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平成28年2月徳島県議会定例会知事説明

 本日、二月県議会定例会を招集致しましたところ、議員各位におかれましては、御出席をいただき、誠にありがとうございます。

 ただ今、提出致しました議案の御説明と合わせ、県政に取り組む私の所信を申し上げ、議員各位をはじめ、県民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

 まず、「平成二十八年度当初予算」についてであります。
 中国の景気減速、原油安や円高、さらには、日銀のマイナス金利導入など、景気動向への影響が懸念されております。
 昨年四月の知事選後、初の予算編成となった六月補正予算以降、県内経済を支えるため、切れ目なく、柔軟な予算編成に努めて参りました。
 その結果、「有効求人倍率」は、三十か月連続で、一を超え、過去最高となる一.二八倍となっており、倒産件数についても、過去十年間では、件数、金額ともに二番目に少ない数字となるなど、着実な成果が現れているところです。
 また、国においては、「一億総活躍社会の実現」に向け、子育て支援や介護サービスの充実をはじめ、地方創生の本格展開を図ることとしております。

 こうした国の動きに対応するため、平成二十八年度当初予算は、「『地方創生・本格展開』予算」とし、「地方創生の旗手・徳島」として、「一億総活躍」のモデルを本県から発信し、「日本創成の礎を築いていくんだ」との気概を持ち、本県の取組みをさらに進化させ、「一歩先の未来」を見据えた、徳島ならではの「地方創生」を本格展開して参ります。
 具体的には、
 ・TPPを迎え撃つ「もうかる農林水産業」の具現化をはじめとした、「経済・雇用対策の推進」
 ・大規模災害を迎え撃つ「国土強靱化地域計画」の具体化をはじめとした、「安全・安心対策の推進」
 ・人口減少社会を迎え撃つ「一歩先の未来」を切り拓く新たな処方箋としての「大胆素敵とくしま」の実現
の三つの柱により、総額四千八百五十一億円、平成二十二年度から七年連続の増額としております。
 また、公共事業については、国を上回る伸び率とし、五百八十九億円の予算を確保するとともに、「県単維持補修費」につきましては、今年度比一一〇%となる四十一億円を確保し、県民の皆様の「安全安心の確保」に向け、しっかりと取り組んで参ります。
 さらに、施設の「維持管理」をベースとしつつ、「更新から新設まで」戦略的に整備する「インフラ・マネジメント戦略」を推進するとともに、単独事業の機動性を活かし、不測の事態に即応するための枠予算として、「県土強靱化推進費」を創設し、県民ニーズに迅速かつ柔軟に対応して参ります。
 平成二十八年度は、「課題解決先進県」として、取り組んできた成果をしっかりと踏まえ、「県民目線・現場主義」で「創造力・実行力・発信力」を遺憾なく発揮することにより、名実ともに「地方創生」を先導して参りますので、議員各位におかれましては、御理解、御協力賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

 次に、「政府関係機関の地方移転」についてであります。
 県議会におかれましては、先の十二月定例会・閉会日において、政府関係機関の「徳島移転の実現を求める意見書」を議決の上、翌日、川端議長から、消費者庁、消費者委員会及び国民生活センターを所管する「河野太郎・内閣府特命担当大臣」に対し直接、御要請いただいたところであります。
 去る一月八日には、「関西広域連合」及び「四国知事会」において取りまとめられた要請文を、私から河野大臣にお渡しし、構成団体の総意として、本県への消費者庁等の移転を改めて、強く求めました。
 その際、河野大臣から、これらの熱意を前向きに受け止めていただくとともに、既に御提案いただいております長官はじめ消費者庁・職員による神山町での業務試験を来月十三日の週に、一週間程度行うことに加え、「国民生活センターで実施している教育研修や商品テスト業務を来年度から、徳島へ試験移転したい」との移転実現に向けた実践的な御提案をいただいたところであります。
 これを受け、一月十二日、「徳島県地方創生本部」を開催し、国民生活センターの教育研修や商品テスト業務の試験移転に向け、全庁を挙げ、取り組むよう指示し、翌日には、万全の準備を行うための業務試験移転準備チームを立ち上げ、具体的な検討を開始致しました。
 また、一月二十七日には、「まち・ひと・しごと創生本部」主催の「関係府省庁との意見交換」に私自ら臨み、元総務大臣の増田座長はじめ、「政府関係機関移転に関する有識者会議」の皆様に対し、
 ・全国のモデルとなる消費者行政を展開する徳島において、「消費者目線、現場主義」に立った政策企画を実現し、日本全体の暮らしの安全安心を向上させることが可能であること
 ・「全国屈指の光ブロードバンド環境」を活かした新しい働き方テレワークにより、距離及び時間的障壁を克服することが可能であること
等について、丁寧に説明を行ったところであります。
 今月十二日には、「産学官・金労言」が連携協力の上、受入体制の構築をはじめ挙県一致で徳島誘致の実現に取り組むための新たな組織として「『消費者庁・国民生活センター等』徳島誘致協議会」を立ち上げていただくとともに、「行動宣言」も採択いただきました。
 今後とも、県を挙げて、消費者庁をはじめ、政府関係機関の徳島移転の実現に向け、全力を傾注し、地方創生ひいては日本創成にしっかりと繋げて参りますので、引き続き、議員各位の御理解とお力添えを賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

 続きまして、主な事業につきまして、御報告申し上げます。

 第一点は、地方創生の旗手!「ふるさと回帰・加速とくしま」の実現であります。

 まず、「地方創生の推進」についてであります。
 昨年七月に全国に先駆けて策定した「vs東京『とくしま回帰』総合戦略」を強力に推進し、地方創生をより一層加速させるためには、「県を挙げての取組み」が不可欠であります。
 本年は、総合戦略の「本格実施・元年」となることから、この機を捉え、金融機関の皆様と「とくしま回帰の促進」や「雇用の創出」など様々な分野で連携・協力を図るため、去る二月四日、「株式会社・阿波銀行」並びに「株式会社・徳島銀行」との間で、「vs東京『とくしま回帰』総合戦略」の推進に係る連携協定を締結致しました。
 協定では、「総合戦略」の基本目標毎に、県と金融機関が連携して取り組む「新たな実践策」を盛り込んでおり、これまで以上に連携を密にし、強力に展開して参ります。
 また、「産学官・金労言」の各界代表者が参画する「地方創生『挙県一致』協議会」における御論議や御提言を踏まえ、「総合戦略」の進化を図り、「各世代にわたる東京からの移住」や「地域における仕事づくり」など、「本県ならでは」の施策に、引き続き、挙県一致で取り組んで参ります。
 本年三月末までには、県内全ての市町村において、総合戦略の策定が完了する見込みであり、「市町村版・総合戦略」に盛り込まれた各施策が着実に推進できるよう、「徳島発の政策提言」が実り、国において制度化された「地方創生・推進交付金」等の積極的な活用を図って参ります。
 今後とも、県・市町村で構成する「地方創生に関する徳島県連絡会議」の開催、「カウンターパート」方式による「ワンストップ型」相談等を通じまして、引き続き、市町村の取組みを強力に支援致して参ります。

 次に、「農林水産業の成長産業化」についてであります。
 本年四月、本県待望の農学系学部であり、全国初、六次産業化人材を育成する徳島大学「生物資源産業学部」が設置の運びとなりました。
 去る一月二十九日には、徳島大学との間で、「徳島県農林水産業の成長産業化及び関連産業の振興に関する協定」を締結したところであり、新学部と農林水産総合技術支援センターを中核とした「アグリサイエンスゾーン」を活用し、次代を担う人材の育成や新技術の開発など、さらなる連携を強化して参ります。
 さらには、連携の拠点となる旧農業大学校跡地については、新学部の新たなキャンパスとして活用いただくとともに、民間事業者の誘致を進め、事業者が有するノウハウと大学の持つ最先端技術を駆使した次世代型農業の研究・実証拠点を形成して参ります。

 第二点は、未来を創る!「経済・好循環とくしま」の実現であります。

 まず、「TPPへの対応」についてであります。
 昨年十月、大筋合意に至った、TPPへの対策を効果的かつ戦略的に進めるため、十二月には、県民の皆様の声を踏まえた、百項目に及ぶ「守りと攻め」の対策を盛り込んだ「徳島県TPP対応基本戦略」を全国に先駆け、いち早く策定致しました。
 去る一月二十日には、国の補正予算が成立し、本県が提言しておりました農林水産業の体質強化に向けた新規事業や、弾力的な執行が可能となる事業の基金化など「TPP関連対策」が先行的に措置されました。
 こうした国の予算の最大活用に加え、本県農業産出額の約四割を占める中山間地域や小規模経営体などの皆様に対し、本県ならではの「きめ細やかな」支援を行うことが不可欠であります。
 そこで、この度、既存の県単事業を抜本的に見直すとともに、地域の実情に応じた機動的なTPP対策の複数年にわたる「推進エンジン」として、「本県独自の基金」を設置することと致しました。
 今後とも、「現場の声」をしっかりと受け止め、TPPによる環境変化の下でも、農林水産業をはじめとする地域産業に携わる皆様が、夢と希望を持てるよう、県の総力を挙げて取り組んで参ります。

 次に、「高機能素材関連産業の創出」についてであります。
 軽量で強度が高い高機能素材として、航空機や自動車などへの用途が拡大している「CFRP(炭素繊維強化プラスチック)」や植物繊維由来の次世代バイオマス素材として実用化への期待が急速に高まっている「CNF(セルロースナノファイバー)」は、未来の産業を支える新素材として、様々な分野への応用が注目されております。
 本県では、「CFRP」の製造メーカーや高度なプレス成形などの加工技術を有する企業が多数立地する優位性を活かし、専門技術者の養成をはじめ、木工製品等への新たな用途拡大を推進しております。
 さらに、「CNF」については、この度、「王子ホールディングス株式会社」が、本格的な「実証生産設備」を「王子製紙株式会社・富岡工場」に導入することとなり、サンプルを活用した実用化拠点形成の環境が整ったところであります。
 そこで、この機を逃すことなく、こうした高機能素材を本県の新たな成長産業として活性化させるため、産学官金からなる「とくしま高機能素材活用コンソーシアム」を創設し、高機能素材の「新用途開発」や「活用人材の育成」を進めて参ります。
 今後とも、本県の強みを活かした、県内ものづくり産業の高度化や高付加価値化を図り、「新産業の創出」や「産業競争力の強化」に向けた取組みをしっかりと進めて参ります。

 次に、「企業誘致の推進」についてであります。
 この度、兵庫県に本社を置き、清涼飲料水の製造を行う「キンキサイン株式会社」が、勝浦町の「徳島工場」に、製品開発や管理業務などの本社機能の一部を移転し、徳島における機能拡充を図るとともに、新商品開発のための製造設備を増設し、新たに五名の地元雇用が創出されることとなりました。
 今後とも、立地から操業、増設まで多様なニーズにきめ細やかに対応するワンストップサービスによる誘致活動を積極的に展開し、企業の拠点強化と事業拡大による雇用の確保と地域経済の活性化にしっかりと繋げて参ります。

 第三点は、未来を守る!「安全安心・強靱とくしま」の実現であります。

 まず、「地震津波・防災減災対策の推進」についてであります。
 本年は、徳島における戦後最大の自然災害「昭和南海地震」から七十年の「節目の年」であるとともに、来月十一日には、「東日本大震災」から早や五年を迎えます。
 このため、本年を「防災メモリアルイヤー」と位置づけ、県民の皆様に身近な防災点検を呼びかける「毎月一点検運動」の推進をはじめ、「防災映画祭」や「防災シンポジウム」の開催など、防災意識高揚の絶好の機会を捉え、積極的な啓発活動を展開して参ります。
 併せて、
 ・「少年消防クラブ」や「高校防災クラブ」の活動を通じた、未来を担う防災人材の育成
 ・自主防災組織や消防団の皆様が活躍できる訓練の実施
など、「自助・共助・公助」が一体となった防災力の強化を図って参ります。
 また、「東日本大震災」以降、被害を最小化させる減災の視点を取り入れ、従来に増して防災・減災対策を加速し、「想定外という言葉を二度と繰り返さない」との思いで、全国に先駆けた、
 ・「津波災害・警戒区域(イエローゾーン)」の指定や「国土強靱化・地域計画」の策定
 ・徳島モデルの防災・減災対策として「高速道路を活用した避難場所」や「県立海部病院の高台移転」
に加え、「西部健康・防災公園」の整備を進めて参りました。
 こうした五年間の成果をしっかりと検証するとともに、五年先を見据えた「新たな次元の防災・減災プラン」として、「とくしまゼロ作戦・地震対策行動計画」を三月末までに見直すこととしております。
 今後とも、新たな計画に基づき、ハード・ソフト一体となった対策を全庁を挙げて展開することにより、大規模災害・発災時の「死者ゼロ」に全力で取り組んで参ります。

 次に、交通体系がさらなる進化を遂げる「エポックメイク第二弾」についてであります。
 まず、徳島小松島港につきましては、昨年末、「沖洲(外)地区」において、新しいフェリー・ターミナルが完成し、先月三日に貨物輸送能力を一.七倍に大型化した新造船「びざん」が就航するとともに、秋には、オーシャントランス株式会社の本店が北九州から移転する予定であります。
 加えて、津田地区においては、「インターチェンジの設置」を絶好のチャンスと捉え、地域イノベーションを加速させる「産業拠点」や、水と緑と笑顔があふれる「交流拠点」を位置づけた「活性化計画」を三月末までに策定することとし、平成二十八年度には、水面貯木場の埋め立てに必要な調査に着手して参ります。
 次に、徳島阿波おどり空港につきましては、現在、国を挙げて「観光立国の実現」に向けて取り組んでおり、外国人誘客をはじめ利用促進や利便性向上を図るための、
 ・ボーディングブリッジの増設
 ・国際便に本格対応する税関・入管・検疫施設(CIQ)の整備
 ・大規模災害時における広域応援部隊の活動拠点と しての防災機能強化
など、平成二十八年度から、本格的な建設工事に着手して参ります。
 また、今回の機能強化による徳島阿波おどり空港の受入れ能力向上を見据え、新たな人の流れを加速するため、香港や台湾などからの連続チャーター便の誘致やLCCを含めた路線の充実に向けた「エアポート・セールス」を積極的に展開して参ります。
 さらには、四国横断自動車道につきましては、有料道路区間である「徳島ジャンクション・徳島東インターチェンジ間」におきまして、平成二十五年九月から設計協議を進めてきた結果、去る二月十一日、徳島市川内町「旭野・小松・下別宮地区」の調印式が執り行われ、全ての設計協議が完了したことから、平成二十八年度には、地元関係者との用地取得の協議・交渉を全地区において展開して参ります。
 平成三十一年度には、「マリンピア沖洲」において、四国横断自動車道の「徳島東インターチェンジ」が完成され、南に向けては新直轄区間の整備が進むことにより、「海の拠点」となる徳島小松島港と「空の拠点」である「徳島阿波おどり空港」が高速道路で直結し、「陸・海・空」の交通体系がさらなる進化を遂げることとなります。
 こうしたことから、この年を「ひと」や「もの」の流れが、新しい次元へと飛躍する「エポックメイク第二弾」と位置づけ、徳島の輝ける「一歩先の未来」を切り拓くため、「地方創生」の礎となる社会資本整備に、スピード感を持ってしっかりと取り組んで参ります。

 第四点は、未来へつなぐ!「環境首都・新次元とくしま」の実現であります。

 昨年十二月、フランスで開催された条約締約国会議「COP21」では、京都議定書以来十八年ぶりとなる、温室効果ガス削減の新たな枠組みである「パリ協定」が歴史的な合意に至り、世界は今、「脱炭素社会」に向けた大きな一歩を踏み出したところであります。
 これを受け、我が国では、今春までに「地球温暖化対策計画」を策定するとともに、気候変動対策と経済成長を両立させるべく、「エネルギー・環境イノベーション戦略」を取りまとめ、「水素」をはじめとする「革新的技術の開発」を加速するとの方針が示されました。
 このため、去る一月八日、三十四道府県、二百を超える企業で構成する自然エネルギー協議会会長として、国に対し、自然エネルギーの最大限導入や電力の新たな貯蔵、輸送手段として期待される「水素の利活用技術」の開発支援による地球温暖化対策の推進について、「緊急提言」を致しました。
 また、県におきましては、昨​年八月に「地球温暖化​対策推進計画」の重点​プログラムを改定し、​四年間の集中的な​取組みを進めており、三月末までに、豪​雨や猛暑などの異常気​象による被害リスクを​可能な限り軽減するた​めの「気候変動適応戦​略」の中間報告をとりまとめるこ​とと致しております。
 さらに、「脱炭素社会・元年」とな​る本年は、意​欲的な内容となる、新た​な「温室効果ガス削減目​標」を設定し、我が国の温室効果ガス排出削​減に貢献して参ります。
 今後とも、「自然エネルギー」や「水素」の導入促進をはじめ、温室効果ガ​ス削減の「緩和​策」と、温暖化による被​害軽減を進める「適応​策」を両輪として、「​環境首都・新次元とく​しま」の実現に向け、積​極的に取り組んで参ります。

 第五点は、未来を支える!「みんなが元気・輝きとくしま」の実現であります。

 障がいのある方が、地域で自立し、生き生きと生活していくためには、働く意欲のある障がい者が、その特性に応じて能力を発揮し、地域社会の一員となる機会が確保されることが不可欠であります。
 このため、県では、「徳島県障がい者の雇用の促進等に関する条例」を制定し、「一般就労への支援」を推進するとともに、「福祉施設での就労」における「工賃の向上」の取組みを進めて参りました。
 まず、「一般就労支援」の取組みとして、「ふれあい就職面接会」による障がい者と企業のマッチングや、事業主に特別支援学校の生徒の「働きたい想い」を知っていただくための「ゆめチャレンジフェア」を実施するなど、障がい者雇用のきっかけを提供して参りました。
 この結果、平成十八年度には、全国最下位であった県内民間企業の障がい者実雇用率は、平成二十七年六月一日時点では、二.〇四%と法定雇用率を上回り、全国第十五位へと躍進致しました。
 加えて、今年度は、「チャレンジドとくしま賞」を創設し、職場で活躍されている障がいのある方を「優秀勤労障がい者」として表彰することとしており、さらなる就労支援に努めて参ります。
 次に、「工賃の向上」の取組みとして、統一ブランド「あわのわ」の名のもと、各施設が共同し、
 ・「受注・販売する体制」の構築
 ・アーティストと協働した「芸術性、デザイン性」に磨きをかけた商品開発
などの様々な取組みに加え、障がい者施設で生産された物品等を調達する「障がい者優先調達」にも、県を挙げて積極的に取り組んで参りました。
 この結果、本県の障がい者施設における月額平均工賃は、「全国第二位」の高水準にあり、平成二十六年度には、初めて二万円を超えることとなりました。
 今後は、これまでの取組みをさらに発展させ、
 ・各施設の実情に応じた「きめ細かな指導」
 ・人や社会・環境に配慮した消費行動、いわゆる「エシカル消費」といった新たな視点による付加価値戦略
 ・大都市圏での販売強化
などにより、工賃水準の一層の向上を図り、障がい者の皆様の「自立と社会参加」を促進して参ります。

 第六点は、世界に羽ばたく!「まなび・成長とくしま」の実現であります。

 まず、「六次産業化専門学科の設置」についてであります。
 六次産業化人材の育成を高校段階から推進するため、本県農業教育の中心校である旧徳島農業高校「城西高校」において、平成二十九年四月、「六次産業化専門学科・アグリビジネス科(仮称)」を新設致します。
 ・「阿波藍」をはじめとした、徳島が誇る地域資源の活用
 ・六次産業化に対応した「生産・加工・商品開発・販売」に至る一連の流れの実践的な学習
により、農業・工業・商業を融合した新たな教育を展開致します。
 また、本年四月に新設される、徳島大学生物資源産業学部の「地方創生型の推薦入試・地域枠」において、四名の枠を超え、本県専門高校から五名の合格者が出たところであります。
 今後は、進学に繋がる、六次産業化教育をはじめとした「新たな専門教育」を「城西高校」はもとより、「那賀高校」に新設する「森林クリエイト科」など各農工商設置高校に拡げ、子どもたちの未来を切り拓く、「徳島ならでは」の教育を強力に推進して参ります。

 次に、「中・高校生の文化活動の推進」についてであります。
 本県が誇る「あわ文化」を全国はもとより世界に向けて発信していくためには、郷土の未来を担う若者の手で盛り上げ、次世代にしっかりと継承していく必要があります。
 このため、「阿波藍」、「阿波おどり」、「ベートーヴェン第九」と並ぶ、あわ文化の四大モチーフのひとつである「阿波人形浄瑠璃」につきまして、県内で活動する中学生や高校生が一堂に会する「浄瑠璃フェスティバル」を本年秋に初めて開催することとし、生徒の日頃の成果発表と文化交流を図って参ります。
 また、昨年八月、国登録有形文化財に指定された、城北高校の芝居小屋である「人形会館」の耐震改修に着手し、中学生・高校生・社会人などの世代を超えた活動拠点として、さらに地域に開かれた「阿波人形浄瑠璃普及の拠点」として、積極的な活用・公開を目指して参ります。
 加えて、平成三十年の「近畿高等学校総合文化祭・徳島大会」を見据え、「全国初二度の国民文化祭を開催した徳島こそが全国の文化振興をリードするんだ」との気概のもと、次代の担い手である中学生や高校生の文化力向上に、しっかりと取り組んで参ります。

 第七点は、世界を魅了!「大胆素敵・躍動とくしま」の実現であります。

 まず、夢へのチャレンジとなる「四国新幹線の実現」と「DMVの導入」についてであります。
 「四国新幹線の実現」に向け、大きな渦を巻き起こす推進エンジンとして、県議会の皆様にも御参加いただき、設立されました「徳島県四国新幹線導入促進期成会」の設立記念シンポジウムが、本日、開催の運びとなりました。
 私がコーディネーターを務めるパネルディスカッションでは、国土強靱化や地域間格差の解消の観点から、その必要性や、さらに次世代を担う若者が、新幹線が走る「夢と希望にあふれた四国の未来像」を思い描けるよう、実現に向けた強い思いや期待を発信することとしております。
 今回のシンポジウムを契機とし、県議会をはじめ、経済界や市町村の皆様と力を合わせて、実現に向け、全力で突破口を切り拓いて参ります。
 また、全国に先駆け導入を目指すDMVは、これまで、阿佐東線での「実証運行」や道路と線路の接続施設などの方向性を定めた「駅舎改築基本計画(案)」を策定するなど、準備を着実に進めて参りました。
 この度、DMVの車両や運転保安システムについて、国の一定の技術評価が得られたことから、鉄道事業者や関係自治体からなる「新たな組織」を立ち上げ、導入に向けた取組みを加速させて参ります。
 今後、阿佐海岸鉄道株式会社と手を携え、鉄道施設の変更に係る「鉄道事業法」の手続きを着実に推進し、県南の観光振興や地域経済の活性化の「起爆剤」となるDMVの運行実現にしっかりと取り組んで参ります。

 次に、「ユネスコ記憶遺産申請に向けた取組み」についてであります。
 「ユネスコ記憶遺産」いわゆる「世界記憶遺産」は、文書や絵画、書物など世界的に重要な記録、資料の保護と公開を目的に、これまで日本からは五件の登録がなされております。
 この「世界記憶遺産」に本県の「板東俘虜収容所・関係資料」の登録を目指した取組みを、本年からスタート致します。
 第一次世界大戦期の一九一七年から二○年にかけて、設置されていた板東俘虜収容所は、極めて人道的な運営方針と処遇により、
 ・ドイツ人と地元の人々との心暖まる交流や先進的な技術の伝授
 ・ベートーヴェン「第九」のアジア初演
といった、まさにユネスコの精神「国際平和と人類共通の福祉」が具現化された「奇跡の収容所」であり、ドイツに帰国した元俘虜からも賞賛され、ニーダーザクセン州との友好提携をはじめ、今日に続く国際交流の礎となっています。  
 三月末までには、有識者からなる「調査検討委員会(仮称)」を設置し、県と鳴門市の共同で資料の調査・研究、申請書作成に取り組み、ドイツとの連携も視野に入れながら、平成三十一年の登録を目指して参ります。

 次に、「東京オリンピック・パラリンピックに向けた取組み」についてであります。
 国においては、「東京大会」に参加する国・地域との「人的・経済的・文化的」な相互交流を図る「ホストタウン」構想を進めており、去る一月二十六日、交流相手国をドイツとする本県の取組みが、第一陣として、登録されました。
 本県にとって、スポーツ・文化の振興はもとより、地域経済の活性化や国際交流の促進など、「東京大会」は、大きな波及効果が期待できる、絶好の機会であります。
 このため、県におきましては、世界の方々との交流機会を創出し、県民の皆様に大きな活力をもたらす「キャンプ地誘致」を進めており、今月九日には、五日間にわたり、ドイツからハンドボール及びカヌーの関係者を招聘し、県内各地で交流を深めたところであります。
 さらに、「リオデジャネイロ大会」終了後、文化庁が全国展開する、日本の伝統や地域の文化芸術活動の特性を活かした「文化プログラム」を見据えた取組みについても、積極的に展開しております。
 先月三十日には、県立三中学校をはじめ、県内外から約千八百人の合唱参加者をお迎えして、「第九」演奏会を開催し、歌うことの喜びを堪能していただいたところであります。
 二〇一八年の「第九」アジア初演百周年、二〇二〇年のベートーヴェン生誕二百五十年の「メモリアル・イヤー」に向け、「国内外から『第九』を歌うなら徳島で」と言われるよう、魅力あふれる「あわ文化」としての「新たな第九」演奏会を創り上げ、アジア初演の地・徳島から平和の象徴としての「第九」を歌う喜びを全世界に発信して参ります。
 また、二〇一九年から三年連続の国内開催となる、ラグビーワールドカップ、東京オリ・パラ、関西ワールドマスターズゲームズの「三大国際スポーツ大会」は、外国人誘客の大きなチャンスでもあります。
 本県における外国人の平成二十七年の延べ宿泊者数は、これまで最多であった平成二十四年の約四万五千人を大きく上回り、速報値ながら、一月から十一月までの累計で約五万四千人と、初めて五万人を超えることとなりました。
 この勢いをさらに加速させるため、二〇二〇年東京オリ・パラ開催地として、世界中から注目されている東京都と連携し、海外メディアの取材受入れを行い、今年度、国から全国で唯一、三ルートが認定を受けた「広域観光周遊ルート」をはじめ、日本の原風景が残る本県の魅力を効果的に発信して参ります。
 さらに、本県の代表的な観光地や宿泊施設、飲食店の紹介、目的地までのルート検索ができる個人旅行者向け多言語多機能アプリにより、利便性の向上を図るとともに、世界的大規模イベントに対応するため、通訳ボランティア団体の活動を支援するなど、受入環境の整備に努めて参ります。
 今後とも、本県への外国人誘客を通じた徳島からの地方創生の実現を目指し、全力を挙げて取り組んで参ります。

 次に、今回提出致しております議案の主なものにつきまして御説明致します。

 第一号議案より第二十五号議案は、平成二十八年度一般会計はじめ当初予算関連の議案であり、特別会計につきましては、用度事業特別会計はじめ十九会計、企業会計につきましては、病院事業会計はじめ五会計の予算案を提出致しております。
 また、第六十九号議案は、一般会計についての平成二十七年度補正予算案であります。
 国の「一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策」に呼応し、地方創生の本格展開を図るための「地方創生加速化交付金」の活用をはじめ、「防災・減災事業」などの経費を計上し、県内経済や県民生活をしっかりと支えて参ります。

 予算以外の提出案件と致しましては、条例案三十六件、その他の案件七件であります。
 そのうち、主なものにつきまして御説明申し上げます。

 第二十七号議案は、自転車の安全で適正な利用に関する施策や運動を展開することにより、県民が安心して暮らすことのできる地域社会の実現を目指すため、条例を制定するものであります。

 第五十三号議案は、三好地域における、新たな時代に対応した学校づくり及び多様な教育の実現を図るため、「池田高校」、「辻高校」及び「三好高校」の三校を再編する条例改正を行うものであります。

 第六十七号議案は、関西広域連合が処理する事務について、「まち・ひと・しごと創生に関する施策についての基本的な計画」の策定を加えることとし、関西広域連合規約中の関係部分を改正するものであります。

 以上、概略御説明申し上げましたが、詳細につきましてはお手元の説明書等を御参照願うこととし、また、御審議を通じまして御説明申し上げたいと存じます。
 十分御審議くださいまして、原案どおり御賛同賜りますようお願い申し上げます。