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平成28年9月5日 定例記者会見 項目別

早明浦ダムの治水利水機能強化について(質疑)

(徳島新聞社)
 東北と北海道は洪水の被害が深刻になっていますけれども、一方で四国徳島のほうでは早明浦ダムで貯水率が下がって渇水、雨が多少降ったりして回復しつつあったりという状況が続いているかと思うんですけれども、30%台で渇水になっています。
 で、昨年来ですね、国と4県合わせての早明浦ダムの治水利水機能を強化する協議が始まっていますし、県内でも治水利水の条例を制定する準備が進んでいると思うんですけれども、今の渇水の状況を受けまして改めて、とくに利水面からですね、機能強化していく必要性、どのように知事として受け止められているかを。 

(知事)
 今回台風10号、そして台風12号と四国にも影響のある台風が来たんですね。まだ12号は継続中でありますけれど。台風10号の時にも、早明浦(ダム)、実は100ミリまでいかなかったと。そして今回の12号も今のところ約100ミリ、98ミリということで、これから少し増えるのかなっていうのはあるんですが、とてもこの渇水状態を解消する状況にはなっていない。この約100ミリ降った状況で、例年に比べてまだ46%ぐらいの状況ということなんですね。
 そうした意味ではこの早明浦ダム、かつて建設省時代に早明浦ダムが造られたとき、このダムは枯れることがないと、このように実は国土交通省の皆さん方は言われたんですね。
 しかし、平成5年から始まりまして、度重なる実は渇水になる。あるいはかつての役場が出てくるとかね。こうしたものが報道される訳でありまして、やはりこのダムのあり方も、考えていく必要があるんではないかというのが、今、四国4県、国土交通省の皆さん方と、検討をスタートした早明浦ダムのあり方、これについての検討会ということになります。
 もちろん一番の点は、やはり地球温暖化ということで、台風の道筋が変わってしまったっていうことなんですね。かつてはちょうど早明浦ダムのあたりが、ちょうど台風の通り道、一番雨を降らす状況だったということだったんですね。しかし、今や四国を外してしまうというのが多々ある。逆に言うと東北に上陸をするとか、北海道網走を台風10号が抜けたときには、なんと台風のまま抜けたんですね。かつては東北・北海道、特に北海道は台風は来ない所、つまり北海道に来たらもう熱帯低気圧じゃなくて温帯低気圧になってるという状況だったんですね。だから北海道の河川には土盛りはあるんですけど、ほとんど堤防という概念があんまり無いですね。台風来ない訳ですから。で、東北も似たようなもんだし。
 先般、去年鬼怒川で、茨城県で、長い区間が切れましたよね。破堤したと。この関東もそうなんですね。北関東にもあんまり台風は来ない。ところが我々四国っていうのはね、もう台風銀座ということで、河川整備を始めかなり膨大なお金をこれまでも先達の皆さん方を含め、投入してきたと。そういったことで、我々治水、これもまだまだ吉野川っていうのは無堤地域がありますし、県内も完全では無い。飯尾川についてもね、まだ加減堰が半分残っている。また那賀川、ここについてもようやく加茂谷エリアについては、堤防を上手く国と一緒にやってますけどね。また、鷲敷の所の対策というのが進んできている状況となってるんですね。
 ということで、この早明浦ダムのあり方、やはり根本的に考えていく必要があるんじゃないだろうか。もちろん長安口ダムと同様に堆砂対策っていったものも考えないといけないと思いますので、やはり、総合的にこの「四国の水がめ」である早明浦ダムのあり方といったものは、やはり日本の最新の知見、今、長安口ダムを始めとして、ここもダムを湛水しながらダムサイトを切るという世界初のことをやっている訳なんですけれどね。こうした日本の技術の粋を集めて、やはりそのあり方をこの早明浦、あるいは長安口ダムとこうしたところで実証していくべきだと私も考えておりますんでね。国がそうした場を設け、そして検討を進めていこうと。当然徳島においても、しっかりと対応したい。
 ただ、徳島としては、やはり吉野川の災害というのは、過去から洪水を始めとして被害を受けるのは徳島がほとんどなんですよね。他の皆さん方は常に利水を考える。でも我々はまず、治水あっての利水ということを忘れないでもらいたいと。まだ決して治水が完全に出来上がってる訳じゃないんですよね。今も堤防作ってる最中な訳ですから。あるいはそこへ流れ込んでいく、内水対策といったものもまだ完全ではない。
 こうしたものを、しっかりとやり遂げていただいた上で、治水の上に利水が成り立つんだと。この概念を四国4県、そして国のほうと共有してもらいたいと。これがまず我々の議論のスタート点であるということでね。ここは県議会の皆さん方も、全面的なバックアップ、また新しい条例を作っていこうということも、今、行っておりますんでね。徳島としても、これはいい機会ではないか。この治水のあり方、徳島がどれだけ犠牲の上に、四国4県の水がめが成り立っているのか、吉野川があるのか、こうしたものを関係する皆さん方に理解をしていただく絶好の機会とこのようにも考えています。

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