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平成27年11月徳島県議会定例会知事説明

 本日、十二月県議会定例会を招集致しましたところ、議員各位におかれましては、御出席をいただき、誠にありがとうございます。

 ただ今、提出致しました議案の御説明と合わせ、当面する県政の重要課題について御報告申し上げ、議員各位をはじめ、県民の皆様方の御理解、御協力を賜りたいと存じます。

 まず、「TPPへの対応」についてであります。
 今般の大筋合意を踏まえ、県では、生産者の皆様をはじめ、市町村、関係団体、企業の方々などの現場へ足を運び、合意内容に関する丁寧な説明を行うとともに、TPPが及ぼす影響や効果、対策への要望などについての御意見を伺ったところであります。
 離農や耕作放棄地の増加、安価な輸入農産物の流入による国産価格の下落に対する懸念など「不安の声」がある一方で、県産品の輸出拡大や県内企業の海外展開の促進など「期待の声」もあり、様々な御意見をいただきました。
 これら現場から発せられた「生の声」を徳島発の政策提言として、直ちに国に届けた結果、先月二十五日、決定された「TPP関連政策大綱」に「徳島からの声」が反映されたところであります。

 県では、今後のTPP対策を計画的かつ戦略的に推進するため、この大綱で示された対策を踏まえ、地域の実情に応じたきめ細やかな「本県ならでは」の対策を盛り込んだ、「徳島県TPP対応基本戦略(案)」を、昨日、取りまとめました。
 今後は、国のTPP対策予算の最大限の活用はもとより、県版戦略の実践に向け、必要な施策を再構築し、万全の措置を講じて参ります。

 次に、「政府関係機関の地方移転」についてであります。
 「政府関係機関の地方移転」は、「地方への新しい人の流れ」を生み出すための「切り札」であり、本年八月、国に対し、消費者庁はじめ、「六機関」の誘致を提案致しております。
 これまで、まち・ひと・しごと創生本部をはじめ、国からの数度にわたるヒアリングにおいて、「課題解決先進県」として、積み重ねてきた実践や、「全国屈指の光ブロードバンド環境」など、「本県の強み」を強く訴えて参りました。
 先月六日には、「政府関係機関移転に関する有識者会議」の意見を踏まえ、国から「更なる精査を要する機関」や、「具体的な検討を進める上で留意すべき事項」などが、新たに示されたところです。
 今後とも、国にとっての「徳島への移転の効果」を誠実かつ丁寧に訴え、本県への誘致実現に向け、引き続き、粘り強く取り組んで参ります。

 次に、「マイナンバー制度」についてであります。
 去る十月五日、マイナンバー法が施行され、来年一月からは、「社会保障、税、災害対策」の三分野で利用が開始されます。
 マイナンバー制度は、「県民の利便性」を高めるとともに、「行政の効率化」を図り、「公平・公正な社会」を実現するための社会基盤であり、災害時における「被災者支援対策」としても、大変、有効な制度であります。
 県におきましては、県民の皆様に、マイナンバー制度の利便性を実感していただくため、市町村との情報連携により、これまで申請時に必要とされていた、住民票や所得証明書などの添付書類を省略し、申請者の負担軽減を図るための条例案を、本議会に提出させていただいております。
 また、マイナンバー制度に便乗して、高齢者を狙った「不正な勧誘や個人情報の取得」が発生する恐れがあることから、警察本部や消費者団体と連携し、県民の皆様に、分かりやすく、丁寧に注意喚起を行い、被害の未然防止の取組みを積極的に進めております。
 今後とも、マイナンバー制度が、県民の皆様にとって、「利便性が高く」かつ「安全・安心な制度」として円滑に導入できるよう、国や市町村としっかり連携を図って参ります。

 次に、「地方創生特区」についてであります。
 国では、地域を限定した規制緩和によって、地方創生を牽引する「地方創生特区」の指定を進めております。
 この動きに呼応し、本県では、本年六月、国が地方創生の柱の一つとする「生涯現役のまちづくり」を先取りする形で、介護保険の制度改革を中心とした「徳島モデルのCCRC構築」をテーマとした特区を提案致しております。
 この度、改めて、国が特区の提案を募集したことから、既存の提案内容に、新たな要素を加え、「誰もが輝く!『とくしま総活躍特区』」として、再提案致しました。
 具体的には、
 ・元気な高齢者が地域の担い手となる「シルバー人材センター」の機能強化
 ・中小企業の障がい者雇用を促進する「新型特例子会社」の設立
 ・女性の活躍や子育て支援の促進を図る「ファミリー・サポート・センター」の機能強化
を図る規制緩和など、新たな着想を盛り込むことにより、多くの皆様に「活躍の場」を提供できる徳島づくりを推進して参ります。
 国が新たな政策課題として掲げる「一億総活躍社会」を、この徳島から実現するため、「県民総ぐるみでの地方創生」を推し進める本特区の指定へ、そしてその先の実践へ向け、全庁の叡智を結集して取り組んで参ります。

 続きまして、主な事業につきまして、御報告申し上げます。

 第一点は、地方創生の旗手!「ふるさと回帰・加速とくしま」の実現であります。

 まず、「新しい人の流れづくり」についてであります。
 「人口減少の克服」と「東京一極集中の是正」を図る地方創生を推進し、「とくしま回帰」の流れを生み出すためには、創意工夫を凝らした「移住促進策」を実践することが重要であります。
 中でも、県外在住の「移住希望者」の目線に立ち、「住まい」や「しごと」、「生活」といった様々な相談に一元的に対応する「ワンストップ窓口」の戦略的な設置が不可欠であります。
 そこで、八月に開設した徳島駅前の「とくしまジョブステーション」内の「とくしま移住交流促進センター」に続き、本日、東京・有楽町駅前の「東京交通会館」内に、「移住コンシェルジュ」を配置した「住んでみんで徳島で!移住相談センター」をオープン致しました。
 さらに、今月十八日には、大阪市内の「シティプラザ大阪」において、認定NPO法人「ふるさと回帰支援センター」が運営する「大阪ふるさと暮らし情報センター」に、月一回の定期的な相談を行うブースを開設致します。
 今後は、それぞれの地理的特性を活かした、身近な「ワンストップ窓口」として、「本県での暮らしの魅力」を情報発信するとともに、相談される方のニーズに沿ったきめ細かな対応を図り、全国の方々から、「移住するなら徳島」と言っていただけますよう、相談から移住、そして定住までの「切れ目のない」サポートをしっかりと展開して参ります。
 また、空き家を「負のストック」ではなく、定住促進に繋げる「貴重な地域資源」として有効に活用するため、全国初となる「空き家判定士」の認証・登録制度を創設するとともに、有識者の皆様に御参加いただき「『とくしま回帰』空き家等利活用推進協議会」を立ち上げ、移住に伴う体験談や具体的な提案など、貴重な御意見をいただきました。
 さらには、来年一月、徳島市内に空き家対策の総合窓口として、新たに「『とくしま回帰』住宅対策総合支援センター」を開設致します。
 今後とも、「地域に眠る宝・空き家」を都会の皆様に魅力ある資源として活用していただき、「住みたい『とくしま回帰』」をより一層加速し、地方創生の全国モデルを目指して参ります。

 次に、「テレワークの推進」についてであります。
 県では、全国屈指の「光ブロードバンド環境」を活かし、在宅勤務やサテライトオフィスの誘致など、ICTを活用したテレワークを推進しております。
 去る十月には、業務を行う「コ・ワーキングスペース」をはじめ、情報交換の場となる「カフェスペース」や「託児スペース」を備えた「テレワーク実証センター徳島」を開設致しました。
 本格導入の前に、試験的にテレワークの実施を希望する企業や、育児、介護などの理由から在宅就業を検討されている皆様の「お試しの場」として活用いただき、テレワークの一層の普及を図るとともに、各種講座の開催を通じ、テレワーカーの養成にしっかりと取り組んで参ります。
 さらに、テレワークにより、都市部の仕事を地方で行う環境を整備するため、企業、自治体、NPO法人などによるコンソーシアムが主体となる「サテライトオフィス型テレワーク実証事業」の公募を実施し、三つの事業を選定致しました。
 このうち、海陽町においては、遊休施設を拠点に、町と県内外の企業が連携し、サテライトオフィス誘致に向けた体制を構築するなど、地域の雇用確保や移住促進に向けた取組みが進められております。
 今後とも、テレワークの推進により、「多様な働き方」の実現を図るとともに、都市部からの新たな「しごと」と「ひと」の流れの創出にしっかりと繋げて参ります。
 また、女性がその能力を最大限発揮し、充実感を感じながら働くためには、仕事と育児の両立を支援することが重要であります。
 このため、県においては、会員数が五十名以上とされている国の基準を満たす「ファミリー・サポート・センター」の設置を積極的に推進し、この度、全国初、県下全域での展開が実現する運びとなりました。
 今後は、「ワーク・ライフ・バランス」の実現を目指し、新たに病児・病後児預かりをはじめとする機能強化を図るなど、仕事と家庭の両立をしっかりサポートして参ります。

 第二点は、未来を創る!「経済・好循環とくしま」の実現であります。

 まず、「クリエイティブ産業の誘致・推進」についてであります。
 本県では、今後の成長分野として期待されている「スーパーハイビジョン・4K8K関連の産業集積」に向けた取組みを全国に先駆けて推進しております。
 来る十二月四日から六日までの三日間、神山町において、「4K先進県・徳島」を広くPRするため、「とくしま4Kフォーラム二〇一五」及び「4K徳島映画祭二〇一五」を開催致します。
 県内外から多くの事前申込をいただいており、徳島が誇る「光ブロードバンド環境の優位性」に加え、豊かな自然や伝統文化を全国に向け、大いに発信できる絶好の機会であり、本県を体感・体験していただける様々なプログラムを御用意致しております。
 また、4K映像専門の映画祭としては、日本初開催となる「4K徳島映画祭」では、全国から応募があった約六十作品から選ばれた優秀作品二十を含め、約五十作品を上映することとしております。
 スーパーハイビジョンは、「二○二○年・東京オリンピック・パラリンピック」開催に向け、今後、加速度的に普及することが見込まれており、この千載一遇の機会を捉え、映像コンテンツやICT関連の企業・人材など、成長分野として期待される「クリエイティブ産業」の誘致や創業にしっかりと繋げて参ります。

 次に、「セブンーイレブン・ジャパンとの包括業務提携」についてであります。
 来る三日、本県と「コンビニエンスストア業界国内最大手」のセブンーイレブン・ジャパンとの間において、包括業務提携を締結致します。
 今後は、県下八十八店舗の御協力のもと、県産品を活用した包括業務提携記念商品の発売やすだちくんの電子マネーカードの徳島限定発行をはじめ、
 ・県産品の販路拡大
 ・高齢者の見守り活動
 ・災害時の物資調達
など、十分野に及ぶ、協働事業に取り組むことにより、産業の振興や地域の活性化、さらには地域防災の推進など、県民サービスの一層の向上に繋げて参ります。

 第三点は、未来を守る!「安全安心・強靱とくしま」の実現であります。

 本年九月、流域に甚大な被害をもたらした鬼怒川の堤防決壊を受け、直ちに河川堤防の緊急点検を実施し、関係市町や防災関係者と現地情報の共有や水防体制の強化を図ったところであります。
 また、河川内の異常堆積土砂や樹木の状況を調査するとともに、緊急性の高い箇所については、掘削や伐採を実施し、流下能力の向上による災害予防を図るための補正予算案を本議会に提出致しております。
 さらには、雨の降り方の「局地化・頻発化・激甚化」による洪水や、「小雨化」による渇水など、気象変動の「新たなステージ」に対応する「治水・利水条例(仮称)」の策定に向け、条例に盛り込むべき内容について、部局横断的に検討を始めました。
 今後は、「治水・利水を考える議員連盟」のお力添えをいただき、県民や関係者の皆様の御意見をお伺いし、年度内に骨子案をお示しできますよう、着実に取り組んで参ります。

 第四点は、未来へつなぐ!「環境首都・新次元とくしま」の実現であります。

 限りある資源を大切に利用し、環境への負荷が少ない循環型社会を創るため、県では、廃棄物等の
 ・「発生抑制」を図るリデュース
 ・「再使用」を図るリユース
 ・「再生利用」を図るリサイクル
を推進する、いわゆる「3R(スリーアール)」の取組みを積極的に展開しております。
 去る十一月二十一日、福井市で開催されました「第十回3R推進全国大会」において、来年度、第十一回大会の本県開催が発表されました。
 同大会は、国民・事業者・行政が一堂に会し、「循環型社会」に関する情報交換を行うとともに、参加者が自らのライフスタイルを見直す機会を提供することを通じ、3Rの推進に関する理解を深め、「ごみゼロ社会」の実現や「循環型社会」の形成に向けた取組みを推進するものであります。
 今後、国はもとより、県内関係者の皆様と十分に連携し、「環境首都とくしま」に相応しい、そして「徳島らしい大会」とすることにより、「循環型社会」形成に向けた取組みの一層の推進に繋げて参ります。

 第五点は、未来を支える!「みんなが元気・輝きとくしま」の実現であります。

 これまで本県では、「障がい者がつなぐ地域の暮らし『ほっとかない』事業」をはじめとする先駆的な取組みや、福祉的就労における全国トップレベルの工賃水準の確保など、障がい者の「自立と社会参加」に向けた施策を積極的に展開して参りました。
 また、障がい者に関する初の国際条約である「障害者権利条約」が批准されるとともに、来年四月、「障害者差別解消法」が施行されるなど、障がい者の方々の権利擁護が強く求められております。
 こうした状況を踏まえ、障がい者の「権利擁護」及び「自立と社会参加」に関する取組みを総合的に推進するための条例案を本議会に提出させていただきました。
 この条例では、
 ・障がい者の「権利擁護」に向けた体制整備
 ・都道府県初となる、様々な障がい特性に応じた「情報コミュニケーション」の支援
 ・二〇二〇年東京パラリンピック開催を契機として注目が集まりつつある「障がい者スポーツ」の振興
などの取組みを推進して参ります。
 また、去る十月、通勤中の視覚障がいのある男性と盲導犬が、後退するトラックにひかれ、命を落とすという痛ましい事故を受け、こうしたことが二度と繰り返されることのないよう、車両の存在や接近を「歩行者等に知らせる通報装置」が搭載されている場合には、その使用を県民や事業者に求める規定を設けることと致しました。
 今後とも、全ての県民が障がいの有無にかかわらず、相互に人格と個性を尊重し合いながら、「安心して暮らすことのできる徳島」の実現に向け、しっかりと取り組んで参りますので、議員各位の御理解、御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 第六点は、世界に羽ばたく!「まなび・成長とくしま」の実現であります。

 県では、交通条件に恵まれない、離島や山間地の中学校を卒業した生徒に対し、多様な学校選択の機会を確保することを目的として、県立高校総合寄宿舎を設置しております。
 老朽化した施設の耐震化及び居住環境の改善を図るため、昨年度より工事を進め、去る十月十五日に「美馬東部寮」、十月十八日には「阿南寮」の改築が完了致しました。
 これらの施設では、耐震性の確保はもとより、
 ・構造材への県産材の使用
 ・一室あたりの定員を従来の四名から二名とした、ゆとりある室内空間の確保
など、温もりとゆとりを持った生活空間を実現しております。
 今後とも、子どもたちに快適な生活環境を提供することにより、活力に満ちた有意義な高校生活をサポートするとともに、安全・安心な教育環境の充実を図って参ります。

 第七点は、世界を魅了!「大胆素敵・躍動とくしま」の実現であります。

 「徳島小松島港・赤石地区」のコンテナターミナルは、本県の「国際物流の拠点」として、韓国釜山港と週三便、阪神港と週一便、定期コンテナ航路で結ばれております。
 このうち、長錦(シノコー)商船株式会社が運航するコンテナ船一便について、来る十二月四日に本県に寄港する便から、釜山を経由し、中国の天津(てんしん)、大連(だいれん)まで延伸されるとともに、これまでの約二.五倍の規模となる過去最大のコンテナ船が「徳島小松島港」に寄港することが決定致しました。
 これにより、徳島におけるコンテナ貨物の最大貿易相手国である中国と直接、輸出・入が可能となり、荷主の経費の削減や輸送期間が短縮され、「本県経済の活性化」に繋がるものと期待されます。
 今後とも、積極的なポートセールスに取り組み、「大阪湾ベイエリアの入口」としてのポテンシャルを最大限に活かし、既存航路の充実強化や、さらなる「新規航路の開設」を目指して参ります。
 また、先の九月定例会における御論議を踏まえ、道路のみならず、広く陸海空の「交通ネットワーク」の利用促進にも活用するため、「徳島県道路整備利用促進基金条例」の改正案を本議会に提出致しております。
 今後とも、県民の皆様が、「新たな阿波の道」の恩恵を実感し、「夢」を大きく拡げていただけますよう、「陸海空の交通ネットワーク」が飛躍的な進化を遂げた「エポックメイク」の成果を最大限に活用するとともに、さらなる強化に全力で取り組んで参ります。

 次に、今回提出致しております議案の主なものにつきまして御説明致します。

 第一号議案は一般会計、第二号議案は特別会計についての補正予算であり、予算以外の提出案件と致しましては、条例案十三件、負担金議案一件、契約議案一件、その他の案件十二件であります。

 第四号議案は、大学生等の県内における就業を促進し、本県産業を担う人材の確保を図るために実施する奨学金の返還支援に関する事業に要する経費に充てるため、徳島県奨学金返還支援基金を設置するものであります。

 第二十号議案より第二十九号議案は、公の施設の管理・運営に、住民サービスの向上と経費の節減を図るため導入している「指定管理者制度」において、本年度で期間が満了する十施設について、平成二十八年度からの指定管理者を指定するものであります。

 以上、概略御説明申し上げましたが、詳細につきましてはお手元の説明書等を御参照願うこととし、また、御審議を通じまして御説明申し上げたいと存じます。
 十分御審議くださいまして、原案どおり御賛同賜りますようお願い申し上げます。