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(四国放送)
昨日行われました参議院選挙につきまして、まずはどのように受け止めたかというところからお願いします。
(知事)
昨日の参議院選挙ということでね、ほぼ全国で結果が出たところであります。特に徳島につきましては、日本の憲政史上初となる合区ということで、本来でしたら参議院が出来たときの意味合いからいきますと、それぞれの都道府県代表と、そしてそれぞれの職域代表全国区ってところですね。この両方が相まって、良識の府を作っていくんだ、これが創設の時からずっと続けられてきたことなんですね。
しかし、衆議院などにおける一票の格差の問題、そして、最高裁の判決、判例の変更などを経まして、参議院におきましても一票の格差、これをしっかりと是正をしなければいけないという判決が出たと。従来の判決をいわゆる覆すというか、判決、判例の転換が行われたんですね。
ということで、今回緊急避難措置と言われておりますが、昨年の7月の28日に公職選挙法が改正をされまして、そして憲政史上初の合区、鳥取・島根、徳島・高知となったところであります。
もちろんこの制度については、今申し上げた緊急避難措置ということで、次の通常選挙、つまり、平成31年の参議院選挙までには、抜本的な改革これを具体的に行うんだというのがこの公職選挙法の実は附則に書かれているんですね。
しかし、今回この合区が行われた。では、それでどうなったのかということであります。
まずは、徳島高知選挙区で当選を果たされました中西祐介さん、今現職でありますので、議員さんにね、これからますますご活躍をいただくという意味でエールを大いに送りたいと思います。これは、従来は徳島の代表となられていた訳ですが、これからは徳島・高知両県の代表参議院議員としてより一層、特に今回、人口減少といったものがこの一票の格差を生んだ、その解消を図るには、やはり、地方の魅力を増し、東京一極集中の是正を行わなければならないということで、やはり地方創生をより強力に推進する必要がある。
実際、この合区の大変さ、これを知った中西議員さんには、しっかりと地方創生、その旗振り役としても大いに頑張っていただきたいと思います。
そこで、今回の投票結果についてであります。実は、全国の投票率、これが各都道府県毎にずらっとこう出てくるんですね。何と徳島、高知、前回の3年前に比べて大幅に減らした。特に高知が大幅に減ってるんですね。そして更に、今回の合区の投票率が、徳島が全国第46位、そして高知は何と全国47位つまり最下位と。いわゆるブービーとブービーメーカーを共に徳島・高知選挙区が引いてしまったということなんですね。
やはり、これは、例えば徳島の県民の皆さんから見ると、今までの選挙エリアが何と2.7倍になったんですよね。つまり、それだけ中西候補の顔を見る、あるいは大西候補であるとか福山候補であるとか、こうした人たちを見る機会が減ってしまうということになるんですね。
一方、高知の皆さん方にとってみると、今回出られた3名は全て徳島の皆さん方と。「あれ、今回参議院選挙あるの」なんていうようなね、意識が広まってしまうと。また、より面積が高知、徳島より広いものですから、ますます有権者の皆さん方が候補者と直接に会う、その声とふれ合う、こうした機会がより失われてしまったと。こうしたことが、今回のこの投票結果に出たんではないのかな。やはり合区については大きな問題がある。やはり、各候補、また全国でも言われておりましたが、この合区の解消といったものを、ぜひ行うべきではないか。これは当事者である徳島県の知事として、強く今回の選挙結果を見ましてね、やはり問題があると。
そして何よりもやはり、国政選挙、有権者がその候補の皆さん方、ふれ合う機会が失われてしまう。逆に大都市部は、どんどん密になるんですね。ましてや、それぞれの定数が東京なんかは6ですからね。そうやって考えてみますとね、やはり選挙への関心がどんどん地方というところこそ薄れてくる。
また今まで2人区だったところが1人区になる。大変な激戦だった、現職同士がぶつかる、そういう関心はある訳なんですが、しかし、やはり声がどんどん地方というところから国政の場に反映される、これが失われていく。まさに大都市ばかりの選出の議員さんになってしまう。ここは、確かに今回の大きな課題ではなかったのか。
衆議院というもの、そして参議院という二院制を採ってる以上、それぞれがやはり違う形で選出をされる、違う代表なんだ。そして、それぞれが切磋琢磨をして、そしてこの国政をいい方向に。また、地方の有権者の皆さん方の声といったものが、しっかりと反映をされる、こうしたやはり国政を行っていただきたい。
合区には大きな課題を残したと、こうした強い印象を私自身も持ったところであります。
この合区問題については、多くの知事さん方、特にこの公職選挙法が成立をした日が(昨年)全国知事会、岡山で行っていたとこでしたのでね、多くの知事さん方からこの合区解消に向けて何とかならないのか、この処方箋を全国知事会が出すべきだ(という意見が出た)。こうしたことで、総合戦略政権評価特別委員会でこれを行うべきということになりまして、私が委員長でありますので、有識者の皆さん方、特に憲法学者であるとか、行政学者、有識者の皆さん方に集まっていただいて、もう数次にわたり、また中間報告も既に為し、今回の各政党が参議院選挙向けにいわゆる公約を作る、そこに対してのこれは政権評価の委員長の部分なんですけれどね。これの中で、この合区問題についてもしっかりとこれを訴えかけてくれといった点を申し上げたところでもありました。
ということで今回、参議院選挙結果、結果が出たところでありますので、やはりこの合区問題について来るやはり7月の28日、29(日)、暦上同じなんですけれどもね、今度は福岡県で行われる全国知事会の場におきまして、まずは私の方からこれまでの取りまとめの状況についてご報告を申し上げ、合区問題の解消に向けてどういう在り方が一番いいのか、こうした点について、更に全国の知事さん方と共に議論を深めていきたい、このように考えております。
あともう1点、今回は18歳に選挙権が要は広がったということでありましてね。18(歳)、19(歳)の皆さん方がどういう関心をし、どういう投票行動を行うのかと、こうした点も大きな関心となりましたし、マスコミの皆さん方も特にそうした活動について取り上げていただき、私も昨日から今日の未明にかけてずっと朝も見ておりましたが、やはり若い皆さん方の意識が高まったな、これは実感として思います。
そして逆に言うと、既成政党の皆さん方の選挙の在り方についても、若い皆さん方の声、こうしたものがどんどん出されていきましてね。従来型選挙というものがだいぶ変わってきたんではないのかな。若い皆さん方が関心を持つスマートで、別に従来型がその不細工だって言ってんじゃないんですよね。やはり型にはまった形をとるっていうことではなく、やはりそれぞれの有権者の皆さん方の価値観に合う、あるいはスタイルに合った形。何と言っても票を入れていただく立場にある訳ですから。また、訴えを聞いていただく立場ということを考えると、より有権者の皆さん方に近づいていくというね、こうした努力、工夫が必要だ。こうしたことが、今回は大きく出たんではないのかな。
それぞれの政党の選挙戦略もつぶさにマスコミの皆さん方が分析をされましてね、従来こうだった、これに対してこういう風に変わった、そしてその意見の場、こうした点もね、非常に詳細に出されていましたので、私も「いやあ、なるほどな」と思ったところでもあります。
また、今回仮に投票に行かなかった18(歳)、19(歳)の皆さん方も、実は周りで多く行ったんだということを知ったということで、次回は必ず行く、これが今回行ってなかったっていう人ね、もちろん、これは抽出ではある訳なんですが、そうした声が出てるということは、これもよかったな。
決して選挙制度というのは1回こっきりの話ではありませんのでね、今回は参議院選挙ということでありましたが、多くのこれから選挙が地方選挙でも18歳選挙権となる訳でありますので、そうした意味では今回の参議院選挙、マスコミの皆さん方の力、大きかったとは思うんですが、若い皆さん方にも選挙に関心を持っていただく。
また、どうして関心を持たないのかといった点についてもね、例えばもっともっと自分たちに身近な政策を訴えかけてくれないと分からないですよと。こうした若い皆さん方の生の声をね、顔付きで出てましたんでね、「ああなるほど、これはそらそうだわな」といった点がありましたんでね。今回、本当に日本の政治の在り方、選挙の在り方、これが大きく変わる、こうした参議院選挙であったんではないのかな。
ぜひ、我々地方の立場としては、「地方創生、一億総活躍」これをしっかりと成し遂げて、地方の魅力そして東京一極集中の是正、こうしたものが図られましてね、この一票の格差が是正をされる。そして、地方からもしっかりと国政に声が都市部と同様に送られる、こうした選挙制度、あるいは日本の国の在り方、こうしたものを全国知事会を通しましてしっかりと訴えかけていく。そして行動していきたい、このように考えております。以上です。
(幹事社)
各社質問ございませんでしょうか。
(NHK)
合区の関係でですね、知事会の研究会でも知事も参加され議論されていると思うんですけれども、合区の解消に向けた具体的な手続についてどのようなお考えか、改めてお聞きしたい。
(知事)
まず中間取りまとめ、これは総合戦略政権評価特別委員会のほうで行っております。また、これはアンケートという形で47都道府県の全ての知事さん方にね、させていただいた。
これは、各参議院選挙の各党の公約に向けて全国知事会として10の提言という形でこれを出させていただくその取りまとめにあたってなんですが、この合区問題、こちらについては、各知事さん方の中にも確かに温度差はあるんですね。大都市部の知事さんにとってみると、逆に合区をなされることによって、自分のいわゆる都府県の参議院の定数が増える訳ですよね。これに反対をするのは知事としていかがなものかと。これは分かりますよね、逆の立場。しかしやっぱり全国そうしたものを見た場合、あるいは東京都も地方なんだと、歴代東京の知事さんそう言われる訳ですから。ということであれば、地方全体の利益といったものをしっかりとやっぱり考えていただきたいと。
そうした点も含めまして、アンケート調査も行って、そして各政党の方に、これは政権評価の部分として、申し上げたところで。ここでは、地方分権という項目の中で、この合区問題、これに対してしっかりと見解を出していっていただきたいと、課題の解決をと、解消とまでね、ここは一部の知事さんがこの合区に対して保留あるいは反対という立場をね、合区を解消することに、意見がありましたんで、そういう形を取らせていただいたんですがね。
ということで、まずは平場として行うのは7月の28、29(日)、ここの全国知事会で、まずは私の方からこの公約での状況、更には中間取りまとめを始めとする研究会でのまとめ、処方箋ですね。まずこうしたものを発表させていただいて、ここで議論を行っていく。そうしたところで、場合によっては緊急の表明を出すということも、これはあり得るであろうと、このように考えています。
そしてその後、国の方も恐らく様々な関係で動き出す。というのは時間がないんですね。31年の次の通常選挙、想定されるのは31年の7月ということになる訳ですから、やはり制度を変えて明日からこれをやりますという訳にはいかない。やはり、周知期間といったものが要る訳ですから、そうすると1年前、つまりあと残された時間は2年しかないということなんですね。
その間に果たして公職選挙法を再び変えるのか、しかしこれだけではもたなくて違う法律を変えるのか、いやいや憲法にまで触れるのか、こうした点が国においてこれから議論が加速度的にやっぱり広がってくるんではないか。こうしたものに対して地方の立場として、また今まで都道府県代表という参議院の在り方であった訳でありますから、それを分割っていいますかね、所管を区分させていただいている全国知事会として、やはりしっかりと意見を言っていく必要があるんではないかと、このように考えておりますので、その後も知事会での議論を深めていくと。そしてタイムリーに処方箋を打ち出すことが出来ればなと、まずはこのように考えております。
(NHK)
知事ご自身は一番こうどのような形がベストだと、公選法の改正、憲法の話もあると思うんですが、知事ご自身はどういうやり方が一番ベストだと、合区の解消に向けて。
(知事)
今回いわゆる立法府、国会の方ではね、緊急避難ということでこの合区を行ったと、これは明らかにされているんですね。それで次が抜本的なと。
抜本的なということであれば、これはやはりただ単に選挙区の在り方いわば区割りみたいな感じ、技術論ではなくて、本質論を行うべきではないか。
つまり、参議院とは一体なんぞや。となるとその当然対極にある衆議院とはなんぞや。もっと言うとこの二院制度とはなんぞやということをもっと国民の皆さんにも分かりやすく説明をしていただく。そして立法府としてこんなに努力をしたよとという形を示すことによって、最高裁がこれは違憲ではないんだとかですね、こうした形。あるいは原理的にもう憲法にガチガチの解釈として、あくまでも一票の格差がもうあらゆるものに優先するんだと。従来の判例というのはそうではなくて、都道府県代表制であるということには意味があるというのが判例が転換されちゃったんですね。そうしたものが再び転換をされる、そうした意味での最終的には立法府の皆さん方の努力、これがやはり必要になってくる。
よく言われるのは、これは学者の皆さん方が言われるんですが、実は一票の格差の問題が指摘をされ、衆議院は3倍で違憲状態、そして参議院の場合は5倍近くても違憲状態ではないと言われてきたんですね。
しかし、今回これが同じだという風に言われてしまった。これはなぜかというと、立法府に対して司法府からのいわゆる警告なんだと言うんですね。何度も何度も憲法で要請をされているその平等といった点ですね、ここは一票の格差に出てくるんですが、あるいは国民の代表である、こうした点に対して、立法府として制度改正という努力をしてこなかった。確かにあるんです、衆議院におきましては中選挙区制から小選挙区制度に変わった。いやいや参議院だって区割り変えてるじゃないか。区割りはテクニックなんですね。
ということで、根本的な解決を行っていないといったことが、今回のトリガー、引き金になった。だから公選法の附則の中にも書いてある訳ですね。抜本的な解決を図る、そして結論を見ると。そこまで書いたというのは、立法府としてやはり、そこまで追い込まれている訳ですね。それをやらざるを得ないと。それは司法との関係だということなんですね。
ということですから、やはりここのところ、どの法律を触るのかあるいは憲法論議までいくのか、どういう形にしてみてもやはり参議院がどういうもんだ、こうしたものをはっきりと明示をする。そうしないことには、やはりこの最高裁が判例変更して、都道府県代表ということ、それを求める以上に、やはり一票の格差これが全てなんだと言ったことを覆すことは難しいんではないか。となると、合区の連鎖ということで、大都市部というところ以外は全て、もっと言うと大都市部とその周辺部の合区、現にそうした案が出ていましたんでね、そうしたものがこれから、どんどんどんどん行われてしまうんではないのかな、このように危惧を逆に、しているところです。
(幹事社)
その他いかがでしょうか。