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令和2年9月9日(水)9:30~

(北川政策監補)
これより庁議を開催いたします。本日の議題は「令和3年度当初予算編成方針について」でございます。最初に知事からお願いします。

(飯泉知事)
今日の庁議は、来年度の予算編成方針ということで、一部「あれっ」と思われる方もおられるかもしれません。というのは、例年ですと1ヶ月後にするところでありますが、今回、昨年に引き続き1ヶ月前倒しで、これも実は若手の皆さん方を中心に行いました「働き方改革タスクフォース」、その中から予算編成方針をはじめとする予算作業についての平準化、これを是非行ってもらいたいと強い提言があったものですから、今年も定着をさせていくという形で、1ヶ月前倒しで予算編成の平準化、具現化を図っていくところであります。

 さて、先般、4月から6月のGDPは対前年比、年換算で何と28.1%減、大変ショッキングな数字が出されたところであります。ショッキングといっても、コロナの影響を考えると、かなり厳しいものが出るかな、こうした予測があったところでありますので、言い換えると予測どおりのものが出た。国の財政も一気に厳しくなるというところであります。
そうした意味では、来年度、令和3年度の予算編成、国の大きな柱となる骨太方針、この中にも、我々地方が常に求めてきた一般財源総額の堅持、確保、こうしたものが一言も触れられてないところであります。

 全国知事会からも度あるごとに、国に対して何とか来年度、国も地方も厳しいところではありますが、この新型コロナウイルス、特に「WITHコロナ時代」を乗り切っていく、そのためには、それぞれの地域における様々な財政需要にきめ細やかに対応していく必要がある。その意味でも、なんとか一般財源総額の確保、堅持をお願いをする。機会あるごとに言ってきているところでありますが、なかなか厳しい状況ということであります。
昨日はちょうど自由民主党の総裁選挙告示となります。事実上、今の状況でいきますと、自由民主党の総裁イコール、「総理」ということになる訳でありまして、全国知事会としては「総合戦略・政権評価特別委員会」、現在の委員長は宮城県村井知事でありますが、中心に取りまとめていただいた47都道府県のほぼ総意と言っていい「10の提言項目」、これを、3人の候補ご本人に、昨日、各3人とも大変お忙しかったところでありますが、順番でいきますと岸田、石破、菅、この3人に、私も知事会長として、全体の説明などをさせていただいたところでありますが、もちろん一般財源総額の確保、重点項目10のうち、三つあり、そのうちの二つ目にこれがあるわけでありますが、どの候補からもそれに対して、「そのとおりだ」と「堅持をしよう」と言った方は1人もおられないところでありました。

 ということで、来年度の予算編成は大変厳しいものが今から想定をされるところであります。しかし、今では「人口減少」、「災害列島」これに加えて、「新型コロナウイルス感染症対策」、三つの国難に我々は対峙していかなければならないところであります。

 そこでまず、新型コロナウイルス感染症対策、もちろんこの感染症が出て初めての当初予算編成となるものであります。まさに未曾有の国難がその前に立ちはだかってくるところでありますが、しかし何としても「WITHコロナ時代」、これを駆け抜け、そして、「アフターコロナ時代」へ持っていかなければならない、そうした足がかりを作る大きな予算となるところでありますので、「一石二鳥ならず三鳥」とよく言って参りましたが、「四鳥、五鳥」となるような形で、一つの対策が四つ、五つの効果を生む形をこれまで以上に行っていただきたいと思います。

 また、人口減少対策、こちらにつきましては逆に地方に風が吹いてきたところであります。全国知事会をはじめ、地方六団体、常に国に対して、「国・地方協議の場」でも私の方から申し上げているところであります。今回の新型コロナウイルス感染症、いわゆる大都市部でその脆弱さを露呈をしたところであります。
ネットアンケート調査で、特に若い皆さん方の36.1%がもう「地方で転職したい」、また大学生の皆さん、入学をして一度も大学に行ったことがない、ネットの授業しか受けたことがない。しかも、今の大学生っていうのは、大体のライフスタイルといいますか、生活は、学費については奨学金、そして下宿代については親御さんの仕送り、そして生活費はアルバイトで、真っ先にアルバイトが切られたところであります。実家に帰りたい、しかし実家の方には、高齢者のおじいちゃんおばあちゃんもいる、「戻ってくるな」と。どうやって生活をしたらいいんだろう。その結果が20.3%の皆さん方が「大学を辞めたい」っていうこととなりました。
そこで徳島では、いち早く「リスタートとくしま」ということで、是非徳島の大学に入り直さないかと、徳島でいっそこの機会に就職をしないかということで、引越代の20万円、大学編入の場合にはその編入学金についても加え、50万円を上限として支援をする。こうした形で、地方に若い皆さん方が中心となり移り住みたい、地方で仕事をしたい、地方の大学に行きたいと。
そこで、6月4日の全国知事会議におきましては、「新次元の分散型国土の形成」を作り上げていこう、「コロナを乗り越える日本再生宣言」を取りまとめたところであり、具体的には、まずは「中央省庁の地方への移転の促進」、その先陣を切って7月30日、徳島県にいよいよ明治開闢(かいびゃく)以来初となる霞ヶ関の本庁機能、「消費者庁・新未来創造戦略本部」、これがスタートすることとなります。
その次に、2年後、京都府の方に文化庁が移ってくる。こうした流れを各省庁に全て行っていただく必要がある。さらにこれに伴って、大企業ほとんどがその本社が東京にある、これを地方へ分散をしていく。
そして、若い皆さん方の希望となるための地方大学の魅力の向上と、その定員を増やしていく。今、徳島県の大学に行けるいわゆる適齢期の学生さん達が仮に全て、徳島の大学に行きたいと言っても入ることができないんですね。逆に東京都は全ての適齢期の学生さんたち、東京都内の大学に行っても、あと同じ数だけ、枠があるわけでありまして、否が応でも東京へ、大学生の皆さんが集まる仕組みとなっているところであります。これを何としても変えていかなければならない、そうした意味で、大きくここは風が吹いているところであり、昨日、北村大臣の方にしっかりと地方創生第二幕、その2年次目となる令和3年度に向けて、地方創生推進交付金、拠点整備交付金など充実をお願いをしたところでもあります。

 そして、災害列島、こちらにつきましては、これも大きな岐路が来るところとなります。徳島が、全国知事会が提言をし、それが安倍総理の方からやろうということで具現化がなされました「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」7兆円が今年度で終わることになります。
この点についても、3年は短い、是非5年をと、「国・地方協議の場」で安倍総理に直接、骨太方針、これを決めるときに提言をさせていただいたところではありますが、最初は昨年と、全く同じ書きぶりであった。いわばカーボンコピーではないか。逆に、自民・公明両与党の方から我々の提言を受け、「おかしいんではないか」ということとなり、この点について、5年という具体的な数字、これは書かれなかったところではありますが、しかし「量的に上げていく」ということ、「中長期的に対応する」、こうした表現に変わったところであります。
しかし、この災害列島、今回の台風10号はたまたま九州に上陸をしなかったから良かったわけではありますが、全国知事会におきましても、初めての待ち受けの「緊急広域災害対策本部」をこの度、立ち上げたところであり、昨日これを解散をさせていただいたところでもありますが、これからますますこうした巨大な台風、豪雨、さらにはそのときに地震が来る。
避難所では新型コロナウイルス感染症対策を行わなければならない。複合災害は当たり前の時代となったところであります。何としても国土強靱化、防災・減災を進めていかなければならないところであります。国の対策、この期間に関わらず、徳島としてはしっかりとこれに対して取り組んでいく、この方針で臨んでいただきたいと思います。

 こうした三つの国難、何としても乗り越えていく、そうした、令和3年度当初予算の編成となるところであります。そこで、具体的な行い方であります。先ほどの「一石二鳥、三鳥」でなく、「四鳥、五鳥」を狙ってもらいたいと申し上げたところであります。
予算があるから事業ができる、こうしたものが今までの予算の世界の常識であったところであります。徳島では「ゼロ予算事業」をはじめ、「徳島トクトク事業」、さらには「リタイアインフラの活用」、そして究極の予算といわれる「歳出の中から歳入を生み出す」、全てこれらの具現化を図ってきたところであり、今では国もこれに倣う形が進んできているところでもあります。
是非これをさらに徹底をしていただき、また、特に新型コロナウイルス感染症対策、新たな取組みについては是非タスクフォースの皆さん方のご協力をしっかりといただく必要があるところでありますので、この点についても大いに、意を用いていただきたいと思います。

 そして、予算編成のあり方、先ほど、編成方針、1ヶ月前倒しを申し上げたところであります。さらなる平準化を図っていくといった意味で、2年次目となるところではありますが、マイナスシーリングの撤廃、あるいは様々なポンチ絵地獄という声が若い皆さん方からあったところでありますので、予算の資料の重点項目化、こうした点についてもしっかりと行っていただくとともに、枠査定、こうした点も執行協議とあわせて、これをきっちりとした制度化になるように行っていただきたいと思います。

 以上、国の情勢、あるいは来年度を俯瞰した予算編成に向けての大きな方針を申し上げたところであります。それぞれの具体的な対策などについては日々刻々、情勢が変わるところとなりますので、そうした点についても、機敏に、そしてアンテナを高く、対応をしていただき、戦略的な、そうした予算編成を行っていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

(北川政策監補)
ありがとうございました。
続きまして、財政課、岡課長から説明をお願いします。

(岡財政課長)
お手元にお配りしておりますA4縦1枚ものの予算編成方針のポイントによりまして具体的な点をご説明いたします。まず資料の中央部、「編成方針」をご覧ください。ただいま知事から基本方針が示されましたように、来年度当初予算は「新型コロナ・人口減少・災害列島」という「三つの国難」打破に向けた施策推進に重点を置いた編成となるところでございます。要求にあたりましてご留意いただきたい点が3点ございます。

 まず1点目が「『三つの国難』対策の推進」ですが、まず新型コロナ対策として、感染収束までの課題対応はもちろんのこと、「アフターコロナ時代」の「新たな日常」の実現に向け、社会変革や地方回帰の流れを加速する施策の発案をお願いいたします。
加えて、「人口減少」や「災害列島」の国難打破に向け、地方創生の新たな総合戦略に基づく施策の展開や、国の「防災・減災、3か年緊急対策」後の動向を注視し、有利な財源を活用しながら、県土強靱化の推進をお願いいたします。
2点目の「異次元の『歳入・歳出改革』」ですが、既存の事業においては特に「アフターコロナ時代」に即したものとなっているか事業見直しの徹底をお願いします。事業見直しに関しては、現場レベルからでは、どんどん積み上げていっているにもかかわらず、なかなか管理職であるとか部局長さんのところでですね、これは現状維持で、というところもあると聞いているところでございますので、是非トップダウンも合わせながら、事業の見直しの徹底を行っていただきたいと思っております。また、施策の実施に予算が伴う固定観念の脱却など、「とくしまスマート予算事業」をさらに進めていただきますようお願いいたします。
3点目の「『働き方改革』の強化」ですが、編成方針の早期発表に加え、事務的、継続的な事業の枠査定の拡大や部局長裁量枠の継続、予算発表資料の重点化などを行うこととしております。
最後、要求基準のところでございますが、維持補修費については前年度比プラス5%とし、それ以外の経費については、マイナスシーリングを撤廃し、全て前年度計上額以内とさせていただいております。その上で新型コロナ対策の特別要求枠「『新たな日常』実装枠」を設定するとともに、タスクフォースの提案を活用して参りますので、現場目線と斬新な発想による事業発案をお願いいたします。また、「事業見直し推進枠」を設け、見直し額の2倍となる新規事業要求枠も確保いたしますので、積極的にご活用ください。
なお、公共事業等につきましては、国の動向を踏まえて別途お知らせをいたします。

 今後のスケジュールでございますが、11月4日を要求書の提出期限とさせていただき、1月中旬ごろに知事査定をお願いしたいと考えております。三つの国難打破と健全財政の両立に向けて、ご協力お願いいたします。私からの説明は以上でございます。

(北川政策監補)
ありがとうございました。ただいまの説明につきまして質問等はございますでしょうか。
本日の議題は以上ですが、ほかに何かございませんか。
それでは以上で庁議を終わります。

(飯泉知事)
それでは新次元の予算編成となるところでありますので、是非、アンテナを高く、そしてきめ細やかに、「一石二鳥、三鳥」ならぬ、「四鳥、五鳥」を狙う、そうした予算編成としていただきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 
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