〒770-8570
徳島県徳島市万代町1丁目1番地
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本日、九月県議会定例会を招集致しましたところ、議員各位におかれましては、御出席をいただき、誠に有難うございます。
初めに、「令和三年八月の大雨」では、停滞する前線により西日本から東日本の広い範囲で大雨が続き、九州北部はじめ各地で被害が発生致しました。
お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り致しますとともに、被災されました皆様に、心からお見舞い申し上げます。
全国知事会では、八月十三日、広島市に「大雨特別警報」が発令され、他の地域においても特別警報の発令や被害拡大の恐れがあったことから、直ちに「緊急広域災害対策本部」を立ち上げ、本部長として「情報収集」はもとより、各ブロック幹事県を中心に、広域応援要請に備えた「万全の体制」を確保致しました。
また、一昨日、九月八日、県南部に「線状降水帯」が発生し、本県では初めて、「顕著な大雨に関する情報」が発表されました。
この度の記録的大雨により、県南複数の地域で、床上・床下浸水の「住家被害」が確認されており、被害に遭われた方々に、心からお見舞い申し上げます。
引き続き、早期復旧に向け、関係自治体としっかりと連携し、速やかに対応するとともに、本格的な台風シーズンを迎え、県民の皆様の「安全・安心の確保」に向け、さらなる緊張感を持って、しっかりと対応して参ります。
ただ今、提出致しました議案の御説明と合わせ、当面する県政の最重要課題について御報告申し上げ、議員各位をはじめ、県民の皆様方の御理解、御協力を賜りたいと存じます。
【新型コロナウイルス感染症対策】
まず、「新型コロナウイルス感染症対策」につきまして、七月中頃から、感染力が非常に強い「デルタ株」が全国にまん延し、八月中旬から下旬にかけて、「新規感染者数」が連日のように「二万人」を超える中、本日時点で、全国の「七割を超える三十三」の都道府県に「緊急事態宣言」又は「まん延防止等重点措置」が適用され、「人口比」では、実に「八十七%」を超える地域で強力な措置が取られております。
県内は、これらの対象地域ではないものの、お盆の帰省等による「人流増加」で感染が急拡大し、現在、二度目となる「飲食店への営業時間短縮要請」を行っているところであり、御協力いただいている事業者や県民の皆様、医療の最前線で日夜、対応いただいている医療従事者の皆様に対し、心より感謝申し上げます。
本県では、「第四波」が落ち着きを見せ始めた六月段階から、「変異株の猛威」に備え、「八月十五日」までの間を「第五波・早期警戒期間」と位置づけ、対策を強化致しましたが、七月に入り、近隣府県で「デルタ株」への置き換わりが進む中、「夏休み」や「お盆」の人流増加による感染拡大が懸念されたことから、「とくしまアラート」を順次引き上げ、県民の皆様に先手先手で注意喚起を行って参りました。
さらに、七月三十一日には、それまでの「早期警戒期間」を「警戒強化期間」に改め、「緊急事態宣言」の終期であった「八月三十一日」まで延長致しました。
この結果、全国的に感染爆発「第五波」に見舞われる中、八月十六日時点では、本県と秋田県のみが「直近一週間の新規感染者数」で国基準の「ステージ2」に抑えることができておりましたが、お盆の人流増加により、翌十七日には、「三十六名」もの感染者が確認されたことを踏まえ、とくしまアラートを「感染拡大注意・急増」、国基準の「ステージ3」に引き上げるとともに、「警戒強化期間」を「九月十二日」まで延長致しました。
その後、わずか二日で「直近一週間の新規感染者数」が「ステージ4」基準に達したことから、八月十九日、アラート最高レベルの「特定警戒」、国基準の「ステージ4」を初めて発動するとともに、「警戒強化期間」を「最大警戒期間」に引き上げ、新たに、
・県立施設における「二十時以降」の原則休館
・県外への帰省後、本県に戻られる大学生等を対象とした「帰県前・PCR検査」の受検支援
・県内事業者への「県外出張自粛」の呼びかけや、やむを得ず出張する際の「PCR検査」実施要請
を行うことと致しました。
加えて、飲食店の皆様に対し、「時短要請」実施の可能性についてお伝えした上で、飲食店向け「PCR定期検査」の積極的な活用を呼びかけたところ、八月二十五日には、目標とした「五百店」を大きく上回る「七百七十六店」からお申込みを頂く一方、新規感染者数が「五十名」を上回る日が増え、「飲食の場」における感染拡大の傾向が見られたことから、同日、県内の人流、特に「夜の人流」を抑制するため、事前に周知させていただいた上で、八月二十七日から九月十二日まで県内全域を対象とした「飲食店への時短要請」を行うことを決定し、大多数の皆様に御協力いただいております。
また、昨日、「政府対策本部」において、東京、大阪、兵庫など、「二十七都道府県」に対する「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」の延長が決定され、さらに、直近の県内「飲食の場」における感染状況も考慮の上、「飲食店への時短要請」を、緊急事態宣言等の終期となる「九月末」まで延長致しました。
現在、「PCR定期検査」を利用されている「コロナ対策三ツ星店」の皆様には、その御協力にお応えするため、「危機管理調整費」を活用し、「協力金の一部前払い」の手続きを進めており、今回の補正予算で、前回要請時と同様、国の基準を上回る協力金を措置するとともに、「飲食関連事業者」の皆様の事業継続を支援するため、支給要件を前回の「売上減少・五十%以上」より緩和し、「本年八月又は九月」の売上が「三十%以上」減少した事業者を対象に、法人「四十万円」、個人事業者「二十万円」を上限とする「支援金」を支給することとしております。
次に、「ワクチン接種」につきまして、医療関係者をはじめ、市町村や職域接種を行う企業・大学など、関係者の皆様の御協力により、目標としていた「十八歳以上の希望者への八月末・五割以上接種完了」を前倒しで達成し、「八月末の接種率」は、「六十二.三%」に達しました。
県では、これまで、「アスティとくしま」の「大規模集団接種会場」を活用し、「高齢者接種」に続き、
・ワクチンを打てない十二歳未満の子どもと接する「保育士」や「幼稚園教諭」、「学校教職員」
・集団生活の中で、これまでに複数例のクラスターが発生した「学生寮生」
・災害時に最前線に立ち、地域の安全・安心を守る「消防団員」
・人との接触機会が多い「生活衛生同業組合」の関係者の皆様
・さらには、就職や進学に向け、県外との往来が増える「高校三年生」など、
集中的・重点的に接種を進めて参りました。
これらに加え、昨日から対象を拡大し、
・妊娠後期に感染すると、早産や重症化のリスクが高まるとされる「妊婦」と、「そのパートナー」
・ 「職域接種」や「大学拠点接種」の対象者のうち、体調不良等でモデルナワクチンの二回目接種が受けられなかった、いわゆる「二回目難民」の方
・七月以降、県内感染者の「約七割」を占める「三十代以下」の方
・さらには、感染後の重症化リスクが若年層よりは高く、接種が進んでいない「四十代、五十代」の方
への接種を全市町村の皆様を対象に開始したところであり、今後十月末まで、一人でも多くの方に接種いただけるよう、夜間の時間帯も活用しながら、接種機会を確保して参ります。
一方、「職域接種」につきましては、八月上旬以降、順次、承認が再開され、県内で承認された「全二十五団体・二十六会場」で接種が進められており、今回の補正予算により、新たに、中小企業や大学等の「接種会場設置・運営経費」を支援して参ります。
さらに、新たに加わった「アストラゼネカ社製ワクチン」も活用し、国が掲げる「十月から十一月の早い時期」に希望する全ての国民への接種が完了できるよう、接種体制を強化して参ります。
また、高齢者へのワクチン接種が進んだことで、軽症者や無症状者が感染者の大半を占め、「宿泊療養施設のさらなる確保」が必要となったことから、八月二十九日に、新たに、「徳島ワシントン・ホテルプラザ」において「百二十四室」を確保し、療養体制を合計「四百室」に拡充致しました。
今後とも、県民や事業者の皆様とともに、感染拡大「第五波」を乗り越えることができるよう、知恵と工夫を凝らし、必要な対策を躊躇なく強力に進めて参ります。
次に、全国知事会におきましては、全知事一致協力のもと、「緊急提言」を取りまとめ、国や与党に対し、
・ 「地方創生臨時交付金・事業者支援分」の留保分「二千億円の早期解除」
・ 「ワクチン接種の一層の加速」や「中和抗体カクテル療法」はじめ、治療薬の患者への迅速な使用
について強く要請するなど、コロナ克服に向け、全力で取り組んで参りました。
この結果、八月十七日、菅総理から、地方における対策強化のため、「地方創生臨時交付金」二千億円の解除に加え、全国知事会の提言を上回る「市町村分」一千億円の追加交付が表明されるとともに、八月二十七日には、「ワクチン及びカクテル療法用治療薬」購入費を含む「予備費一.四兆円」の使用が決定されるなど、地方の声がしっかりと反映されたところです。
さて、令和元年九月三日、人口「百万人以下」の都道府県、及び「四国」からは初となる「第十三代全国知事会長」に就任以来、公約として、「大都市部と地方部の連携・融和」、「政策形成・提言機能の強化」、「存在感(プレゼンス)の向上」の三つを掲げ、四十七都道府県が一致結束し、国と心を一つに「新型コロナ」はじめ「三つの国難」に対し、全身全霊で取り組んで参りました。
これまで、私が全国知事会長として、職責を全うできましたのも、ひとえに、議員各位をはじめ、県民の皆様や県職員の皆様の御理解、御協力の賜物であり、この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。
【補正予算案の概要】
次に、本県が全国知事会に提唱し、ジャパンスタンダードとなった概念「新次元の分散型国土」創出に向けた施策展開を加速し、「新型コロナ」、「災害列島」、「人口減少」の三つの国難対策を柱として編成した、総額「二百一億円」の「九月補正予算案」について、概要を御説明申し上げます。
まず、一つ目の柱「新型コロナ対策」として、
県では、これまで、事業者の「業と雇用」を守るため、
・ 「保証料ゼロ・三年間実質無利子」の融資制度「新型コロナウイルス感染症対応資金(保証承諾実績:約一万四千件、二千百十六億円)」をはじめ、
・融資連動型「十%・最大百万円」の「新型コロナ対応!企業応援給付金(給付実績:約六千四百件、四十七億円)」
・新しい生活様式の実装を(百万、五十万、二十万)三つのコースで支援する「WITHコロナ『新生活様式』導入応援助成金(助成実績:約八千三百件、三十億円)」
などにより支援して参りましたが、感染拡大「第五波」により、極めて厳しい経営状況が続いております。
このため、国の信用保証制度を活用した県の新たな融資制度「伴走支援型」経営改善資金を創設し、金融機関による継続的な支援を促進するとともに、県からの補助で保証料を「ゼロ」に引き下げ、中小企業の「資金繰り」とアフターコロナを見据えた「経営改善の取組み」をしっかりと支援して参ります。
次に、「中国の旺盛な木材需要」や「米国の住宅ブーム」を背景とした木材価格の高騰、いわゆる「ウッドショック」により、建築用材等の「国産材」シフトが進む中、
・川上の「林業現場」における「高性能林業機械」や「苗木運搬用のドローン」導入を支援するなど、「スマート林業」を加速するとともに、
・川下の「中小製材工場」における「人工乾燥機」導入を支援し、プレカットに対応する「人工乾燥材」の増産により、
本県林業の「素材生産能力の強化」と徳島すぎ乾燥材の「供給体制の整備」を着実に進めて参ります。
次に、長引くコロナ禍により、「経済面」や「生活面」で不安を抱える「若者」や「女性」、「交流等の活動制限」による孤立や孤独から心身の不調を抱える「高齢者」への支援が今、大きな課題となっております。
こうした方々が、負担感なく気軽に「支援」や「相談」にアクセスし、悩みを軽減していただけるよう、
・ 「SNS」や「動画共有サイト」を活用した「広告型の動画配信」
・コロナ禍においても高齢者に接する機会が多い「介護職員」等への効果的な「声かけ」研修
など、年代別に特化した対策を緊急的に実施し、「きめ細やかな支援体制の充実」をしっかりと図って参ります。
次に、二つ目の柱「災害列島」対策では、
地方創生の礎「県土強靱化」の推進に向け、国の「国土強靱化・五か年加速化対策」を積極的に活用し、令和二年度補正予算と一体的に編成した「令和三年度・十五か月予算」の速やかな執行を通じ、事業効果の早期発現に努めているところです。
この度、「国直轄事業」及び「一般公共事業」において、当初予算額を大幅に上回る内示が得られたことから、施工時期の平準化を図るための「債務負担行為(ゼロ県債)」と合わせ、合計「六十六億円」の公共事業費を計上致しております。
これにより、「十五か月予算」を合わせた公共事業費は、「一千七十二億円」となり、「九月補正後」の規模で「二年連続・一千億円」を超える予算を確保し、
・千葉県八(やち)街(また)市(し)の事故を踏まえた歩道整備などの「交通安全対策」
・海岸堤防の強化に資する「地震・津波対策」
・森林の防災機能を発揮させる「山地災害対策」
など、「命と暮らしを守る防災・減災対策」を強力に推進し、県土強靱化を一層加速して参ります。
また、本年七月の静岡県熱海市における「土石流災害」の発生を受け、県では、土砂の流出を防ぐ「砂防ダム」が確実に機能を発揮するよう、「定期的な点検」や「適切な維持管理」を行い、「土砂災害の未然防止」をしっかりと図って参ります。
次に、三つ目の柱「人口減少」対策として、
コロナ禍での「リモートワークの常態化」や大企業における「副業・兼業を許容する動き」は、地方への人の流れを創出し、ニューノーマル対応を加速する「地方創生の好機」であります。
本県では、この機を逃すことなく、「地域貢献の意識が高い専門人材」を呼び込むため、「若手タスクフォース」を立ち上げ、「具体的プラン」を検討してきたところであり、県内企業における「複業ニーズの掘り起こし」や都市部人材への「徳島の魅力紹介」、さらには、「募集のためのセミナー」や「マッチングツアー」を実施し、「複業人材」活用による新たな「人の流れ」づくりに、積極果敢にチャレンジして参ります。
次に、本県「知的障がい教育」の基幹校「国府支援学校」では、新校舎の整備や機能強化に向け、新たな国の「特別支援学校設置基準」に即応すべく、新設・改修工事の「基本設計」を鋭意、進めております。
今回の設計では、県立施設として初めて、「ビルディング・インフォメーション・モデリング(BIM(ビム))」を導入し、建築物を「三次元モデル」で表現することで、「設計者と発注者のコミュニケーション」が容易となり、加えて、建築モデル上でコスト管理を行いながら合理的に設計を進められるなど、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」を実装したプロジェクトとなっております。
今後、本格的な埋蔵文化財の発掘調査を進め、プロジェクトの先駆けとなる「新校舎」について、「令和四年度中の着工」を目指すとともに、「ダイバーシティの先導モデル」として、県内はもとより、全国モデルとなる特別支援学校を構築して参ります。
以上、本日提出の予算案について御説明致しましたが、厳しい経営環境が続く事業者や不安を抱える県民の皆様への「きめ細やかな対応」を図るとともに、アフターコロナに向けた「前向き投資」や「新たな事業展開」に挑戦する皆様への積極的な支援を行い、「持続可能な成長基盤の構築」に、全力で取り組んで参ります。
続きまして、主な施策について御報告申し上げます。
第一点は、未来へ雄飛!「笑顔とくしま・県民活躍」の実装であります。
【消費者政策「国際拠点化」の推進】
一昨年九月、我が国初の開催となった「G20消費者政策国際会合」のレガシーを継承し、発展させるべく、県では、明治開闢以来初めて、国の本庁機能が霞が関を離れ、徳島県庁に開設された政策創造の恒常的拠点「消費者庁新未来創造戦略本部」と強力に連携して参りました。
具体的には、
・ 「WITHコロナにおける消費者課題の処方箋」として、昨年十一月から、国内外の「有識者のメッセージ」をオンデマンドで常時配信するとともに、
・戦略本部でも、「ASEAN諸国におけるコロナ禍での消費者教育」や「デジタル社会と消費者行政」をテーマに徳島発の「国際シンポジウム」を開催し、
世界に向け、重層的に発信してきたところです。
こうした「徳島ならではの成果」をさらに進化させるため、来る十月二十六日、徳島市内において、「持続可能な社会の実現に向けた『消費者の新たな課題と解決への道筋』」をテーマに、県主催の「とくしま国際消費者フォーラム二〇二一」をオンラインとリアルの「ハイブリッド方式」により開催致します。
当フォーラムでは、
・欧米の「デジタル社会への対応事例」を収集し、政策研究を図る「基調講演」と「関連セッション」
・日本とASEAN諸国の連携強化を図る「消費者庁との共同セッション」
など、本県が創造してきた「先進的な取組みの価値」を国内外に広く発信し、「国際連携」構築を加速するとともに、引き続き、消費者庁のカウンターパートという使命をしっかりと果たし、徳島が「世界の消費者政策の拠点」となるよう、全力を傾注して参ります。
【地域生活支援拠点(東部圏域)の開設】
次に、本県では、障がいのある人もない人も暮らしやすい「共生社会の実現」に向け、県東部・県南部・県西部の各圏域ごとに、「地域生活に係る相談」をはじめ、「入居体験の場」や「緊急時の受入れ」などの「居住支援機能」に、「地域交流支援」や「福祉避難所」といった本県独自の機能を備える「地域生活支援拠点」の整備を強力に進めております。
この度、本年四月の西部圏域に続き、去る九月一日、「東部圏域の拠点」として、徳島市国府町に、県内二例目、初の多機能型拠点となる「ふらっとKOKUFU」がオープン致しました。
当施設では、隣接する「国府支援学校」と協働し、「就労・デイケア棟」を核に、農福連携による「農作物の栽培」や「六次産業化商品の開発」を行うなど、子どもから大人まで「切れ目ない支援」を行う「全国屈指の支援拠点」をしっかりと目指されております。
今後、南部圏域においても支援拠点の整備を進めていくとともに、障がいのある方が「地域との絆」を深め、「安心して暮らせる社会」を実現できるよう、しっかりと取り組んで参ります。
第二点は、未来へ加速!「強靱とくしま・安全安心」の実装であります。
【豚熱への対応】
まず、「豚熱(CSF)」につきまして、本県では、去る七月三十一日の兵庫県淡路市での「野生イノシシ」感染確認後、直ちに、
・県内養豚農家の「飼養衛生管理基準」遵守の徹底
・「野生イノシシ」監視体制の強化
・食肉処理場における「汚染防止対策」の徹底
など、対策強化を図ったところです。
その後、八月六日には、国の「牛(うし)豚(ぶた)等疾病小委員会」において、四国四県が「豚熱ワクチン接種推奨地域」に追加されたことから、発生予防対策を一層強化し、県内養豚農家の皆様の強い御要望に速やかにお応えするため、「危機管理調整費」を活用し、八月三十一日から、県内全養豚場を対象とした「ワクチン一斉接種」を開始致しました。
今後とも、豚熱を「持ち込ませない・発生させない」との強い決意のもと、県内養豚業を守り抜く「万全の防疫対策」の推進に努めて参ります。
【「徳島医療コンソーシアム」参加病院の拡大】
次に、「徳島医療コンソーシアム」につきまして、本県では、「医師の地域偏在」や「診療科偏在」等の課題解決に向け、県立病院や徳島大学病院など、県内の「公立・公的医療機関」による「コンソーシアム」を全国で初めて結成し、5Gを活用した「遠隔医療の展開」や未来を担う「人材の育成支援」を強力に推進しております。
この度、去る八月十八日に開催された「推進協議会」におきまして、新たに、「徳島市民病院」及び「国民健康保険勝浦病院」がコンソーシアムに参加する運びとなり、「県内全ての公立病院」を含む「十五の公立・公的医療機関」からなる組織として、新たなスタートを切ったところです。
今後、「病院間での相互連携」を一層深め、さらなる「地域医療の充実」と「医療の質の向上」にしっかりと取り組んで参ります。
第三点は、未来へ挑戦!「発展とくしま・革新創造」の実装であります。
【デジタル技術の実装】
去る九月一日、DXの司令塔「デジタル庁」が発足し、デジタル社会実現に向けた動きが加速する中、「全国屈指の光ブロードバンド環境」を誇る本県では、高速・大容量の通信規格「5G」についても、早期の社会実装に向け、積極的な取組みを進めております。
具体的には、県立海部病院におきまして、去る七月二十七日、「5G遠隔診療室」を開設し、直線距離で約五十キロ離れた県立中央病院に「リアルタイムの映像」を送信することで、「専門医による診療」を受診できる体制を実現致しました。
さらに、昨日、九月九日には、県立三好病院に設置した肉眼を超える超高画質の「8Kスーパーハイビジョン内視鏡」と県立中央病院を「ローカル5Gネットワーク」で接続し、手術映像を共有する「全国初の実証事業」を開始したところです。
今後とも、誰一人取り残さない「真のデジタル社会」実現に向け、全国を先導し、「デジタル技術の実装」をさらに加速して参ります。
【企業立地の推進】
次に、「企業立地の推進」につきまして、本年八月、吉野川市の「株式会社大(だい)真(しん)空(くう)」において、スマートフォンやタブレットなど、情報端末の高速データ通信を可能とする「高性能な水晶部品」増産に向けた設備投資が開始され、来年四月から操業を開始する予定となりました。
また、本年十月には、「アスティとくしま」に整備した企業誘致スペースに、本県を拠点に高品質のテレマーケティングサービスを提供されている「株式会社テレコメディア」が、県内「六か所目」となるコールセンターを新たに開設する運びとなりました。
これらにより、百名を超える「新たな地元雇用」が創出されるとともに、「AI」や「VR」など、先端技術を通信面で支える「5G環境の普及」と、多様な働き方の提供による「ワークライフバランスの実現」に、大いに繋がるものと期待しております。
加えて、コロナ禍の厳しい経営環境においても、工場等の新増設に取り組む「意欲ある事業者」を支援するため、来年度末まで期間限定で「企業立地に対する補助要件」を緩和し、「地域経済の活性化」に繋げて参ります。
第四点は、未来へ発信!「躍動とくしま・感動宝島」の実装であります。
【徳島文化芸術ホール(仮称)の整備】
まず、「徳島文化芸術ホール(仮称)」につきまして、去る七月十六日、各分野の専門家で構成する審査委員会において、事業者選定に向けた「公募型プロポーザル」の一次審査を行い、「二十六」にも上る提案の中から、「未来のホール」を目指す大胆かつ、まちづくりとの連携を意識し、人の集まりを促す開かれた建築提案「六つ」を二次審査の対象に選定致しました。
その後、より実現性の高い「施工計画」や「コスト管理計画」を含む提案となるよう、各設計事業者において「施工事業者」との調整を進め、最終「五者」から、二次審査への「参加表明」を頂いたところです。
今後、
・九月十八日には、提案者からのプレゼンテーションを公開・ライブ配信し、
・翌十九日の審査員による「ヒアリング」を経て、「優先交渉権者」を決定した上で、
十月上旬には、同者と設計契約を締結する予定です。
さらに、本日提案の補正予算により、
・ 「設計交渉」において、専門的知見を活用した価格検証による「適正なコスト管理」を行うとともに、
・専門家で構成する委員会を設置し、管理運営の方向性を示す「基本計画」を策定するなど、
新ホールの「建設コストの最適化」や「効率的な管理運営」の実現にしっかりと繋げて参ります。
今後とも、県民の皆様の期待にしっかりとお応えできるよう、早期整備に全力傾注して取り組んで参ります。
【東京オリ・パラへの食材供給】
次に、東京オリンピック・パラリンピックにおける「県産食材の供給」につきまして、九月八日まで設置された「選手村」の「メインダイニング」及び「カジュアルダイニング」において、本県独自の「とくしま2安(あんあん)GAP優秀認定」等を取得した「お米、すだち、白ナス、阿波尾鶏」が「安全」で「安心」な食材として供給されたところです。
これら食材は、それぞれの特長を活かし、「すだちそうめん」や「真鯛と白ナスのレモン蒸し」、「鶏の竜田揚げ」として調理され、世界中のオリンピアン・パラリンピアンの皆様に御堪能いただき、最高のパフォーマンスを支える原動力となりました。
今後は、こうした取組みが「フードレガシー」として産地や生産者に継承されるよう、県産食材の「高い品質」や「安全性」を国内外に広く発信し、県として「阿波ふうど」のさらなるブランディングにしっかりと繋げて参ります。
第五点は、未来へ継承!「循環とくしま・持続社会」の実装であります。
【グリーン社会の実現】
去る七月二十一日に公表された国の「第六次エネルギー基本計画・素案」では、再生可能エネルギーを「主力電源」と明記し、二〇三〇年度の再生可能エネルギー発電比率を「三十六~三十八%」へと大幅に引き上げるなど、私が会長を務める「自然エネルギー協議会」からの度重なる提言が反映され、「グリーントランスフォーメーション(GX)」実装に向けた「大いなる一歩」に繋がるものと高く評価しております。
こうした中、全国に先駆け、水素や自然エネルギーの導入を強力に進めてきた本県では、二○二○年度の自然エネルギー電力自給率が「三十二.二%」に達し、既に、「国の二〇三〇年度目標」に迫る状況となっております。
特に、究極のクリーンエネルギー「水素」につきましては、本年十一月、全国初の地産エネルギー「副生水素」を活用した「製造・供給・一体型」水素ステーションが稼働を始め、「徳島バス」による鳴門公園線の「燃料電池バス」が運行開始するなど、「水素立県・元年」が幕を開け、「水素の社会実装」が本格化致します。
さらに、今後の「大型水素モビリティによる広域移動の拡大」を見据え、「四国と関西の結節点」である徳島の地の利を活かした「グリーン物流への転換」や「副生水素の脱炭素化」を強力に推進し、「グリーン社会の実現」に向け、全国をしっかりとリードして参ります。
次に、今回提出致しております議案の主なものにつきまして御説明致します。
第一号議案及び第二十七号議案は、一般会計についての補正予算であり、予算以外の提出案件と致しましては、条例案七件、負担金議案八件、契約議案三件、決算認定七件であります。
第三号議案は、「県青少年センター」のアミコビルへの移転に伴い、同センター内に設置している「県消費者情報センター」の位置を変更するものです。
以上、概略御説明申し上げましたが、詳細につきましてはお手元の説明書等を御参照願うこととし、また、御審議を通じまして御説明申し上げたいと存じます。
十分御審議くださいまして、原案どおり御賛同賜りますようお願い申し上げます。