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平成28年11月14日 定例記者会見 項目別

消滅集落について(質疑)

(NHK)
 消滅集落のお話ですけど、12集落消滅するという話で、知事の感想と言いますか、分析と言いますかお願いします。

(知事)
 元々のデータは国土交通省と総務省が合同実施をした、過疎地域等条件不利地域における集落の現況把握調査ということで、平成27年の4月現在で行われたもの、9月21日に公表となった。
 ということで、この対象となってくるのが、県内だといわゆる過疎地域等に指定をされている15市町村、全部で集落の数は1,691集落ある訳なんですが、前回平成22年の調査、つまり5年前ってことですよね。この5年間で、無居住化となった集落がどのくらいあるんだっていうのが今回のこの話ということになります。
 それが12集落あったということなんですね。少し内訳を言っていくと、つるぎ町が6つ、三好市が3つ、美馬市が2つ、神山町が1つ、合わせて12集落ということです。これはもう実際住まなくなった所。これ以外に、無居住の可能性がある集落、こちらが1,691集落のうち328集落ということで、19.4%になったと。
 平成22年の時に比べると、前回8.6%でしたから、これ差し引くと10.8%の増。ということで、確かに人が住まなくなった。それはもう日本全体が人口減少になってきているところでね。何と言っても27年、昨年には国勢調査が行われて、大阪までも人口減少に、調査開始以来初となる訳でありますので、こうした傾向は確かにあるなと。で、こうしたトレンドがもう既に想定されていたので、我々としては地方創生にしっかりと取り組んで行く。また、市町村の取組に対してしっかりと応援をしていく。こうした形で進めて行くということになります。
 いうことで、ただ暗い話ばっかりではなくて、明るい話ということで、じゃあそうした集落の中で、どんどん人が減る、人が住まなくなる、逆に人が転入してくるといった点については、全国では40.0%しかないもの、つまり半分はいない訳ですよね。ところが、徳島では60.1%、6割以上ということになっていまして、そうした意味ではサテライトオフィスをはじめ、地方創生、様々なね、取り組みといったものが、実を結んできているんではないか。サテライトオフィスにつきましても、(平成)24年の3月スタートを切って、当時は神山町、美波町そして三好市と3市町だけだったものが、今では9市町にこれが広がる。徳島24市町村ありますからね。そこが9市町まで広がって、なんと会社の数41社と。ここはやはり大きなポイントとなってくる。
 また、こうした中で様々に徳島の名前が打ち出されていく。消費者庁の徳島移転といった点についてもそうでありますが、そのお陰もあって、多くの皆さん方、例えばつい先般は南部圏域の移動知事室だったんですけどね。例えば海陽町のきゅうりタウン、あるいは山武者の皆さん方、那賀町の林業ですね、農業と。こうしたところでも、やはり県外の皆さん方が入ってくる。
 特に那賀町、森林クリエイト科、那賀高校ですね。4月からスタートしたんですが、この生徒さんとも一緒に対話をさせてもらいましたが、淡路島からもね、三原中学校から2人、その話した中だけでもですよ、来られてる。で、そこも先生の方から「こんな所あるけどどう思う。」って言われて、「行きたい。」、そして来たということでしてね。
 やはり、そうした第一次産業に対して徳島の魅力を感じて来ていただける。もちろん従来と全く同じということではなくて、今は林業の場も高性能林業機械、機械いじりが自分たちは好きだ、だから林業をやりたい、子どもたちはこうなんですね。ドローンも使える。ドローンサークル誕生。那賀高に入りたいってね。
 きゅうりタウンの方もね、今はスマート施設園芸ということで、匠の技、これはきゅうり作りのプロと、そして施設園芸、世界最先端オランダの施設園芸と、これらを組み合わせ、IoTなども活用してね、最先端の環境の中で、そしてきゅうりを作り、さらにはサーフィンをやる。半農業半X(エックス)ってね。このXの中には自己知見を図るものをどんどんやると。埼玉であったり、あるいはお隣の香川であったり、県外からも若い人たちがきゅうり作りに来る。こうしたものが、この流れの中に出てくる。
 ですから、今回の国土交通省と総務省の調査、これはもう当然のトレンドと。そうしたものの中で、この流れに対してさあどうするのかというのが地方創生。そして平成28年度はまさに本格展開の年ということでありますのでね、我々としてはいかに1人でも多くの転入者の皆さん方、そして第一次産業を始めとして、新しい成長産業、こうしたものを徳島の強みの中で生かしていくと。ぜひこれからも取り組んでいきたい、このように考えています。

(NHK)
 消滅していくのは仕方が無いっていうのも変ですけれども、感傷的なものもあると思うんですけれども、そこらへん知事はどう思われ、そういった無くなっていくのが寂しいという人がいるのをどう思うか、いかがでしょうか。

(知事)
 ただ、この地方創生という施策がスタートする前の日本はどうだったのか。もっと言うと、昭和の時代ね。で、高度成長期を終えて、バブルが崩壊をして、やはり若者がどんどん大都市部へ出てっちゃうという中で、もうその集落保たないから、みんなその近場の都市部へ下りてきてよと。だいたいそういう施策を執ってきたんですよね。例えば日本創成会議の中でも人口ダムを作ろうと。だから全部が大都市部に流れるんじゃなくて、中小都市の所に人口、人ダムと称してね、そこでそういう集落から集めましょうと。そうすることによって、少しでも利便性が高まるじゃないの、人の数が多くなればという対策を執ってきたんですね。今もそうしたことをしようって話もあるじゃないですか。
 だから、国策として逆に言うと、そういう集落からより効率よくしていこうという話が動いているんですよね。でも我々としては本当にそうなのと。私は逆にそれに異を唱えて、その集落ならではの良さ、またそこに人の手が加わらない事によって荒れてしまうんですよね。そうすると、国土の色々な崩壊ですよね、災害につながるとか、あるいはその野生の動物ですね、そうしたものが行き場を失ってどんどんどんどん、今徳島市内にだって来る訳ですからね。そうした対策を考えると、やはり昔から脈々とそこで人の営みがあった場所、そうしたものは逆に日本の原風景ってことで、様々な魅力を発信しようと。
 例えばつい先般、農林水産省が認定した「食と農の景勝地」。これについても全国5地域だけが選ばれて、5地域あって東日本が4、で西日本が1。で、その1が、「そらの郷」の皆さんが提案をした「にし阿波」なんですよね。でもここはさっき申し上げたように、限界集落。何と言っても、消滅したところ12集落ある中で、つるぎ、三好そして美馬ですからね、東みよし以外は全部そう。あとは神山1だけですから。そういった所が逆に景勝地として、ここは何かと言うとインバウンドで海外の皆さん方にぜひ訪れてもらいたい所。そうした皆さん方が、魅力を感じるであろうという場所、ということで、審査の中で選ばれた訳ですから、逆にそうしたところこそ、魅力があるということなんですよね。
 ですから我々としては、それを維持しようということよりも、そこが魅力のあるところだという発信をして、じゃあそういう所に住んで自己実現したいという皆さま方、あるいは海外からインバウンドでそういう所訪れたいということになると、そこに観光であったり、物販であったり、飲食であったり、新たな業が生まれてくる訳なんですよね。神山町にもフランス料理店が出来る訳なんですから。そうした形を、我々としてはどんどん進めたい。若干国の方向とは違う訳ですけれどね。頑張っていきたいと思っています。

(NHK)
 人口のダムということには、知事としては納得してないというか。

(知事)
 そうです。都市部にどんどん人を集めてコンパクトシティ、確かにこれは施策としてはあるんですね。高齢者の皆さま方がそうする、これは確かにあるかも知れない。介護、ケア、こうしたものもありますんで。
 しかし、その皆さん方が長年築いてきた所を、簡単に放棄していいということではないんでないか。その皆さん方が営々として築いてきたその地域の文化であったり、あるいは食であったりそうしたもの、また景観、守ってきてくれた景観、これはやっぱり魅力のあるものとして、どんどん、例えば4K映像にしてもそうですけれどね。撮って流して、4K映画祭、神山町のほうで11月にやりますけれどね。だから、PRやっぱり足りてないんじゃないのかな。もうそういう所はダメだ、無理だっていうのが先に立っちゃう。
これいいじゃないって何で思わない。私だったら、そうした意味ではちょっと天邪鬼なのかもしれませんけどね。人がダメって言ったらそんなことないよって。人がいいってい言ったらその逆って言うかもしれないけどね。そうした意味では、徳島としてはこの時代に逆行するからこそ、地方創生の旗手・徳島と呼ばれると。1億総活躍のモデルだと。テレワークの発祥の地だと。このように呼ばれるようになると。
 やはりもっともっと、これから若い世代の皆さん方も、中堅の皆さん方も、「何ていうホラ吹くんだ。」ってこう言われるようなね、「ビックマウスか。」なんて言われる。逆に、何か日本自体が萎縮して、何か夢語ったり、大きいこと語ると、「何を今言ってるんだ。」とね、すぐ皆で叩かれちゃう。だから言わないとかね。そうじゃなくて、今こそやっぱり皆が言うべきだと思うんですよね。そして出来るんだったらその、ホラだなんて言われるんじゃなくて、大ボラだって言われるくらいのことをどうして言えないのって。で、言っちゃった以上は、やらなきゃんない訳だから、やる努力ね。
 だって私の言ってきたことって当時は、「何をアホなこと言ってんだよ、知事は。」ってね。ヴォルティスの時もそうだったし、本四高速の料金そうだし、第十堰の可動堰問題もそう、当時ボロクソ言われたじゃないですか、皆に。でも、今になって皆「そうじゃそうじゃ。」って、ねえ。だから新幹線出来るんだって若い子までもう言う時代になってる訳なんでね。もっともっと言ってもらいたいなって。出来れば徳島はね、狸発祥の地なんだから、大ボラ狸くらいね皆が言えば、あっこにも大ボラ狸、ここにも大ボラ狸って、いやあ私もかってねえ。そういう風にならないと、ダメなんじゃないかな。やっぱちょっとシュリンクしすぎ。
 ただそれから見るとね、トランプ、スーパー大ボラ狸じゃない、ねえ。ほんとに出来るんか、でも皆は期待を寄せる訳ですよ、それに。だから株価は上がるし、ドルが上がって円が安くなるってのはそういうことだと思うんですよね。今こそ、もっともっと皆が、トランプになるのか、大ボラ狸になるのか、それぞれの選択肢ですけれどね。そういう時代、なってくんじゃないかと思いますけどね。

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