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平成29年8月21日 定例記者会見 項目別

参議院選挙における合区について(質疑)

(徳島新聞社)
 参議院の合区の問題なんですが、先日知事も自民党の方へ要請行かれていたと思うんですけれども、自民党の憲法改正、当初臨時国会で提案するというのが案先送りされるという報道もあるんですが、この辺の影響についてどのようにお考えですか。

(知事)
 この点については、法案がどうとかなんとかっていうよりも、我々全国知事会としては既に2度に渡って決議、最初の決議っていうのは、 昨年福岡で行われた7月28(日)でしたけどね。この時に決議をして、この時は合区解消の決議ということで47都道府県が一致してこの決議を認めた。もちろんここは少し条件を言っておかないと。2府県の知事さんから言われてしまいますんでね。大阪府の松井知事さんは、維新の党首でもありまして維新は党の党是として二院制を認めない、一院制だということからいうとこの合区っていうのは、今後一院制に持っていくひとつの橋徒堡(きょうとほ)というか、一里塚だと。だから自分たちとしては反対と。ただ、反対ということを書いておいていただければ、知事会として合区解消の決議することについては賛成するという形になる。それから、愛知県の大村知事は、留保させてもらいたい。つまり慎重意見、でもこれも慎重意見愛知県はそうなんだと書いてくれれば、我々としても賛成すると。これが、昨年の話だったんですね。
 今年、今度は東日本大震災発災から初めてとなる被災地での全国知事会議を岩手県盛岡で行いました。ここではふたつの決議というよりも、中身がね、ひとつは当然、もうあれから1年たったということは、平成31年に実施される参議院通常選挙、これは改正された公職選挙法の附則の中で、それまでに抜本的な解決策を見いだすんだと法律に書いてある。だから、早くその策を出してくれということの決議がひとつ。
 もうひとつは何でこんなことになっちゃったんだろうと。つまり、最高裁の大法廷で判例が覆ったんですね。平成24年の大法廷の判例では、衆議院は3倍を超えていたら違憲状態だと、でも参議院が5倍超えていたと、でもこれは違憲状態ではない。なぜかというと、新しく参議院が戦後できて、都道府県代表という形で選ばれてきて、もちろん全国比例というもあるんですけどね。それは意味があるんだ意義があるんだということをはっきり書いてある。だから5倍程度であっても違憲状態でない。こうなっていた。
 しかし、これは憲法学者の皆さん方からのお話なんですが、衆参がねじれ現象を起こした。時の総理があまりにも、衆議院が三分の二持っていたんだけど、参議院がひっくり返った。これによってあまりにも、かわいそうなんですよ。という話が出た。これによって、あっ参議院と衆議院って対等なんだと。場合によっては参議院の方が強いのか。そこで、平成24年の大法廷の判例が覆ったんですね。つまり、憲法の中には都道府県っていうことは一言も書いていない。あるいは広域自治体から選ぶべきだということも書いていない。となると憲法第14条法の下の平等を徹底的に原理主義で進めるべきだ。衆議院も参議院も同じだ。ということで、3倍を超える、あるいは2倍を超えるものも出てきそうな感じですけどね、3倍を超えるものについては違憲状態となった。つまり、大法廷の判例が覆った。
 これは、やはり憲法の中の地方自治の規程が不備である。つまり、第8章92条、92、93、94、95、たった4つしかない。しかも、この一番の根本的な精神理念のところが92条の地方自治の本旨しか書いていない。これでは判らないし、最高裁も判例の出し方が、14条ひっぱられちゃうよ。ということで、これは全ての知事さんたちが実は同意をして、やはりここに問題がある。だから、憲法改正を行うのであれば、地方自治の規程をまず地方自治の本旨の具体化をしっかりと図っていく。もちろん手法としては、前文の中に入れこむとか。あるいは、92条をもう少しくわしく書くとか。1条増やすとか。いろんな手法はあって、これを今回の岩手の全国知事会この前に全知事に、総合戦略政権評価特別委員長としてアンケート調査を行った。そうした結果も出しましたけどね。
 こうした中で、もう一つの事項というのは、この憲法の地方自治の規程といったものを具体的に書くべきだ。しかもこれはすでに例えば国と地方との関係というのが、昔は伝来説ということで、つまり国民主権という言葉が憲法上にある。つまり、国民と書いてあるから国民は国に対して、つまり立法府に対して、すべて任せているんだ。それを我々地方は任されている、つまり、譲られているということですね、だから伝来してくる、その権限が、だから国の言うことを全部聞かなきゃならない。
 ところが、この一番の機能であった機関委任事務、国の言うとおりに箸の上げ下げをしろと、これが廃止になった。分権一括法で。
 それから、民主党政権の時に実は、国地方の協議の場が法定化をされたんですね。もし、国がすべての権限を持って、地方に権限を委ねているんだということであれば、国、地方の場を法律で作るということは、対等な関係で協議するということになるので、憲法違反になる。つまり、この法律ができあがったときにすでに、伝来説から固有説に切り変わった、これは憲法学者の大半の皆さん方が認めている話ですね。
 ということで、こうした点をしっかりと踏まえた上で、憲法の中に具体的に書くべきであろうと、これを今回の決議としたということで、ここは、逆に大阪の松井知事も愛知県の大村知事も積極派なんですよね。ということで、全会一致で決議した。これらを今ご質問のあったまずは、両党の皆さん方ということで、既に自民党、公明党の幹部の皆様方に私の方から提案をさせていただいた。
 もちろんその前7月7日七夕の日でしたけどね。これは、参議院改革の協議会がありまして、選挙制度に関する専門委員会、参議院のれっきとした委員会の組織ですけど、そこに参考人として呼ばれまして、7会派の皆さん方から、今回の合区問題についての解消に向ける形での質疑応答があった。これについても総合戦略政権評価特別委員長としてご回答申し上げてきた。こうした活動もありますのでね。

(徳島新聞社)
 次期参院選までに2年なんですが、この点について間に合うとお考えですか。

(知事)
 いやだからそこが一番ポイントということで、各方面に申し上げている。
 つまり平成31年の7月が、だいたい予定をされる次の選挙なんですよね。じゃあこの時までにできればいいのかというと、これ周知期間がありますから、とてもとてもそれでは間に合わないということね。だからいよいよ勝負になるのは平成30年度中には少なくとも、果たして公職選挙法でいくのか、あるいは我々が提案している第2案という国会法、憲法附属法と言われるね、これの中に参議院というのは都道府県の代表ここも選ぶんだと、いうことを書いてもらう。あるいは、憲法改正と、この3案を示しているところなんですけどね。
 こうした形がなされないとまずいんではないかということで、今参議院からお呼びがあれば知事会を代表して行きますし、与党の皆さん方、野党を含めてね、こうしたものに対して理解を求めていくと。
 もちろん、こうした点については県議会の皆さん方にもたいへんご協力をいただいておりますんでね。しっかりと地方からと。
 特に7月7日七夕の時に、参議院制度改革専門委員会で申し上げたのは、丁度その日に市議会議長会、全国のね、ここからも合区解消、そして憲法改正の決議がなされました、文書が成案になって、これによって全国知事会をはじめ地方六団体、全国知事会、全国都道府県議長会、全国市長会、市議会議長会、全国町村会、全国町村議会議長会と全て決議がそろったと、この旨もお伝えをしたと。つまり地方の総意だと。あとは立法府がこれらを受けてどう動くかと、ここにもうかかってきているとこのように申し上げたところです。

(徳島新聞社)
 確か知事会は43条と92条、

(知事)
 ああ、具体的な話ね。

(徳島新聞社)
 あれ、自民党の方は47条ですよね。その辺は。

(知事)
 これもだから参議院の改革委員会の中で、これも大きな質問になったんですね。
 つまり、全国知事会の私の元である総合戦略政権評価特別委員会に懇談会を設けて、憲法学者とか、いわゆる有識者会議を作って、この中で具体的な処方箋。で、これを委員会としてオーソライズをして、出していったわけなんですけどね。この案としては、もちろん92条の改正、3条、4条、5条、こうしたものを改正はあるんですが、合区解消としては43条こちらを改正をすると。つまり、衆議院も参議院もこれは国民が選ぶということになっている部分なんですよね。だからここをやはりきっちりと。衆議院というのはあくまでも国民の代表なんだと。参議院は地方の府として、地方の代表なんだと。こういうふうに書くことによって、非常にわかりやすくなる。これによって最高裁、別に5倍とか関係ないということになると。一番根本的な所をやはり改正するべきだと。
 じゃあ47条は一体何を書いてるのかということなんですけど、これは衆議院、参議院、どのように選ばれるのかと書いてある。だから選ばれ方を、衆議院はいわゆる国民から直接選ばれると。で、参議院は各地方の代表として選ばれるとか、各都道府県から例えば選ばれるんだと。もちろん、全国比例はありますけどね。ここを改正することによって、衆議院と参議院の権能はニヤイコールと、こうなる。で、我々憲法学者も含めて言っていたのは、あくまでも衆議院と参議院二院制なんで、それぞれの権能はやはり分けるべきだろうと。地方に関わるものは参議院が先議をし、参議院がその実権を握ると。しかし大半の、いわゆる国に関わるものについてはまず衆議院、こちらが最大優先すると。今も、総理を選ぶ場合には衆議院が優先するとか、予算も衆議院が優先するとか、いわゆる衆議院の優先性というものはあるんですけれどね。あまり具体的になってない。そうしたものをしっかりと、衆議院と参議院の役割分担、これをやはり今回示すべきじゃないかと。
 ただ、現職の参議院議員さんになってくるとね、俺たち国民の代表じゃないのかみたいなこうイメージになるとね、果たしてどうなのかということがあって、47条の改正というものが示されたと。
 もちろんこれは処方箋としてはあるんですよ。選ばれ方だからね。そういうふうに選ぶんだと。ただ、選ばれ方だけ示してそのどんな役割なんだっていうとこを書かないと、そこを突かれた場合に、ここは少しいろんな学者の皆さん方からも言われるっていう可能性があると。ここは今後の議論になるかと。ともにあると思っといていただければ。

(朝日新聞社)
 まだ基本的には、次の参院選挙までにまだ間に合うかどうか、知事としてはまだ分からないという感じだということですか。

(知事)
 つまり憲法改正という3つの処方箋があるんですね。憲法改正ということであると、これはなかなかたいへんなんじゃないのかなと。だからそういう意味では総理がよくいわれる今年中に、例えば今年の秋までとかね。これがひとつのデッドラインというのがあるのかなと思いますね。
 もう一つの、国会法の改正であるとか公職選挙法の改正、これは立法府がその気になればいつでもできる話になりますから、後は周知期間から逆算をして、それまでがタイムリミット。つまり来年でもいいと。
 そしてこれだけ今回合区のデメリットが示され、しかも日本全体の人口トレンドを見ると、次々と合区になっていく。こうした点を考えると、やはりこれは合区は問題であろうと。これはもうおそらく多くの皆さん方がもう認めることだと。合区がいいよというのはほとんど少数派ではないかと、こう思いますんでね。
 もちろん全部が東京都になっちゃうとかいうんだったら、それはそれでいいんですけどね。地方がこれからも発展をしていくということを考えると、やはりこの合区の解消は、まず必然的に行うべきであろうと、このように思っています。

(幹事社)
 ほか、ございませんか。では終了します。

(知事)
 それではよろしくお願いします。

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