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令和3年6月徳島県議会定例会知事説明

 本日、六月県議会定例会を招集致しましたところ、議員各位におかれましては、御出席をいただき、誠に有難うございます。

 ただ今、提出致しました議案の御説明と合わせ、当面する県政の重要課題について御報告申し上げ、議員各位をはじめ、県民の皆様方の御理解、御協力を賜りたいと存じます。

【新型コロナウイルス感染症対策】
初めに、「新型コロナウイルス感染症」につきましては、三月下旬以降、従来株よりも感染力が強い「アルファ株(英国で最初に検出された変異株)」が全国で拡大し、過去最大の波「第四波」に見舞われました。
本県におきましても、初めて感染が確認された昨年「二月二十五日」以降、本年三月末までの「累計感染者数」は、「五百四十六名」と、全国で四番目に少ない感染状況でありましたが、「第四波」の影響を受け、本年四月の「新規感染者数」は、「七百七十三名」と「僅かひと月」で、それまでの「一.四倍」を超える感染者が確認され、四月・五月の「二か月」で「千八十五名」の方が感染されるなど、「変異株の猛威」を目の当たりにしたところです。
一方で、感染の急所と言われる「飲食の場」における感染対策を強化するため、本年二月から実施した県の「ガイドライン実践店ステッカー」を掲示する飲食店対象の「応援金制度」により、「五千店」を超える飲食店でガイドラインの実装が進み、よりレベルアップした感染対策をベースに、「四月の感染急拡大」を受け、九十九%を超える店舗に御協力いただいた「飲食店への時短要請」や、併せて実施した「学校部活動の一時休止」、「帰省前のPCR検査受検支援」などが功を奏し、五月中旬以降、県内の感染状況は徐々に好転し、五月十七日以降、新規感染者数が「十人未満」を継続するなど、現在、落ち着きを見せております。
この度の「感染急拡大の封じ込め」に御協力いただいた飲食店や関連事業者の皆様をはじめ、県民の皆様、さらには、医療の最前線で日夜御対応されている医療従事者の皆様に対し、心より感謝申し上げます。
現在県では、「時短要請に伴う事業者支援」のため、要請に御協力いただいた「飲食店への協力金」や「関連事業者への支援金」の速やかな交付に努めており、大都市では、「本年二月実施分」で未だ「協力金」が支払われていない事例があるなど、事業者から「支給が遅い」との声も聞かれる中、本県では、申請受付から、「概ね十日程度」で支払手続きを完了できております。
また、五月二十八日に開催した「県対策本部」では、「飲食店への時短要請」を予定どおり、五月三十一日で終了することを決定し、さらに約一週間の状況観察を経た六月二日、「とくしまアラート」の全指標が「ステージ1」を下回る一方、近隣府県の「緊急事態宣言」が継続していること等を考慮し、「とくしまアラート」を解除することなく二段引き下げ、「感染観察強化」、国基準の「ステージ1」と致しました。
併せて、全国では依然として深刻な感染状況が続き、本県でも県外からのウイルス持込みにより、いつ感染が再拡大してもおかしくない状況にあることから、六月一日以降、緊急事態宣言終了予定の六月二十日までを「感染拡大抑止『集中取組期間』」と位置づけ、
・ 「緊急事態宣言地域」から「県内繁華街」への来訪者数をモニタリングし、一定数を超えれば注意喚起を行う「人流監視の強化」
・飲食店従業員を対象とする「週一回のPCR検査」
を実施することとし、また、県民や事業者の皆様には、「感染拡大地域への移動」を極力控え、「変異株の特性」について御理解いただき、「感染防止対策を徹底」されるよう、改めてお願い致しました。
さらに、六月十七日、「政府対策本部」において、九都道府県の「緊急事態宣言」を同二十日で解除し、うち東京や大阪など七都道府県については、「まん延防止等重点措置」に移行することが決定されたことを受け、直ちに「県対策本部」を開催し、今後、「オリンピック」や「お盆」を控え、「人流の増加」が予想され、アルファ株より感染力が強いとされる「デルタ株(インドで最初に検出された変異株)」が各地で確認されていることから、「本日以降、八月十五日」までを「第五波・早期警戒期間」と位置づけ、デルタ株にも対応できる「サーベイランス体制の構築」や「高齢者施設での抗原簡易キットの積極的活用」など、これまで以上に対策を強化することと致しました。

 次に、感染収束の切り札と言われる「新型コロナワクチン」の接種につきまして、県が実施する「医療従事者向け接種」は、六月十一日をもって完了し、現在、予防接種法上の実施主体である市町村の「高齢者向け接種」が鋭意進められておりますが、予約受付の開始当初、一部の自治体では、申込みの殺到により電話が繋がらず、「接種の予約ができない」等の事例が発生致しました。
そこで、県では、市町村のワクチン接種を補完するため、「大規模集団接種会場」を徳島市の「アスティとくしま」に設置し、まずは人口が最も多い「徳島市」に居住する高齢者の方を対象に、徳島市医師会はじめ県医師会、県看護協会や県薬剤師会等の御協力のもと、六月五日から、全国五番目となる「大規模集団接種」を開始し、昨日時点で延べ「一万一千八百六十三名」の方への接種を実施したところであり、市町村の御尽力や県の取組みの結果、現在、県内高齢者の約五割の方への「一回目の接種」が完了しております。
また、これまで頂いた「市町村からの御要望」や「接種の実施状況」を踏まえ、「大規模集団接種」の対象を「小松島市」及び「阿南市」に居住する高齢者に拡大するとともに、「接種の担い手」派遣による支援として、「阿南市」に対し、「本日から七月三十日まで」のうち「二十四日間」、「鳴門市」に対し、「七月三日から同二十五日まで」のうち「四日間」、各市の「集団接種会場」に医師や看護師を派遣する予定です。
加えて、ワクチン接種のさらなる加速が期待され、実施主体である市町村の負担軽減にも資する「職域接種」につきましては、県内でも、「十九団体・二十会場」が既に申請しており、今後、「約五万五千名」の方への接種が順次、進められることとなります。
さらには、早期のワクチン接種が困難な「子どもさんの感染リスク」を可能な限り低減できるよう、「保育士」や「幼稚園教諭」、「教職員」など、子どもさんと接する機会が多い職種を対象とした「大規模集団接種」を、「高齢者向け接種」に続き、「アスティとくしま」で実施し、市町村との連携のもと、「夏休み期間中の接種完了」を目指すとともに、特に、ワクチン接種対象外の「乳幼児」や「未就学児」と接する「保育士」につきましては、「六月十九日」から先行して接種を開始しております。
今後とも、多くの県民が待ち望む「ワクチン接種」を戦略的に推進し、県民の皆様の「命と健康を守る」との強い決意のもと、集団免疫獲得により、コロナを克服した「安心して暮らせる日常」を一日も早く取り戻すことができるよう、全力で取り組んで参ります。
【全国知事会の取組み】
次に、全国知事会におきましては、五月二十八日、「政府対策本部」において、「緊急事態宣言の延長」が決定されたことなどを受け、翌二十九日、「新型コロナウイルス緊急対策本部会議」を開催し、
・国による「水際対策の徹底」はもとより、都道府県において、あらゆる「変異株」の検出を可能とする「サーベイランス体制」の早期確立
・ 「ワクチン必要量」の十分な確保とともに、「基礎疾患を有する方」等への接種へ円滑に移行できるよう、「供給スケジュール」や「配分量」の早期提示
・これまで支援が届かなかった「小規模・零細」な宿泊業や旅行代理店、貸切バスやタクシーなど地域交通を担う事業者への「きめ細やかな支援」の創設
を盛り込んだ「緊急提言」を取りまとめました。
これを踏まえ、六月二日、菅総理はじめ関係閣僚と地方六団体の代表出席のもと開催された「国と地方の協議の場」では、菅総理の「活力ある地方を創る」との決意をしっかりと受け止め、全国知事会長として、
・ 「集団免疫獲得」に向けた「ワクチン接種の加速」及び、「ファイザー」、「モデルナ」各ワクチンの地域の実情に応じた弾力的な使用
・日本の叡智の結集による「国産ワクチン」や「特効薬」の開発促進
・ 「地方創生臨時交付金・事業者支援分」のうち、留保分「二千億円の早期解除」
など、「新型コロナ対策」について強く提言致しました。
併せて、「骨太の方針二〇二一」の策定に向け、
・今年度までとされている「地方一般財源総額・実質同水準ルール」の来年度以降の堅持
・第二期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に盛り込まれた「最短で来年四月からの地方国立大学・定員増」の実現と、地方大学をより魅力ある場とするための「研究開発環境の抜本的充実」への支援
を強く申し入れ、この度、しっかりと反映されました。
さらに、六月十日には、「全国知事会議」を昨年度に続き、ウェブで開催し、四十五名の知事出席のもと、
・ 「ワクチン接種の加速」や、これまでの教訓を踏まえ、「保健・医療体制の再構築」を図る「新型コロナ感染抑制に向けた行動宣言」及び、
・全ての知事の総力により、コロナ禍を乗り越え、持続的に成長できる「新次元の分散型国土」創出を目指す「ポストコロナに向けた日本再生宣言」
を採択致しました。
加えて、九都道府県の「緊急事態宣言」解除などを踏まえ、六月十九日、「緊急対策本部会議」を開催し、「感染の再拡大」を何としても抑えられるよう、行政検査の対象拡大による「強力な面的モニタリング」をはじめ、全国での「徹底した感染拡大防止対策」強化を可能とする「新たな提言」を取りまとめました。
今後とも、四十七都道府県の叡智を結集したタイムリーな政策提言を実施し、「国と心を一つ」に、新型コロナの克服に全力で取り組んで参ります。

 次に、感染拡大の防止と経済雇用対策の両立を図る「新型コロナ対策」に加え、県政の「重要課題」に切れ目なく対応するため編成した総額「四十億円」の「六月補正予算案」について、概要を御説明申し上げます。

 まず、一つ目の柱「新型コロナ対策」では、

全国に先駆け、創設した県民限定の宿泊助成制度「とくしま応援割」は、
・ 「昨年六月から八月末」まで実施した「夏のとくしま応援割」で「約四万三千人泊」
・ 「昨年十二月から本年二月末」まで実施し、「GoToトラベル」停止後の切れ目ない支援に繋がった「冬のとくしま応援割」で「約三万四千人泊」
・ 「本年三月」から、とくしまアラートの「感染拡大注意・急増(国基準のステージ3)」発動により停止し「四月二十四日宿泊分」までの実施となった「もっと!とくしま応援割」で「約四万六千人泊」
合計「十二万人泊」を超える宿泊需要を喚起し、観光業界や県民の皆様方から、好評をいただいたところです。
しかしながら、度重なる「緊急事態宣言」により、「宿泊事業者」や「観光関連事業者」は、深刻な打撃を被っており、感染状況を見極めた上で、「とくしま応援割の再開を望む声」を数多く頂戴致しました。
そこで、「危機管理調整費」を活用し、本県の感染状況が「感染拡大注意・漸増」、国基準の「ステージ2」以下であることを条件に、「六月十二日から七月末」まで、新たに「日帰り旅行商品」を対象に加え、
・一人一泊「上限五千円」の「宿泊・旅行助成」と
・一人一日「上限二千円」の「周遊クーポン」
セットによる「県民限定」の新たな宿泊助成制度「みんなで!とくしま応援割」を創設致しました。
今回、さらに実施期間を「十二月末」まで延長し、「危機管理調整費」による先行分を含め、総額「二十一億八千五百万円」で継続的に支援して参ります。
併せて、「宿泊事業者の感染防止対策」をさらに強化するため、全国知事会からの強力な提言により創設された国の「地域観光事業支援」の新メニューを活用し、「とくしまコロナお知らせシステム」を導入する「ガイドライン実践店ステッカー」掲示施設を対象に、
・ 「感染症対策に資する物品購入」及び、
・ 「ワーケーションに対応する施設改修」や「非接触チェックインシステムの導入」など、新たな需要に対応するための「前向き投資」
等を支援し、「県内宿泊・観光関連事業者」の皆様の「業と雇用」をしっかりと支援して参ります。
次に、「危機管理調整費」につきましては、「執行の透明性」に留意した上で、時短要請に協力いただいた「飲食店への協力金」や「関連事業者への支援金」など、「緊急の事象」に有効活用致しております。
さらにこの度、感染拡大に伴う利用客の減少で厳しい経営を迫られている「理容、美容、クリーニング、公衆浴場」の「生活必需サービス」提供事業者を支援するため、県内全域で使用できる四業種共通の「とくしまプレミアム生活衛生クーポン」六万セットを本日から販売しているところであり、引き続き、「刻一刻と変化する感染状況」や「国の追加対策」に即応するため、「十億円」の追加をお願いするものです。

 次に、二つ目の柱「重要課題への対応」では、

「青少年センターの移転・再開」に向け、移転先のアミコビルを管理する「徳島都市開発株式会社」との協議を進めた結果、「新センターの配置」が決定し、
・ 「フィットネスジム」や「eスポーツ・アニメ施設」、「青少年団体の活動支援スペース」など、主要な機能は「九階」
・ 「スポーツコート」は「屋上」
・また、「県消費者情報センター」や「マリッサとくしま」は「七階」
に整備することとなりました。
これを受け、この度の補正予算案におきまして、
・ 「eスポーツ」や「アニメ」など、新センターの「機能充実に向けた機器や備品」の導入
・県スポーツ施設の予約や空き状況の確認を一体的に行うことができる「予約管理システム」の構築
など、「令和四年度早期の開館」に向け、着実に準備を進めて参ります。
また、新たな「消費者情報センター」は、徳島駅前の立地を活かし、より利用しやすい施設となるよう、
・オープンカウンターを備えた「明るく開放感のある施設環境」の整備
・映像を通じ、消費者問題に関心を持っていただけるよう、「VR」や「大型4Kモニター」を備えた「啓発・情報発信コーナー」の充実
・市町村の「消費生活センター」とテレビ会議で情報共有ができる「新たなデジタル環境」の整備
を図るなど、消費者庁が進める消費生活相談デジタル化の「アドバイザリーボード」に東京都とともに参加する本県において、デジタル社会を見据えた「新たな相談体制」をしっかりと構築し、「啓発・情報発信機能」を一層強化して参ります。

 次に、木育活動の中核拠点として、「本年秋のオープン」に向け、鋭意整備を進めている「徳島木のおもちゃ美術館」につきましては、指定管理者制度を導入するため、今回、「指定管理料」に係る予算を計上し、併せて、「木育の普及啓発」や「県産材の魅力発信」、「木育関連団体との交流・連携」により、都道府県立では「全国初」のおもちゃ美術館として、「東京おもちゃ美術館」と並ぶ「全国屈指の木育拠点」を目指し、運営体制をしっかりと構築して参ります。

 次に、「新たなモデルの構築」として、去る五月十二日、「デジタル改革関連法」が成立し、我が国の「デジタルトランスフォーメーション(DX)」が本格化する中、デジタル社会のパスポート「マイナンバーカード」を活用する国の「自治体マイナポイントモデル事業」に都道府県で唯一、徳島県が採択されました。
これを受け、「消防団の活動」や「まなびーあ徳島での学習」、とくしま健康アプリ「テクとくの利用」など、地域力の向上に繋がる活動に対し、「県版マイナポイント」を付与させていただくとともに、「多様なキャッシュレス決済」との連携により、県民の皆様が利用しやすい「給付の仕組み」となるよう「システム改修」を行い、誰一人取り残さない「デジタル社会」に向けた「地域活動の支援モデル」を全国に先駆け、構築して参ります。

 次に、昨年度、全国各地で猛威を振るった「高病原性鳥インフルエンザ」は、「十八県五十二例」が確認され、過去最も多かった平成二十二年度の「百八十三万羽」を遙かに上回る「九百八十七万羽」の飼育家禽が殺処分される「未曾有の被害」が発生しました。
県内でも、「養鶏場では初」の事例を含む「二例」が発生し、国との合同調査による検証の結果、ウイルスを保有した渡り鳥がため池等に飛来し、野生の小動物を介して、鶏舎にウイルスが持ち込まれた可能性が示唆されております。
そこで、「渡り鳥」が飛来するシーズンを前に、
・養鶏農家への「きめ細やかな防疫指導」や、関係者と連携した「ため池周辺の予防的な除草・消毒」など、「発生予防対策」を強化するとともに、
・迅速な検査体制構築のための「新たな検査機器の整備」や、都道府県では本県が初めて導入した泡殺鳥機の「ハンディ化備品の追加導入」により、
ウイルスの「まん延防止体制」を強化して参ります。

 次に、県内の介護現場では、慢性的な人手不足に加え、「新型コロナへの対応」により人手不足がさらに深刻化していることから、「地域医療介護総合確保基金」の新メニューを活用し、新たに、「福祉系高校の在学生」や「他業種で働いていた方で一定の研修を修了した方」等を対象とする「返済免除付き貸付事業」を創設し、「介護人材の確保」をしっかりと支援して参ります。

 以上、本日提出の予算案について御説明致しましたが、感染拡大の「次の波」を先読みし、さらなる「感染防止対策の徹底」を図るとともに、一刻も早い「県内経済の回復」に向け、着実に歩みを進めて参ります。

 続きまして、主な施策について御報告申し上げます。

 第一点は、未来へ雄飛!「笑顔とくしま・県民活躍」の実装であります。

【新次元の消費者行政の展開】
昨年七月、明治開闢以来初めて、国の本庁機能が霞が関を離れ、徳島県庁に開設された恒常的拠点「消費者庁新未来創造戦略本部」では、数多くの先駆的プロジェクトが展開され、カウンターパートを担う本県としても、戦略本部と一体となり、「新次元の消費者行政・消費者教育」を強力に推進しております。
その象徴的チャレンジの一つが、約百四十年ぶりの改正となる来年四月の「十八歳への成年年齢引下げ」を見据えた「若年者への消費者教育」であります。
県では、昨年度、消費者庁作成の教材「社会への扉」をより効果的に活用したいとの学校現場の意欲的な声に応え、消費者庁と緊密な連携のもと、「GIGAスクール構想」によるタブレット端末の活用を見越し、発達段階に応じ「小・中・高・特別支援学校向け」デジタル教材を作成したところ、この度、「中高生向け」の教材が、全国的な専門機関「消費者教育支援センター」の消費者教育表彰「優秀賞」に選ばれました。
さらに、本年度は、「成年年齢引下げ」まで一年を切り、重要な局面を迎えることから、
・学校教育における「多彩なデジタル教材」の戦略的かつ重点的な活用
・全国公募する啓発動画の「映画の幕(まく)間(あい)での放映」や「タウン誌での情報発信」など、多様な手段を活用した周知・啓発
・若者が気軽に消費者被害を相談できるよう、若者の主要なツールを活用した「SNS消費生活相談」
など、制度の円滑な施行に向け、消費者庁や市町村、大学等と連携し、重層的に取り組んで参ります。

 第二点は、未来へ加速!「強靱とくしま・安全安心」の実装であります。

【吉野川の河川整備】
戦後最大流量を記録した「災いの年・平成十六年台風第二十三号」襲来時、吉野川無堤部からの浸水で大規模な水害が発生した「阿波市勝(かつ)命(みょう)地区」におきまして、国が進めて参りました堤防の「締切工事」が、来る「七月三十一日」に完成する運びとなりました。
これにより、明治十七年、政府が招いたオランダ人技師「ヨハネス・デ・レーケ」の提言で始まった「吉野川河口」から「阿波市岩(いわ)津(づ)」まで一連の堤防が繋がり、流域住民の皆様の「長年の悲願」が結実致します。
この度の完成を契機と捉え、平成二十九年十二月に見直された吉野川の「新たな河川整備計画」を具現化すべく、
・ 「岩津上流に残る全ての無堤地区について、十年間で事業着手する」との国の方針のもと、今年度の「つるぎ町半田地区」での新規事業化により、「三箇所」へと進んだ「堤防整備」
・既存の河川施設を最大限に活用する「早明浦ダム再生事業」や「河道掘削」
など、国や関係機関と連携した「洪水氾濫防止対策」を一層加速し、「激甚化・頻発化する豪雨災害」に、しっかりと対応して参ります。

 第三点は、未来へ挑戦!「発展とくしま・革新創造」の実装であります。

【企業誘致の推進】
まず、「企業誘致の推進」につきまして、本年四月、北島町の「四国化成工業株式会社徳島工場」におかれましては、高機能な半導体部品製造に必須の「ファインケミカル」を量産する「新プラント」が竣工され、七月から稼働する運びとなりました。
これにより、「新たな地元雇用」が創出され、さらに社会のDXを支える「電子機器のさらなる高機能化」に大いに貢献いただけるものと期待しております。
また、本県を拠点にコールセンター事業を展開される「株式会社テレコメディア」では、JALグループ関連企業との「人財交流」により、六月から「二十名」を県内の事業所で受入れ、都市部から地方への「在籍型出向のモデル」となる雇用が創出されております。
今後とも、企業ニーズに寄り添った「きめ細やかな支援活動」を展開し、「県内経済の活性化」と「雇用の創出」にしっかりと繋げて参ります。

【しらさぎ中学校の開校】
次に、全国初の県立夜間中学「しらさぎ中学校」におきましては、去る四月七日、開校式及び入学式を執り行い、五か国の外国籍の方「十一名」を含む、十代から八十代まで「三十四名」の向学心あふれる第一期生をお迎えし、「新たな一歩」を踏み出しました。
開校式では、鰐(わに)淵(ぶち)洋(よう)子(こ)文部科学大臣政務官より、東京からオンラインでお祝いの言葉を頂くとともに、「校章のデザイン」をはじめ、「校訓の浄書」や「校歌の合唱及び浄書」をお願いした「名西高等学校芸術科」の生徒の皆様から、入学生にエールが送られました。
開校後、二か月余りが経過し、新たに入学された方を含め、計「三十七名」の生徒の皆様は、それぞれの夢や目標に向かい、仲間や教職員とともに、「学校で学ぶ楽しさ」を感じられながら、勉学に励んでおられます。
今後は、学び直しや日本語指導の充実に加え、「藍染め体験」や「消費者教育」、「防災学習」など、徳島ならではの教育活動をさらに深化し、「ダイバーシティ社会」推進の全国モデルとして「誰一人取り残さない学びの実現」にしっかりと取り組んで参ります。

 第四点は、未来へ発信!「躍動とくしま・感動宝島」の実装であります。

【新ホール整備】
去る五月十四日、「徳島文化芸術ホール(仮称)整備事業」の実施事業者選定に向け、「公募型プロポーザル」による募集を開始したところ、「二十八」にも上る事業者から「参加表明」を頂きました。
この度の公募では、「施設整備の基本方針」として、
・ダイバーシティに対応し、文化芸術を通じて「相互に理解し合える場」となること
・外壁面を「デジタルアート」や「映像投影」のスクリーンとして利用するなど、先駆的な工夫により「県都のランドマーク」となること
・市街地との連続性により、「まちづくりの核」となること
・SDGsの達成をはじめ、災害対策や感染症対応など、次世代に配慮し、「未来志向」であること
等を掲げ、「新たなホールの在り方」を社会に示す「大胆なモデル提案」を求めております。
さらに、これまでにない「新次元のホール」実現に向け、できる限り多くの「設計提案」を頂いた上で、実現可能性の高い「施工提案」がなされるよう、
・一級建築士であれば誰でも参加できる「一次審査」
・大規模なホール等の受注実績を有する設計者及び施工者を選ぶ「二次審査」
を段階的に実施し、選定方法に工夫を凝らすとともに、世界的知名度の高い「建築家」の妹島(せじま)和(かず)世(よ)氏をはじめ、「舞台芸術」や「音楽」、「地域づくり」など、各分野の専門家で構成する審査委員会において、本年九月には、「優先交渉権者」を決定して参ります。
また、現在、建設予定地では、「埋蔵文化財の本調査」を実施しており、今後、地下遺構の状況を見極め、必要に応じて「現地保存」の検討を行うなど、「適切な保護」を図って参ります。
加えて、「新ホール」整備に向けた一連の取組みについて、より多くの皆様に親しみと関心を持っていただけるよう、「プロジェクトの名称」を全国公募したところ、「二百九十一件」に上る応募があり、この度、「awa アワー project」に決定致しました。
今後とも、県民の皆様の期待にお応えできるよう、早期整備に全力で取り組んで参ります。
第五点は、未来へ継承!「循環とくしま・持続社会」の実装であります。

【グリーン社会の実現】
本年四月の米国主催「気候変動サミット」では、今後十年の取組みが極めて重要になるとの共通認識のもと、各国から「意欲的な温室効果ガス削減目標」が表明され、我が国も、これまでの目標を大きく上回る「二〇三〇年度・四十六%削減」を宣言致しました。
本県では、こうした世界レベルの動きを先取りし、国を上回る野心的目標「二〇三〇年度・五十%削減」を掲げ、太陽光や風力など「自然エネルギー」に加え、究極のクリーンエネルギー「水素」の社会実装を推進するなど、「グリーントランスフォーメーション(GX)」実現に向けた挑戦を継続して参りました。
さらに、これまでの取組みをより一層加速するため、本年四月、私を本部長とする「グリーン社会推進本部」を新たに設置し、六月十五日の「第一回会議」では、
・コロナ禍からの復活に向け、経済と環境の好循環を創出する「グリーンリカバリー」への投資促進
・ 「カーボンニュートラル」実現に向けた製造・物流等の「産業構造」の転換
など、喫緊の課題解決に向け、水素や自然エネルギーの実装を拡大する「県版脱炭素ロードマップ」を全国に先駆け、策定することを決定致しました。
今後とも、「グリーン社会の実現」に向け、生活様式の変革を促す「ライフスタイルイノベーション」を展開するとともに、全世界共通の課題であり、気候危機とも言われる「気候変動の脅威」に先手先手で立ち向かい、全国を積極的にリードして参ります。

 次に、今回提出致しております議案の主なものにつきまして御説明致します。

 第一号議案は一般会計、第二号議案は特別会計についての補正予算であり、予算以外の提出案件と致しましては、条例案十件、契約議案三件、その他の議案三件であります。

 第十六号議案は、公の施設の管理・運営に、「住民サービスの向上」と「経費の節減」を図るため導入している「指定管理者制度」について、新たに、「徳島県立木のおもちゃ美術館」における「本年十月以降」の指定管理者を指定するものであります。

以上、概略御説明申し上げましたが、詳細につきましてはお手元の説明書等を御参照願うこととし、また、御審議を通じまして御説明申し上げたいと存じます。
十分御審議くださいまして、原案どおり御賛同賜りますようお願い申し上げます。

 
知事からのご挨拶
知事の活動記録
写真で見る知事の動き
知事発言集
交際費執行状況
記者会見・庁議