〒770-8570
徳島県徳島市万代町1丁目1番地
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本日、九月県議会定例会を招集致しましたところ、議員各位におかれましては、御参集を頂き、誠にありがとうございます。
初めに、先月二十七日、板野町で発生致しました林野火災について、県においては、発災後早い段階から、自衛隊に「災害派遣」を要請するなど、最悪の事態も想定し、対応を行いました。
現場は陸上からの消火、アクセスが困難な「急峻な山岳地」であり、「鎮圧」までに九日を要しましたが、自衛隊や防災ヘリにより、七日間、合計五百四十四回の散水を行うなど、懸命な空中消火により、延焼の拡大を抑え込み、九月六日「鎮火」に至ったところであります。
この度の消火活動に従事されました地元・板野西部消防組合消防本部をはじめ、自衛隊、警察、さらには香川県消防防災航空隊など、関係機関の皆様方に対しまして、多大なる御支援、御協力を頂き、心から感謝を申し上げます。
改めて、いざ発災時の早期発見・早期対応の重要性を認識したところであり、今回の教訓を県民の皆様や市町村、関係機関と共有し、今後の対応に活かして参ります。
また、去る八月八日に御逝去されました、故横石知二・元公益社団法人・徳島県産業国際化支援機構会長に対し、謹んで哀悼の意を表し、心から御冥福をお祈り申し上げます。
横石氏は、和食の名脇役「つまもの」を、数十年に渡って国内外に発信し、近年は、同機構の会長として、「食の宝島・徳島」の全国・世界へのブランド展開に御尽力を頂きました。
横石氏が残された御功績を未来の世代に引き継ぎ、本県の更なる飛躍につなげて参ります。
それでは、今議会に提出致しました議案の御説明と合わせ、当面する県政の重要課題について御報告申し上げ、議員各位をはじめ、県民の皆様方の御理解、御協力を賜りたいと存じます。
【九月補正予算案】
まず、「九月補正予算案」につきましては、
・韓国定期便を活用したインバウンド誘客拡大など、 「世界とつながる魅力的な地域づくり」
・不登校児童生徒のための「新たな学びの場」の整備による 「教育環境の充実」
など、 喫緊の課題に即応するための事業費「五億円」と、健全な財政運営に向けての財政調整基金への積み立て「五十八億円」を合わせ、総額「六十三億円」で編成致しましたので、その概要について御説明申し上げます。
まず、「魅力度アップ」と致しまして、韓国定期便就航以降、県内韓国人宿泊者数が今年の上半期で対前年比「約九倍」の約二万二千人泊と増加する中、定期便を利用したインバウンドの更なる拡大を図るため、
・定期便利用者から御好評を頂いている県内各地を周遊できるバス乗車券の配布継続や
・韓国で開催される文化交流イベント等への阿波おどり派遣
などに取り組んで参ります。
また、「農林水産業の生産力強化」につきましては、本県農林水産業の自給力強化に迅速に取り組むため、今年度当初予算でお認めいただいた「とくしま農山漁村未来投資事業」を増額し、生産者の経営規模の拡大や経営転換、高付加価値化に向けた積極的かつ持続可能な設備投資を促進して参ります。
「安心度アップ」につきましては、厳しい経営環境に直面する中山間地域の訪問介護事業者に対し、「サービス提供の維持」や「経営改善」に要する経費を支援し、中山間地域における介護サービス提供体制を確保して参ります。
「防災・減災対策の推進」につきましては、南海トラフ巨大地震に備えた「工業用水道」の更なる強靱化に向けて管路の点検調査を早急に実施し、重点的に更新すべき区間の絞込みを行うことで、「管路更新計画」の前倒し策定と早期着工を進めて参ります。
【中四国サミット等における取組】
次に、八月二十六日に開催されました「中四国サミット」では、「防災・減災、国土強靱化の更なる推進」や「医療提供体制の維持に向けた社会保障制度の確保」などについて、活発な意見交換を行い、国へ要請していく「共同アピール文」を全会一致でとりまとめさせていただきました。
本県からは、
・「避難所QOL」への国主導による支援
・国の目安を上回る賃上げをした場合の支援策
・政策医療を担う自治体病院への「財政措置の充実」・「がん検診」の受診率向上を図る「法整備の必要性」
などについて強く訴え、大いに賛同いただいたところです。
また、同日には、「せとうち七県知事会議」が開催され、今後の観光地域づくり戦略の方向性や、更なる連携方策について意見交換を行いました。
本県からは、大阪や京都のゴールデンルートに「せとうちブランド」を関連づけることの重要性などを提言したところです。
さらに、八月二十八日、和歌山市内で開催されました「関西広域連合委員会」では、広域医療を担当する本県から、連合管内八機のドクターヘリについて、運航委託会社の整備士不足により七月から八月にかけて、一週間程度、順次、運航停止したことに関し、改めて御説明の上、今後の安定した運航体制の確保に向け、意見交換を行いました。
加えて、九月八日に総理官邸で開催されました「地方創生に関する内閣総理大臣と知事の意見交換会」では、参加した八県の知事から、税制の抜本改革を含め、東京一極集中の是正は待ったなしの課題であるとの声が上がったところであり、石破総理も強く共感されておりました。
今後とも、全国知事会や関西広域連合との連携を密にし、地方の「現場の声」を国へ届けるとともに、現場を預かる知事として、地方を取り巻く課題にしっかりと取り組んで参ります。
続きまして、主な施策について御報告申し上げます。
まず、「安心度アップ」であります。
【高速道路等の安全性向上と整備促進】
「高速道路等の安全性向上と整備促進」につきましては、去る七月十四日、徳島自動車道において、高速バスとトラックが正面衝突し、二名の方がお亡くなりになる痛ましい事故が発生しました。お亡くなりになられた方の御冥福とお怪我をされた方の御回復を心よりお祈り申し上げます。
この事故を受け、本県主導のもと、四国四県が連名で「高速道路の暫定二車線区間における安全性向上に関する共同宣言」を行うとともに、八月二十一日には、各県知事が一堂に会し、「早期四車線化」の実現や「緊急的な安全対策」の実施を要望し、国土交通省からは「しっかり進める」との心強いお言葉を頂いたところであります。
また、翌二十二日には、県内の高速道路等の整備促進を図るべく、県議会や市町村長・議長、関係団体、民間企業の皆様とともに、政府中枢が集まる東京で「決起大会」を開催致しました。
大会では、国土強靱化予算の確保はもとより、徳島南部自動車道・阿南安芸自動車道の整備推進や徳島自動車道の機能強化など、県民の思いを込めた「大会決議」をとりまとめ、直ちに「加藤・財務大臣」や国土交通省に、参加者の熱意と併せて届けて参りました。
今後とも、高速道路等の安全性向上や整備促進に向け、県内関係者はもとより四国一丸となって取り組んで参ります。
【徳島新未来創生に向けた教育再生】
次に、「徳島新未来創生に向けた教育再生」につきまして、令和十一年度入試からの学区撤廃等の方針が決定されたことを受け、「徳島県公立高等学校の在り方検討会議」において、公立高校の更なる特色化・魅力化や、生徒の主体的な進路選択につながる新しい入試制度等に関する検討が始まったところであります。
今後、前例にとらわれない新次元の「公立高校の在り方」について、具体的な方針を早期にお示しいただきたいと考えております。
また、不登校児童生徒の新たな学びの場となる「学びの多様化学校」につきましては、鳴門教育大学からの提案や児童生徒及び保護者を対象に実施したアンケート結果を踏まえ、去る八月二十九日の教育委員会会議において、鳴門教育大学の敷地内に、県立中学校として設置する方針等が決定されたところであります。
国立大学法人と連携した「学びの多様化学校」は全国初の取組となるものであり、県と致しましては、不登校の児童生徒が安心して学べる環境を早期に整えるべく、新たな県立中学校を新築するための設計費を今定例会に「補正予算案」として提出させていただいており、引き続き、教育委員会と連携して、全力で取り組んで参ります。
【こどもまんなか社会の実現】
次に、「こどもまんなか社会の実現」につきましては、全国トップクラスとなるゼロ歳から二歳までの「第一子からの保育料無償化」について、市町村の御協力のもと準備を進め、今月から、全二十四市町村において「無償化」を実現致しました。
さらに、こどもが精神的に不安定になりやすい夏休み明け前後の期間を、「こども食堂」をはじめとした「こどもの居場所」の集中開催期間と位置づけたところ、昨年度を超える県内九十二箇所に御参画いただいたところであり、皆様の御支援・御協力に、厚く感謝申し上げます。
今月五日には、「子どもの貧困対策・四国フォーラム」を本県で開催し、地域におけるこどもと家庭等への支援について、四国四県の支援団体等と意見交換を行ったところであります。
今後も、こどもの声をしっかりと受け止め、全てのこどもが笑顔になれる「こどもまんなかとくしま」の実現に向けて取り組んで参ります。
【防災・減災対策の強化】
次に、「防災・減災対策の強化」につきまして、この夏は、全国各地で観測史上、最高気温を更新するなど、記録的な暑さとなり、熱中症対策をはじめとする「二次被害への対応」が、喫緊の課題となっているところであります。
こうした中、県内の「指定避難所」の現状について調べたところ、空調設備を整備している施設は「六十三%」、避難者の約四割が使用する「小・中学校体育館」に限ると「十九%」にとどまっており、県においては、防災・減災対策の強化はもとより、こどもたちのスポーツ環境の向上にも資する取組として、令和八年度までの県立学校体育館の「空調百パーセント完備」を目標に整備を進めているところであります。
市町村におかれましては、引き続き、「緊急防災・減災事業債」の活用による空調整備をはじめ「災害関連死を防ぐ」避難所の機能強化に、全力で取り組んでいただきますようお願い申し上げます。
また、大規模災害時の「衛生的なトイレ環境の確保」は、県民一人一人の備えと併せ、県全体として広域的に取り組むべき重要な課題であります。
このため、本県では、去る九月二日に水洗の「大型トイレカー」を導入したところであり、県内市町村におきましても「小型トイレカー」をはじめ、それぞれの実情に応じた「トイレカー」が配備されつつあります。
また、県におきましては、現在、県内事業者と連携し、「メイド・イン・徳島」オリジナルの「中型トイレカー」の開発・製造を鋭意、進めており、年度内にも納入致します。
こうした「トイレカー」については、国が主導し、全国の自治体への導入を促すとともに、「いざ発災時」に「相互応援」できる体制を構築すべきと考えており、あらゆる機会を捉え、国に要望して参ります。
【救急・災害対応力の強化】
次に、「救急・災害対応力の強化」につきまして、去る八月二十四日、アスティとくしまにおいて、こどもたちが救急医療や災害発生時の対応等について学ぶ「とくしまキッズメディカルランド」を開催し、多数のこどもたちに御参加いただきました。
昨年度、全国で初めて県主催により開催した「徳島こどもメディカルラリー知事杯」を、今年度は、NPO法人徳島PUSHネットワークをはじめ、徳島大学、医師会、看護協会、薬剤師会、民間企業など県内外の皆様の御協力のもと、「医療・福祉・防災」のお仕事体験などを組み合わせ、こどもたちの好奇心を大いに刺激するイベントへと進化させることができました。
中でも、「遠隔医療」体験ブースにおいては、オンライン診療機能を備えた「医療MaaS車両」のモデル車を配置し、実際に、離れた場所から車両内のカメラを操作して、カメラ越しに患者さんと対話するなど、「遠隔医療」を疑似体験していただき、地域医療の将来を担うこどもたちに関心を深めてもらいました。
この「医療MaaS」は、本年十一月末より県立海部病院に本格導入することとしており、「巡回・訪問」診療を対面とオンラインの「ハイブリッド」で実施することにより、平時は、過疎地域をはじめ医療機関への通院が困難な方を支援するとともに、災害発生時にはリアルタイムに医療機関と連携し、被災地域での活動を行うことも可能となります。
「医療DX」と「モビリティの力」で地域医療の未来に光を照らし、平時・発災時を問わず、県民の皆様にシームレスな「医療提供機会」が確保されるよう取り組んで参ります。
【がん征圧の取組】
次に、「がん」対策につきましては、県内において、年間約六千人が「がん」と診断されており、がんの早期発見・早期治療を促すため、先の六月補正予算において、従業員ががん検診を受けやすい環境整備を図る事業者への「奨励金制度」を創設するとともに、保健医療や経済産業分野等、「五十七団体」の皆様と「徳島県がん征圧共同宣言」を行い、官民一体となった取組を進めております。
その結果、県とともに啓発活動に取り組む「がん検診受診促進事業所」登録数が、九月九日時点で、昨年度より倍増の百二十六事業所となるなど、県民総ぐるみで「がんの征圧」に取り組む機運が確実に高まっているところです。
この機を捉え、「がん征圧月間」である今月「九月」には、
・新たな啓発キャラクター「がんムシ君」やキャッチコピー「がん、無視すんなよ!徳島県」を活用した「YouTube広告」「テレビCM」等、啓発動画の集中的な発信
・小・中・高等学校を対象とした「がん出前講座」の実施や、「がん教育セミナー」の開催
など、あらゆる角度から、全世代に向け、わかりやすく、強力にアプローチして参ります。
さらに、十月の「ビジネス・チャレンジ・メッセ 徳島」では、「産官学金」の多様なビジネスパーソンに対し、がんの「早期発見・早期治療」や事業者による「健康経営」の重要性を強力に呼びかけて参ります。
加えて、県発注工事等の企業選定の基準となる「格付け」において、「がん検診の受診促進に取り組む企業」を新たに評価するとともに、県有庁舎等の維持管理業務についても、「格付制度」を導入している業種は、公共工事と同様に評価することと致します。
今後とも、県民の「命と健康」を守るため、挙県一致で「がんの征圧」に取り組んで参ります。
次に、「魅力度アップ」であります。
【魅力ある県都のまちづくり】
アリーナにつきましては、先の県議会六月定例会において答弁致しましたとおり、県と致しましては、「徳島東工業高校跡地」を候補地として、その多くを所有する「徳島市」に対し、「アリーナ実現のための市有地の活用」について協力を依頼し、協議を進めているところであります。
そうした中、徳島市議会・九月定例会の開会日において、遠藤市長から、「徳島東工業高校跡地の市有地について、『聾学校跡』の県有地との等価交換などにより活用することが、今後のまちづくりを進める上で最善である」との認識が示されたところであります。
この件につきましては、「今市議会での議論を踏まえた上で、正式に県に対して回答したい」とのことであり、その回答を踏まえ、取組を進めて参りたいと思います。
引き続き、県議会における御議論も踏まえ、県民の期待に応えることができるアリーナの早期実現に努めて参ります。
次に、「新ホール整備」につきましては、再公募に向けて、事業者や業界団体へのヒアリングを実施し、建設業界の現状などをお聞きするとともに、県が設定していた応募要件に対する御意見を伺ったところであります。
これを踏まえ、再公募にあたっては、機能的な新ホールを可能な限り早く、ローコストで整備するため、民間の知見を活かした提案を広く募りたいと考えており、準備が整い次第、速やかに募集を開始いたします。
【最低賃金の引き上げ】
次に、「最低賃金の引き上げ」につきまして、昨年度、議員各位の御協力も頂き、全国一の引き上げを実現し、県内事業者の皆様の御努力もあり、本県の実質賃金は、全国がマイナスとなる中、「十一ヶ月連続でプラス」となるなど、働く場としての魅力向上に大きく寄与しております。
今年度におきましては、まず、審議が本格化する前の七月十五日に、徳島労働局長と意見交換を実施し、
・最低賃金が学生をはじめとする若者、高齢者、障がい者、外国人などすべての労働者に適用されることの重要性
・「人口流出抑制、人材確保」の観点
などから、更なる引き上げを訴えさせていただきました。
さらに、八月二十八日には、徳島労働局長及び徳島地方最低賃金審議会会長に対し、積極的な引き上げに向けた要請を行いました。
この結果、九月一日、審議会において、労使双方の合意のもと全会一致で「六十六円」引き上げ、引き上げ後は「千四十六円」とする答申がなされ、全国順位は「二十七位」と中位水準を維持することとなりました。
また、引き上げは、隣接する兵庫県をはじめとする関西圏との賃金格差の縮小により、本県の人口流出抑制、人材確保、地域経済の持続可能性の確保につながるものと評価しております。
これまで、事業者の皆様方に対しては、県は、昨年度の補正予算以降、総額「約十五億円」に及ぶ生産性向上や価格転嫁の推進、事業承継など様々な支援策を国と連携して行ってきたことに加え、労働局の「業務改善助成金」の活用件数の伸び率は、全国一位の「約三倍」となりました。
今般の最低賃金の引き上げへの対応としては、国において、補助金の要件緩和等が表明されたほか、交付金等を活用した大胆な後押しを行うとの方針が示されているところであり、引き続き、情報収集の徹底に努め、持続的な賃上げ、県内経済の成長・好循環にしっかり取り組んで参ります。
【県産品の国内外プロモーション】
次に、「県産品の国内外プロモーション」につきまして、昨年十二月にスタートした地域商社と一体となって、国内外におけるフェアや商談会等を開催し、昨年度は、一次産品を中心に一億円を超える売上げとなるとともに、インドネシア・ドバイなどへのハラール牛の販路拡大に取り組み、三.六億円を超える輸出につながったところであります。
今年度には、大阪・梅田「KITTE(キッテ)大阪」において、八月九日から十日にかけ、四国四県連携による物産フェアを開催し、多数の来場者に、魅力ある県産品のPRを行いました。
また、「海外との経済交流の推進」につきましては、四月の「香港」に続き、七月に「韓国」に対し、経済ミッションを実施し、県産品商談会を開催するなど、国際定期便を活用したプロモーションにより、「ロッテグループ」をはじめとした、現地のバイヤーや飲食店から県産品に大きな関心が寄せられ、現在、県内事業者において商談が継続されております。
さらに、十一月に就航が決定した「韓国・済州」とのチャーター便を活用し、現地との経済交流にもしっかりと取り組んで参ります。
こうした経済交流を効果的に進めるため、「徳島県・上海事務所」に代え、「ジェトロ・香港」に職員を派遣し、県の海外拠点を再構築したところであり、今定例会に、地域商社と連携したプロモーション強化に係る「補正予算案」を提出させていただいております。
今後は、タイ、韓国、香港の三拠点を中心に、アジア地域への「食・観光・文化」の一体的なプロモーションを展開することにより、県産品の販路開拓と、県内企業の海外進出を強力に促進して参ります。
【大阪・関西万博について】
次に、「大阪・関西万博」につきまして、本年五月三日に「EXPOアリーナ」で約一万人の来場者とともに「踊りの輪」を創り上げた「阿波おどり」が海外パビリオン関係者から高い評価を頂いているところであります。
また、九月七日には、「イタリア」や「ドイツ」のパビリオンで演舞を御披露したほか、本県が企画する万博催事に御協力を頂いている万博プロデューサーの中島さち子氏が手掛ける「いのちの遊び場・クラゲ館」においても演舞を行い、多くの来場者に阿波おどりの魅力を体感いただきました。
さらに、明後日の十三日には、「タイ」のパビリオンにおきましても演舞を予定しております。
開催期間も残り少なくなりましたが、関西パビリオン徳島県ゾーン及び併設会場の本県イベント来場者数については、八月末時点で累計四十万人を超え、目標来場者数の四十二万人に対して、想定を上回るペースとなっており、御好評により配布を終了した万博会場と徳島を結ぶ「ワンコインクーポン」についても、利用実績が「一万人」を超えたところであります。
引き続き、「大阪・関西万博」を契機として、一人でも多くの方に来県いただけるよう、閉幕まで徳島の魅力発信に努めて参ります。
【官民連携による空き家利活用】
次に、「空き家利活用」につきましては、県内のみならず全国の皆様から利活用策を公募し、この度、カフェや民泊といった「八つのプロジェクト」を選定し、先進的な対策モデルがスタートを切ったところであります。
加えて、去る八月十九日に「連携協定」を締結した「世界最大級の宿泊予約プラットフォーム」であり、空き家利活用の成功事例を多数有する「エアビー・アンドビー・ジャパン株式会社」と、民泊等の開業や観光誘客に向けた県内各地での「空き家活用・民泊スタートアップセミナー」の開催などを通じ、「利活用の推進」や「新たな経済機会の創出」を図って参ります。
【とくしまマラソン新コース】
次に、「とくしまマラソンの新コース」につきましては、ランナーアンケートにおいて、「コースが単調である」、「もっと街中を走りたい」など、コース変更を希望する意見が今までに多かったことを受け、専門家や市民ランナー、関係機関などの御意見をお聞きし検討して参りました。
去る九月二日に開催された「とくしまマラソン実行委員会総会」において、「二〇二七大会」に向けた新コースの概要が決定されたところであります。
新コースは、現行のコースで八割を占める堤防道路を二割にすることで、市街地エリアなどを増加させるとともに、ランナー同士がすれ違う区間を拡大することにより、沿道での応援の増加やランナーの一体感の創出が見込まれる魅力あるコースとなっております。
新コースでの安全かつ円滑な開催に向け、実施計画の策定費を今定例会に「補正予算案」として提出させていただいたところであり、県民の皆様や関係機関の御理解、御協力を頂きながら、国内外から多くのランナーに参加いただける大会へ進化させていきたいと思います。
次に、「透明度アップ」であります。
【開かれた県政運営の推進】
「開かれた県政運営の推進」につきましては、先月十九日に、県議会議場をお借りして、須見議長にも御臨席いただき、こどもたちが、自ら考えた本県の課題解決に向けた提案を行う「阿波っ子未来会議」を開催致しました。
会議では、「イベントによる地域活性化」や「徳島駅前の魅力化」、「学校給食」から「農業の魅力発信」、「若者の幸福度」まで、幅広い提案を頂いたところであります。
今後も、こどもたちの意見をしっかりと聴きながら、施策を推進し、「幅広い県民参加」による県政運営を図って参ります。
【時代のニーズに対応した行政サービスの提供】
次に、「時代のニーズに対応した行政サービスの提供」につきまして、昨年度から収入証紙に代わる多様な収納方法に関して、利用者や専門家の御意見をお聞きしながら検討を進めて参りました。そうした中、今年度中にはキャッシュレス決済端末による試行運用を県内六箇所の窓口で開始するとともに、今定例会に収入証紙条例を廃止する議案を提出させていただいております。
今定例会において御可決を頂きましたら、県民の皆様に混乱が生じないよう、周知・広報をしっかりと行い、令和八年十月から開始予定の「証紙に代わる収納方法」への移行を着実に進めて参ります。
また、その他の行政手続につきましても、簡素化・効率化に向けた改革を進めて参ります。
去る八月一日には、市町村や行政書士などのいわゆる士業の代表者などを構成員として、行政手続の合理化にかかる会議を開催し、各種様式の統一化や他県事例を含めたアナログ規制への対応等に関する検討に着手したところであります。
「県民目線」に立った不断の業務改革についてできるところから速やかに改革して参ります。
【持続可能な組織執行体制の構築】
次に、「持続可能な組織執行体制の構築」につきまして、今年度、「組織執行体制の見直し」を行政改革の一環と捉え、業務の徹底的な効率化やスマート化、魅力ある職場づくりをはじめとした人材確保の取組と一体的に推進することとし、中堅、若手職員等による検討チームや職員アンケート等を通じて、地域や県庁組織の将来像を見据えた中長期的な視点での検討を重ねて来たところであります。
この結果、「南部総合県民局」の設置からちょうど二十年が経過した、現在の「総合県民局」及び「東部各局」の体制について、業務の集約化等による「生産性向上」と県民目線・現場主義による「組織機能向上」のバランスの取れた体制を構築するべく、本庁各部局長直属の「事務所体制」への移行を基本に、再編することと致しました。
今後、県議会での御議論や市町村からの御意見を踏まえ、更なる検討を進め、令和八年度からの新体制スタートを目指して参ります。
【提出議案説明】
次に、今回提出しております議案の主なものについて御説明致します。
第一号議案より第三号議案は、一般会計、特別会計及び企業会計についての補正予算であり、予算以外の提出案件と致しましては、先ほど御説明致しました「徳島県収入証紙条例」の廃止を含む条例案五件、負担金議案八件、契約議案二件、その他議案一件、決算認定七件であります。
以上、概略御説明申し上げましたが、詳細につきましてはお手元の説明書等を御参照願うこととし、また、御審議を通じまして御説明申し上げたいと思います。
十分御審議いただきまして、原案どおり御賛同賜りますようお願い申し上げます。