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平成28年9月5日 定例記者会見 項目別

「平成28年度徳島県総合防災訓練」について(質疑)

(徳島新聞社)
 徳島新聞です。総合防災訓練で阿南市と美波町の福祉避難所の訓練について、終わった後の総括的なものを。

(知事)
 実は、今回の9月の1日、防災の日の「徳島県総合防災訓練」は、二つの教訓、これをしっかりと、我々の知見、血肉にしていこうということをまずうたって行いました。
 その一つが、今、ご質問をいただいた「福祉避難所」のあり方と。実は、これは熊本地震から得た教訓と。実は、熊本県も福祉避難所を用意をしていた訳なんですが、そこに一般の避難者の人たちが押しかけてしまったという形で、本来福祉的なケアが必要となる皆さん方が、十分にそこでケアしてもらうことが出来なかったということなんですね。
 また、一気に人が来られて、これに対して市町村の役場の職員の皆さん方が対応したりしたものですから、やはり公務員に対して避難をしてきた人っていうのは、一方的にそこは要求モードになるんですね。やはり、避難所の運用の一番重要なのは、そこに自治会を作る、そして自主的な運営をしていく。お互い様だからと、少しずつお互いが我慢をしながらも協力をしあっていくと。これがいざ発災となったときの重要な点なんですね。
 そこが、公務員が全部張り付いてしまう、それによって本来公務員の皆さん方がやらなければいけない物資の搬送であるとか、どういった物資が足りないという調査、またそのオーダー、これが全く出来なくなって、物資供給もままならなくなったというのが、今回の熊本県での大きな教訓となったんですね。
 ということで、今回の福祉避難所、そのあり方といったものを、しっかりと徳島として検証していこうと。
 もう一つは、東日本大震災の教訓。仙台港に東北一円の製油所が全て集中をしていて、私も発災から10日後に仙台港行きましたが、まさにゴジラが暴れたような状況になっていまして、この世のものとは思えないですね。全く手つかずでありましたし、どうやってこれ復興するんだろうと。そうした状況となり、ガソリンを始めとする燃料が宮城県はもとより東北エリア一円に渡らなくなったということなんですね。我々も当時山形から入った訳なんですが、山形県内においてもガソリンスタンドに長蛇の列。お聞きをすると、もう二日、三日並んでいてもなかなかもらえないんですよと。仙台はそれよりもひどい状況となった訳でありますので、そうしたものを想定をして、ガソリンを始めとする燃料を輸送をする、自衛隊などの皆さん方と協力して、どうやって対応するのか。この二つを教訓として、行ったところであります。
 そしてご質問の福祉避難所、これは2か所の施設、阿南市と美波町の施設、ともにその対応というものを拝見をさせていただきました。
 特に、阿南の施設では、最初にどどどどどっと一般の皆さん方がまず押しかけてくる。その皆さま方を一旦は収容をして、その皆さん方の体調なども全部ケアをして、その中で逆に福祉避難所としてそこに居続けてもらう必要のある人、あるいは医療的な措置が必要になる人はそちらの方へと。そして落ち着いた後には一般避難者の皆さん方は、その施設の職員あるいは阿南市の職員が迎えに来て、一般避難所のほうに誘導をすると。こうしたものを時系列にずっとやっていただきまして、つぶさに拝見をさせていただきました。
 そして、まず一般の皆さん方が引いた後に、今度は市のほうから本来福祉避難所として、そこに収容してもらう必要のある人たち、事前に定数を登録しています。そこの場合は20(名)という前提だったんですが、当然市役所のほうから20名予定されているんで送らせていただくと。ところが、そこには既に一般避難者の中で福祉的ケアの必要な人たちが、3名おられて既に3名入っておられるんですよね。また、近場でどうしてもそうしたもの必要になるということで、それらの部分がもう既に埋まり、結果として10人、この部分を市役所のほうから受入れ可能という形で、その問いに対してお応えを返すと。で、今度は市役所のほうから実際に運ばれてきて、そうした皆さん方をベットへ。また、症状によっては個室へと、こうした一連の対応を拝見をいたしました。
 また、美波町の施設のほうでは、福祉避難所としてもう実際に入った皆さん方に、どういった状況で避難をして、あるいは避難所生活をしていただくのか、様々な器具、これを工夫をして使っておられました。例えば段ボールを上手く活用しての段ボールベット、またそうしたところにどうソファーを入れていくのかとか、クッションを入れていくのかとか。また、その皆さん方にも今度は食事の提供ですね。実際に私も食事いっしょに取らせていただいた訳ですけれどね。
 こうした形で、福祉避難所のあり方、熊本を、あれを再現をする形で、しっかりとこれが機能する形でやっていこうと。またそうしたものの中に、新たな色々な課題、これも見えてきたところでもありましたので、こうしたものをしっかりと咀嚼(そしゃく)をさせていただきまして、福祉避難所、これがちゃんと機能するように、そして全県下でこうしたものについても対応が可能になるような形で、もちろんマニュアルづくりであるとか、あるいは様々な点での防災訓練に生かしていただく、こうした形で対応を行っていきたいと考えています。以上です。

(徳島新聞社)
 その点で、福祉避難所の職員や自治体の人は福祉避難所と言う言葉は浸透してきているんですけれども、一般の県民の方はまだまだ浸透してないと思いますが、その点についての今後の取組などは。

(知事)
 はい。これはもうおっしゃるとおりなんですね。福祉避難所の概念ていうのは、後々で出てきたものですので。ただ、今回の熊本地震を通じて、福祉避難所が機能しなかった、これは実はマスコミの皆さん方がかなり報道していただけた。また、今回の総合防災訓練でも、それをテーマに上げたということで、報道の皆さん方がこれも多く、実は報道していただいたところでありますので、かなり浸透してきたんではないのかなと。我々ももっともっとそうした点について、例えば福祉関係の団体の皆さんであるとか、あるいは自主防災組織の皆さんであるとか、こうした皆さん方により広げていこうと。
 その意味でのマニュアル化であるとか、あるいはそうした日々の訓練ですね。こうしたところのやり方、こうしたものの標準化といったものも出来ればなとこのように考えています。

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