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平成29年9月11日 臨時記者会見 項目別

平成29年度9月補正予算(案)について(説明)

(幹事社:司会)
 それでは、知事の方からお願いいたします。

(知事)
 おはようございます。それでは、ただいまから平成29年度9月補正予算(案)の概要について、記者の皆様方にはこの一枚物、こちらをご覧いただだきながら、説明をお聞きをいただければと思います。今回は資料を見ていただきますと、副題を付けておりまして「県民の命と暮らしを守る『安全・安心対策』をはじめとした喫緊の課題に切れ目なく対応!」ということにしております。それでは以下内容について説明を続けて参ります。
 まず、今回の9月補正予算の編成方針についてであります。
 記録的な大雨により大きな被害をもたらした九州北部豪雨、我々としては聞き慣れない言葉「線状降水帯」なんていう言葉もでてきたところでありますが、九州北部豪雨を教訓といたしました「災害予防対策の強化」、また東京オリンピック・パラリンピック一体どんな食材を世界各地から来る皆さん方に提供していくのかな、関心が非常に高まっているところでありますが、この東京オリ・パラへの食材供給、さらにはその先の海外展開を見据えた「もうかる農林水産業の飛躍」への取組みなど、喫緊の課題に切れ目なく対応するこうした方針のもと、「安全・安心対策の推進」「経済・雇用対策の推進」そして「大胆素敵とくしまの実現」という三つの柱から成る総額「70億円」の補正予算(案)を編成したところであります。
 それでは以下、「9月補正予算(案)に計上した主な事業」について、三本柱に沿う形で
御説明させていただきたいと思います。
 まず、1番目の「安全・安心対策の推進」についてであります。
 冒頭でも触れた「九州北部豪雨を踏まえた災害予防対策」でありますが、去る7月に九州北部地域におきまして、積乱雲が次々と発生して連なるいわゆる「線状降水帯」の形成に伴います記録的な大雨によりまして、甚大な被害が発生いたしました。このエリアから少し離れたところは、全く雨が降っていないという大変不思議な現象が起こったところであります。本県では、直ちに職員を派遣いたしまして、被災地での支援活動を行ったところであり、このメンバーが帰県した後に現地での情報を基にいたしました報告会を行い、被災状況の分析を行いました。その中で出て参りましたのが、山腹崩壊、また土石流の多発に伴います「大量の土砂や流木による被害の拡大」、小学校や社会福祉関係施設また老健施設などもということでありますが、いわゆる「要配慮者利用施設」の被災といった特徴が報告されたところであります。
 これらを踏まえまして、まずソフト対策といたしまして、被災の恐れのある「要配慮者利用施設」に対しましては、まず何よりも重要なのは日頃から避難訓練をしっかりと行なっておくということ。ただし、訓練のための訓練ではダメなんですね。あくまでも、実践的な訓練をいかに行うのか。ここが、ポイントとなります。また、この避難を行うに当たってのベースとなって参ります避難確保計画の作成をしっかりと支援していこうと。「迅速かつ的確」な避難が可能となるよう「体制の強化」をしっかりと図って参りたいと考えております。
 また、平成26年広島市で発生いたしました土砂災害、多くの皆様方が実は亡くなりました。これを教訓としてその対象が徳島県下の場合に13,001か所あると言われる対象の基礎調査を優先いたしまして行うこととし、国の目標を3年前倒し完了した砂防基礎調査の結果、また治山事業施行地の緊急点検の結果などにつきまして県民の皆様方へ今ホームページでお知らせしているわけでありますが、さらなる周知を行っていこう。例えば基礎調査を完了した区域から住民の皆様方には説明会を行いまして、そして順次今進めている「土砂災害警戒区域指定」を加速させていきまして、より一層の避難意識の醸成を図っていくことができればな、このようにも考えております。
 さらに、このたびの九州北部豪雨を受けて実施いたしました「緊急点検の結果」に基づきまして、流木の発生原因となる渓流内の倒木、また砂防えん堤等に堆積した流木の除去、そして、河川内の樹木の伐採等を行うことによりまして川の流下能力の向上をしっかりと図り、流木等による被害の拡大を、未然に防ぐための「上下流一体」となったハード対策にも意を用いていきたいと考えております。
 次に、「進化する『とくしまゼロ作戦』の展開」についてであります。
 本県ではこれまで、南海トラフ巨大地震や中央構造線活断層地震など、大規模災害を迎え撃つ体制整備に取り組んできたところであります。
 去る7月25日には、「中央構造線・活断層地震被害想定」を公表させていただいたところでありまして、一部の市町におきましては、南海トラフ巨大地震を上回る被害が想定されることが明らかとなったところであります。
 各市町村の皆さん、また防災関係の皆さん方にもこれを基にして新たな対策を練ることとなりました。このため、「学生自主防災クラブ」を核とした新たな「合同防災訓練」の実施、やはりなんと言っても防災教育・防災人災の育成ということで、若い世代の皆さん方に防災・減災をしっかりと身につけていただく、ここが大きなポイントとなるわけであります。また、迅速な復興の実現に向けまして、「事前復興」をテーマとしたシンポジウムの開催。やはり、いざ、発災となって、それから応急対策として、例えば、避難の住宅の用地を探して、行うということであれば、熊本のような大きな後手を踏んでしまうことになりますので、事前復興こうした概念を県民の皆様方にもしっかりと知っておいていただく必要がある。こうしたことであります。
 また、熊本の地震の際、女性の皆さん方がお手洗いが汚いということで飲み食いをしない、なるべくお手洗いに行かない、こうしたことで、結果として女性の方が、和式のトイレでエコノミークラス症候群によって亡くなるという大変ショッキングなお話がありました。ということで、これも熊本へ応援に行った部隊からのひとつの提案としてトイレの洋式化を進めていこうと、快適トイレと。また、平時においては、公共事業で活用していただこう工事現場でと。今は、ドボ女ということで、女性の皆さん方も工事現場に現場監督として、あるいは施工主として行かれることがよくあるわけでありまして、また、とくしまマラソンみたいな大規模なイベントのときにもさすがに和式はきついという声も出ておりますので、こうした平時にもしっかりと使える災害時のトイレ対策をしっかりと展開するための講演会の実施など「地域防災力の強化」に向けた取組みを積極的に展開して参りたいと考えております。
 次に、「安全・安心な地域医療・介護の充実」についてであります。
 つい先般、総務省の方から人口推計が出されました。日本全体のいよいよ高齢化率4人に1人どころではなくなったんですね、27.3パーセント。また、徳島県はその中でも31.8パーセント。もうほぼ3人におひとりが高齢者。しかも全国第5位となったところでありまして、高齢化の一層の進行に対して、より効率的で質の高い「地域医療体制」と、そしてよく2025年問題といわれる処方箋として言われる「地域包括ケアシステム」の構築に向けまして、国からの交付金を活用することによって、国が2/3、県が1/3を負担する「地域医療介護・総合確保基金」をしっかりと造成させていただきまして病床機能の分化あるいは連携、特に今では、急性期から回復期へ。特に回復期の病床が足りない。また、特に足りないものとして、緩和ケア病棟。公立病院としては初めて県立三好病院に20床設けたところではありますが、まだまだ足りないところでもあります。
 また、在宅医療介護の推進、そして医療・介護従事者も足りないと言われるところでありまして、その養成や確保など取組みを推進しているところであります。
 今回、この基金を活用いたしまして、「在宅訪問」に対応することのできる「薬剤師・薬局」の養成、障がい者の皆さん方の歯科診療拠点の機能の強化。今まで障がい者の皆さん方の歯科診療といった点が大きな盲点となっていた、歯科医師の皆さん方からも大きな指摘をいただいているところでありまして、いよいよその具現化、パワーアップを図っていこうというものであります。これらなど、在宅医療の充実に向けた「人材育成」、また「提供体制の構築」をしっかりと図って参りたいと考えております。
 さらには、地域の実情に応じた地域密着型サービスの拠点整備を推進するため、「認知症高齢者グループホーム」の開設支援など、県民の皆様方が、住み慣れた地域で暮らし続けることのできる「地域医療そして介護提供体制」の充実・強化を図って参りたいと考えております。
 次に、「いのちと暮らしのセーフティネット」についてであります。
 企業が安全で安心な製品やサービスを、消費者の皆様方に提供するためには、企業へ「公益通報窓口の設置」を進めていくことが不可欠となります。しかしながら、現状では、多くの特に中小企業の皆さんにおいて、設置のためのノウハウがない、また全国的にも窓口の設置が進んでいない、これが今の状況となっております。
 そこで、去る7月24日、明治開闢(かいびゃく)以来の日本の統治機構の大きな改編第一歩となりました消費者庁また国民生活センターの「消費者行政新未来創造オフィス」と連携を図りまして、全国展開を見据えたモデルプロジェクトといたしまして、県内経済団体などに「公益通報者保護制度推進員」まだ仮称でありますが、を設置いたしまして、実態調査、また公益通報者保護制度の周知等を行いますとともに、県内事業者などへの「研修会」、また「出前講座」を実施するなど公益通報窓口の設置に向けた取組みを積極的に展開いたしまして、「徳島モデル」として全国に発信して参りたいと考えております。

 次に、2番目の柱は、「経済・雇用対策の推進」についてであります。
 まず最初に「もうかる農林水産業の飛躍」についてであります。
 「GAP・HACCP認証取得の推進」について、本県では全国に先駆け、平成23年度から生産工程を適正に管理し、安全・安心な農産物を提供するための認証制度、いわゆるGAPについて、本県独自の「とくしま安2GAP認証制度」をスタートさせたところであります。そして現在、東京オリンピック・パラリンピックでの食材供給に向けまして、取組みを進めているところであります。
 本年3月には、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会から、本大会で使用する食材の調達基準が示され、本県の安2GAP認証につきましては、地域GAP優良認証に選ばれることとなりました。また、これに合わせて、新たに家畜・畜産物におけるJGAP基準書が公表されたところあります。
 そこで、本県のリーディングブランド、地鶏ナンバーワン(出荷羽数)200万羽を超える「阿波尾鶏」につきまして、東京オリンピック・パラリンピックへの調達基準を満たす「GAP認証取得」、さらには、より高水準の飼養衛生管理が求められます「HACCP認証」の「ダブル取得」に取り組むことといたしました。そして、東京オリンピック・パラリンピックでの提供はもとより、将来の「欧米への輸出」を見据えまして、「国内外から選ばれるブランド」を目指して参りたいと考えております。
 また、今EPAなど貿易自由化が加速する中、「農産物」の海外輸出におきましては、国際水準GAPの認証取得が取引条件として求められるなど、その重要性が一層高まっていることから、より水準が今後ともアップしていくことが求められる「ポスト東京オリンピック・パラリンピック」を見据え、「国際水準GAP」へのステップアップをしっかりと支援するための「指導員育成」を加速し、「もうかる農林水産業の実現」に向けた取組みをより一層推進して参りたいと考えております。
 次に、「クビアカツヤカミキリ撲滅プロジェクト」についてであります。
 平成27年に徳島県内の一部地域で、モモやサクラなどに加害いたします外来害虫である「クビアカツヤカミキリ」の発生が確認されました。そこで現在、その駆除あるいは防除対策の確立に、取り組んできているところであります。
 このたび、その取組みを加速するため、新たな事業手法として、インターネットを通じて、事業に共感していただく不特定多数の皆様方から多く資金を集める「クラウドファンディング」を活用することといたしました。本年5月1日から6月30日まで2カ月間、目標金額を300万円と設定し寄付金を募集いたしましたところ、実に多くの皆様方から取組みに御賛同いただきました。結果として総額555万7,600円、248件の寄付をお寄せいただきますとともに、企業の皆様方からも、広告事業への参加もいただいたところであります。
 頂戴いたしました寄付金をしっかりと活用いたしまして、例えば既存農薬の中から有効な薬剤の検索。モニタリング手法を活用した総合的な防除対策の実証などを行って参りたいと考えております。
 そして、「クビアカツヤカミキリ」の根絶を目指し「防除技術」を確立し、本県での発生予防、また、まん延防止はもとより、その成果をせっかくいただいた全国からの資金でありますので「全国に展開」して参りたいと考えております。

 そして、最後の柱は、「大胆素敵とくしまの実現」であります。
 まず、「とくしま回帰のさらなる加速」についてであります。
 去る6月に、国において住宅宿泊事業法、いわゆる「民泊新法」が成立し、「来春」にも届出の受付が開始される運びとなりました。本県におきましては、全国に先駆け全国初で設置いたしました徳島県規制改革会議の第一次提言を受けまして、平時においては民泊として、またいざ発災という場合にはお遍路さんをはじめ、全国から来られている旅行者の皆様方の一時避難所として繋ぎ目なく利用することのできる「シームレス民泊」の導入。また、国内最大(級)の民泊仲介事業者しかも美馬市にサテライトオフィスを構えていただきました「百戦錬磨」との「民泊推進協定」の締結など、民泊の活用に向けた取り組みを進めているところであります。
 また、今年の阿波おどり期間、「AI」人工知能を利用いたしまして、阿波おどりに関する様々な質問に、世界初となる日本語はもとより、英語、中国語、韓国語の4カ国語で対応いたしますFAQサービスを県とIT関連企業の実証実験として開設いたしたところであります。その結果、実施期間中に1日平均200件の問い合わせがあり、「AIによる回答率が9割を超える91%」また「回答内容への満足度が74%」との検索結果が出たところであります。
 そこで、この度、行政手続分野への「AI」活用を目指しまして、民泊サービスの届出分野を実証フィールドとして、利活用することといたしました。具体的に少し申し上げて参りますと、AIを活用いたしました「自動応答システム」を構築することとし、民泊への新たな参入、割とこの民泊への参入が難しいという声がたくさんあるんですね。また、うちの施設で十分対応出来るんだろうか。過大な投資がいるんではないだろうか。こうした御心配に対してすっとお答えのできる、そうした新たな参入を加速させていこうと、こうしたことで、「県内民泊サービスの活性化」をしっかりと図りますとともに、今回の規制改革会議の第二次答申をいただく中で、やはり行政手続きが非常に煩雑だ、複雑だ、時間がかかる、タイムリーでない、こうした点の御提言をいただいたところでありまして、「行政手続の簡素化」による規制改革の実践、さらには「働き方改革の実践」にもつなげていくことができればとこのように考えております。
 次に、「にぎわい感動・とくしまの推進」についてであります。
 とくしまマラソン2018は、前回2017大会でいただいた多くの御意見、これは厳しかったですよね。1万5,000人大会、第10回大会でもあったわけでありますが。去る8月29日のとくしまマラソン実行委員会におきまして、事業計画(案)について御承認をいただいたところであります。
 次回も、3月の第4日曜日開催ということで、1万5,000人大会の地固めをすべきである。スムーズで走りやすい「スタート環境」への改善をしていこう。前回から導入した中四国のフルマラソンとしては初のウェーブスタート。その前の1万5,000人大会では多くの課題として言われたのが、いわゆるスタート、最初の陣がスタートしてから最後まで30分かかったではないか。こうした御指摘があったところでありまして、ウェーブスタートを導入したんですが、ただこの中でも、さらなる改善点が指摘されておりました。より競技性を高める大会にもすべきではないかということで、今回は、申告タイムを基準とする走力順のランナーを配置をいたしまして、例えば、男子の皆さん方は3時間30分以内、また女子の皆さん方は4時間以内のランナーの皆様方をまず配置する。こうすることによって、よりスムーズにスタートを切っていただこうと。また非常に幅広い年代の皆様方にとくしまマラソンは参加いただいております。例えば、2017大会では、88歳のランナーの方が完走される。また70歳以上の完走者は171名ということがありますので、その意味では、年代別表彰についても全年代、男女別に5歳刻みで行う形で、よりアメニティに富む大会にしていければな、ランナー目線でということであります。その意味では前回スタート会場での混雑が指摘もされたところでありますので、スタート会場における混雑緩和対策も行って参りたいと考えております。
 また、第10回、前回の大会で新たな試みとして開催いたしました「ファンラン」、総じて高い評価をいただきました。そこで、次回大会につきましては、さらなる進化した形で開催することとし、「進化するとくしまマラソン」として、さらなる魅力向上を図って参りたいと考えております。
 次に、「あわ文化の魅力発信」についてであります。
 東京オリンピック・パラリンピックの公式エンブレムである組市松紋の藍色、野老朝雄さんがデザインをされた日本の伝統の色である「藍色」を使ったデザインが決定されたことを契機としまして、本年3月、県議会からの御提案によりまして、「とくしま藍の日を定める条例」が制定されました。「とくしま藍の日」いうまでもなく、東京オリンピック開幕予定日である7月24日、とくしま阿波藍の未来について考えていただく記念フォーラムを開催するなど、「とくしま藍推進月間」である7月、多彩な事業を展開し、「藍といえば徳島」を遺憾なく発信させていただいているところであります。
 こうした絶好の機会を逃すことなく、さらに「阿波藍」の魅力を国内外にこの機会に発信していくため、県内の染め師の方々をはじめとした藍関係者からなる「タスクフォース」を新たに設置いたしまして、藍染の新製品開発やブランド化を戦略的に進めることによりまして、「阿波藍」のさらなる魅力向上や販路拡大につなげて参りたいと考えております。
 今後とも、全国に先駆けた「一歩先の未来」の具現化に向けまして、「県民目線」、「現場主義」のもと、「徳島ならではの施策」をさらに積極的に行うとともに「地方創生の本格展開」をさらに加速して参りたいと考えております。
 私の方からは以上です。どうぞよろしくお願いいたします。

(幹事社:司会)
 それでは、質問のある方は、お願いします。

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