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(時事通信社)
先日、日本老年学会とかそういった学会の方達が高齢者の年齢の定義を65(歳)と言われているのを75(歳)にしてはどうかという提言をされていたんですけども、まずその点についての受け止めをお伺いしたいなと。場合によっては県としてですね、そういった統計であったり施策のターゲット、そういった年齢にしていくということも可能だと思うんですけども。何かお考えがあれば教えてください。
(知事)
はい。まあ日本老年学会の皆さん方がね、やはりこれだけ日本長寿になって、そしてお元気な人が多いと。で、自治体でも生涯現役、こうしたものを打ち出すところがどんどん出てきているということを考えると、今の高齢者の定義、変えた方が良いんじゃ無いかと。
実は、例えば老人クラブ連合会で必ず言われるのが、「いやあ、入ってくれないんですよ」と。つまり65歳になって「はい、あなたおめでとうございます、高齢者です」と、「老人クラブどうぞ入ってください」って言うと「いや、私老人じゃない」って。こう言われちゃうんですっていう話なんですね。
だからそうした点を考えると、やはりこの国民の皆さんの意識、高齢者とかね、あるいはお年寄りと呼ばれる、ものすごい嫌がるんですよ。「ほんなんお年寄りじゃない」って「元気だ」と、いや確かに元気なんですよね。こうした点を考えると、確かにその定義を変えていくと。で、ここのところの定義を変えると、実は若い皆さん方でね、今、有権者、その年齢18(歳)に下げたじゃないですか。これをするとすぐに起こってくるのが、じゃ成年としてね、どう考えていくんだということで、成人年齢ですよね。だから刑法犯から始まって様々な点が、あるいは責任問題とかこうあって、付属してくるんですよね。で、今回もこの65歳、確かにもう今65歳が高齢者だという時代ではなくなってきていることを考えると、変えていかなければならない。
でも、必ずまず真っ先に出てくるのが、生産年齢人口ね。これは今15歳から64歳となっている。つまり65歳以上の人たちは、本当の意味ではこの国として様々な業に携わるということになってないところなんですよね。でも現に働いておられるんですよ、70(歳)ぐらいまで。いろどりのお母さん達なんてもっと上。ねえ、まさに生涯現役でやっておられる訳なんで、そうした点、実は徳島としては高齢化がどんどん進む、でも元気な高齢者の皆さん方が多い、生涯現役だという中で、もう長年に渡って国、特に厚生労働省には生産年齢人口を変えた方がいいんじゃないかと。それから高齢者の定義、これも変えるべきだと、ずっと言ってきたんですよ。
確かに一つの危惧として、年金の問題があるんですよね。つまり今、年金がかつては60から貰えたものが、いよいよこの4月から62歳からしか貰えない。つまり60、61歳って無年金になって働かないと困るんですよね。で、最終的にはこれを2年、2年で飛ばしていって、65歳支給ということにしようと。まあ確かに生産年齢人口からいくと数は合うんですけどね。だから、それが今度逆に高齢者の定義を65(歳)から仮に70(歳)とか、75(歳)っていうと年金の支給がそこまで延ばされちゃうんじゃないかと、待たされちゃうんじゃないかと、こうした危惧も実はあるんですよね。だからそうしたところをどう切り分けていくのか。色んなこう形があるんですよね。生産年齢人口をどうするのか、年金の問題どうするのかとか、そうしたものを綺麗にやはり整理をしないと。ただ単に高齢者の定義を今元気だから75歳以上にしようとか、そんな簡単な問題じゃこれ無いということなんですね。
もちろん法律で定めていく必要がありますのでね。あらゆるこの日本という国の社会構造、ここの根幹に関わる「高齢者とはいったい何歳からか」というのはこれありますのでね。まあ恐らく、学会というところはまず最初にその兆し、兆候に対しての理論を作っていただいて発表いただくということですので、まずキックオフになったんだと、いうことかと思っていますんでね。これからまず生産年齢人口のあり方、ただ生涯現役というんであれば年金の問題どうしていくのか、医療費の問題どうしていくのか。ちょうど国民健康保険が平成30年から保険者、こちらが市町村から都道府県になっていくと。もちろん「後期高齢者」って言葉がね、ちょっとね、問題になってるんだけど。
この後期高齢者の皆さん方、75歳以上を対象とするこの医療保険っていうのはまた別段になるんですけどね。そうした点についての全体のこの社会福祉、あるいは経済、労働あらゆる面についていよいよ考え直していく、そうしたキックオフ、これが老年学会の皆さん方がそのトリガーを引かれたと、まずはこのように考えています。