〒770-8570
徳島県徳島市万代町1丁目1番地
- 電話番号:
- 088-621-2500(代表)
- 法人番号:
- 4000020360007
本日、二月県議会定例会を招集致しましたところ、議員各位におかれましては、御出席をいただき、誠に有難うございます。
初めに、昨日九日、午前八時四十五分、「美馬市」の養鶏場におきまして、本県二例目の「高病原性鳥インフルエンザ」の発生が確認されました。
直ちに、同日午前九時三十分から、「危機管理対策本部会議」を開催し、発生養鶏場からの「感染拡大防止」に万全を期すため、
・速やかな「殺処分」や「鶏舎の消毒」
・移動や搬出に係る「制限区域」の設定
・七箇所の「消毒ポイントの設置」
など、防疫措置の早急な実施を指示致しました。
発生養鶏場では、県所有の「泡殺鳥機」を活用し、迅速に作業を実施した結果、同日午後四時三十五分、県職員七十二名により、飼育鶏「約七千羽」の「殺処分」を終え、現在、「防疫措置」の完了に向け、消毒作業を継続しております。
また、原因究明に向け、国の疫学調査チームと連携し、調査を行うとともに、県内全ての農場における「飼養衛生管理の徹底」をはじめ、「野鳥の監視強化」や「ため池の消毒」など、「発生防止」や「まん延防止」の対策を講じることにより、本県畜産業をしっかりと守り抜いて参ります。
ただ今、提出致しました議案の御説明と合わせ、県政に取り組む私の所信を申し上げ、議員各位をはじめ、県民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
「新型コロナウイルス感染症」の拡大以降、初の通年予算となる「令和三年度当初予算」は、「新型コロナ」、「人口減少」、「災害列島」三つの国難打破に向けた「三本柱」に加え、世界的課題となった「デジタル社会」及び「グリーン社会」の実現を「二つの重点テーマ」に掲げ、「WITHコロナ」を乗り越え、「アフターコロナ」を見据えた未来への取組みを加速する「三つの国難打破!十五か月予算」として、
・十一都府県への「緊急事態宣言発令」を受け緊急編成した「令和二年度一月補正予算」及び、
・国の「総合経済対策」に即応して編成した「令和二年度二月補正予算」
と一体的に編成致しました。
この結果、「十五か月予算案」の総額は、前年度「十四か月予算」比で「三百三十四億円」、「六.四%」増となる「五千五百七十八億円」を確保致しました。
また、「当初予算案」の規模としては、前年度当初予算比で「九十億円」、「一.八%」増の「五千百四十七億円」となり、「平成十五年度」以来、十八年ぶりに「五千百億円」を超え、私が知事就任後、編成した「当初予算」としては、二年連続で「最大規模」を更新致しました。
さらに、「二月補正予算案」につきましても、全国知事会はじめ地方からの度重なる提言により実現した「国土強靱化・五か年加速化対策」など、国の「総合経済対策」を最大限活用した結果、同時期の補正予算としては、「県政史上、最大規模」となりました。
それでは、「三つの国難対策」と「二つの重点テーマ」に沿って、具現化策の概要を御説明致します。
【新型コロナ対策】
まず、一つ目の柱「新型コロナ対策」では、
「緊急事態宣言発令」による県民や事業者の不安を払拭するため、リーマンショックに即応した平成二十一年以来となる県議会「一月臨時会」を招集し、
・飲食業はじめ、観光・宿泊事業者や交通事業者、農林漁業者などの「業と雇用を守る」対策及び、
・ワクチン接種体制の整備や福祉サービス継続体制の確保など、「暮らしと命を守る」対策
を先行する「一月補正予算」について、全会一致で可決いただいたところです。
これを加え、累計「八百五十九億円」の「新型コロナ関連予算」により、コロナ禍で大きな影響を受けた事業者の皆様の「事業継続」や「新しい生活様式の実装」を強力に支援するとともに、「医療提供体制」や「検査体制」の強化、「県民生活」のきめ細やかな支援、「学びの保障」の確保など、「本県独自の対策」をタイムリーに実施して参りました。
特に、この度の「緊急事態宣言」下で「感染対策の急所」とされた「飲食店」については、本県でも経営に深刻な影響が生じていることから、一月補正予算により、「新しい生活様式」を実装する飲食店を強力に支援する「応援金制度」を創設致しました。
二月一日の制度開始以降、連日、多くの問合せをいただき、新たに「千八百」を超える飲食店の方々から、「ガイドライン実践店ステッカー」の交付申請があるなど、大きな反響をいただいております。
飲食店の皆様には、この度の「応援金」を契機として、県民の皆様に安心して飲食していただけるよう、改めて「感染防止対策の徹底」をお願いするとともに、県においても、しっかりと制度の周知を図って参ります。
次に、「新型コロナウイルスワクチンの円滑な接種」に向け、去る一月二十五日、「徳島県新型コロナウイルスワクチン接種調整会議」を設置し、早ければ三月中旬にも始まる「医療従事者等への優先接種」に対し、「県医師会」や「市町村」など、関係団体が連携して取り組むことを確認するとともに、「庁内体制のさらなる強化」に向け、「新型コロナウイルス感染症対策プロジェクトチーム」に、「ワクチン接種体制の整備業務」に専念する職員「十名」を配置致しました。
また、冷凍保管が必要なワクチンを医療機関で適切に保管する「超低温冷凍庫」につきましては、本日以降、順次、国から配備されるところであり、引き続き、国の動向をしっかりと注視し、関係団体との連携のもと、多くの県民が待ち望まれている「新型コロナウイルスワクチン」の接種体制が早期に確保できるよう、「オール徳島体制」で取り組んで参ります。
さらに、「学びの保障」の確保に向け、国に先駆けて整備する県立学校の「一人一台端末」を積極的に活用し、
・デジタル教科書はじめ、授業への先端技術の応用
・オンライン学習と対面学習を組み合わせた「ハイブリッド型学習」の推進
・低所得世帯の生徒の「通信環境の確保」
など、「オンライン学習環境の整備」を推進するとともに、コロナ禍で増加している「教員の負担軽減」に向け、「学習指導員の配置」や「学校における感染症対策の支援」など、「学びを支える取組み」を推進して参ります。
加えて、去る二月二日の「十都府県への緊急事態宣言延長」の決定を受け、県では、直ちに、県民の皆様に対し、引き続き、「感染対策の徹底」や「対象都府県への不要不急の往来」を控えていただくようお願いするとともに、全国知事会においても、二月六日、「新型コロナウイルス緊急対策本部会議」を開催し、「早期の緊急事態宣言解除」に向け、国民や事業者、医療関係者の皆様と一致協力のもと、感染防止を成し遂げる「新型コロナ感染収束に向けて頑張ろう宣言」を発出致しました。
併せて、「特措法等の改正」も踏まえ、
・ 「宣言対象外地域」を含め、全国で経済・雇用へのさらなる影響が懸念されることから、「持続化給付金」や「家賃支援給付金」の再支給
・ 「中小事業者に対する一時金」について、独自で時短要請を行っている地域への「対象拡大」や「売上減少要件の緩和」
・雇用の受け皿確保のため、リーマンショック時を上回る基金を活用した「緊急雇用創出事業」の創設
・ 「特措法及び感染症法の改正内容」を踏まえた指針やガイドラインの早期提示
・ワクチン接種による「副反応等の明確化」はじめ「国民への周知・広報」
など、「緊急提言」を取りまとめ、二月九日、西村新型コロナ対策担当大臣及び田村厚生労働大臣に対し、強く要請致しました。
県内では、医療従事者の御尽力をはじめ、県民や事業者の御協力により、「四つのクラスター」が発生した一月の状況から、徐々に落ち着きを見せ始めておりますが、全国では、依然として、「感染者数」が高水準で推移し、「変異ウイルス」クラスターの発生など感染拡大が確認され、予断を許さない状況が続いております。
今後とも、緊急事態宣言延長による「本県経済への影響」を十分注視するとともに、必要な対策を迅速に講じ、「感染拡大の防止」と「社会経済活動の維持」の両立が可能となるよう全力で取り組んで参ります。
【人口減少対策】
次に、二つ目の柱「人口減少対策」では、
今年度スタートした「総合戦略・第二幕」は、「新型コロナ」への対応として、大都市部の「感染症に対する脆弱性」により高まった「地方回帰の機運」を一過性のものとすることなく、「WITHコロナ」から「アフターコロナ」を俯瞰し、「新しい価値観」に対応した全く新しい形へと進化を図るべく、積極的に取り組んでいるところです。
具体的には、これまでの県議会における御論議や、去る二月四日に開催された「地方創生”挙県一致“協議会」における県内各界代表の皆様の御提言を踏まえ、総合戦略に盛り込んだ目標を「大胆に見直す」とともに、「移住相談のオンライン化」や「県外学生との絆づくり」、「リタイアインフラを活用した新たな受け皿づくり」など、「新たな日常」の実装に向けリスタートさせた「地方創生の実践策」を、機を逃さず、スピード感を持って推進すべき施策として、「持続性」、「創造性」、「革新性」、「多様性」の四つの柱により、重点化を図って参ります。
今後、県議会での御論議も賜りながら、今年度中に「総合戦略」を改定し、「地方創生・第二幕」のさらなる進化を加速化するとともに、
・本県が「発祥の地」である「サテライトオフィス」のさらなる「誘致と定着」に向けた取組みの強化
・子育て世代に特化した「移住支援金」の創設に加え、「住まい」と「移動」をパッケージで支援する「きめ細やかな移住・就業促進策」の展開
・本県の豊かな自然や文化をフィールドとして、地域の体験プログラムを組み入れた「徳島ならでは」の「ワーケーション」の推進
など、「都市から地方への人の流れ」を一層加速し、「新次元の分散型国土」を徳島から実現できるよう、積極果敢に取り組んで参ります。
次に、「義務教育段階」を対象に「一人一台タブレット端末」を配備する国の「GIGAスクール構想」に加え、本県では、全国に先駆け、「高等学校段階」の県立、私立、専修学校まで対象を拡大し、「小中高一貫」した「一人一台タブレット端末」の実装を進めて参りました。
併せて、県立学校では、「高速大容量の通信環境」の整備を進め、これら最新環境を最大限活用するため、「徳島県GIGAスクール構想推進本部」を立ち上げ、「ハード」、「ソフト」、「指導体制」の三位一体で推進する「本県独自の方針」として、昨年十二月、「徳島県GIGAスクール構想」を策定致しました。
また、コロナ禍の今こそ、児童生徒の「学びの保障」をしっかりと確保するとともに、「GIGAスクール構想」に対応した教職員の「意識改革」と「指導力向上」に向け、全教員に対する「スタートアップ研修」を、十二月に開始したところです。
さらに、ICTの専門的知識を持った「GIGAスクールサポーター」の全県配置や、総合教育センターへの「ヘルプデスクの設置」など、支援体制の充実強化を戦略的に図ることにより、多様な子どもたちの「個別最適化された学び」を実現する「GIGAスクール構想」を強力に推進して参ります。
加えて、現在、国会審議中の「令和三年度政府予算案」では、昨年十二月の「国と地方の協議の場」において、全国知事会長として、私から直接、菅総理に提言した「新しい生活様式」の率先導入ともなる「学校における少人数学級の実現」に向け、現在、小学校一年生のみとなっている「三十五人以下学級」を、令和三年度から「五年間」で段階的に拡大し、「小学校全学年における三十五人以下学級を実現する」との方向性が示されました。
これは、まさに「約四十年ぶり」の教職員定数の大改正であり、一人一台端末による「GIGAスクール構想」とともに、新時代の教育改革の「大きな一歩」となります。
既に、国に先駆け、中学三年まで「三十五人以下学級」を実現している徳島におきましても、制度改正で「安定的な教員の確保」が可能になることから、計画的な採用による「質の高い教員の確保」を視野に、「GIGAスクール構想」の推進と併せ、ニューノーマルな少人数学級の効果を一層高め、本県ならではの「きめ細やかな指導」を進めて参ります。
【災害列島対策】
次に、三つ目の柱「災害列島対策」では、
「インフラ整備」と「老朽化対策」により県土強靱化を加速する「公共事業予算」について、本県では、県土強靱化が「地方創生の礎になる」との認識のもと、国の「国土強靱化・三か年緊急対策」開始前の「平成三十年度当初予算」から、県議会全会派による「公共事業予算『百億円増額』確保に関する要望」を真摯に受け止め、前年度比「百二十八億円増」となる「七百七十三億円」を確保するとともに、国に対し、「財源措置を一定期間明確にし、国土強靱化を進めるべき」との政策提言を行ってきたところ、これが「全国知事会の政策提言」となり、「総額七兆円・三か年」の緊急対策実現へと繋がりました。
これを受け、本県では、「三か年緊急対策」を積極的に活用し、「公共事業予算」を、
・令和元年度には「八百九十二億円」
・令和二年度には「九百二十九億円」
と大幅に強化するとともに、特に、河道掘削や落石対策、道路補修などを行う「県単独・維持補修費」についても順次拡大し、令和二年度には「過去最大」となる「七十七億円」、対策強化前の平成二十九年度と比べ、「約一.八倍」となる予算を確保し、「防災・減災対策」を積極的に強化して参りました。
一方で、平成三十年七月の「西日本豪雨」や、令和元年「台風十五号及び十九号」、令和二年「七月豪雨」
など、大規模災害が頻発する中、国の「三か年緊急対策」は、今年度で終了することとなっておりました。
そこで、建設産業の皆様が中長期的な展望を持って事業を展開し、若者にとって「魅力ある産業」となるよう、全国知事会長として、全国知事会はじめ地方六団体を挙げて、政府主催「全国知事会議」や「国と地方の協議の場」など、あらゆる機会を通じ、総理や与党の皆様に「さらに五か年の対策が必要である」と、繰り返し提言して参りました。
この結果、昨年十二月、「総額十五兆円」の「防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策」が決定され、早速、県の「十五か月予算」において、国の「五か年加速化対策」を最大限活用し、平成十八年度以来、十五年ぶりに「一千億円」を超える総額「一千六億円」の公共事業予算を確保致しました。
また、「県単独・維持補修費」につきましても、総額「七十七億円」を確保し、令和二年度に引き続き、「過去最大規模」を継続したところであり、国に先駆け実施してきた「県土強靱化」の取組みを一層加速して参ります。
さらに、切迫する「南海トラフ巨大地震」をはじめ、「大規模災害への備え」を一層強化するため、「リタイアインフラ」を活用した県東部の防災拠点整備「awa臨港プロジェクト」を着実に推進するとともに、県立中央病院の救急医療機能を強化する「ER棟」の本体工事に着手し、県民の皆様の「安全・安心の実感」に繋げて参ります。
次に、挙県一致で取り組んで参りました「新次元の消費者行政の展開」につきましては、
昨年七月、「消費者庁新未来創造戦略本部」が県庁十階に開設され、明治開闢以来初めて、国の本庁機能が霞が関を離れ、徳島の地から「新たな政策創造」がなされる「歴史的転換点」を迎えました。
また、日本初開催となった「G20消費者政策国際会合」のレガシーとして、昨年十一月に開催した「とくしま国際消費者フォーラム二〇二〇(にせんにじゆう)」では、全国の企業、団体から多くの反響をいただくとともに、貴重な御提言を賜りました。
その成果として、「日本エシカル推進協議会」との連携のもと、現在開催中の「エシカル・サミット&(あんど)ウイーク」では、オープニングとなった一昨日八日、私もライブ出演するとともに、昨日九日を「地域×(と)エシカル徳島Day」として、「エシカル甲子園」や「県エシカル条例」など、本県の先駆的な取組みを全国に発信致しました。
さらに、国の「新たな政策創造の拠点」である「戦略本部」では、今後、本県を実証フィールドとして、
・二〇二二年四月の成年年齢引下げを見据えた「若年者の消費者被害防止のためのデジタル教材開発」
・見守りネットワークの実効性を高めるための「取組モデルの構築」
など、先駆的な「モデルプロジェクト」の推進に取り組むこととされております。
引き続き、戦略本部のカウンターパートとして、より一層の連携を図り、全国に先駆け、「新次元の消費者行政・消費者教育」を展開するとともに、徳島が世界の消費者行政・消費者教育の「発展・創造の拠点」となり、県民の皆様のより豊かで安心できる「消費生活」を実現して参ります。
【デジタル社会の実現】
次に、重点テーマの一つ目「デジタル社会の実現」に向け、本県ではこれまで、来たるべき「デジタル社会の到来」を見据え、
・テレビチャンネル数の激減(10↓3)という「地上デジタル放送移行」のピンチをチャンスに変えた「全県光ブロードバンド環境」の構築
・ 「デジタルトランスフォーメーション」加速に不可欠の基盤「ローカル5G基地局」のいち早い設置
・ 「行政内部事務の電子化」や「RPAの導入」による「会計事務の自動化・効率化」
など、全国に先駆け、「高度情報基盤の整備」や「先端技術の導入」を積極的に進めて参りました。
加えて、
・高速ブロードバンド網の強みを活かし、本県発祥で、総務省統計では全国トップクラスを誇る「サテライトオフィス」の誘致
・都市部と徳島を行き来して働く「子育て世帯」をサポートする「デュアルスクール」の展開
・休暇と仕事を組み合わせた「ワーケーション徳島モデル」の創出
など、コロナ禍にも対応した「ニューノーマルな働き方」を実践して参りました。
一方、国においては、コロナ禍で対応の遅れが顕在化した「行政分野のデジタル化」を一気に進めるべく、司令塔となる「デジタル庁」の創設を決定するとともに、全国知事会においても、昨年十月、全都道府県が参画する「デジタル社会推進本部」を立ち上げ、国と地方が一体となった取組みを強力に推進しております。
全国の先陣を切って様々な取組みを進めて来た本県では、こうした動きに即応し、「DX・デジタルトランスフォーメーション」を加速するため、私を本部長とする「県デジタル社会推進本部」を立ち上げ、産学官連携した取組みを強力に展開しております。
「行政のデジタル化」に当たりましては、
・行政手続きの「徹底した見直し」による利便性の高い「オンライン化の推進」
・県民誰もが安心して利用できる「ヒューマンインターフェース」に配慮した「システムの構築」
・デジタル社会の推進エンジンとなる「デジタル人材の育成」
など、全国共通の課題に対する的確な対応に加え、
・県立三病院を高速ネットワークで結び、遠隔医療を推進する「ローカル5Gプロジェクト」の加速
・企業のデジタルトランスフォーメーション導入を支援する「企業誘致や成長産業化」の加速
・デジタル社会のパスポート「マイナンバーカード」の飛躍的な普及と利活用の推進
など、全国モデルとなる取組みを強力に推進し、「デジタル社会の実装」を先導して参ります。
今後とも、コロナ禍がもたらした「意識や行動の変化」を社会変革へと繋げ、高齢者や障がい者など、誰一人取り残さない「真のデジタル社会」の実現に向け、スピード感を持って取り組んで参ります。
【グリーン社会の実現】
次に、重点テーマの二つ目「グリーン社会の実現」では、日本はじめ世界各地で気象災害が頻発化・激甚化する中、知事就任以来、「環境首都とくしま」を掲げる本県では、「災害列島」の一因とされる気候変動対策として、二〇一六年の「パリ協定」発効前に、
・ 「脱炭素社会の実現」を目指す、全国初となる「すだちくん未来の地球条例」の制定
・法制化に先駆けた「気候変動適応戦略」の策定
・国の目標を上回る「温室効果ガス削減目標」の設定
の「三本の矢」を放つとともに、二〇一九年十一月には、「二〇五〇年ゼロカーボン」を率先して宣言するなど、全国に先駆けた取組みを進めて参りました。
さらに、
・小泉環境大臣との協調のもと、全国知事会長として、「二〇五〇年カーボンニュートラル実現」に向けた「ゼロカーボン社会構築プロジェクトチーム」の設置
・自然エネルギー協議会会長として、国の次期「エネルギー基本計画」での「二〇三〇年自然エネルギー発電比率・四十%超」とする意欲的目標設定の提言
など、国が強い意志を示すよう、地方から強力に発信して参りました。
この結果、
・菅総理による「二〇五〇年カーボンニュートラル」宣言
・ 「再生可能エネルギーの最大限導入」や「水素の拡充」を柱とする「成長戦略の策定」
・民間企業のイノベーション実現に向けた研究開発を支援する「二兆円の基金」創設
など、「グリーン社会の実現」に向けた力強い政策展開に繋がったところです。
また、「自然エネルギー電力自給率・二〇三〇年・五十%」を目標とする本県では、積極的な導入支援により、二〇一九年度には、国の二〇三〇年度目標を大きく上回る「二十九.六%」に達しており、さらに、究極のクリーンエネルギー「水素」につきましても、「地方発の水素社会」を徳島から実現すべく、
・中四国初となる県庁舎への「自然エネルギー由来水素ステーション」の設置
・全国初の「燃料電池パトカーの導入」をはじめ、全国トップクラスの公用車への「水素自動車率先導入」など、「水素の社会実装」を進めて参りました。
こうした取組みに加え、国の掲げる「環境と経済の好循環」をいち早く実現するため、
・令和三年秋の「東亞合成株式会社」による全国初、工場における製造過程で副次的に発生する「副生水素」を利用した「水素ステーションの運用開始」
・当ステーションを核とした「広域的な情報発信」や、ビジネスマッチングの実施による「水素関連ビジネスの裾野拡大」
・中四国初、平時は「路線バス」、災害時は「走る大型発電所」となる「燃料電池バスの導入」
など、県民の皆様にも「水素社会の到来」を実感いただけるよう、民間事業者の方々とともに、「全国モデルの取組み」を強力に推進して参ります。
さらに、去る二月八日に「四国電力株式会社」と締結した協定のもと、企業局が発電する「二酸化炭素フリー」の電気を県内事業者に供給する四国初の新料金プラン「とくしま水力・一〇〇%プラン」の創設や、家庭の省エネで削減した二酸化炭素の価値を県内事業者が「クレジット購入できる仕組みづくり」を通じ、事業者が積極的に「環境配慮型経営」に転換できるよう、しっかりと支援して参ります。
今後とも、世界の「喫緊の課題」であり、気候危機とも言われる「気候変動の脅威」に正面から立ち向かうとの強い決意のもと、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」のみならず、「経済の持続可能性」と「環境」の両立を図る「サステナビリティトランスフォーメーション(SX)」を両輪として、「グリーン社会の実現(グリーントランスフォーメーション・GX)」に向け、全国を積極的にリードして参ります。
以上、今後の県政運営に対する所信を申し上げましたが、「県民目線・現場主義」のもと、「三つの国難打破」と「二つの重点テーマの実装」に向け、徳島の叡智を結集した「三つの国難打破!十五か月予算」の早期具現化により、「県政はもとより日本史上最大の危機」を何としても克服するとともに、アフターコロナを見据え、「『未知への挑戦』とくしま行動計画」を未来志向の「新たな羅針盤」へと抜本的に再構築し、本県が全国知事会に提唱して、ジャパンスタンダードとなった概念「新次元の分散型国土」の創出に向け、全力で取り組んで参りますので、議員各位の御理解、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
続きまして、主な事業につきまして、御報告申し上げます。
【新ホール整備】
まず、「新ホール整備」につきまして、
去る十二月二十三日、県議会の御論議をはじめ、「県市協調未来創造検討会議」の御提言や「県民アンケート」の結果を踏まえ、「新ホール」及び「新たな青少年センター」に係る「基本方針」を策定致しました。
「新ホール」につきましては、「基本方針」をもとに、整備内容をより具現化した「基本計画素案」を取りまとめ、二月五日に開催された県議会総務委員会にお示しし、委員各位から様々な御提言を頂いたところです。
「基本計画素案」のうち、「施設整備」については、主な内容として、
・施設機能をさらに高める「隣接地の一体的活用」
・ 「徳島ならでは」の文化芸術を支える舞台の整備
・ 「LED照明」や「VR映像」をはじめとする最先端技術の導入
など、「県都のランドマーク」に相応しい施設設備や機能をしっかりと盛り込んでおり、現在実施中の「パブリックコメント」や「県議会での御論議」を踏まえ、今年度中の「基本計画策定」に向け、取りまとめを進めて参ります。
また、令和三年度には、「埋蔵文化財調査」に着手するとともに、「新ホール」へのアクセス向上を図る「新駅設置」に向けた検討を進めて参ります。
さらに、「新ホール」を県民の皆様とともに造り上げていくため、「新しい生活様式」に対応した県民主役の「とくしま音楽祭」をリスタートするとともに、県民の文化活動へのチャレンジを支援するなど、機運醸成にもしっかりと取り組んで参ります。
一方、「新たな青少年センター」につきましては、「機能移転に係る実施設計」に着手したところであり、可能な限り早期に、アミコビルへの「移転後の全体像」をお示しして参ります。
今後、徳島市民はじめ県民の悲願である「新ホール」の早期整備を着実に推進するとともに、青少年はじめ県民の活動と交流の拠点となる「新たな青少年センター」の「二〇二二年度早期の開館」を目指し、希望あふれる「県都のにぎわい」が創出されるよう、創意工夫をしっかりと凝らして参ります。
【#徳島ニューノーマル映画祭】
次に、「#(ハッシュタグ)徳島ニューノーマル映画祭の開催」につきまして、
全国屈指の「光ブロードバンド環境」を誇る本県では、全国からクリエーターが集結する強みを最大限活かし、「地方創生元年」の平成二十七年度にスタートし、西日本最大の「地域映画の祭典」となった「徳島国際映画祭」を開催して参りました。
今般のコロナ禍を受け、昨年度は、「オンライン上映」により開催致しましたが、今年度は、「感染拡大の防止」と「社会経済活動の維持」の両立を図る観点から、より多くの県民の皆様が地域の映像に親しみ、徳島の映像文化のさらなる発展に繋げていくため、来る三月十三日、十四日の二日間にわたり、「#徳島ニューノーマル映画祭」を開催し、「オンライン上映」はもとより、「ドライブインシアター」や「屋外開放型の上映会場」を提供する「新たな形の映画祭」として、リスタート致します。
新型コロナによる「ニューノーマル」の時代においても、これまで培ってきた「徳島のクリエイティブの命脈」をしっかりと繋ぎ、徳島から新たな映像文化が生まれる「映像クリエーターの聖地・徳島」の構築に、積極果敢に取り組んで参ります。
【阿佐東線DMV】
次に、「阿佐東線DMV(デュアル・モード・ビークル)」につきましては、去る一月二十日から、世界初の「本格営業運行」に向けた最後の関門「性能試験」が実施されております。
このうち、第一段階となる「車両本体の性能試験」では、「走行の安全性」や「減速性能」について、しっかりと確認いただき、二月五日、無事終了したところであり、現在、第二段階の「線路への進入をはじめとする信号制御」など、車両を安全に運行させるために必要な「運転保安システム」の試験実施に向け、鋭意、準備を進めております。
本年夏の「本格営業運行」開始に向け、最終的には、国の「DMV技術評価検討会」で安全性を確認いただくことが不可欠であることから、引き続き、関係者の皆様と連携し、この度の「性能試験」全工程を確実にクリアできるよう、しっかりと取り組んで参ります。
【徳島沖洲IC~徳島津田ICの開通】
次に、徳島南部自動車道(従来の「四国横断自動車道」)新直轄区間につきまして、来る三月二十一日、「徳島沖洲インターチェンジ」から「徳島津田インターチェンジ」まで「二.四キロメートル」が待望の開通を迎えます。
この度の成果は、県議会や関係市町の皆様とともに、機会あるごとに、一日も早い「ミッシングリンク解消」を訴えてきた賜物であり、議員各位をはじめ、国土交通省や地元自治体など、御尽力いただいた関係者の皆様に対し、深く感謝申し上げます。
また、本県初の、県が事業主体となる「地域活性化インターチェンジ」整備の取組みが功を奏し、区間を区切った開通が実現することにより、徳島小松島港「津田地区」が「四国の玄関口」の機能を担う「陸・海・空の結節点」へと生まれ変わり、「徳島津田インターチェンジ」以南の整備加速に向けた「大きな弾み」となります。
今後とも、国や地元自治体としっかりと連携し、「ひと・もの・しごと」の流れをつくる地方創生の基盤「高速道路ネットワーク」の早期整備に全力で取り組んで参ります。
次に、今回提出致しております議案の主なものにつきまして御説明致します。
第一号議案より第二十七号議案は、令和三年度一般会計はじめ当初予算関連の議案であり、特別会計につきましては、用度事業特別会計はじめ二十会計、企業会計につきましては、病院事業会計はじめ六会計であります。また、第六十号議案は、一般会計についての令和二年度二月補正予算案であります。
予算以外の提出案件と致しましては、条例案二十五件、負担金議案二件、その他の議案六件であります。
そのうち、主なものにつきまして御説明申し上げます。
第五十四号議案は、政策医療に係る県からの運営支援強化に併せ、地方独立行政法人徳島県鳴門病院が、吉野川北岸で唯一の「総合的な診療基盤を持つ中核病院」として、引き続き、公的役割をしっかりと担い、「政策医療の強化」や「健全で安定的な経営基盤の早期構築」を図るべく作成した「第三期中期計画」を認可するに当たり、地方独立行政法人法に基づき、議会の議決を経るものであります。
第六十一号議案は、「東京オリンピック・パラリンピック徳島未来創造基金」について、選手等の受け入れに際し、新型コロナウイルス感染症対策に要する経費に充てることができるよう条例改正を行うものであり、「補正予算の関連条例」として、「先議」をお願いするものであります。
以上、概略御説明申し上げましたが、詳細につきましてはお手元の説明書等を御参照願うこととし、また、御審議を通じまして御説明申し上げたいと存じます。
十分御審議くださいまして、原案どおり御賛同賜りますようお願い申し上げます。