〒770-8570
徳島県徳島市万代町1丁目1番地
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本日、六月県議会定例会を招集致しましたところ、議員各位におかれましては、御参集をいただき、誠にありがとうございます。
ただ今、提出致しました議案の御説明と合わせ、当面する県政の重要課題について御報告申し上げ、議員各位をはじめ、県民の皆様方の御理解、御協力を賜りたいと存じます。
【知事就任一年】
はじめに、昨年五月に知事就任以来、早くも一年余りが経過致しました。
この間、官民一体となった国内外への本県のプロモーション活動をはじめ、国への様々な要望活動、県内市町村との連携強化など、県議会の皆様の御理解と御協力を頂きながら、県勢発展と課題解決に取り組んで参りました。
去る三月には、本県の「安心度」、「魅力度」、「透明度」の向上に向け、県政運営の基本指針「徳島新未来創生総合計画」を策定し、政策を着実に実行するため、新年度の組織再編を行ったところであり、今後とも、「未来に引き継げる徳島」の実現を目指し、全力で県政運営に当たって参る所存であります。
【六月補正予算案】
次に、「六月補正予算案」につきましては、
・能登半島地震を教訓に、本県において検討を重ねてきた「防災・減災対策」の強化
・また、「経済成長への投資」や「観光誘客の推進」、「DX推進」など「未来に引き継げる徳島」の実現を加速するため、
総額「十億円」で編成しましたので、その概要について御説明申し上げます。
まず、「安心度アップ」として、能登半島地震において、様々な課題が浮き彫りとなったことから、本県では、「県土強靱化・レジリエンス」双方の視点から、二月より、課題を踏まえた「ワーキンググループ」を新たに設置し、地震防災対策の再検証を実施するとともに、具体的な強化策を検討して参りました。
また、災害対応の最前線を担われる市町村に対しては、先月十三日に開催した「知事・市町村長会議」において、「緊急防災・減災事業債」の積極活用による防災対策の推進、さらに、二十四日には「緊急意見交換会」を開催し、「空き家対策」についても一層の推進を呼びかけたところであります。
これらを踏まえた防災・減災対策予算としまして、まず、能登半島地震では、古い建築物や耐震基準を満たしていない多くの住宅が倒壊し、被害が拡大したところです。
本県においては、最近の十五年間で耐震化率は「十七」ポイント上昇と一定の向上がある中、近年の物価高騰による耐震化工事の「所有者負担増加」や高齢者世帯における「施工控え」が課題となっております。そこで、県民の皆様の耐震対策への意識が高まっている「今こそ」、市町村と連携し、
・耐震改修に対する補助上限額を現在の「百万円」から「全国トップクラス」となる「二百万円」に引き上げるとともに、
・高齢者世帯には、耐震改修費用への住宅や土地を担保にした融資制度で初期の自己負担ゼロとなる「リバースモーゲージ」への利子補給制度を創設し、
「死者ゼロ」を目指すべく住宅耐震化を強力に後押しして参ります。
また、能登半島地震では、多数の道路が崩落や段差で寸断されるとともに、津波で船舶が流出し、「二次被害」が発生したところです。
そこで、
・県内の「通行途絶危険箇所」を調査し、必要な資機材の調達・備蓄に関する具体的な「計画の策定」を進め、道路啓開の実効性を高めるとともに、
・津波による船舶流出の二次被害防止に向け、安全な水域や係留施設に船を移設できるよう、「候補地調査と計画策定」を行い、
「大規模災害を迎え撃つ県土強靱化」を推進して参ります。
さらに、被災地では、「通信途絶」により「情報把握」に支障が生じるとともに、長期間に及ぶ避難所生活における「QOLの向上」や、生活用水の確保が課題となりました。
そこで、「トイレカー」を県が率先して導入することで、本県発災時の市町村における「衛生環境の確保」を補完し、全国の自治体間での「相互応援体制づくり」に繋げるとともに、
・災害時の通信手段確保に資する衛星インターネット通信機器「スターリンク」導入
・住民参加型の避難所運営訓練の実施や、「QOL向上」のための資機材整備
・ 「防災井戸」の登録制度創設
などに対する「緊急的な支援制度」を設け、市町村における積極的な防災対策強化を後押しして参ります。
また、能登半島地震支援に尽力した「DMAT」や「保健師チーム」など「保健・医療・福祉分野」の支援体制強化に向け、
・県内での発災時にいち早く駆けつける「徳島ローカルDMAT」の創設
・災害派遣精神医療チーム「DPAT」先遣隊の増設
を行うなど、「発災後のレジリエンス向上」を図って参ります。
「魅力度アップ」では、「県内経済成長への投資」を図って参ります。
まず、世界的な成長産業である「蓄電池関連産業」を本県に集積を図るべく、現在策定中の「バッテリーバレイ構想」を先取りし、
・首都圏を中心とした積極的な誘致活動に加え、
・蓄電池メーカーの大規模投資を支援する上限「三十億円」の補助区分を新設
致します。
また、昨年度九月補正予算に計上した「宿泊施設誘致調査事業」の検討結果を踏まえるとともに、高まるインバウンド需要を見据えた本県の宿泊キャパシティ拡大に向け、
・ホテル誘致に向けたカンファレンスの実施や土地情報の収集に加え、
・国内外の旅行者に選ばれる「質の高いホテル」への投資を促すため、上限「十億円」の補助区分新設
により、「戦略的なホテル誘致」を進めて参ります。
さらに、人材確保を進め、持続的な「賃上げ機運を醸成」するため、県内中小・小規模事業者に対し、
・事業場(じょう)内の「最低賃金」を引き上げながら、生産性向上への設備投資を行う場合、国の助成金に「県独自」の上乗せ助成を行うとともに、
・申請事務代行費用の支援とあわせ、労働局と連携し、事業者へ助成金情報の「周知徹底」
を行って参ります。
「透明度アップ」では、行政、医療現場の「DX」を推進して参ります。
まず、県庁の「働き方改革」を推進するため、県万代庁舎「全フロア」への「無線LAN環境」整備や来庁者向け「デジタルサイネージ」の整備を行います。
また、本県救急医療の対応に当たる医師が、病院の垣根を超えて連携できるよう「医療情報連携アプリ」の導入により遠隔支援体制を構築して参ります。
【徳島県の政策要望】
次に、先月二十三日、自由民主党本部及び各省庁を訪問し、次年度政府予算編成への反映に向けた「徳島県の政策要望」を行って参りました。
具体的には、
・防災関連備品の国による主体的な配備など、能登半島地震の教訓を踏まえた「防災・減災対策」の強化や「緊急防災・減災事業債」をはじめ、財源の重点確保
・労働力不足対策のための財源確保と支援の充実
・「徳島バッテリーバレイ構想」の実現に向けた取組への国の強力な支援
・若年層などへの「パスポート取得支援」等による海外とのヒト・モノ交流の拡大促進など、
新次元の政策実現に向け、強く訴えたところです。
これに対し、自由民主党の渡海政調会長からは、「徳島からは地域の特色を活かした代表選手となるよう取組を進めていただきたい。」との激励の言葉を頂きました。
今後とも、国との連携を密に、本県の安心度、魅力度、透明度向上を図る政策を加速させて参ります。
続きまして、主な施策について御報告申し上げます。
まず、「魅力度アップ」であります。
【県都のまちづくり】
本県の魅力度アップ実現に向けては、「魅力ある県都のまちづくり」に向けた取組が重要であり、関連する事業の実現可能性を確認すべく、各事業の調査に着手して参りました。
まず、新ホール整備については、「徳島駅・北口」の開発に向けた車両基地の移転検討に伴い、藍場浜公園西エリアを候補地としてお示ししております。
本年二月より進めてきた調査では、
・ 県立ホールとしての大ホールは「千五百席以上」の規模を確保し、「クラシックやオペラ、ダンス、演劇」など、様々な演目に対応
・舞台裏手には、十分な「搬入搬出スペース」を設け、一部共有で「あわぎんホールの利便性」も向上
・ 駅に近い東側にエントランスを設け、人の流れを呼び込むことが可能
など、高い機能性を備えた新ホールが建設できるものと考えております。
また、実現に要する「コスト・スケジュール」については、
・ ホール本体工事費として、約百四十二億円
・事前の計画手続きから、設計が約一年六ヶ月、
工事が約二年十ヶ月
などを見込んでおり、従来案に比べて安価であることに加え、機能や工期の観点からも遜色ないものとなっており、さらに今後の県都のまちづくりの観点からも
優れた場所となっております。
今後、議会での御論議とともに、徳島市をはじめとする関係者との協議を進めて参ります。
次に、「連続立体交差事業」については、国鉄民営化前から、中心市街地の整備に向けた徳島市の熱い思いのもと、関係者で取り組んできたものであり、「JR佐古駅」付近まで完成したところです。
一方、「車両基地移設」や「徳島駅周辺のまちづくり」など、その後の整備については、平成十八年度に着工準備採択されてから今日まで、着手の見通しが立っておりません。
そこで、改めて事業の火をともすべく、県都のまちづくりに向けたグランドデザインを御提案させていただき、現在、徳島駅を南北に分断する車両基地移設の技術的検討をはじめ、費用対効果を算定するなど、再検証を進めているところであります。
このうち、「徳島駅北口」については、鉄道の高架と車両基地の移設をセットで整備することにより、スムーズな歩行者動線の確保が可能となり、人が行き交う「回遊性」を高めるとともに、眉山、新町川、徳島城といった我々徳島県民のアイデンティティを結ぶ軸の形成により、駅周辺の活性化が期待できるものと考えております。
また、「車両基地の移設」については、「旧県立青少年センター等の跡地」において、施設の配置や基地への接続が技術的に可能であることを確認したところであります。
今後とも、県議会の皆様の御論議を踏まえながら、検討を進め、事業化に向けた新たな計画をお示ししたいと考えております。
さらに、「アリーナの整備」につきましては、県内外から多くの人を誘客し、宿泊者数の増加や地域経済の活性化へと繋げる「目指すべきアリーナ像」を具体化するため、本年二月より全国各地で地域のにぎわい創出を実現しているアリーナの好事例や類似施設の状況などを調査・研究し、
・収容人数は「五千人以上」の規模
・「すり鉢状」の客席構造
・マルシェ等の賑わい創出に資するイベント開催が可能な「オープンスペース」
など新たなアリーナに「期待される規模・機能」をはじめ、「ビジョン」及び「コンセプト」「想定される利活用シーン」についてお示ししたところです。
今後、「県都のまちづくり」のさらなる具体化に向けては、県市協調による取組が重要であり、県としては、令和三年三月に締結した「県市基本協定」の取扱いについて、徳島市の理解を得るべく、真摯な協議を行って参りたいと考えております。
昨日、徳島市に対し、この度の調査結果等を共有したところであり、今後、今定例会における御論議を踏まえつつ、早期に県市のワーキンググループを再起動することで、徳島市との協議を加速させ、「未来に引き継げる徳島」を実現して参ります。
【国際定期便の誘致に向けて】
次に、「国際定期便の誘致」につきまして、今春も、台湾スターラックス航空による「インバウンドチャーター便」が十七往復運航され、搭乗率は約八十五%、約二千七百人の台湾の皆様に徳島へお越しいただき、春ならではの桜や自然、グルメ、文化などを堪能いただいたところです。
台湾からのチャーター便が定着する中、県民の皆様からは、気軽に海外に行けるよう「徳島阿波おどり空港に国際定期便を」との期待が寄せられているところであり、先月二十九日、韓国を訪問し、関係者に対し、「早期の定期便の実現」を要請して参りました。
引き続き、台湾・韓国など重点市場との交流拡大に向け、積極的にエアポートセールスを展開し、さらなるチャーター便の運航はもとより、双方向での交流拡大に不可欠な「国際定期便の早期実現」に全力で取り組んで参ります。
【人口減少社会における人材確保対策】
次に、「人口減少社会における人材確保対策」につきまして、深刻な「労働力不足」が顕在化する中、本県の人手不足分野における人材確保や賃上げ、生産性向上などに、全庁を挙げて取り組むため、去る四月二十四日、徳島労働局にも御参画をいただき、「人材確保戦略会議」を新たに設置致しました。
これにより、医療・福祉・建設・運輸・農林水産分野など各業種の垣根を越え、関係部局が情報共有・連携し、人材確保策の取組を強化するとともに、県職員の体制確保も図って参ります。
今後、できうる対策から直ちに取り組むとともに、早期に戦略を具体化し、あらゆる施策を通じた人材確保対策に取り組んで参ります。
また、来る六月十七日には、労使団体のトップが出席する地方版政労使会議である「徳島雇用政策協議会」に私自らが出席し、持続的な賃上げと生産性向上に向けた意見交換を行い、全国ワースト二位である現状を打破する最低賃金の改定に向けた機運醸成を図って参ります。
【新産業の創出と県内企業の販路拡大支援】
次に、「新産業の創出と県内企業の販路拡大支援」につきまして、「蓄電池関連産業」を本県の新たな産業の柱とし、カーボンニュートラルの進捗や我が国の経済安全保障にも貢献する「徳島バッテリーバレイ構想」については、パブリックコメントを実施し、広く県民の皆様から御意見を頂いたところです。
今後、県議会の皆様の御論議も踏まえながら「七月上旬」を目処に策定し、関連企業の誘致や蓄電池教育の推進などの取組を通じて、「蓄電池関連産業」の集積や人材確保を目指して参ります。
また、人口減少による国内市場縮小により海外市場の重要性が増す中、県内事業者の国内外への商流構築を支援する、「新たな地域商社」につきましては、去る四月二十三日に有識者等による設立準備会を開催致しました。
今後、官民連携の組織として設立し、県産品の魅力度向上や「観光・食・文化」の一体的な「ワンチーム徳島」によるプロモーションにより本県産品の情報発信力・認知度を向上させて参ります。
また、県産品の海外への販路拡大と県内企業進出を強力に支援し、持続可能なビジネス展開に繋げて参ります。
【持続可能な林業・木材産業の推進】
次に、「持続可能な林業・木材産業の推進」につきまして、本県の豊かな森林を将来にわたり適切に整備・保全するためには、「伐(き)って、使って、植えて、育てる」森林資源の循環利用を確立することが重要であります。
このような中、小松島市に製材工場を持つナイス株式会社と香川県丸亀市の木材加工会社・大倉工業株式会社は、徳島県及び香川県の豊かな森林資源に着目し、「徳島すぎ」と「香川ひのき」を組み合わせたハイブリッド集成材を連携して製造することになりました。
徳島、香川の両県ではこの取組をしっかりと支援し、県産材利用の更なる推進につなげるため、先月二十日に、原材料の安定供給と製品の需要拡大による「持続可能な森林経営」や「カーボンニュートラルの実現」を目指し、「全国初」の県域をまたぐ「建築物・木材利用・促進協定」を四者で締結致しました。
今後とも、民間企業と行政が一体となった産業振興、さらには両県連携による相乗効果も期待できる「新次元の挑戦」にしっかりと取り組んで参ります。
次に、「安心度アップ」であります。
【災害対応力の強化】
「災害対応力の強化」につきまして、最大震度「七」を観測し、甚大な被害をもたらした能登半島地震の発災から、まもなく半年を迎え、被災地では、「復興」に向けた活動が本格化しているところであります。
県では、行政職員はもとより、警察、自衛隊、医療・福祉関係者など、千人を超える被災地への派遣支援を行って参りました。
これらを通じて得た「教訓や課題」について、「道路啓開」、「断水」、「停電」、「通信途絶」、「避難所」、「物流」の各「ワーキンググループ」や「住宅・建築物耐震化促進協議会」の場を通じ、市町村や関係機関の皆様と議論・検証を重ねて参りました。
そして、できうる対策から具体化を進め、今定例会に提出致しました「六月補正予算案」にも、「全国トップレベルの耐震化補助」への強化、「道路通行途絶対策」、「避難所のQOL向上」などの事業へ反映しているところです。
さらに、民間事業者等のノウハウを本県の災害対応力強化に活かすため、二月以降、
・ 道路啓開に係る車両移動の協力
・被害が生じた建物等の汚泥洗浄
・ 支援物資の輸送オペレーション
といった「新たな分野」において、五件の「連携協定の締結」を進めるとともに、実践的な防災訓練等を通じ、「協定内容の検証」と「不断の見直し」を行い、いざ発災時に「動ける」実効性を確保して参ります。
先月二十五日付の「日本経済新聞」では、国の調査を基に、本県が、「復興準備の平均進捗度全国一位」と御紹介いただきましたが、これもひとえに県議会の皆様の活発な御議論・お力添えの賜であると考えております。
一方、まだまだやるべき課題が多いと認識しており、これに甘んじることなく、大規模災害から県民の皆様の「生命・財産」を守り抜くため、更なる対応力強化を図って参ります。
【社会基盤整備の推進】
次に、「社会基盤整備の推進」につきまして、切迫する南海トラフ巨大地震や、激甚化・頻発化する豪雨災害など、大規模自然災害の脅威の高まりに対し、令和七年度までの「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」以降も、本県の社会基盤整備の計画的推進が必要となっております。
そこで、先月八日、
・ 国土強靱化基本法に基づく「実施中期計画」の
「令和六年内の確実な策定」や、迅速な災害への対応に向けた「四国地方整備局の組織体制強化」
・ 高規格道路ネットワークの早期整備・機能強化
などを、県議会や市町村、市町村議会議長、経済団体の皆様とともに、新藤内閣府特命担当大臣や鈴木財務大臣、斉藤国土交通大臣など、政府・与党に対し、強く要望して参りました。
今後とも、「国土強靱化」に向けた「社会基盤整備」の推進に「ワンチーム徳島」で取り組んで参ります。
【高まる水害リスクへの備え】
次に、近年の気候変動により「高まる水害リスクへの備え」としまして、国とともに見直しに着手している「那賀川水系・河川整備基本方針」について、昨日開催された「社会資本整備審議会・河川分科会」において、治水レベルをもう一段高めた「変更(案)」が示され、審議が進んでいるところです。
引き続き、国と緊密な連携のもと、流域住民の「安心度アップ」のための、新たな「河川整備基本方針」の一日も早い策定を目指して参ります。
また、「県管理の中小河川」につきましては、去る四月十九日、第一弾として、全四百八十八河川のうち、百五十二河川の「洪水浸水想定区域図」を公表したところであります。
引き続き、残る中小河川も早期に策定・公表に取り組み、全ての県民の皆様の「命を守るための避難行動」への意識を高めて参ります。
【徳島新未来創生に向けた教育再生】
次に、「徳島新未来創生に向けた教育再生」につきまして、本県教育の基本的方針である「徳島教育大綱」を三月に決定し、その具現化のため、今年度、幼小中学校・高校における教育課題に対する役割の明確化や、いじめ・不登校等の諸課題を解決する体制を充実したところであります。
新たな教育長の下、こども達に寄り添い、教育再生は「この数年が正念場」との想いで、様々な課題について先送りすることなく解決して参ります。
また、公立高校普通科における「通学区域制の在り方」については、教育委員会において、「学識経験者」や「学校関係者」、「地域の方々」で構成する「有識者会議」を立ち上げ、その第一回会議を、去る六月四日に開催し、本格的な議論をスタート致しました。
今後、社会情勢の変化に対応した「高校の魅力化」と併せ、本県にふさわしい制度となるよう、結論を先送りすることなく、子どもファーストで検討を進めていただきたいと考えております。
私としましても、来月開催予定の「総合教育会議」において、「有識者会議」のメンバーや希望する市町村長の方々と議論を深め、「子どもたちの夢への挑戦」を応援して参ります。
さらに、県立学校の「タブレット端末」については、追加調達による配備を進める中、株式会社四電工から改めて、教育現場に混乱を生じさせたことについての謝罪とともに、新たな無償貸与と無償修理の提案があり、教育委員会において、事態の解決に向け、この提案を受け入れたところです。
今後、端末の「一人一台」の状況は、八月末までには回復できる見通しであり、この環境をしっかり活用し、ICT活用による大学等と連携した高度な専門教科の指導や、「GIGAスクール構想」の次のステージに向けての環境整備、いわゆる「NEXT・GIGA」の推進など、「教育DX」の深化を図り、未来を担う児童生徒の学びの環境を創造して参ります。
【こどもまんなか社会の実現】
次に、「こどもまんなか社会の実現」につきまして、「こども・子育て施策」をしっかりと推進するため、新年度、「こども未来部」を設置し、先月二十日には、「とくしまこども未来会議」開催により、本県こども施策の新たな道標となる「徳島県こども計画」の策定に向け、議論をスタートさせたところです。
また、先月二十三日には、国に対し、
・本県が今年度から十八歳までに拡大した「こども医療費助成制度」の全国一律での実施
・ 学校給食費無償化への積極的な関与と支援
など、さらなる「こども・子育て支援」の充実に向けた政策要望を実施致しました。
さらに、こどもが安全で安心できる居場所である「こども食堂」については、民間団体とともに、地域の皆様方のお声も聞きながら、新規開設や継続的な運営を支援してきた結果、「全市町村」において開設され、令和六年四月末における設置箇所数は、「百四十八カ所」に拡大されたところです。
これもひとえに、運営者や支援者の自発的な取組とともに、多くの県民の皆様からの温かい御支援のたまものであり、厚く感謝申し上げるとともに、今後も、すべてのこどもが笑顔になれる「こどもまんなか社会」の実現に向け、全力で取り組んで参ります。
【提出議案説明】
次に、今回提出致しております議案の主なものについて御説明致します。
第一号議案及び第二号議案は、一般会計、企業会計についての補正予算であり、予算以外の提出案件と致しましては、条例案十三件、契約議案四件、その他の議案二件であります。
第三号議案は、「新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止に関する条例」について、令和六年度から通常の医療提供体制への移行が円滑に完了したことに伴い、条例を「廃止」するものであります。
以上、概略御説明申し上げましたが、詳細につきましてはお手元の説明書等を御参照いただくとともに、また、御審議を通じまして御説明申し上げたいと存じます。
十分御審議くださいまして、原案どおり御賛同賜りますようお願い申し上げます。