文字サイズ

やさしいブラウザ・クラウド版はこちらからご利用下さい

平成29年1月23日 定例記者会見 項目別

トランプ大統領の就任について(質疑)

(四国放送)
 アメリカのトランプ新大統領の就任をどのように受け止めていらっしゃいますか。

(知事)
 いよいよ世界の耳目を集める第45代アメリカトランプ大統領が、1月20日誕生となったところでね、アメリカ国内はもとより、世界中に大きな衝撃が今、走ってるところです。
 なんと言ってもトランプ大統領、初めてづくしといった点が多々あります。例えば一期目就任の大統領としては1番年齢が高い、70歳ということ。また、軍務経験あるいは政治行政経験が全くない、初の大統領ということなんですね。そして普通は就任祝賀会、いわゆる就任式ですよね。あるいはそうしたパレードの時というのは、アメリカ全土を挙げて祝福の嵐というのが従来なんですね。しかし、ここもトランプさんならではですよね、祝福というよりも全米であるいは世界中でデモが起こるというね、これもなかなか異例のこと。支持率40%のスタートといった点でもね。アメリカの世界の世論を全く2分をしてしまっていると。
 そして、その就任式でのご挨拶ですよね。所信表明といいますかね。ここもわかりやすいといえばわかりやすいですよね「アメリカファースト」なんだと。グローバル化から保護主義へ、アメリカ第一主義へと大きな転換だと。そしてわかりやすく言われましたね。とにかく自分として目立つ政策の方向は、アメリカの製品を買ってもらうことだ。アメリカ人の雇用をすることだと、この2点だとこういうことなんですね。あらゆるものがここからスタートをする、で、真っ先にやり玉に上げられたのがTPPですね。この離脱もうこれを署名をされました。
 またもう1つは、オバマ大統領がその1つの目玉、そして日本を見習ってくれた国民皆保険に近づけるオバマケア、こちらについてもこれはおかしいということで、こちらも真っ先に署名をして方向転換。そうした意味では、全く今までの価値概念これを打ち砕いて新しい価値概念を導き出そうと。いったいどういう方向でこれからいくのかと。そしてその外交姿勢もね、既に発表がなされました。
 EUから離脱を表明をしたイギリス、こことがまず最初の首脳会談の相手方として選んだ。これでもわかるように、世界のグローバル経済へ向かう方向性をアメリカ発という形でそれぞれの保護主義、国内第一主義へ転換をしようと。これは当然のことながらEU各諸国では大きな衝撃をもって受け止められてるんですね。各保護主義を掲げている、そうした各国の政党の党首たちが次は我々の番だということでね。ちょうど今年は、アメリカそして今度はとうとうヨーロッパEU諸国、オランダから始まってフランスの大統領選、ドイツの総選挙と立て続けにある。もうイタリアは既に保護主義に転換をしたところでありますんでね。
 そうしたことを考えていくと、まさに丁酉(ひのととり)の年、この干支が表すこれまでの価値概念が、新しい価値概念によって打ち砕かれると。そして、歴史的にこの日を、この年を振り返ってみたときには、大きな歴史の転換点、特異点となる。これがもう年初からスタートを切ったということでね、
 その意味では日本中のマスコミの皆さん、国民の皆さんの最大の関心も、いったい日米関係はどうなってくるのか。例えば、まずは防衛戦略が大きく変わるんじゃないか、既に言われているんですよね。とにかく世界の警察(を担うこと)をアメリカはやめるんだということでね。
 しかし、一方で軍備を減らすのかと思ったらそうじゃないと。アメリカの軍備が世界で1番強いんだ、その強権でもってねじ伏せると、こうした点を実は表明をしているんですね。ですからそうしたことを考えると、日本にかけているアメリカの防衛費これをほんとにもう引き上げてしまって、それをアメリカ国内の防衛費に充ててくるということですから、そうなってくると当然のことながら日本の防衛費、これもこれからは右肩上がりというか、今年度中に補正をしなきゃならないのかなと。
 これは、大変アメリカ大統領選の時から危惧されていたところで、安倍総理も昨年中にね電撃的にトランプ大統領がまだ大統領予定者であった時に、訪ねるという戦略をとられたのも、そうした危惧からではないかと思う訳でありますんでね。こうしたスピード感、そしてなんとしても日本のあらゆる機関、その情報力、これによって、いったいアメリカの大統領がどういう方向で、また発言をすることが本当にそのとおりなのか、額面どおりなのか、いやそれは1つのブラフであって本当の狙いは違うところにあるんじゃないかと。
 特にその点については、既に言われているんですね。中国戦略です。とにかく貿易赤字これを1つの例として、中国をまず名指しで、そして次に日本メキシコとこうきたんですね。そして貿易赤字、これをなんとしてでも解消しなければいけないんだと。アメリカの富がどんどん世界に流れてしまっているこういうことで、そして中国を徹底的にこの貿易経済問題で叩く。その一方、軍備の点こうした点についても圧力をかける。しかし、もし経済がうまくいったら軍備のほう、これはもう引くんじゃないかと。
 こうした点が、今言う、実際に言っていることと本当の狙いの所が違うんじゃないかとかですね。様々な点が言われる大統領だけに、あともう1つポイントとなるのは、各閣僚が、これはヒアリングをそれぞれ議会から受ける訳なんですけれどね、その時で言われていることと、トランプ大統領が就任前に言っていることと、必ずしも一致をしていないということなんですね。非常にここは常識的なこうした発言が相次いだ訳でありまして。
 じゃあ、この閣僚と大統領を結ぶ所がいったい誰なんだと、1番のキーパーソン誰なんだと。これはペンス副大統領ということになるということなんですね。この人はインディアナ州の元知事、下院議員でもあった訳でありましてね、57歳。そうした意味では、若さといった点でもトランプ大統領と閣僚との間をつなぐ、おそらくこの方がキーパーソンになる。万が一トランプ大統領が何かの形で、例えば辞めたとか、あるいは万が一のことがあった場合には、この方が実は大統領になるんですよね。そうした点を考えていくと、この方とどう気脈を通じていくのか、こうした点も大きなポイントになってくるんではないか。
 アメリカの大統領というのは歴代見てもわかるように、ブッシュ親子ですね、あるいはクリントン大統領とか、カーターさんとかいましたよね。こうした皆さん方ほとんど知事なんですよね。州知事から大統領になる。なんといっても州知事のときに50分の1分割統治をする訳で、その時の手腕といったものが徹底的に調べられるんですよね、それは当然マスコミに出る訳ですから。そうしたものが実は大統領選を長くしているっていう話があった。でも、内政だけじゃだめだと。やっぱり外交あるいは軍事、こうした点でも活躍する大統領がいるっていうと、今度は上院議員からね、オバマ大統領が登場すると。
 アメリカの場合には非常にその国のトップ、それぞれの課題に応じる形で選べる、候補者が出るということで、その意味では今回は確かに「経済」というのがあったのかもしれませんけどね。あるいは国内の白人の皆さん方で、どちらかというと中流階級あるいはそれ以下の皆さん方の不満が非常に高まっていた。でもこうしたものがマスコミを通じてはなかなか出ては来なかったと。こうした声に応えるということも、これあった訳でしてね。その分今までどちらかというと引き上げられてきた非白人の皆さんであるとか。
 あるいはレディファーストという名、これは実は女性を蔑視をするから、逆にちゃんとレディーファーストしなきゃいけないんだとこうしたことをよく言われるんですけれどね。男性至上主義であった。それを大きく変えて女性の皆さん方の進出、こうしたものをどんどん押していったと。この価値観をこうひっくり返すみたいなイメージがこれありましてね。こうした皆さん方が中心となってあとは若者ですよね。大きなデモが全米で、あるいは世界で起こったということもその象徴と。
そうした意味では、確かにこれまでの価値観を大きく大転換をしていくと。こうしたものがアメリカから、そして世界へと広がっていく、その中で日本がどういう形で対応していくのか。安倍総理も大変だとは思う訳ではありますんでね。我々もしっかりとその国の対応といったもの、特に外交、貿易、経済対策こうした点で、意を用いていかなければいけない。ということであれば、内政の面については我々全国知事会、あるいは市長会、町村会、地方6団体が中心となって、しっかりとその点についてカバーをしていくと、こうした点も求められていくんではないか。
 これまで以上に我々として、様々な点での提言をしていく必要があると、このように考えております。以上ですね。

このページに関するお問い合わせ
徳島県 知事戦略公室
電話番号:088-621-2015
FAX番号:088-621-2820
メールアドレス:chijisenryakukoushitsu@pref.tokushima.lg.jp
 
知事からのご挨拶
知事の活動記録
写真で見る知事の動き
知事発言集
交際費執行状況
記者会見・庁議