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平成29年7月10日 定例記者会見 項目別

四国新幹線について(質疑)

(徳島新聞社)
 四国新幹線なんですが、先日東京で期成会が発足したんですが、四国の他の3県の関係者の発言を聞いているとですね、いわゆるT字って言うんですかね、岡山経由の路線を念頭に進めているように聞こえるんですが、これに対して徳島は、知事おっしゃるように関西アクセスというのを訴えられていると。ちょっと温度差があるように思うんですが、この点についてはどのようにお考えですか。

(知事)
 先般、7月6日だったですかね。東京の経団連ホールにおきまして、四国4県関係者こぞって、この四国新幹線の実現を図っていこうと東京決起大会を行い、その前段には期成会という形で今まで言ってたんですけどね。それをどんどん進めるための推進の協議会にしようとこれも立ち上げて、四経連そして4県挙げてこれに対応していこうと。600(人)を超える立ち見が出るぐらいの決起大会、また多くの国会議員の皆さん方にもお越しをいただいたところであります。この中で全体を進める会長さんは四経連、千葉会長さんということでね、まず総括の話が千葉会長さんからありました。
 この中では四国新幹線というのは実は2つ、昭和48年、基本計画路線として作られたときにはあった岡山から入ってくる縦軸、つまり瀬戸大橋これを活用すると。それから今もお話があったように大阪からそして淡路島を抜いて、徳島、そして四国を通って豊予海峡、そして大分の方へ、横軸、この2つがあったんですね。それぞれに実は研究会の方でB/C、つまりベネフィットとコスト、これを計算をするということでやったところ、縦から入ってくるいわゆる縦軸、これが非常にコストが安いということで1.03、つまり1を超えると便益の方が費用よりも高い、つまり実現可能性があるというね、高速道路でもそういう手法がよく採られるんですけどね。これによって縦軸をまず優先をして、これを突破口にして横軸っていうのはどうしても海峡のところ、ここに橋をかけるトンネルをかける、もちろん淡路島と徳島、四国との間は大鳴門橋がこれ新幹線仕様、すでにストック効果、活用することが出来るんですけど、大阪側との間ではまだ明石海峡大橋が新幹線併用橋に、ちょっと我々から言うとケチって国が作ってくれなかったんでね、本当はね、新幹線併用橋だったらすぐ出来てた話にこれ、なるところなんですけど。
 こうした形でまず当面、4県がいわゆる最大公約数ですね、最小公倍数でなくて、最大公約数としてやれるんだったらこの縦軸、これでまず旗を揚げたらどうだろうかというのが最初のお話っていうことだったんですね。
 ただし、私からも意見を何度もこれまでも言わせていただいているのは、この1.03という数字、これは2030年の日本全体の人口をベースにたたき出したら1.03ということ。もう1つはインバウンド効果がゼロ。全く入っていないということを考えると、やはり四国新幹線が具現化、例えば工事が始まるでもいいんですけど、2030年というのはちょっときついだろうなと。やはり2040年とか2050年、こうしたところがターゲットになるとすると、仮に日本の人口、今のトレンドでもがあっと減ってくるんですよね。これを考えるとあっという間に1.03割っちゃうでしょうと。だったら人口対策でどうと言うよりは、もう1つのインバウンド効果をこの中に取り込んでということでいくと、今このインバウンドは当初2020年、東京オリンピックパラリンピックの時に2千万人と言っていたものが、昨年2千4百万超えて、昨年の12月に2020年には4千万、そして2030年はなんと6千万という数字を掲げたんですね。しかもその中心が、実はこの西日本に移ってきていると。羽田、それから成田こうしたところはもう満杯だ。できたら羽田空港に2本くらい滑走路、新たにまた数兆円掛けて作ろうか、なんていうお話が出てきてるくらい。成田はちょっと拡張難しい。そうなったら関西国際空港を中心として大阪ベイエリア、関空、伊丹、神戸、徳島阿波おどり、南紀白浜、5空港で滑走路なんと7本あるんですよね。これを有機的に活用していくことによって、2020年4千万、2030年6千万のまさに受け皿になるべきだと。こうした点をどんどん主張する。
 そしてこれを四国に持ち込むことによって、四国全体のインバウンド効果というものが一気に高まると。四国4空港だけではとてもとても難しいんですよね。そうやって考えると人口減少を補って余りある効果がでてくる。
 つまり素晴らしいB/Cが出るだろうということを考えると、やはりもう少し西側の路線、つまり横軸といったもの、ここに対してアピールをしていくべきじゃないだろうかというのが徳島の主張と。我々は徳島だけが良ければいいというのではなくて、四国新幹線を具現化するためには、何としてもこの手法が必要なんだということなんですね。
 現に今、北陸新幹線、こちらが大阪のルート、敦賀大阪がなかなか決まらなかった。これが与党PT関係者はじめ、これが京都を南側に回る南側ルート、こうしたものが決まったところなんですね。そこで与党PTの中では大阪で止まっているだけではもったいないんじゃないか。やはり平成25年の時には、まだ200万代だった関空インバウンドですね、28年には成田空港と同じ600万代まできているんですね。これからは成田は伸びないだろうけど、おそらく関空は伸びてるだろうということを考えていくと、やはりこの5空港を有機的に結びつけるとなると当然関空新幹線、これは(昭和)48年に作った基本計画路線の対象ではないわけなんですが、与党PTの中の報告の中には、この関空新幹線を含む四国新幹線を急ぐべきだという事があるんですね。ということを考えると今まで我々は、淡路島から対岸の兵庫になるのか大阪になるのかね。そこになんとか迎えに、向こうにいかなきゃなんないから、それが当然コストに入る。しかし、今の点で行くとこれが向こうが関空まで迎えに来てくれる、国家プロジェクトとして。ということであれば、あとは淡路と関空の間をなんとかすればいいと。当然コストが落ちるということになるんですよね。
 そして、こうした流れについてはすでに国が動き出しています。例えば四国運輸局。昔あって廃止をされた洲本と関空との間の高速艇、徳島と実は向こうにもあったんだけどね、これを復活してみようと。そしてこれを試験的に運行してみようと。そうすることによって関空からの人の流れが淡路に行ってどう動くのか。そこから果たして明石海峡に行くのか、あるいは大鳴門橋を通って四国に来るのか、こうしたもののリサーチということもあるので、我々徳島としても全面的にここは絶好の機会、協力をしていこう。そしてできるんだったら我々としても積極的に対応していこうと、こうした方針を打ち出していきたいなと、こう考えているところですね。ということで少し前置きが長くなりましたが、千葉会長さんからも、こうした話っていうのは十分理解いただいていますので、彼はその時には次のというね、次という言葉を使われたんだけどね、当然そうしたものは頭に入っていると。これはどうしてそうなったのか。従来は縦か横かということだけで白黒でやってたんですよね。
 実は四国4県の知事が四国の国会議員さんたち、自民党の会合に呼ばれて、いったいこの四国新幹線どう考えていくか、どういう戦略で臨むのか、こうした話のヒヤリングを受けた。その時に鉄道局、国土交通省の次長が実は出席をしていまして、私が最初にプレゼンテーションで、今申し上げたような話で、これからは絶対にベネフィット、Bのところにインバウンド、これを入れるべきだと。そうしないと人口減を補うことができない、こうした話をした。そしたらパッとふられましてね。そして次長さんが、これからの新しい、つまりちょうど平成29年度に基本計画路線、どことは言われてないんだけど、これらずっと塩漬けになってたものの調査をする調査費が要求を超える増額査定で決まったんですね。今回その調査をどんな形でするんですかと言ったときに、インバウンドを当然のことながら今まではベネフィットで入れてなかったんだけど、これを入れると。こうした発言が実はあったんですね。こうしたことから、四国全体の捕まえ方も少し変わったと。人口減少は今もう厳然と現実のものになる中で、インバウンドがどんどん増える。そしてこれがベネフィットの中に入れるということであれば、当然これをもちろん四国4県4空港というのもインバウンドはあるんだけれど、これだけじゃ足りない。人口減少補えない。であれば関空から、いかに引っぱってくるか、あるいは大阪ベイエリア5空港のインバウンド効果をどう四国に引っぱってくるか、これが大きなポイントになると。こうしたことは理解が広まってきていると、こう思っていますので、ちょうど私もあの場で各県知事は3分、持ち時間だったんでね、そのことを冒頭に申し上げた。
 やはり、これはマスコミの皆さん方、経済界、これは全国の経済界からするとそれは当然のこと。ただ、問題はこうしたことについてどうやって財源を確保して具現化をしていくのか。ましてや関空新幹線、これらについてもね、基本計画路線でないわけだから、これをどう基本計画路線にして、次の整備新幹線にしていくのか、ここが大きなポイントになると。そこで私の方から申し上げているのは、今、各銀行も、これ世界中ですけどね、どこに投資していいか、特に日本の銀行は分からないという中で、ずっとお金抱えているだけ。そうじゃなくて彼らが確実に日本の将来のために、また自分たちもリターンが必要になりますからね。そのために投資先を探しているということを考える、そして、今ものすごく金利が安い訳ですよね、昔は財投(財政投融資)というのが第2の国の予算と言われたんだけど、新しい未来への投資ということで麻生財務大臣にも私、直接申し上げたことがあるんですけどね。今、この未来への投資をまさに考えるときが来たんじゃないか。
 もちろん、そのために我々の四国新幹線、あるいは関空新幹線を含む四国新幹線、こうしたものを実現、これは充分な受け皿になると。このように実は考えておりますのでね。
 確かに最初、スタートの地点では4県考え方が違っていた部分があるわけなんですけどね。もともとこれはあの場、決起大会の場でも私が申し上げたんだけど、あの高すぎる高速料金、本四高速共通料金を徳島から言って、その目処が立った平成24年5月の近畿知事会に徳島が発案をして四国新幹線をあの場で決議。そしてその翌月6月の四国知事会、そして7月は全国知事会が香川で行われると。全国の注目が香川四国に集まるんだから、そこで浜田知事さんに四国新幹線、打ち上げてもらった。ちょうどその時、全国知事会の日本のグランドデザイン作ろうと、あのときはね、国政の方が全くグランドデザインが作れなかったから。じゃあ知事会が作ろうよと。そのまさにさなか、日本再生デザインっていうんですけどね。その中に四国新幹線が入ったというのは、実は皮切りだった。ただ、これだけ地方だけで盛り上げてはダメなんだと。その後、四国選出の国会議員さんであるとか、経済界が動いてくれて、いよいよ7月6日の東京決起大会にまでなったということで、感慨ひとしおということを申し上げたということなんですね。ということで、今まず四国新幹線の旗をしっかりと揚げる、これが第一だと。それと今後の本当の意味でのB/C、これを考えるとストック効果、インバウンド効果、こうしたものをしっかりと取り込むことの出来る対策と。こうしたものを同時並行に行っていくと、これが重要だと。我々としてはしっかりとその点、申し上げていこうと、このように考えています。

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