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平成26年10月23日(木)14:30~

〈司会:妹尾政策創造部長〉
  これより庁議を開催いたします。それでは「平成27年度当初予算編成方針」につきまして,知事からよろしくお願いします。


〈飯泉知事〉
  まずは,9月の定例県議会,こちらも閉会となったところでありまして,いよいよ平成27年度予算の編成作業が本格化していくこととなります。そうなりますと,本県の財政状況,これをまず考えなければいけません。実質公債費比率,昨年度から減少に転じているところではありますが,今年度の実質公債費比率は20.1パーセント。

言うまでもなく18パーセントを超えておりますので「起債許可団体」,全国ランキングからいくとワースト2,この点は依然変わりはない。減少局面に既に入ったことには間違いはないところでありますので,是非,この財政構造改革,これをしっかりと行っていく,既に起債許可団体,ここから脱する方向は見えてきたところではありますが,やはり気を緩めてはいけないということとなります。

  それから,今年は特に「エポックメイクの年」と,このように言わしていただきました。本四高速,10年掛かりましたけど,全国共通料金にようやくなったところでありますし,多くの周年行事が目白押しとなるということで,各方面にプラスの効果を与えるということになっています。しかし,重要なのは次年度ということで,今年はこうした一過性のブームというものもあるわけで,特に総理(大臣)が所信表明で,地方創生のくだりで,「桃源郷という世界が…」というアレックス・カーさんの表現を用いて,海外から来られる皆さん方,徳島県は4割増という話も紹介をいただきました。

確かに,海外から四国にたくさんの皆さん方が入ってきていただいている,こうした流れを国は2020年までに,インバウンド2千万人,でもようやく昨年1千万(人)を超えたところなんですけどね。そうした中で,いかに四国に期待が持たれるのか,しかもこれを一過性に終わらせてはいけないという形があるわけであります。

  また,南海トラフ巨大地震をしっかりと迎え撃つことはもとより,日頃の救急救命医療をはじめとする,様々な医療課題もここにある「安全・安心」対策と,そして,いよいよ「消費税」。再値上げがどうなるのか,「7~9月の経済動向を見るんだ」こうした話があるわけでして,総理の決断がどうなるのか,この点も大きな今後の方向を決める「経済雇用」対策,これらも重点的に行っていかなければならないところであります。

更に徳島では,国が人口減少対策,東京一極集中といったものを自然の流れではなくて,これをなんとか政策として転換をしていこうと本腰に入ってきたところであります。我々はそれを嗅覚的に感じたのかも知れないのですけれど,今年の1月から特に若い皆さん方に「タスクフォース」を作り,これからの徳島県の施策のコンセプトを作っていこうということで,これはドローイング(アンド)マニュアルの菱川氏たちとも共同して作っていただいた結果「vs東京」,新しい価値観を,しかもその対象とする価値基準を東京に対してどうするのか。

今まで東京中心であった価値基準を徳島・地方を中心にする価値基準に切替えていこう,そしてこの人口が東京に集中する,もっというと「ヒト・モノ・カネ・情報」が全てブラックホールのように吸収されていく,そしてこれが地方に還元されない,こうした流れを変えていこう,人口あるいは「ヒト・モノ・カネ」全体でありますが,その流れを「地方回帰」していこうと思っていたところ,第二次安倍改造内閣の中で「地方創生なんだ」「看板施策なんだ」「東京一極集中の是正だ」という形にちょうど時期が一致をしたこととなりました。ということで,我々としては,この「地方回帰」そして地方こそ課題が最初に訪れる「課題先進県」だけであったものを,真っ先にその課題を解決してその処方箋を作り上げ全国に発信をしていく「課題解決先進県」を目指していくんだ,この流れを確実なものにしていくのが次年度ということになります。

  ということで,次年度の予算編成におきましては,こうした流れをしっかりとつかみ取るのはもとより,昨年あるいは一昨年と行って参りました「2月補正予算」これと「当初予算」をセットにしていく形,あるいは今後の消費税の動向によっては「12月(補正)」をどうするのかということもあるわけでして,こうした点も弾力的に,そして国の補正の動きについてもしっかりとアンテナを高くして編成に臨んでいく必要があります。

しかし,ここに一つ大きな課題があります。これは4年に一度訪れてくる,オリンピックではないのですけど,いわゆる地方統一選挙が来年4月に予定をされていて,徳島もその対象の一つ。知事選と県議選が同一選で行われますので,当然のことながら,新たに選ばれた知事,県議の皆さん方に,この予算編成をし,御審議をいただくという形から,当初予算につきましては「骨格予算」になるところであります。ということで,骨格の中身をどうしていくのか,これも大きな課題となるところでありますので,まずは皆さん方としてこうした多くの課題を解決していくための「フルセット」での予算をまず視野に入れてお作りいただく。

そして,そうしたものの中で4月5月を駆け抜けなければいけないものについては骨格といっても,この部分を当初に入れ込んでいく形を取る必要があります。そして,それ以外の政策予算につきましては,知事選・県議選が終わった後の「肉付け予算」という形になってくる,こうした流れといったものをしっかりと踏まえた上で今回の予算編成に臨んでいただくということでは,国の補正予算の動向そして12月・2月の補正をどうするのか,これらを含め,そして考える点については従来から唱えてきた「歳出の中に歳入を見出す」究極の手法をあらゆる分野に広げていく,ハード・ソフトともに!ということで,こうした点についてもしっかりと考えていただく中で,やはり国もいうところの「異次元の形」で成果をつかみ取ることのできる予算編成にしていただきたい。

今まで出してきた色々な手法といったもの,全国に先駆けた手法を更に改良・工夫をして異次元の予算編成といった形を打ち出していっていただきたいと思いますので,これにつきましては,各部局そして経営戦略部,こうしたところをしっかりとかみ合わせて作り上げていただきたいと思います。私の方からは以上です。


〈司会〉
  ありがとうございました。ただ今,知事から「予算編成方針」についてお話がございましたが,財政課長から具体的な説明をお願いいたします。


〈秋川財政課長〉
  平成27年度の予算編成方針につきまして,御説明申し上げますのでよろしくお願いいたします。資料は,3種類御配布してございますが,まずは編成方針の全体像を図示しました「平成27年度当初予算編成方針のポイント」,次に「平成27年度予算編成方針」,最後に「平成27年度当初予算(骨格予算)要求基準」でございます。

  本日は,「予算編成方針のポイント」に沿って,御説明申し上げます。まず,左上に記載しております「国・地方財政の動向」についてでありますが,総務省が8月の概算要求において示しました「地方財政収支の仮試算」では,地方の一般財源の総額につきまして,平成27年度は,平成26年度と「実質的に同水準を確保する」こととなっておりますが,この概算要求では「危機対応モードから平時モードへの切替えを進めて行くことを基本とする」ということも明記されております。財務省が廃止を求めております地方交付税の「別枠加算」など,今後の国の予算編成においては「地方財政に厳しい目が向けられる」ということが懸念されるところでございます。

  次に,右上の「徳島県の状況」についてであります。先ほど知事からありましたとおり,本県財政は減少基調となっているものの,依然として予算規模に倍する県債残高を抱えております。その償還が大きな負担となっており,平成26年度の「実質公債費比率」につきましては,起債許可団体となる基準でございます18%を越える「20.1%」であります。依然として「全国ワースト2位」となっております。

本県では,平成23年度から25年度までを対象期間といたします「財政構造改革基本方針」について,掲げた目標を全て達成できたところでありますが,国によります地方財政対策の動向が不透明な中,更に,地方創生や人口減少対策など,喫緊の対応が必要な地域課題が山積している中で,持続力ある財政基盤を確立していくためには,なお一層の努力を重ねて行くことが必要であると考えております。

これらを踏まえまして,「予算編成方針のフレーム」でありますが,まずは,平成27年度当初予算は「骨格予算」として編成することとし,これも知事からありましたが,継続的な事業のほか経済・雇用対策や事前防災・減災対策など,年度当初から「切れ目のない」対応が必要な予算を計上いたします。それ以外の事業に
ついては,知事選挙後に編成する「肉付け補正予算」に計上して,合わせて「通年予算」という形にいたしたいと考えています。

  次に,予算編成の大きな方向性でございますが,厳しい財政状況にあっても,県民サービスの低下を招かないよう,限られた財源の中で「重点的・効率的・創造的な予算」を編成し,各種施策を効果的に展開することによりまして,(資料中の)矢印の下でございますが「課題解決先進県・徳島」の取組みを加速化するとともに,自立的で持続力のある,「強くてしなやかな財政構造」への進化を着実に図りつつ,本県の共通コンセプトでございます「vs東京」を旗印といたしまして,全国に発信できる「徳島発」の新たな価値の創造に向けて繋げて参りたいと考えております。

  そのための具体的な取組みといたしましては,第一に「県の役割と予算のあり方の再検討」といたしまして,年々山積していく地域課題に,戦略的かつ機動的に対応するため,それぞれの課題に明確な優先順位を付けるとともに,県と国,市町村,関係団体などとの役割分担を見直すなど,取り組むべき施策を絞り込んだ上で,本県の人的及び財政的資源の状況や,本年3月に策定いたしました「財政構造改革基本方針」を踏まえまして,各部局において,最適な予算のあり方の再検討を,くれぐれもよろしくお願いいたします。

  第二に,「積極的な歳入確保対策の推進」といたしまして,国庫支出金や各種団体からの「外部資金」につきまして,先入観にとらわれずに,これまで以上に大胆な活用に努めていただく「県費負担の徹底した低減」はもちろんのこと,大きな事業量の確保を図るとの観点に加えまして,「ふるさと納税」の更なる促進につきましては,各部局それぞれにおいて積極的な取組みを,くれぐれもよろしくお願いいたします。

  第三に,「あらゆる歳出の大胆な『質の転換』」につきましては,「事前防災・減災対策」や「社会資本老朽化対策」などに大きく軸足をシフトしてきました公共事業はもとより全ての歳出について,知事からも「異次元」との話もございましたが,大胆な「質の転換」を徹底していただくとともに,知恵と工夫を凝らし,各部局の業務の中から「歳入」の可能性を見出し,(資料の)真ん中に紹介してございますような成功例を参考にいたしまして,出来るだけ多くの事例を積み重ねていただきたいと考えております。また,地域課題の解決に向けた,本県ならではの「実証実験やモデル事業」を創造し,全国に発信するとともに,国に対する「徳島発の政策提言」に活用することにより,財源の確保にも繋げていきたいと思っておりますので,御協力よろしくお願いします。

  次に,一番下の欄の「要求基準のイメージ」でございますが,平成27年度当初予算の要求基準といたしまして,「政策的経費」につきましては,骨格予算と肉付け予算の何れに計上するかを個々の事業について精査する必要があるため,改めて別に定めさせていただきます。「維持補修費」につきましては,前年度当初予算額以内,「施設管理費」及び「一般管理費」につきましては前年度当初予算額の95%以内,とさせていただきます。また,「公共事業」につきましても,骨格と肉付けの間の配分や,国の動向等を把握する必要があるため,別途お知らせさせていただきます。

  今後のスケジュールについてでございますが,予算編成方針の6ページ,最後に記載しておりますとおり,11月5日が予算要求書の提出締切,そして,知事査定は1月中旬頃を予定しております。なお,本日この後,15時30分から,各部局の予算担当者に対する説明会を開催させていただきます。厳しい財政状況の中,そして不確定要素も多い中ではございますが,予算編成を進めていくということで,創意工夫を凝らし,必要な施策については過不足なく盛り込みつつ,財政の健全化にも引き続きしっかりと取り組んで参りたいと思いますので,どうか御協力賜りますように,よろしくお願いいたします。早口でございましたが,私からの説明は終わらさせていただきます。


〈司会〉
  ありがとうございました。この件につきまして,何かご質問ございますでしょうか。ないようでございます。本日の議題は以上でございますが,他に何かございますでしょうか。ないようでございますので,これをもちまして本日の庁議を終わります。

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