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平成29年1月4日(水)9:30~

〈司会:七条政策創造部長〉
 皆様、新年明けましておめでとうございます。
ただ今から,庁議を開催いたします。
 それでは、知事からごあいさつをお願いいたします。

〈飯泉知事〉
 皆さん、新年明けましておめでとうございます。今回は暦どおり6日間の休みということで、休み足りないという方もおられるんではないかと思いますが、ここから拝見しているとそういうふうには見えない。1月4日御用始めから、全力で駆け抜けるんだ、こうした意欲がみなぎっている、このように見えるところであります。
 さて、年が明けまして、今年は酉(とり)年。干支の酉は、バタバタ羽ばたく「鳥」という字ではなく、「さんずい」をつけると「酒」という字になる。五行と十二支と合わせる十干では、「丁酉(ひのと・とり)」。「ひのと」は甲乙丙丁の丁の字で、「今ある価値観と新しい価値観の激突」を表しています。酉は、お酒という字に表されるように、麹によって新しいものが生まれようとしている。今にも飛び立ちそう。今の価値観、これに取って代わろうとする新しい価値観、あるいは既成概念を打ち破る新しい考え方、こうしたものがまさに噴き出す、これを体感する年と言われています。
 ということで、丁酉の年、これを全体で表すと、これまでの既成概念、価値観が全く通用しない大激突が起こる、大激動の年になる。歴史的に振り返ってみると、歴史の一大変換点、特異点となる、このように言われています。

 世界情勢を見てみると、昨年からその兆候が現れているところです。EUの立役者であったイギリスが、そのEUから離脱する。保護主義に入る。この流れはヨーロッパで止めることができなくなっている。真っ先にイタリア。グローバル化の政権が倒れ、保護主義的政権ができあがる。
 そして何よりも大きいのはアメリカ大統領選挙。トランプ氏が1月20日から就任。世界の警察、グローバリゼーションを提唱してきたアメリカが保護主義に入ろうとしている。月を進めると、3月にオランダ総選挙、4月にフランス大統領選挙、ともに保護主義の候補が勝つだろうと言われている。そしてヨーロッパ、とどめとなるのが9月のドイツ総選挙。圧倒的にメルケル氏が強いと言われたのは、昨年前半までの話。その後、移民政策をめぐり国内世論は真っ二つ。そしてクリスマスになると、移民がテロを起こしたという。まさに今、大窮地に追い込まれている。EUは事実上崩壊してしまう。まさに今までの既成概念、グローバリゼーションが打ち砕かれようとしているのが、今年ということ。
 
 そうした中で、日本、また徳島はどういう羅針盤、方向をもって臨んでいくのか。昨年、オバマ大統領が広島へ、安倍総理が真珠湾へということで、戦後からの新しい流れ、新しい時代を迎えていこうということもありますし、また、プーチン大統領が山口に来るということもありました。成果については様々言われるところでありますが、プーチン大統領が、かつて柔道をしていたものですから、「引き分け」と言った片鱗が今回見えたところであります。しかし、いずれにしても一歩進んだ形になったのではないかと思うところです。こうしたことで、国全体としては、グローバリゼーションと保護主義。この両方を見ていかなければならない。あれだけ大騒ぎをしたTPP問題。グローバリゼーションから二国間協議へと移ろうかと言われているところでありまして、我々としては、攻めと守り、これは、徳島がTPPに関して国に政策提言したそのもの。まずしっかりと守りを固めることで、しっかり攻めることができる。まさに我々としては、他の地域よりも一歩早く行ったところ。そうした成果をしっかりと攻めも守りもとるということが重要となったところだと思います。
 次は、県内に目を移していきたいと思います。まず、この国の統治機構を変える大きなチャンス、きっかけが徳島から始まろうとしています。消費者庁、消費者行政新未来創造オフィスが50人規模で県庁10階へ、いよいよ4月から本格的に展開。我々としては、しっかりと消費者庁の皆様方、またこの新しいオフィスに来られる四国あるいは関西の行政関係者、さらには、経済界、大学をはじめとする高等教育機関、こうした皆様方と消費者行政あるいは消費者教育を、まさに徳島という新たなフィールドを持つことによって、新次元に高く掲げていくんだと。こうした点を、県を挙げて、また挙県一致協議会の皆様方と力を合わせて進めていくことになるかと思います。

 またグローバリゼーション、徳島のものづくりをはじめとするLEDあるいは藍、こうしたものが世界へ勇飛をする。まさに一大チャンスとなるところであります。ドイツのニーダーザクセン州とベートーヴェン第九アジア初演を契機として、平成19年9月に、実は、当時のヴルフ(向こうは連邦制をとっていますので)首相との間で友好交流提携を交わしました。向こうは800万人、徳島県は当時78万人ということで、これを実は、福井県がドイツの州とやろうとした時に、福井県の人口は小さすぎるということで、全体の州と、対等の友好提携を行うことが出来なかったという日本としてはドイツとの関係では苦い経験があります。現に今、ドイツの州と対等に友好提携をしているのは埼玉県、神奈川県、そして徳島が三番目、四番目がお隣の兵庫県、では兵庫、神奈川、埼玉、人口規模を見てみると、決してドイツの州に劣らないところではあります。しかし、ベートーヴェン第九アジア初演、この史実といったものが大変重いものがありまして、当時のヴルフ首相との間で、お互いに本当に進めて行こう、実は当時のニーダーザクセン州は、ドイツの雄州、まあもっと言うと世界でも注目をされる州、州都はハノーバーということもあって、ハノーバーメッセをはじめ、世界的な規模の見本市を行うなど、大変注目をされ、100を超える地域と友好提携をしていました。しかし、ヴルフ首相が州議会で、「友好提携が沢山あるのに、何の成果があったんだ」と、州議会の方から詰め寄られた時に、彼も私と3つ違いだったもんですから、タンカを切りましてね、もう全部やめてしまうと、で州議会で120いくつかあったものを全部辞めてしまって、まず中国に行き、そしてその後に日本に来た。徳島県と友好提携を結ぼうと、「だから頼む」と、いや、だから頼むと言われても困るわけなんですがね、まあこうした経緯もあったところで、丁度、安倍首相と、そしてメルケル首相との間で、日本をパートナー国とする平成20年のハノーバーメッセ、実はこの時には安倍総理が辞めてしまったということがあって、その日にまさに我々は調印を結ぶこととなりました。昼はパワーランチとなった。私は最初に乾杯を一杯しただけで、何も食べずに、何も飲まずに、それはヴルフ首相も同じだったんですがね。これからのドイツと日本との関係どうするんだ、ハノーバーメッセをどうしてくれるんだ、そのまあ因縁といいますかね、当時は日亜の皆さん方、大塚の皆さん方をはじめとして、ドイツに展開をしている徳島の企業の皆さん方とともに、まさに徳島がメインブースを飾り、阿波おどりで各国の首脳を迎えたと、こうした経緯がありました。そしてその時と同じ安倍さんが、また総理を行っているところでありましてね、そして、メルケルさんとの間で、今年3月となるセビット、昔はパソコン展だったわけでありますが、今ではヨーロッパ最大のITの見本市、ここにも是非、徳島は日本で一番電子政府が進んでいると聞いていると、ニーダーザクセン州も是非学びたいと、これはその次の次の首相であるヴァイル首相からも要請を受けまして、セビットにも出展し、そして10周年を迎え、その期間中の4月、再びハノーバーメッセ、徳島がそのメインを飾ることとなります。歴史は繰り返す、そしてさらにこれを進化させる、そういった点では、今回の10周年といったものは徳島、日本が今、東京オリパラといったもので、世界中の注目を集める中で、ヨーロッパの中で旗を挙げるんであればやはりドイツだ、文化であればフランスと、産業であればやはりドイツで旗を上げる「ショウ・ザ・フラッグ」、これを今回は行いたい、万全の態勢で10周年、またセビット、ハノーバーメッセにあたっていただきたいと思います。

 そして今度はもう少し、見方を変えていきますが、こうしたグローバリゼーション、その一番の礎となるのは、やはり県土の基盤。平成31年が第2回目のエポックメイクの年となる。じゃあ第1回目はいつだったか、これは平成27年ということでありました。四国横断自動車道、鳴門ICから徳島ICまで、そしてさらには阿波おどり空港と、松茂のスマートICが結ばれ、空港と高速道路が一体となった。また南海トラフ巨大地震を迎え撃つ、またオーシャン東九フェリーを迎えようということでの沖洲外地区の耐震バース、これが出来上がったのが平成27年3月、まさに本県にとってのエポックメイクの年となりました。そして、次は平成31年、今度はこの沖洲外地区に徳島東ICが31年に完成、さらに、新直轄区間となる津田ICが、県が事業主体となる中で、国ととともに32年開通となるところであり、今、貯木場となっているところがICとなり、さらにストック効果を生み出す一大拠点として生まれ変わろうとしている、こうしたものの胎動が既に、今、吉野川の一番下に高速道路橋の工事が進んで来ているところであり、いよいよ今年から本格的な展開を行ってきているところであります。ということで、この第2弾のエポックメイクに当たっても、おおいに加速していく年が平成29年ということになります。

 また、4月から6月まで四国DC(デスティネーションキャンペーン)があり、全国のJR6社が四国をPRしていただける。ただこのイベントを行うだけではつまらない、こうしたところに上手く合ってきたのが、世界で初の乗り物、鉄路と道路を走るデュアルモードヴィーグル、DMV。いよいよ国の技術評価委員会の方からも一定の条件はあるものの技術的に問題がないとされ、バスと鉄道、この車両を造り合っている企業同士の調整が最終段階を迎えています。この方向性がでれば、いよいよ具体的な、実用化に向けての車両の発注ということになり、実用化のタイムスケジュールが具現化をしようとしているところであります。多くの可能性を秘めたデュアルモードヴィーグル。阿佐東線開業以来一度として、対前年で乗降客数が増えていなかったものが、この実証実験を行ってからは5年連続で対前年増となっているところであり、これが実用化されれば、どれだけの効果があるのか想像にかたくないところでもあります。

 県南地域ということであれば、東日本大震災、この大きな教訓として海辺にある公立の拠点病院を高台移転をする、全国初の公立病院高台移転、海部病院がいよいよ竣工、そして年が明け、今度は開業間近となってくるわけであります。こうした点についても病院局はもとよりのことでありますが、全体としてスムーズに、そしてさらにはソフトの面としては「海部・那賀モデル」。協定をすでに結んでおり、ハード、ソフト両面から県南地域、そして平時、災害時をシームレスに繋ぐ新しい安全、安心の体制を県南地域に創り上げることとなります。

 さらに、イベントとしては、今年、多く目白押しとなります。東京オリパラレガシーといった点で、すでに徳島駅伝が、今日から号砲スタートとなるわけで、2日目となる明日には、初めてとなる小学生特別区間が作られた。長い目で見ながらも東京オリパラに向けての陸上競技、そのレガシーを創り上げていくということであれば、当然、1か月前倒しとなり、3月26日スタートとなる「とくしまマラソン」。第10回目を迎え、ランナーズファースト。特に昨年の第9回大会では、我々は、大変苦い経験をした。このピンチをチャンスに切り替えていく、ランナーズファーストとなる、全国、また世界のランナーの皆さん方にも支持をされる「とくしまマラソン」に持って行くことができればな、またもちろん東京オリパラのレガシーということであれば、すでに文化プログラムがスタートしたわけであります。その提唱者でもある徳島としては、やはり新機軸のあわ文化、これをどんどん発信をしていこう、その筆頭はやはり、来年いよいよ100周年を迎える、ベートーヴェン「第九」アジア初演、今年は2月12日、昨年のホップ、今度はステップということで、「聞く」第九から、「唱う」第九へ、さらには新しいAIであるとか、様々な音響などを駆使をする中で、アスティとくしまで新次元のベートーヴェン「第九」アジア初演に向けての第2弾を打ち出していくことが出来ればと。この流れは当然、3月に行われる「第2回徳島短編映画祭」にも映画音楽という新しい基軸を、手塚治虫さんの作品「展覧会の絵」を活用し、レトロでありながら、しかし、全く新しい新次元のものを行おうと、ここにも徳島ならではのものを打ち出そうと考えているところであります。

 こうした中で、今気になるのは異常気象、地球温暖化。これについても世界がいよいよマラケシュで第1回の脱炭素社会にむけての締約国会議が行われる。脱炭素社会に向けてのテイクオフとなった徳島が、日本のまた全国の先陣を切って、新しい地球温暖化対策、この脱炭素社会を創造していく条例が1月1日全面施行となったところであります。脱炭素という条例、また緩和策としても40%、そして適応策という新しい考え方、三位一体で進めるモデル的なものであります。ぜひこれについても県民環境部だけということではなく、本県全体として、水素グリッド社会とともに、大いに打ち出していただければと思います。

 ということで、後の点を言っていると、まだまだ、あと1時間半ぐらい必要となりますので、そうなりますと皆さんの日程に支障がでてはいけないので。ということで、平成29年幕開けとなりました。皆様方の創意工夫とチャレンジ精神、そして何よりも一歩先の未来を県民の皆さん方とともに歩むんだという決意を新たにしていただく、今日の仕事始めとしていただければ。各職員の皆さま方にも、現場主義、県民目線、そして一歩先の未来に果敢にチャレンジをしていくんだ、是非、そうした気概をお伝えいただくことをお願いし、私の年頭の挨拶とさせて頂きます。今年1年、どうぞよろしくお願いいたします。

<司会:七條政策創造部長>
ありがとうございました。本日の議題は以上ですが、他に何かございませんか。
それでは以上で庁議を終わります。

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