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平成29年1月16日 定例記者会見 項目別

県内の直下型地震の震度予測について(質疑)

(四国放送)
 四国放送です。明日、阪神淡路大震災から22年たちますが、県内での直下型地震での震度予想の発表のめどなどが出ていれば教えていただけますか。

(知事)
 いよいよ、阪神淡路大震災から22年目を迎えることとなります。当時、私も自治省にいましたけれど、神戸の皆さん方ちょうどその1か月前ぐらいから、どういう訳か神戸は地震が無いんだよ、こうした話をよく言われていたんですね。ちょうど年末だったんですかね。あ、そうなのかなと。もう100年以上全然無いんだというお話がありまして、神戸は地震が無いところなんだと、こういう意識を持っていたところが、年が明けて1月17日に、あの直下型地震。5時47分ですよね、起こる訳でありまして。その後は私も消防庁長官付きになって、第一線でこの対応に当たるというね、そうした意味では非常に思い出深い、この阪神淡路大震災。
 その後は、関西広域連合を立ち上げ、東日本大震災、千年に1度の大震災において、カウンターパートというね、被災地を応援をする県を決めて徹底的に応援をする。徳島県は兵庫県、鳥取県と共に1番被害の大きい宮城県の応援をする。しかも、これを取り決めたのが、3月11日から2日後となる3月13日の日曜日。関西広域連合はその前の年の12月に初めて発足したばかりであったんですがね。ちょうど広域防災を兵庫県が担うということで、神戸市に関係する知事が集まりまして、ちょうどこの時、鳥取県はパーシャル(部分参加)ということで、広域防災に加わっていなかった。でも代理で企画部長さんが知事さんの代わりにおられましてね、そこでこのカウンターパート制度を取り決めということになった訳でありました。
 そうした点を考えると、多くの原点がこの阪神淡路大震災にあると言っても過言ではない。
 しかも、もう1つ重要なのは、神戸が言ったことというのは、その後熊本でも同じことが言われるんですね、熊本は地震が無いんだよと。熊本県は実は地震に対しての様々な計画であるとか、あるいは受援計画、地震が起こって応援をしてもらうその受入れと、こうした計画ができていなかったんですね。地震が無いということだった訳でありまして、300年近くあそこは地震が無かったと。もっと言うと300年前には地震があったんですよね。
 ということで、この直下型地震は多くの学者の皆さん方が発生確率は低い。ただ、起こると大変だと。これはもう阪神淡路でもわかりますし、昨年の4月の熊本地震、また10月の鳥取中部地震と見れば、いかに活断層型直下型地震の破壊力がすごいかというものを、まざまざと我々は実感をさせられた。私としては、阪神淡路この最前線で指揮を執ることとなったそうした経験から、直下型地震、確かに発生確率は低いんだが起こると大変だと。 こうした観点から、実は東日本大震災発災を受けまして、徳島は全国でも直ちに、当時南海トラフというよりも三連動と言われてね、その後南海トラフと言われる訳なんですが、これに対しての被害想定、これを作らんといかんのじゃないかと。浸水想定がまず要るよね。で、国の方にこれを申し上げたところ、いやもうそれどころじゃないと。今、東日本大震災のその発生メカニズムであるとか、その後の対策これを考えないといけないと。とてもとても、そんな三連動対策に対しては、対応できないと。このように言われてしまったんですね。
 しかし、多くの学者の皆さんが、次は三連動地震だ、今の言うところの南海トラフだと、このように言われていた訳ですから、当然、まず避難所を設定をする市町村長の皆さん方、あるいは地域住民の皆さんにとってみると、どうなるんだと。あの津波がもし徳島に来たらどうするんだと、こうしたことがあったんですね。
 そこで、当時の徳島大学の村上教授にお願いをいたしまして、この地震動の被害想定であるとか浸水想定、これに取りかかったところでありました。
 こうした中で、いわゆる南海トラフ巨大地震の津波の浸水想定をはじめ被害想定、震度分布、こうしたものは出来上がったんですね。後に、国の方もこれが年を明けて平成24年の3月に国も出してくることになって、県としては暫定的なものを確定値にこれをやり替えるということになったんですね。
 それと同時にもう1つ重要だったのが、これは宮城県の村井知事さんが言った重い言葉だったんですね。我々は歴史に学んでいなかった、これはどういうことかというと、実は私も発災からちょうど10日目、平成23年3月20日に宮城県に行き、村井知事さんに応援の話をこうさせていただいた訳なんですけどね。その時村井知事さんが、ぜひこのポイントに行ってほしいと言われたのが、仙台東部道路。ちょうど名取川そして仙台空港、この2つの津波が飲み込んでいって、仙台東部道路でぶつかって、そして海へ行った。そのポイントに立ってほしいと。それは行ってみたらもうすぐわかりましたね。もちろん高速道路ガタガタ、徳島ナンバーの4駆の車でもちろん行った訳なんですが。
 その時に海の側を見た時に、もう仙台空港だけが見えてあとはもうこっち名取川があるんですけどね、何にも無い。実はそこには住宅が密集をし、田畑があり、あるいは学校が工場が病院があったところですよね。みんな飲み込まれて何にも無い。潮だまりのクレーターだけということでね。実はかつてから宮城県はじめ東北、特に三陸地方というのは津波が来るということで、碑があったんですね。絶対にここから海の所には家建てるな、住むな、そうしたことが書かれていたにもかかわらず、そんな状況になってみな飲み込まれた。
 実は、これ徳島においても同様のことなんですよね。徳島も県南地域に行くと、そうした碑があり、あるいはお地蔵さんがある。もちろん吉野川流域にも高地蔵というね、吉野川が氾濫するということを示す、お地蔵さんが高いところにある。
 こうしたことから、実は国土交通省の皆さん方が、平成23年の末、「津波防災地域づくり法」を作って、この中で津波災害警戒区域、イエローゾーンと。ここには津波が来るぞ、日頃から防災訓練しないといけないとか、あるいは浸水想定作らないといけない、こうしたことを定める、これを知事が定めることができる、とこうしてあったんですね。できる規定。でも徳島では必ず次が来ると言われていた訳でありますので、村井知事さんとも話をして、まずは宮城県がこれを作ると。イエローゾーンですね。そしてその次に、宮城県だけにしないで欲しいと。じゃあ、うちが次来ると言われているんだから、徳島県としても最大限に努力をして、このイエローゾーン作るようにしようと村井知事さんとも話をした。
 そうした中で、この学識者の皆様方が様々な角度から検討いただいて、イエローゾーンの点。あるいは、この時に出てきたのがもう一つあるよねと。中央構造線活断層帯、日本でも最大級のもの。これが動く確率というのは1%未満、低いと。でも動いたら大変だから、これについても県民の皆さんに知らせるべきではないかと。ここは喧々諤々(けんけんがくがく)があったんですね。イエローゾーンを指定をするだけで、その指定をされた所の地価は当然下がる訳でありますし、このそれに加えて中央構造線の所もね、吉野川北岸、これを指定すると、ここも当然のことながら地価に影響はすると。だから特にイエローゾーンについては、法律の中で市町村長の同意を求めていかないといけないんですよね。当然市町村長さんは、そのエリアの住民の皆さん方に諮ることになる訳で、大変これは至難の業とも言われていたんですね。
 しかし、徳島県民の皆さん方の意識は非常に高かった。早く浸水想定を出してくれ、避難所大丈夫なのか、うちの工場大丈夫か、いや高台に逃れるんだったらうちの屋上使ってくれ、官民挙げてこうした意識が平成24年、特に新年の時に起こったんですね。
 ということで、実は平成24年ちょうど12月21日、この12月21日何の日か、これは言うまでもなく昭和南海地震発生の日と。県民の皆さん方にもう一度これを忘れないで欲しいなということで、県議会の皆様方のご了解をいただく中で、「震災に強い社会づくり条例」、これを制定したんですね。
 そしてこの中で、2つ決めました。1つは、このイエローゾーン、この指定を知事はしなければいけない。知事を追い込む形にしたんですね。知事って私のことなんですけどね。それともうひとつ、これが中央構造線の活断層帯の明示をしようということになりまして、中央構造線活断層帯は、鳴門から三好まで40m幅で、しかもここには建築規制、この上に大規模な集客施設を作る、あるいは危険物を貯蔵する施設を作るっていう場合には、必ず活断層の調査をしてその直上を避けていただくという土地利用規制、これを行ったんですね。
 その後、鳴門渦潮高校がね、これにかかることになり、県としてもそこをずらして建てると。こうしたことから、その後新しい建物が、この今言うような建物がここに建ったということがなく、あるいはそこからなるべく公共施設は外していこうという動きが逆に出たということになりました。
 そして、平成25年8月30日にこの活断層帯、これを指定をしたんですね。そして、その翌年の平成26年3月11日、東日本大震災を忘れないようにと、ここでイエローゾーンの指定を全国初、行うこととなりました。
 その後なかなか徳島に続いてきてくれるところがいなかった訳でありますが、今では山口県であるとか、和歌山県の一部、静岡県の一部というところが出てきたところとなりまして、その先駆けをしたということなんですね。
 と、いうことで徳島としてはこの活断層帯これもしっかりとカバーをしなければという対策はしてきた訳ですが、今ご質問のあった震度分布であるとか、被害想定はさすがにしていなかったんですね。そこで熊本が起こって、更には鳥取が起こるということがありましたので、これはしっかりと、やはり被害想定と震度分布。まずは震度分布から。いったい県内、これが動くとどのくらいの震度分布になるのか。震度7はどこで、震度6弱はどこなんだと、こうしたものをまず今年の3月末までに策定をして、公表したいと考えています。
 それともう1つ、被害想定。これは少し時間がかかるということで、今年の8月末までには何とか策定をして公表をしたいと、このように考えております。
 今、検討委員会の方で、鋭意進めていただいているところではあるんですけれどね。やはり、この中央構造線だけでいいんだろうかとか様々な議論もいただいているところでありますので、全体をしっかりと把握をする中で、まず震度分布は3月末まで、そして被害想定を8月末までに何とか出していければとこのように考えています。以上です。

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