で、これはやはり取りも直さず憲法にしっかりと書かれていない。分からない、分かりづらいというところがあるんですね。つまり国民としか書いてない。
 でも、我々地方の場合は、国民とあまり言いませんよね。知事の場合だったら「県民の皆さん」と言うし、市町村長さんだったら「市町村民、地域住民の皆さん」とこういう風に言うと。で、国政選挙の場合は「国民の皆さん」とこう言いますよね。だから、それはやっぱり立場が違う訳だから、国民ていうのは国全体から見たら国民なんだけど、地方から見たら住民なんですよね。つまり2つの顔を持っている。
 そして、じゃあ都道府県の行政を国会議員さんに任しているかといったらそうではなくて、それは知事あるいは都道府県会議員さんに任すと。その時は住民の顔になる訳ですよね。で、国政選挙だと国民の顔になる。
 だから、そもそも最初から、住民の皆さん方にとってみると、県は県なんだ、市町村は市町村なんだ、国は国なんだっていうね。もちろん市町村の積み重ねが都道府県、都道府県の積み重ねが国ってことに重層構造、なるんですけどね。
 ですから、そうしたことから考えると、それぞれの権限ていうものを国民から、国も地方もそれぞれが与えられているという形にすると、だいぶ考え方が違ってくる訳ですね。三位一体改革のように、一方的に交付税、徳島県227億円召し上げられるなんて、そういうことは起こり得ない。それは地方としての分だということになりますからね。じゃあ逆に国が地方に頭を下げて借金すると、これはあり得ますよね。で、合意が出来れば。国大変だからちょっとお金貸してって。それで皆が供出をすると。でもそうじゃなくて、パチーンと一方的にね、国に切られちゃった訳でしょ。これは財政、自主財政権という問題なんですけどね。
 ということで、様々な課題、ここは実は憲法92条に起因をしている。今回の合区問題もそうなんですけどね。ということで、今後、やはり根本的なこの地方自治の在り方、もっと言うとGHQと一緒にこの作っていったこの憲法ということなんですが、民主主義、つまり地方自治は民主主義の学校というのがね、これが民主制を行っていくときの根本原則。でも日本は当時まだ帝国主義だった訳ですから、それが全然熟成されていない。熟成されたときにはこの92条を変えていくんであろうというね、プログラム、実は憲法だというこうした解釈もある。
 ということで、今回具体的な合区という課題が我々に突き付けられる中でね、そろそろもう国民の皆さん方、住民の皆さん方もこの地方自治であるとか、民主主義といったものはもう十分にね、恐らく世界でも一番今では日本が充実をした成熟的な民主主義の国であり、しかも地方自治の国である。で、あれば、そろそろここの部分を今に合った形に変えていく。こうしたことは当然あり得るんであろうと。ですからそうしたものをやはり国民の皆さん方に、まず、しっかりと理解をしていただくと。
 ともすると憲法改正だということになると、9条に話がいってしまって、憲法改正これを手掛けると9条の問題になるんだ。だから憲法改正を口にするのは問題だという声もあるんですけどね。そうではなくて、やっぱり憲法というのはこの我が国の最高法規、あらゆるものがここから出て行く訳ですから、そこが今の社会に合わないものがあるんであれば、やはりそこをしっかりと議論をして、ただこれは最終的には国民投票、国民がその審判を下すことになる訳ですんでね。
 そうしたものについて、やはり議論をこれからどんどん喚起をしていく必要があるんじゃないかと。我々は都道府県を所管をさせていただいている47人ということですから、我々の与えられた職務の範囲内で、しっかりと処方箋を出して。最終的には立法府がどうするのか。そして今回、難しいのはこの立法府の判断に対して、司法がどのように判定をするのか。ここがくっついているってことなんですね。
 でも、そのバックにあるのは国民の皆さん方の意思と、ここが一番ポイントになる。
 もちろん最高裁の皆さん方もそうした点をしっかりと見た上で、当然訴訟ということは様々な形で起こってくるんであろうと思うんですけどね。その中で判定を下す。その意味でも立法府の皆さん方としては、とにかくベストに近い対策・対案こうしたものを出していただきたいなと。我々はその一助となっていきたいと考えています。

 
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